ドラゴン・タトゥーの女 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]ドラゴン・タトゥーの女 デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組) [Blu-ray]
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◆プチレビュー◆
スウェーデン発の大ベストセラーをD.フィンチャーが巧みに映画化。ハリウッドらしいスタイリッシュな作品となった。 【75点】

 月刊誌「ミレニアム」で大物実業家の不正を暴きながらも、名誉毀損の裁判で有罪となったジャーナリストのミカエルに、ヴァンゲル財閥の元会長から仕事の依頼が舞い込む。それは40年前に起きた一族の娘ハリエット失踪事件の真相究明。ミカエルは天才ハッカーのリスベットと共に調査に乗り出すが…。

 女体、髑髏(どくろ)、デジタル機器、そこに流れる濃厚な黒い液体。それらが渾然一体となってエロチックにうごめく、オープニング・タイトルのCGアートが、しびれるほど魅力的だ。これから始まる陰鬱で猟奇的なストーリー
へと、観客は一気に引き込まれるだろう。

 スウェーデン映画「ミレニアム」のリメイクだが、物語の大筋を知っていても十分に楽しめる。何しろ、監督が映像派のデヴィッド・フィンチャーなのだ。凡百のリメイクではない。舞台をアメリカではなく、雪に閉ざされた北欧スウェーデンに据え置いた判断が何より正しかった。40年前に起きた謎の失踪事件には、ナチスの残党の影と数十年に及ぶ名門一族の血塗られた嗜好。さらに、リスベットが背負う過去と現在には、痩身なその体にはあまりにも重く暴力的な運命。物語はおぞましい真実を次々に露にする。

 苦虫を噛み潰したような表情のダニエル・クレイグがミカエルを好演するが、何といってもルーニー・マーラのリスベットが素晴らしい。映画には、目を覆いたくなる陵辱シーンや残酷な描写があるが、マーラはそれらに身体をはって答えた。卑劣な身元保証人の男への逆襲などは何とも胸がすく。

 失踪事件の謎は、ハリエットが残した日記から、ロシア付近で起きた未解決連続猟奇殺人事件とからみあいながら、紐解かれていく。このミステリーそのものは、原作とは異なる展開があるとはいえ、それほど目新しさはない。

 だがリスベットというかつてない造形のダーク・ヒロインの痛快な活躍が、映画を忘れられないものにした。タトゥーとピアスで身を覆っていても、中身は脆く傷つきやすい。タフで理知的、愛らしさを兼ね備えたリスベットの魅力が本作を支えているのだ。終盤には、ドラゴンのタトゥーを隠し、見事に変身したリスベットのコスプレというお楽しみも。無論それは、ミカエルの潔白を証明し、正義を敢行するための彼女なりの儀式。ラスト、少しだけ愛を知ったリスベットの、健気でいたいけなシルエットが胸を打つ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)陰鬱度:★★★★★

□2011年 米・スウェーデン・英・独合作映画 
□原題「THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO」
□監督:デヴィッド・フィンチャー
□出演:ダニエル・クレイグ、ルーニー・マーラ、クリストファー・プラマー、他
チケットぴあ

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