クロエ [DVD]クロエ [DVD]
この官能サスペンスは、キャスティングが絶妙。話そのものは陳腐でさえあるのに、品格を失わないのはジュリアン・ムーアの演技力のおかげだ。

産婦人科医キャサリンと、大学教授のデビッドは長年連れ添った夫婦。息子と3人で平穏に暮らしているが、夫の携帯電話に女性の写真をみつけたことから、キャサリンは夫の浮気を疑い始め、精神状態が不安定になる。偶然出会った美しい娼婦のクロエに、夫を誘惑させ、その模様を詳細に報告するよう頼むが、そのことは、キャサリンを後戻りできない危険な世界へと導いていくのだった…。

この映画の元ネタはフランス映画の「恍惚」。ファニー・アルダンとエマニュエル・ベアールが演じた危うい関係を、今度はハリウッドの実力派女優ジュリアン・ムーアと、売れっ子若手女優アマンダ・セイフライドが演じている。リメイクだと知らなくても、この物語の“真相”はうすうす分かるだろう。サスペンスや官能という点では弱いのだが、スタイリッシュな映像を撮るカナダの鬼才アトム・エゴヤンは、鏡を効果的に使って美しい心理ドラマとして仕上げている。欲求不満の人妻の夢をかなえる娼婦という単純な構図ではなく、やがて自我と愛に目覚める女の執念がクライマックスで炸裂。その後の、平穏な家族を見て、安易なハリウッド的収束かとがっかりしかけたが、最後の最後にジュリアン・ムーアが後ろ姿を見せたとき、秘めた愛情が垣間見えて物語に含みを持たせた。見開いた瞳が印象的なアマンダは意外にも好演だが、やはりジュリアン・ムーアの存在感でもっている作品だろう。
【55点】
(原題「CHLOE」)
(加・仏・米/アトム・エゴヤン監督/ジュリアン・ムーア、リーアム・ニーソン、アマンダ・セイフライド、他)
(官能度:★★★☆☆)
チケットぴあ


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

クロエ@ぴあ映画生活