GANTZ [DVD]GANTZ [DVD]
現在も連載中の人気コミックを原作とする物語は、独創的で不条理な世界で苦悩しながら戦う2人の青年が主人公。物語は前・後編で描かれる。存在感が薄い大学生・玄野は、ある日、幼馴染の加藤と出会う。地下鉄の線路に転落した酔っ払いを助けようとして電車に轢かれ命を落としたはずの2人は、気付いたら見知らぬマンションの一室にいた。そこには2人と同じように死んだはずの人々が集まっていた。彼らに与えられたミッションは、部屋の中央に置かれた謎の球体“GANTZ”の指示に従い、“星人”と呼ばれる異形の敵と戦うこと。やがて熾烈な戦いが始まり、彼らはサバイバルを強いられる…。

2部作で構成される作品だが、これから、というところで終わる前編ではどうにもフラストレーションがたまっていけない。とはいえ、原作は欧米でも人気のコミックとあって、有名なエピソードを散りばめ、原作ファンに配慮している。星人と呼ばれる謎の敵は、どれもどこかトボけていて、ネギ星人やおこりんぼう星人など、人をくったようなキャラばかりだ。生と死をいやおうなく実感できる究極のサバイバルでは、他者を利用しながらのせめぎあいが続く。そんな中、無気力な玄野が次第にいきいきとしてくるのが面白い。就活でも上の空でマニュアル通りの受け答えを繰り返していた彼が、やがて本心から力強く「人にはそれぞれ与えられた役割がある」と言葉にする。セリフは同じなのに、物語が進むにつれて徐々に気持ちが入り、自信に満ちた表情になることで、彼の変化を現す演出が非常に上手い。出演は、命懸けのサバイバルに情熱を傾ける玄野に二宮和也、2人きりの家族である弟の元に戻るため生き残ろうとしながら、無益な争いを避けようとする加藤に松山ケンイチ。若手演技派の競演も魅力のひとつだ。物語は半分終わっただけ。作品の評価は下せない状況だが、虚ろな若者が目標を見出して生を実感する展開は、時代の空気を確かにすくいとっていて、続きに期待が持てる内容だ。ビジュアルはダークでクール。それでいて現実とかけ離れることはない。ラストに登場する山田孝之の役割も含めて、PARTIIが楽しみである。
【50点】
(原題「GANTZ」)
(日本/佐藤信介監督/二宮和也、松山ケンイチ、吉高由里子、他)
(不条理度:★★★★☆)

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