ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
◆プチレビュー◆
スマッシュヒットを放ったおバカコメディの秀作。少々下品だが、ダメ男たちの友情が微笑ましい。 【65点】

 2日後に結婚式を控えた花婿ダグのためのバチュラー・パーティ(結婚前夜祭)で、親友のフィルとステュ、義弟のアランはラスベガスのホテルでバカ騒ぎする。翌日ひどい二日酔い(ハングオーバー)で目覚めると、部屋はメチャメチャ。さらにダグの姿が消えていた。はたして昨夜何が起こったのか?!

 アメリカのおバカコメディは、本国でヒットを飛ばしても日本ではさっぱりウケない。なぜなら、中身が、米国でしか分からない時事ネタや、英語特有のジョークなど、徹底したドメスティック仕様だからだ。アメリカ人には笑えても日本人には「?」の場面も多い。だが、低予算、スター俳優無しのこの小品は、意外なほどコメディのツボを抑えた作りになっていて、感心させられる。
 
 まず二日酔いという誰でも一度は経験したことのある失態をベースにしたことで親近感を演出。記憶が欠落した部分を追うというミステリー仕立てにしたのもいい。セリフに頼らず、見た目ですぐに分かる“可笑しな出来事”を散りばめたのが何より上手かった。バスルームにいる一匹のトラや、クローゼットの中で泣いている赤ちゃん、抜けた前歯に、盗難パトカーという具合である。しかも、彼らは何やら恐ろしい出来事に係わってしまった…という定番のドラマもきちんと盛り込まれている。

 次第に解き明かされる謎と、新たに沸き起こるトラブル。中国人マフィアとのかけひきや、ストリッパーとの電撃結婚という常識外れのドタバタ騒動も、悪所のラスベガスを舞台にしたことで、ミョーに納得してしまう。そして、ダグの義弟のアランの、抜群に立ったキャラはどうだ。ザック・ガリフィアナキスが怪演する彼ときたら、見た目のあつくるしさとオタクっぽい行動に加え、やることなすこと下品で、ジョークもサムい。そんな彼が“レインマン”になって大活躍してしまうアホらしさ。しかもギャンブルのシーンの撮影は一般人に交じって行ったというから、たいしたものだ。

 映画は、ダメ男たちの応援ムービーだが、近年、こういうジャンルは“ブロマンス”と呼ばれている。ブラザーとロマンスを合わせた造語で、男同士の友情をコミカルに描くものだ。登場人物は、特別な能力もなければ特別にハンサムでもリッチでもない平凡な男たち。でも決して友達を見捨てない。そんな彼らが退屈な毎日からトリップし、少しだけ前向きに変わる。つまり「ハングオーバー!」は、観客皆の共感を呼ぶハートフル・ストーリーなのだ。

 世界中で大ヒットを飛ばしながら、コメディ不毛の地・日本ではDVDスルー寸前だったこの映画。ファンの熱い署名運動によって、ついに劇場公開にこぎつけたというから、その勇敢な道のりもフルっているではないか。おまけにゴールデン・グローブ賞では、なんとコメディ・ミュージカル部門の作品賞まで受賞してしまっているのだ。ファンの口コミ、恐るべし!付け加えると、エンドロールの映像が最高に可笑しいので必見。でも、これを最初に見つければすべて解決したんじゃないの?!…いやいや、それは言わないお約束である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ドタバタ度:★★★★☆

□2009年 アメリカ映画 原題「THE HANGOVER」
□監督:トッド・フィリップス
□出演:ブラッドリー・クーパー、エド・ヘルムズ、ザック・ガリフィアナキス、他

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