男と女の不都合な真実 コレクターズ・エディション [DVD]男と女の不都合な真実 コレクターズ・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
美男美女による過激な恋愛バトル。よくあるロマコメだが大人向けにチェンジアップして笑わせる。 【65点】

 TVプロデューサーのアビーは美人で仕事もできるが理想主義が災いして恋人ができない。そんな彼女は視聴率アップのため、下世話な恋愛相談がウリの名物パーソナリティのマイクとコンビを組むことに。水と油の二人だったが…。

 男と女の恋愛観には、深くて広い溝がある…かどうかはさておき、理想像が異なることは間違いない。本作は、白馬の王子様を夢見るヒロインが、恋人をゲットするため、男女の価値観のズレを学びつつ男好みの女に変身する大人の恋愛指南書だ。とりわけセックスに関してはかなり過激であからさま。男女で最も温度差があるこの問題にズバリ言及する“勇気あるロマコメ”なのだ。

 美人だが色気不足、仕切り屋のくせにロマンティスト。そんなアビーが望む恋人とは、頭がよくて上品な美形、有意義な仕事をしていて、互いに向上できる相手だ。いい年こいて臆面もなくこんな青写真を口にできるのは、アビーが相当にイイ女だからだが、ほぼ彼女の理想である医師のコリンはなかなか振り向いてくれない。そんなアビーにキッパリとダメだしするマイクの言い分はこうだ。「理想の男をゲットしたければ、男好みのオンナになれ」。仕事と恋の裏取引が成立した二人は、とことん男目線でアビー改造計画に着手する。自分が望むものを得るために相手が望むものを知る。精神論より肉体重視のその戦略はあきれるほど露骨なのだが、恋愛成就への最短コースを爆走し、みるみるセクシーになるアビーの美しさは否定できない。

 なんだかんだ言っても、恋のスタート地点はやっぱり見た目。男の興味は女のカラダと断言するのが、ワイルドで肉食系のジェラルド・バトラーだからなるほど説得力がある。そのバトラーにハジケた演技で応戦するのが新・ラブコメの女王こと、キャサリン・ハイグルだ。上品なブロンド美人なのに、なぜか下ネタ系コメディが似合うこの女優、劇中のディナーの場面は、ここまでやるか?!の熱演ぶりでビックリである。女優生命を賭けた(?)過激なシーンは、下半身直撃型のこの映画の一番の笑い所。はたしてアビーの努力は実るのか。

 過激なトークが満載だが、そこはロマンティック・コメディ。対立していた男女はやがて惹かれあい、めでたく結ばれる。前半の艶笑シーンとは対照的に、後半はしおらしい純情路線になり、終わってみればオーソドックスな恋愛映画に納まった。とはいえ、毒を仕込んだラストは見逃せない。男の手の内をさんざんバラしたマイクが、めでたくベッドインしたアビーに対し「今のは本気?」と聞いてもアビーの答えは「教えない」。だって感じるフリをしろと言ったのは、あなたでしょと言わんばかり。天使と悪魔の顔を持てとは、騙してくださいとのお願いなのだ。これからマイクには存分に悩んでもらうとしよう。
 
 詰まるところ男も女も、それぞれの理想とは、自分にとって都合のいいタイプなのだ。だが、ありのままの自分でいられる相手はその理想から遠くかけ離れていたりする。そんな誰かを好きになってしまうことこそ、恋愛の“不都合”なのかもしれない。今回は、男好みの女になる男目線のパターンだったが、できたら女好みの男に変身する女目線バージョンも見てみたいものだ。2つ合わせれば、パーフェクトな“恋活”映画の出来上がりである。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)恋愛指南度:★★★★☆

□2009年 アメリカ映画 原題「THE UGLY TRUTH」
□監督:ロバート・ルケティック
□出演:キャサリン・ハイグル、ジェラルド・バトラー、シェリル・ハインズ、他

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