シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]
セリフをすべて歌で表現するという大胆なスタイルで映画史に名を残すフランス映画。可憐で繊細な娘を演じる若きカトリーヌ・ドヌーブが美しい。さらに。大作曲家ミシェル・ルグランの楽曲が悲恋物語を美しく彩る。

フランス北西部の港町シェルブール。傘屋の娘ジェヌビエーブと自動車修理工のギイは、恋人同士。ささやかながら幸福な毎日を送る二人だったが、ギイは兵役へ。戦地へと赴くことになる。愛し合いながらも戦争によって引き裂かれ、別々の人生を歩まねばならなくなった男女の悲恋を描く物語だ。

この作品の中に登場するのが、1月6日の、キリスト教のエピファニー(公現節)に食べるとされるフランスの伝統的な菓子ガレット・デ・ロワ。アーモンドクリーム入りのパイで、フェーブ(そら豆の意味)と呼ばれる小さな陶器の人形を入れて焼く。家族や親しい友人同士で切り分け、フェーブが入っていたケーキが当たった人は、祝福を受け、1年間幸福に包まれるという言い伝えがある。

出征前夜にギイと結ばれたジェヌビエーブに、このフェーブ入りのケーキが当たり、金色の紙の王冠をかぶるシーンがあるが、ギイの不在を耐えがたく感じながら、彼の子供を宿してしまったことを知ったジェヌビエーブは、幸運のケーキが当たっても嬉しそうな顔をしないのが印象的だ。彼女に求婚する宝石商のカサールが王冠をかぶるジェヌビエーブに「マリア様のようだ」と言うほど、この時のドヌーブの表情は美しい。

市井の人々の人生を踏みにじる戦争の悲劇を描きながら、決して暗いトーンにせず、全編に甘いムードが漂っているメロドラマの名作だ。この度、デジタル・リマスター版が公開されることになり、作品も再評価されよう。

(出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、マルク・ミシェル、他)
(1963年/仏・独/ジャック・ドゥミ監督/原題「LES PARAPLUIES DE CHERBOURG」)

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