恋とニュースのつくり方 [DVD]恋とニュースのつくり方 [DVD]
アメリカのTV業界は日本のそれと比べて数倍も厳しい世界のようだが、これはそんな華やかな世界での活躍を夢見る多くの女性へ向けたポジティブな応援映画だ。ほとんどファンタジーに近いのだが、主演のレイチェル・マクアダムスの好感度の高さが映画を救っている。ローカル局をクビになったプロデューサーのベッキーは、憧れのNYで朝番組のプロデューサーに採用される。だがその番組は局から見放された超低視聴率番組。ベッキーは番組を立て直すべく、大御所キャスターのマイクを口説き落とすことに成功する。同僚のアダムと恋に落ち、多忙ながら充実した日々が始まったかに思えた矢先、上司から視聴率を上げないと番組は打ちきると通告されてしまう…。

TV業界を描いた作品は、シリアスな社会派ドラマと、コメディ・タッチのものに2分される。本作は明らかに後者。プライドばかり高い伝説のアンカーマンのマイクのわがままや、元ミスコン女王のベテラン女性パーソナリティのコリーンのお局様的ふるまい、お騒がせなスタッフたちとのやりとりでてんてこまいしながらも、持ち前の明るさとポジティヴ思考で道を切り開くベッキーはエネルギーの塊のようだ。同僚で皆の憧れの的のアダムとの恋愛が、物語上、毒にも薬にもならない内容なのが少々惜しいが、ベッキーときたら、尋常ではないほどワーカホリックで、アダムと甘い時間を過ごしていても、自分の番組のことが頭から離れない仕事人間なのだ。これでは、恋愛が二の次になるのはやむを得ない。そんな彼女が、トラブルを乗り越えてやがて番組を立て直し、スタッフ・チームと絆を深める後半の展開は、まさにウェルメイド。類型的ではあるが、あくまでも自分が手掛ける番組を愛する仕事人間としての彼女をカラリと描いた結末は、ヘタに説教めいたところがない分、すがすがしい。もっともトントン拍子に物事が運ぶところは、シビアなTV業界のおとぎ話に過ぎないが。しかしハリソン・フォードはずいぶん老けた。苦虫を噛み潰したような、気難しい役がお似合いなのだが、大スターの彼はカメオ出演程度におさえて、恋人アダムとのパートをふくらませるなり、ベッキーが悩みを相談できる友人を登場させるなどすれば、より親近感を持てるドラマになっただろう。テンションが高く一途なヒロインは驚くほど打たれ強い。頭が良くて美人であることも必要だが、決してメゲないことこそアメリカで成功する必須条件なのだと実感した。
【55点】
(原題「MORNING GLORY」)
(アメリカ/ロジャー・ミッシェル監督/レイチェル・マクアダムス、ハリソン・フォード、ダイアン・キートン、他)
(前向き度:★★★★☆)

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