南極料理人 [DVD]南極料理人 [DVD]
人が心から楽しみにしている“ごはん”には、こんなにも力があるものなのか。南極を舞台にした異色グルメ映画だが、背景には、家族への思いや仕事の誇り、非日常的空間での人間関係などがあり、見所満載だ。1997年、海上保安庁の調理担当・西村は、南極越冬隊のコックとして、南極ドームふじ基地に派遣される。娯楽が少ない隊員たちには食事は何よりの楽しみで、西村は限られた食材で、時に豪華な、時に素朴な料理を作り、彼らの要求に応えていく。

ロケは南極ではないと知っていても、平均気温マイナス54度の空気はちゃんと伝わってくる。食材は缶詰や冷凍食品なのに、料理はどれも極上に見える。特に、知恵を絞って作った手作りのラーメンの、なんと美味しそうなことか。それを食べる隊員たちの満足そうな顔を見ていると、こちらまで幸福な気持ちになった。この基地では、食事は単なる栄養補給ではなく、各々のストレスを抱えた隊員たちの心を癒す薬のようなものだ。ユーモラスなセリフと演出で個性的な隊員のキャラを活写する手腕が見事だが、極寒の地の閉塞感が人の心を蝕むなど、シビアな側面も。日本に戻って食べる平凡な食事に、主人公が幸せをかみしめるシーンが素晴らしい。家族そろっての食事こそ最高のごちそうだと、私たちに教えてくれる。
【70点】
(日本/沖田修一監督/堺雅人、生瀬勝久、きたろう、他)
(単身赴任度:★★★★★)

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