笑う警官 [DVD]笑う警官 [DVD]
角川春樹が11年ぶりにメガホンを取ったことが話題のサスペンスだが、社会性より娯楽性が際立つエンタメ映画になっている。札幌市内のアパートで女性警官の変死体が発見される。すぐに元交際相手の巡査部長・津久井に容疑がかけられ、異例の射殺命令までも下される。一連の流れに何かしらの秘密を感じた所轄警部補・佐伯は、信頼できる仲間たちと極秘で捜査を行なうが、彼らはこの事件の裏にある警察内部の隠された闇に踏み込んでいく…。

原作は佐々木譲の「道警シリーズ」の第1作で同名のベストセラー。実際に北海道で起きた警察の汚職事件を基にしているというから、リアリティが感じられる。女性警官殺人事件の犯人に仕立て上げられた巡査、秘密の顔を持つ死んだ女性警官、上層部の思惑や仲間の裏切りなど、登場人物は善も悪もすべて警察というから徹底している。なぜ津久井が犯人にされるのかという謎が事件の鍵となるが、二転三転しながら進む物語には、市民の安全を守る警察の顔はまるでなく、ひたすら金銭と権力に固執する醜い人間模様ばかりで気が滅入る。今や、正義などというものは都市伝説なのか。ジャズを随所に取り入れるなど、大人のムードを醸し出したところや、クライマックスの盛り上げ方など、いかにも往年の角川カラー。だが、最後の最後に見せる意外な人物の“笑い”は、やりすぎではないのか。ほとんど笑顔をみせず沈うつな表情の登場人物たちの中で、若い刑事役の忍成修吾が復活を誓うのがせめてもの救いだ。
【60点】
(日本/角川春樹監督/大森南朋、松雪泰子、宮迫博之、他)
(どんでん返し度:★★★★☆)

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