RED/レッド [DVD]RED/レッド [DVD]
オヤジパワー炸裂の過激なアクション娯楽作は、その非常識さが笑いを誘う。荒唐無稽な話に濃すぎる豪華キャストで気合十分だ。元CIAの腕利きスパイのフランクは、今は引退し、年金課の担当者サラと電話で会話するのが唯一の楽しみという静かな生活を送っていた。そんな彼がある日何者かに襲撃される。見事に敵を倒したフランクだったが、どうやら、過去に、ある秘密の任務にかかわった者たちがCIAから狙われているらしいという事実を突き止める。自分がかつて所属し人生を捧げてきた組織から狙われたことがフランクの闘争心に火をつけた。彼はかつて苦楽を共にした仲間たちを招集。元MI6の美人スパイや旧ソ連のスパイも加わって、事態はトンデモない方向へ。平凡な日常に退屈し、刺激のある日々を夢見ていたサラをも巻き込んだ彼らは、巨大な陰謀に立ち向かおうとしていた…。

最近、とかくオヤジ映画が元気だが、とにかくこの作品のオヤジ(一人おばさんもいるが)たちは腕利きな上に個性的なので魅力たっぷりだ。RED(RETIRED EXTREMELY DANGEROUS)とは国家がリストアップしている“引退した超危険人物”を意味するコードネーム。アメリカ中をあっという間に移動するスピーディな展開もすごいが、何しろキャラが立ちまくっている。モーガン・フリーマンが老人ホームで暮らす末期ガンのエロじじい役なら、ジョン・マルコビッチは隠れ家に住むパラノイア、優雅なヘレン・ミレンは実は一流の銃の使い手で、マシンガンやバズーカ砲をぶっ放す過激さだ。特にピンクのぶたのぬいぐるみを抱えたマルコビッチがハマリすぎでコワいほど。この名優は、目つきが独特で、焦点があってないのにそのくせ鋭い眼が、ただならぬ雰囲気なのだ。突然の現役復帰で燃え上がるオヤジたち。ハイテク武器はないけれど、彼らには長年培った特殊工作の華麗なノウハウと処世術がある。しかもそこには、スパイならではの意外なロマンスも。過激なアクションの中には、しっかりと笑いの要素や仕事への誇りも盛り込まれていて、娯楽作としてそつがない作りだ。もっとも、CIAの陰謀の中身はありがちなもので“殺しても死なない”彼らの活躍はかなりムチャクチャ。それでも、原作がDCコミックのグラフィックノベルだと聞くと納得してしまう。「若いモンには負けないゾ!」のオヤジ・パワー炸裂の快作だが、このテのジャンルの映画には無縁に思える英国女優ヘレン・ミレンをキャスティングしたことが功を奏して、洗練された雰囲気に仕上がった。過激でひねりの効いたこのスパイ映画、できれば次々に新メンバーを加えながらシリーズ化してほしいものである。
【65点】
(原題「RED」)
(アメリカ/ロベルト・シュヴェンケ監督/ブルース・ウィリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコヴィッチ、他)
(荒唐無稽度:★★★★☆)

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