トゥルー・グリット ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]トゥルー・グリット ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
少女の強い信念と壮絶な旅路に心を揺さぶられる異色西部劇。大型新人ヘイリー・スタインフェルドが圧倒的に素晴らしい。

雇い人のチェイニーに父親を殺された14歳のマティは、復讐を決意し、連邦保安官コグバーンを雇う。お尋ね者のネッドの一味となり逃亡したチェイニーを探し、法の裁きを加えるためだ。腕はいいが酔いどれのコグバーンは最初はマティをはねつけるが、過酷な旅に自分も同行すると言いはるマティに根負けし、彼女と共に行動することに。テキサス・レンジャーのラビーフも加わり、3人の危険な追跡劇が始まった…。

ジョン・ウェインに悲願のオスカーをもたらした名作西部劇「勇気ある追跡」をコーエン兄弟がリメイクするのは意外な気もするのだが、のっぴきならない状況下で“真の勇気(トゥルー・グリット)”とは何かを問う内容は、コーエン兄弟の過去の作品と共通する部分も大きい。一方で、星が瞬く夜空の広がりや雪が降りしきる森の描写など、西部の荒野をゆく3人を見守るような偉大な自然の力を感じさせるあたり、製作総指揮のスティーヴン・スピルバークのカラーも感じる。大酒飲みの保安官役のジェフ・ブリッジス、途中で負傷するラビーフ役のマット・デイモン、父の敵チェイニー役のジョシュ・ブローリンと、名優たちが集まる中、マティを演じるヘイリー・スタインフェルドの存在感は群を抜く。幼い弟やか弱い母に敵討ちはできない。自分がやるしかない。マティは14歳にして、強靭な精神力と、知的で抜け目ない交渉術を身に付けている。大人顔負けのこの少女は、父と二人でどれほど一家を支えてきたのだろう。おそらく彼女には泣いているヒマなどなかったに違いない。絶対にあきらめないマティの信念が、屈強な男たちをついに動かすプロセスが感動的で、やがて迎える敵との対峙を盛り上げる。決して華やかな作品ではない。だが、神話的ともいえる旅を繰り広げ、自らの手で正義をもぎとる少女マティの強い心が見るものの胸を打つ秀作だ。淡々とした後日談が泣かせるもので、本作が復讐劇やロードムービーであるだけでなく、奇妙な友情の物語だったことが分かる。
【80点】
(原題「TRUE GRIT」)
(アメリカ/イーサン・コーエン、ジョエル・コーエン監督/ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、他)
(精神力度:★★★★☆)


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