奇跡 [Blu-ray]奇跡 [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
“奇跡”を願う子供たちの成長物語の秀作。まえだまえだの2人が自然体で素晴らしい。 【85点】

 両親の離婚により、母の実家の鹿児島で暮らす兄・航一と、父と一緒に福岡で生活する弟の龍之介。二人は、両親が仲直りし、再び家族4人で暮らす日を夢みていた。そんな時、九州新幹線全線開通にまつわるある噂を耳にする…。

 フランソワ・トリュフォー、アッバス・キアロスタミ、そして是枝裕和。彼らに共通するのは、子供の使い方が抜群に上手いということだ。本作でも、主人公の兄弟を演じる小学生お笑いコンビ“まえだまえだ”の演技の素質を見抜いた是枝監督の眼に狂いはなかった。大人びているようで本当はナイーブな兄と、寂しさを笑いに変える力を身に付けた、実はしっかり者の弟。自然体で演じる2人を、大人の俳優たちがしっかりと支え、バランスが絶妙だ。

 離れて暮らす兄弟が願いを託したその噂とは、九州新幹線が全線開業する日、博多発と鹿児島発の2つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間を目撃すれば、すごいエネルギーが発生し奇跡が起きて願いが叶うというもの。列車が行き交う場所・熊本に行こうと、子供だけで始めた無謀な旅行は、見ていてハラハラする。だが、そんな旅はいつだって子供を成長させるのだ。「友だちのうちはどこ?」や「スタンド・バイ・ミー」がそのことを証明してくれている。

 航一と龍之介の背景を丁寧なエピソードで積み重ねたことで、彼らの願いと心の成長がスムーズに感じられる。さらに、懸命に生きる大人の姿も盛り込み、その土地の魅力が立ち上るご当地映画としても第一級の作品になっている。新幹線をあえて脇役に据えたことが、人間ドラマを際立たせた。

 家族が一緒に暮らすには桜島が大噴火すればいいとのトンデモない願いは、旅を通してどう形を変えていくのか。両親の離婚で深く傷つきながらも、自分の力だけではどうしようもないことがあり、それを受け入れることを学んでいく二人。まだ思春期にも満たない少年たちは、仲間との小さな旅を通して世界に思いをはせ、少しだけ、でも確かに大人になった。是枝監督は「冒険から帰ってくる子供を玄関先でさりげなく待っている大人でありたい」と語っている。梅雨の雨の後、紫陽花の花が美しく色づくように、子供と大人、それぞれが小さな希望の花をみつける物語だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)成長物語度:★★★★★

□2011年 日本映画 原題「奇跡」
□監督:是枝裕和
□出演:前田航基、前田旺志郎、大塚寧々、オダギリジョー、他
チケットぴあ


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