HOME 愛しの座敷わらし スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]HOME 愛しの座敷わらし スペシャル・エディション(2枚組) [DVD]
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ギクシャクした家族が本当の幸せに気付き、再生していく「HOME 愛しの座敷わらし」。昔語りのような素朴さと控えめな癒しが心地よい。

左遷に近い形で東京から岩手へと転勤になった父・晃一に伴い、盛岡郊外の築200年の古民家に引っ越してきた高橋一家。晃一が選んだその家の古さと、突然の田舎暮らしに家族は不満だらけだ。仕事で失敗し職場に居場所がみつけられない晃一、田舎暮らしへの不安と更年期で悩む妻・史子、東京の学校でいじめに遭っていた長女・梓美、喘息持ちの長男・智也、認知症の疑いがある晃一の母親・澄代と、それぞれ問題を抱えていた。そんなある日、晃一以外の4人が、家の中にただならぬ気配を感じる。どうやらこの古い家には“座敷わらし”が住み着いていて…。

原作は萩原浩の小説「愛しの座敷わらし」。座敷わらしとは、東北地方の民間伝承で、子供の姿をした精霊のような存在だ。住みついた家にいるだけで、危害は加えず、ときどき小さなイタズラをしたりする。物語は、都会で壊れかけた家族が、この座敷わらしを受け入れることで、再生していくというファンタジーだ。映画に登場する座敷わらしは3歳くらいの女の子の姿をしているのだが、劇中いっさい言葉を発しない。高橋家の皆もまた、座敷わらしとの距離感を大切にしながら接していく。この控えめな演出が心地よく、一家が自然に変化していくプロセスに好感が持てるのだ。都会が殺伐としていて田舎に行けば癒されるという単純な図式ではないところもいい。その証拠に、会社でも家庭でも存在感が薄かった父・晃一は、職場で仕事への真摯な気持ちをぶつけ、家庭では、素朴な田舎暮らしや、幸運を呼ぶと言われる座敷わらしに頼るのではなく、家族がいてこそ幸せがあるとまっすぐに伝える。それは一家全員が、どこに住もうとも、生きる意味を知り、自信や優しさ、強さを身につけ、本当の家族になることを意味した。「相棒」シリーズで切れ者の刑事を演じる水谷豊が、不器用だが心優しい父親を、ユーモラスに好演している。また、「遠野ふるさと村」に保存されている築200年の本物の古民家の風情や、ロケ地の岩手県各地の緑あふれる風景が素晴らしく、心が洗われるようだった。
【65点】
(原題「HOME 愛しの座敷わらし」)
(日本/和泉聖治監督/水谷豊、安田成美、濱田龍臣、他)
(ほのぼの度:★★★★☆)
チケットぴあ

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