塔の上のラプンツェル 3Dスーパー・セット [Blu-ray]塔の上のラプンツェル 3Dスーパー・セット [Blu-ray]
ディズニーの記念すべき50作目は、グリム童話“髪長姫”のヒロイン・ラプンツェルを主人公にしたファンタジー・アドベンチャー「塔の上のラプンツェル」。プリンセス・ストーリーであると同時に、自分の殻をやぶって未知の世界へと飛び出していくという普遍的な成長物語になっている。深い森の中の高い塔の上に住む少女ラプンツェルは、18年間一度も外に出たことがない。びっくりするほど長い、黄金の魔法の髪を持つ彼女は、美しいが怪しげな母親から「外の世界は危険。絶対に出てはダメ」と言われている。ラプンツェルは、毎年、自分の誕生日になると夜空いっぱいに現れる“不思議な灯り”を近くまで見に行くことが夢だった。そんな彼女が暮らす塔に、お尋ね者の大泥棒・フリンが追手を逃れて迷い込んでくる…。

欧州の童話は、その原型は残酷だったり悲劇的だったりと、大人もビックリの内容が多い。“髪長姫”も、なかなかシビアな話だったりするが、ディズニー映画として生まれ変わるとなれば、現代の空気を反映しつつ、ポジティブで魅力的なヒロインであることは絶対条件。美しい映像とうっとりするような音楽も欠かせない。ラプンツェルには出生の秘密があり、母親にはある企てがある。その秘密の象徴が、永遠の美を与える力を持つという長い長い髪の毛だ。本人も時々持て余すこの不思議な髪が、時に塔を降りるロープになり、泥棒を縛るヒモになる。もちろん魔法の効果で、人を癒す薬にも。ラプンツェルは世間知らずだが、想像性にあふれ、また、フライパンを武器に泥棒をつかまえてしまうほどおてんばな女の子だ。何よりいつも好奇心旺盛である。泥棒なのにどこか人が良さそうなフリンを案内役に、ついに塔を脱出するのは、見知らぬ世界への不安よりも期待が勝ったからに違いない。その気持ちこそが冒険への招待状だ。塔の中は居心地がよく、守られてはいるが、そこにいてはラプンツェルが恋焦がれる美しい灯りには決して近づけない。灯りを見るためには、怖い思いやつらい現実にも対峙しなければならないが、それを補って余りある素晴らしい出会いがあるというメッセージは、パーフェクトに前向きなもの。これは、ファンタジーの世界における“脱・引きこもり”のストーリーともいえる。もちろん、そこにはラプンツェルとフリンのロマンスも。恋するときめきや生きる喜びを歌いあげるミュージカルの場面は、ディズニーの独壇場だ。何千ものランタンの灯りが夜空に舞う場面の幻想的な美しさは、まさに映画のマジックで、現時点の視覚効果の頂点といえよう。秀逸なストーリーと映像美で、50作目にふさわしい魅力的な作品になった。
【70点】
(原題「TANGLED」)
(アメリカ/バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ監督/(声)マンディ・ムーア、ザカリー・レヴィ、ドナ・マーフィ、他)
(ポジティブ度:★★★★☆)


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塔の上のラプンツェル@ぴあ映画生活