ホーボー・ウィズ・ショットガン [Blu-ray]クチコミを見る
俗悪であることに徹する、紛うかたなきB級映画「ホーボー・ウィズ・ショットガン」。ルトガー・ハウワーの怪演がみもの。
ホーボー(流れ者)は、職を探してホープタウンという街に降り立つ。だがそこは、犯罪組織のボス、ドレイクが牛耳り、その息子スリックとイヴァンが殺戮を繰り返す、暴力に支配された町だった。警察は組織と通じ、住民は見てみぬふり。ホーボーは一度は痛めつけられ屈辱的な仕事に甘んじていたが、偶然出くわした強盗を反射的にショットガンで射殺したことをきっかけに、悪人どもを次々に血祭りにあげていく。だが、それはドレイクらとの果てしない争いを引き起こし、ホーボーと犯罪組織の対決は、街全体を血に染めていくことになる…。
ホーボーとは、19世紀の終わりから20世紀初頭にかけての不景気の時代、街から街へと列車を無賃乗車しながら渡り歩いた流れ者を指す言葉だ。ホームレスのような存在だが、ロバート・アルドリッチの「北国の帝王」で描かれたように、彼らはどこか誇り高い。ホーボーのイメージは時とともに変化するが、この映画のそれは、もはやそんなこととは乖離し、グラインドハウス(場末の映画館)の刺激的なエロ・グロ路線をひた走る。クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスによる2本立映画「グラインド・ハウス」のフェイク予告編コンテストグランプリ受賞作の長編映画化というだけあって、あの手この手で繰り広げる残酷描写にあきれるばかりだ。首が飛び、胸を切り刻み、ガラスをかじり、局所をショットガンで打ち抜く。セクシーな美女でさえ、無傷ではいられない。この阿鼻叫喚の世界に不思議なほどなじんでいるルトガー・ハウワーという俳優の資質について、改めて考えてしまったりもしたが、低俗映画であることを“正統”とするグラインドハウスにおいては、クドクドと理屈をこねまわすだけヤボ。低評価こそが賛辞と信じる。監督はカナダ出身の新星ジェイソン・アイズナー。苦しゅうない、近う寄れ。そなたをタランティーノ2世に任ずる!
【20点】
(原題「HOBO WITH A SHOTGUN」)
(アメリカ/ジェイソン・アイズナー監督/ルドガー・ハウアー、グレゴリー・スミス、モリー・ダンズワース、他)
(B級魂度:★★★★★)

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