ツリー・オブ・ライフ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]ツリー・オブ・ライフ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
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◆プチレビュー◆
伝説の監督テレンス・マリックの世界観が炸裂する映像詩。家族とその存在意義を地球の起源まで遡って問いかける。 【70点】

 1950年代のテキサス。オブライエン家の両親と3人の兄弟は、慎ましくも幸せに暮らしていた。だが、長男ジャックは、力こそすべてと考え世俗的な成功を求める厳格な父と、自然を愛し子供たちに精一杯の愛情を注ぐ優しい母の狭間で葛藤し、次第に父への反感を募らせていく。やがて大人になり“成功”したジャックは、深い喪失感の中で、少年時代に思いを巡らせるのだが…。

 人間を大自然の中の一部としてとらえるのは、寡作の映像作家テレンス・マリックの一貫したヴィジョンだ。本作では、家族や信仰、あるいは生と死の意味を、地球や生命の誕生という宇宙的な空間にまで遡って、検証しようと試みる。この実験的なスタイルに唐突感は否めないものの、圧倒的な映像美に包まれれば、いつしかマリックの心象風景に同化していく自分がいた。

 物語の軸となるのは、父と息子の葛藤という、アメリカ映画が繰り返し取り上げてきた深いテーマだ。そこに、ジャックが抱える、父親の音楽の才能と母親の優しい感受性を受け継いだ弟への複雑な感情が混じる。その弟の早すぎた死は、ジャックに生涯消えない絶望感をもたらすのだが、中年期になった彼の記憶の海では、父も母も弟たちも穏やかに存在していた。その場所こそ、過去から未来へと命の絆を受け継ぐ“約束の地”なのだ。

 悩み、迷いながら生きていくしかない人間を見つめるカメラワークは、まさに神の視点。ブラッド・ピットとショーン・ペンという2大スターを得た本作は、決して分かりやすい物語ではない。キューブリックの「2001年宇宙の旅」にも似て、哲学的な物語とめくるめく映像美の間に、生きるとは何かという問いが封じ込められている。混迷する現代に生きる観客それぞれの心の中に浮かび上がってくるのは、その問いの答えではなく、より良い人間でありたいという祈りなのかもしれない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)映像美度:★★★★☆

□2011年 アメリカ映画 原題「THE TREE OF LIFE」
□監督:テレンス・マリック
□出演:ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャスティン、他


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ツリー・オブ・ライフ@ぴあ映画生活