映画レビュー「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」
ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~
◆プチレビュー◆
パロディ満載でおくる英国発の田園アクション・コメディ。エッジが効いたギャグが楽しめる。 【70点】
ロンドンのエリート警察官エンジェルは優秀すぎて署内で疎まれアッサリと地方に左遷。のどかな郊外の村サンドフォードで浮きまくるエンジェルだったが、謎の殺人事件が起こり、一見平和な村の意外な姿が明らかになる…。
映画好きのクリエーターというのは、一度は、自己チュー全開の作品を作るもの。そんな映画を見るときは、作った側の映画愛にふさわしく、とことん楽しむのが正しいお作法だ。“ホット・ファズ”とは、サツ、デカという警察官を指す言葉。俗語だが、ちょっとカッコいいニュアンスを感じておきたい。
パロディのベースにある映画は「ハート・ブルー」と「バッド・ボーイズ2バッド」の2本。どちらも「この映画が好き!」と公言するのがちょっぴり恥ずかしいところがミソだ。エンジェルは犯罪とは無縁な村の警察署内で、署長の息子でトロいダニーと相棒を組まされる。警察映画マニアのダニーは、優秀なエンジェルの相棒になって無邪気にはしゃぐが、堅物のエンジェルの方も、どこか憎めないダニーに感化されて人間味を増していくから微笑ましい。
徐々に打ち解けていく二人は毎日仕事に励んでいるが、事件といえば、白鳥が逃げたことくらい。平和すぎて村の住人の感覚が麻痺したのか、次々に起こる殺人事件を、誰も殺人とは思わない。「あれはただの“事故”だよ」。脳天気な署員たちに逆にノイローゼ気味になるエンジェルが気の毒だ。もしや自分は正気を失ってしまったのか?!「やっぱり何かおかしい…」と彼がつぶやいたとき、穏やかな村の真実の姿が見え始める。それからは、この映画の怒涛の七変化のスタートだ。ミステリー、ホラー、バイオレンス、ポリスアクション、マカロニウェスタンと何でもござれ。もちろん爆笑バディ・ムービーとしてもイケている。ラストには、日本の怪獣映画への愛まで感じた。
黒のサングラスに防弾チョッキ、口には粋に爪楊枝を加え、ショットガンを手にキメたエンジェルは、まさに“トゥー・バッド”。得がたい相棒に成長したダニーと共に、笑撃の…いや衝撃の死闘を繰り広げる様は、もはや無法地帯だ。村中に飛び散る血しぶきは、結果的に、共同体を支配する旧体制を破壊する序曲となる。ジム・ブロードベントやティモシー・ダルトンなど、英国の渋い名優たちのブチ切れ演技も、むやみな贅沢でシビレてしまう。
アメリカに対する憧れと軽蔑。これこそがヨーロッパの精神風土のキモなのだ。ハリウッドの刑事アクションものを偏愛しているくせに、それを笑い種にするイギリス特有の皮肉もいい。オタク魂を炸裂させつつ、巧みな語り口で映画ファンの心をくすぐってみせる。エドガー・ライトという監督、久しぶりに出会えた愉快な才能だ。彼の繰り出す笑いに共鳴した人は、立派な“映画バカ”である証。のどかさと残虐さ。バカバカしさと面白さ。二律背反が快感すぎて心が引き裂かれそうな私も、やっぱり映画バカである。
(シネマッシモ評価:★5つが満点)オマージュ度:★★★★★
□2007年 イギリス映画 原題「HOT FUZZ」
□監督:エドガー・ライト
□出演:サイモン・ペック、ニック・フロスト、ティモシー・ダルトン、他![]()
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「ウィッカーマン」ね〜(笑)。確かに、この映画、数多くの映画へのパロディ(と同時にリスペクト)で構成されております。終盤の展開には目がテン!でした〜。
「つぐない」と同じ“ライト”という名前の監督ってことに、朝顔さんのコメントではじめて気がつきました。大英帝国の底力でしょうか(爆)。
いろいろな映画へのパロディ、オマージュが込められているとのこと…もとの作品をほとんど知らず、引用もわからなかった(涙)のですが、それでもニヤニヤ、クスクス、ギャハギャハ笑ってしまいました!
「ホット・ファズ」をお楽しみいただいたようで何よりです。
私も大笑いしましたよ、サイコーです!元ネタの映画は資料によると20本以上。分からなくても十分に楽しめる作りになってるところがサスガです。後半のいきなりの銃撃戦がド田舎の町で行われているという可笑しさ。見た人じゃないと分かりません(笑)。
意外にも流血の残酷シーンがグロなのも驚きましたけどネ。

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