X-MEN:ファースト・ジェネレーション 2枚組DVD&ブルーレイ&デジタルコピー(DVDケース)〔初回生産限定〕X-MEN:ファースト・ジェネレーション 2枚組DVD&ブルーレイ&デジタルコピー(DVDケース)〔初回生産限定〕
人気SFシリーズ「X-MEN」の起源をひも解く物語は、非常に内容が濃く満足感が味わえる。超絶アクションでありながら、同時に心を打つドラマ性も兼ね備えた秀作だ。

国際情勢が緊迫する1960年代。強力な精神遠隔感応(テレパシー)を持つ青年チャールズは、金属を自在に操る磁力念動を持つ青年エリックと出会う。友情を育んだ二人は、世界各地のミュータントを探して仲間に迎え入れていく。一方で、元ナチスの科学者でエリックの母親を殺したショウが、邪悪なミュータント集団を結成、恐ろしい計画を実行に移していた…。

恐れられ蔑まれたミュータントの深い傷やコンプレックスが、強大なパワーとなって炸裂した結果、怒涛のアクションへとつながるというアイロニカルな展開がこのシリーズの最も味わい深いところ。さらには、異形のものを認めない人間の狭量がミュータントを分裂させていく悲劇は、歴史とも深くリンクしていて考えさせられる。「イージー・ライダー」の中に「人は、個人の自由には賛成するが、自由な個人の存在を怖がる」とのセリフがある。それはそのままミュータントが信じられず排除しようとする本作の人間たちの姿に重なって見える。

後にプロフェッサーXとなるチャールズと、マグニートーになるエリックは、まるでコインの表と裏のよう。名門出身のチャールズは、人の心を読むことでその悲しみや痛みを知り、人類との戦いを避けようとする。一方、ナチスから母を殺され復讐だけを支えに生き抜いてきたエリックは、人間を支配する武器を操り力を誇示する能力を持っていた。人類から迫害されるミュータントを救うという目的は同じでも、道がまったく違ってしまったのは、出自の違いと共に、授かった能力の差異でもあった。時代背景に米ソ冷戦やキューバ危機という史実を違和感なくからませたストーリーが見事で、一瞬も飽きさせない。同時に、後の三部作に登場する魅力的なキャラクターたちの誕生秘話もしっかり描いていて、あのウルヴァリンもチラリと顔を見せてくれるから嬉しい。プロフェッサーXが車椅子の身になった理由、ヘルメットを被るマグニートーの姿、ミュータントたちの分裂の謎。それらに鮮やかに答えてくれる本作は、若きミュータントたちの青春群像でもある。アメコミの映画化は数多いが、現時点では「X-MEN」が最高峰だと思っている。共に最上級の能力を認め合いながらも決裂せざるをえなかった若者二人の運命をドラマチックに描いた本作を見て、それは確信へと変わった。
【85点】
(原題「X-MEN: FIRST CLASS」)
(アメリカ/マシュー・ヴォーン監督/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコン、他)
(ドラマチック度:★★★★★)
チケットぴあ



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