SUPER 8/スーパーエイト [DVD]SUPER 8/スーパーエイト [DVD]
どこか懐かしい作風にはスピルバーグ映画へのオマージュが満載。「SUPER 8/スーパーエイト」は、SF大作であると同時に、映画への愛を描いた作品だ。

1979年、オハイオ州の田舎町に住む少年ジョーは仲間たちと8ミリカメラでの映画作りに熱中していた。深夜の駅で撮影していた彼らのそばで貨物列車の衝突事故が発生。脱線した貨車には“米国空軍”の文字があり、空軍施設・エリア51から“何か”を極秘に輸送していたのだ。事故を目撃した子供たちのカメラには、一部始終が記録されていた。それ以来、平穏な町は封鎖され、ジョーたちは、真実を探しに行くことを決める…。

タイトルの“SUPER 8”とは、1965年にコダックが発売したカセット式のフィルム、およびその規格のカメラのことだ。劇中では子供たちが8ミリフィルムでゾンビ映画を作るのに使っていて、そのカメラが偶然にも、政府や軍が隠ぺいする重大な秘密を記録してしまうというわけだ。こうなると国家的陰謀がからむクライムサスペンスを連想するが、物語はノスタルジックな雰囲気と、寂しさを抱えた少年の心の成長を描いて「E.T.」を思わせる。軍がひた隠す“それ”は凶暴な姿をしているが、その出自を知った主人公ジョーは、深い悲しみを感じ取る。子供の喪失感とイノセンスを描くのはスピルバーグの十八番で、J.J.エイブラムスはスピルバーグへの敬意そのままに、母を亡くした少年のピュアな心をストレートに描いてみせた。美少女アリスをめぐる少年たちのライバル意識、親同士の確執、強烈な体験を共有した者だけが持ちうる友情と結束。その延長線上に、悲しみや孤独を乗り越えて生きていく決意があった。ジョーとアリスの心理描写が丁寧で、クライマックスの感動へと自然と導かれる。ストーリーを追いながらも、頭のすみっこで少年たちの映画作りの行方が気になっていたのだが、それにもエンドロールで鮮やかに答えてくれたのが嬉しかった。何よりも、TVドラマの映画化や続編ものばかりの映画界で、ヒットメーカーが手掛けた大作映画が完全オリジナルであるという意味は大きい。
【70点】
(原題「SUPER 8」)
(アメリカ/J.J.エイブラムス監督/カイル・チャンドラー、エル・ファニング、ロン・エルダード、他)
(ノスタルジー度:★★★★☆)
チケットぴあ

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