アジョシ スペシャル・エディション(2枚組) [Blu-ray]アジョシ スペシャル・エディション(2枚組) [Blu-ray]
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◆プチレビュー◆
ウォンビンがアクションスターとして新しい魅力を見せる。孤独な男と少女の心のふれあいが切ない。 【65点】

 都会の片隅で質屋を営む男テシクは、過去のある事件から心を閉ざして生きている。隣家に住む孤独な少女ソミは、そんな彼が唯一心を通わせる存在だ。ある日、ソミが麻薬中毒の母親共々、闇組織に誘拐されてしまう。ソミを助けるため、テシクは、ただ1人で犯罪組織に挑むことになるのだが…。

 少女は男をアジョシと呼ぶ。アジョシとは“おじさん”という意味だ。おじさんといっても、演じるのは韓流四天王の1人で甘いマスクが売り物の人気スター、ウォンビンだから、そのギャップが不思議な効果を呼び起こす。案の定、アジョシことテシクは、ただの質屋ではなかった。かつては特殊部隊の要員だった彼は、警察に捕らえられても、難なく抜け出し、犯罪組織の懐へと飛び込んでいく。それは、過去の事件によって妻を亡くして以来、愛と幸せに背を向けた男が、二度と愛する者を失いたくないという心の叫びに従った戦いだ。

 韓国映画は何事につけても過剰なのが特徴だが、本作でも、壮絶なアクションや犯罪組織のムチャな非道ぶり、まるでスーパーヒーローのごとく無敵な主人公と、演出はオーバーヒート気味。クライマックスのソミとテシクのシークエンスは一転して、いきなり感傷的になるなど、不満も多い。だが、アクションスターとして覚醒したウォンビンの魅力が、すべて帳消しにしてくれる。

 「母なる証明」で演技派として開眼したウォンビンは、かつては無垢な少年のイメージで売った人気スターだ。だが今回は深い心の傷を抱えた陰のある男の役。守られる少年から、誰かを守る男への変貌は、俳優としての飛躍でもある。また、鍛え抜かれた肉体で、激しいアクションシーンを、ほとんどスタントなしで努めているのも見逃せない。

 同時にこの俳優、共演者との相性の良さも見逃せない長所だ。敵のベトナム人殺し屋との1対1の対決はまさに“決闘”で、映画の大きな見せ場だが、殺し屋を演じているのが、タイ人俳優のタナヨン・ウォンタラクン。義侠心すら感じるこの魅力的な敵役を得て、ウォンビンの魅力が引き立った。さらに、孤独でけなげな少女ソミを演じる天才子役キム・セロンの素晴らしさは必見。寄る辺ない者同士が惹かれあう“同士愛”のような関係性が、物語の通奏低音となって、アクションだけなく人間ドラマとしての滋味を引き出している。アクションと演技を両立させた切れ味と、共演者との絶妙なアンサンブル。役者ウォンビンの魅力が全開の作品だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)アクション度:★★★★☆

□2010年 韓国映画 原題「The Man from Nowher」
□監督:イ・ジョンボム
□出演:ウォンビン、キム・セロン、キム・ヒウォン、他



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