幸せの始まりは [DVD]幸せの始まりは [DVD]
ラブコメかと思いきやハジケる笑いは得られず、人間ドラマかと思いきや深みに欠ける。キャストやスタッフは魅力的なのに、物語に観客を引っ張る力がない。女子プロソフトボールチームのキャプテンのリサは31歳。ソフトボールにすべてを注いできたというのに、非情にもチームから戦力外通告を受けてしまう。人生最悪の時に、友人から紹介された男性ジョージとデートすることに。ジョージもまた実の父親から裏切られ詐欺の主犯として訴えられる寸前のどん底状態だった。リサは、愛しているかどうかもはっきりしないボーイフレンドで、花形野球選手のマティのセレブアパートに転がり込むが、ジョージの繊細な優しさに惹かれている自分に気付く…。

最悪の出会いから、最高の恋愛へ。これはハリウッドが昔から得意とするラブコメのセオリーだ。物語はコメディーが上手いリース・ウィザースプーン扮するヒロインのリサが、人生の曲がり角にぶち当たり、どう再生していくかを描いていく。彼女は2人の男性の間で揺れ動くが、リサが何ともはっきりしない性格なら、恋人候補の2人も“悪い人じゃないけれど…”というインパクトのなさだ。プレイボーイで、すべてに軽い男マティには、くったくのない明るさがある。一方、ジョージは、もしかしたら無実の罪で刑務所行きかも…という状態だが、今まで出会ったことがない繊細なタイプ。どちらも、ヒロインを虜にするほどの強烈な魅力は感じられないのだ。普段はキレキレのジャック・ニコルソンも中途半端な存在感でしかない。そもそもジョージが詐欺で訴えられるという設定が、リサの側の物語にまったくからまないので、興味を引かないのだ。名優ニコルソンを活かしきれてないことも含めて、これは脚本のミスという気がする。この物語は、サイアクの状態の時でも、現実から逃げずに、自分の責任で“選択”すれば、きっと幸せのスタートラインが見えるというもの。テーマは至極まっとうなものだというのは分かるのだが、映画の魅力として跳ね返ってこなかった。監督のジェームズ・L・ブルックスは「愛と追憶の日々」でオスカーを獲得した実力者。ふとしたことから人生が違ったものになる物語はこの人の十八番だが、今回は、投資詐欺やスポーツ選手の寿命というネタを恋愛にからめようとしてテンポを悪くしてしまったか。消化不良の感は否めないが、人生に迷うことを責めない“優しい”ストーリーと見れば、味わいを感じるかもしれない。
【45点】
(原題「HOW DO YOU KNOW」)
(アメリカ/ジェームズ・L・ブルックス監督/リース・ウィザースプーン、オーウェン・ウィルソン、ポール・ラッド、ジャック・ニコルソン、他)
(消化不良度:★★★★☆)


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