MW‐ムウ‐ [DVD]MW‐ムウ‐ [DVD]
日本が誇る漫画家・手塚治虫の偉大さは確認できても、映画化が成功したとは言い難い。物語は、16年前、ある島の島民全員が死滅した事件を発端に、生存者の壮絶な復讐と、鍵である謎の物質“ムウ”による世界滅亡の危機を描くものだ。話は荒唐無稽だが、善も悪もなく次々に命を落とす登場人物たちに、冷酷な殺人者・結城のどす黒い怒りを感じる。

映画は、アクション・エンタテインメントの方向を目指したようだが、これがマズかった。結城ともう一人の生存者の神父・賀来。二人の断ち切ることのできない絆や歪んだ関係性を掘り下げ、人間ドラマとしてまとめるべきだろう。原作にある同性愛要素を省くなど、弱腰の演出もいただけない。冒頭のタイ・ロケはなかなか見応えがあるが、残念ながらそれを活かす脚本が用意できず、先が続かない。懸命にワルを演じる玉木宏が痛々しいが、彼の美しさを称えるイメージビデオのようになってしまっては、ファンにはいいかもしれないが映画として評価できない。巨匠・手塚治虫の作品の中で最大の問題作を映画化することは、容易ではない。
【45点】
(日本/岩本仁志監督/玉木宏、山田孝之、石田ゆり子、他)
(ピカレスク度:★★★★☆)

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