ミッドナイト・イン・パリ [Blu-ray]ミッドナイト・イン・パリ [Blu-ray]
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◆プチレビュー◆
パリを舞台にした幻想的なファンタジー「ミッドナイト・イン・パリ」。ユーモアと皮肉のブレンドが絶妙。 【80点】

 ハリウッドの売れっ子脚本家ギルは、婚約者イネズと共に芸術の都パリにやってくる。作家の夢を捨てきれないギルは、深夜の散歩中に、1920年代の黄金期のパリにタイムスリップ。憧れの作家ヘミングウェイや画家のピカソらと出会う…。

 才人ウディ・アレンがNYの次に愛する都と公言するパリを舞台に、奇想天外にしてロマンティックなファンタジー・コメディーを創り出した。文化・芸術が花開いたゴールデン・エイジのパリで出会うのは、ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソ、ダリ、ブニュエルなど。百花繚乱の天才たちとのおしゃれでアナーキーな会話には、ユーモアと遊び心が満載だ。とりとめのないおしゃべり、そぞろ歩き、自虐的な自己分析といったアレンお得意のエレメントを散りばめて、ウソとマコトが楽しげにシャッフルされる。

 主人公ギルは、コンプレックスを抱えたインテリで、例によってアレンの分身キャラだ。彼は憧れの1920年代で、アドリアナという女性に出会う。彼女はモディリアーニの元恋人で、ピカソの愛人でもあった魅惑的な美女。ギルはたちまち魅了されるが、単純なロマンスへと進まないところがアレンの知的なところだ。現代と1920年代のパリの間で揺れ動くギルは、時代と同様に、婚約者イネズ、芸術家のミューズのアドリアナ、のみの市で出会ったキュートな女性ガブリエルら、魅力的な女性たちの間で揺れ動く。

 俳優たちは今回もまた豪華キャストが集結してにぎやかだ。ギルを演じるオーエン・ウィルソンは、いい意味で軽さがあり、悩める主人公を好演している。何より、アドリアナを演じたマリオン・コティヤールが醸し出す雰囲気がいい。ファンタジックな世界でさまよいながら、幸せを探す主人公に“もうひとつの人生”の素晴らしさと、決して満たされない人生の皮肉の両方を教えるのが彼女なのだ。

 華やかなパリとその周辺の観光スポットをたっぷりと取り込みながら、それを物語に絶妙に生かす美技に酔いしれるのは、観客にとって至福だ。クセがあるコメディ・センスと大量のセリフ、皮肉と自虐が満載のアレンの作品は、見る人を選ぶ。だが本作は、アレン初心者にも優しい、ソフトな作りなので、安心して楽しんでほしい。夜な夜なタイムスリップを繰り返しながら、主人公が知るのは、過去がどんなに素晴らしくても、自分は現在を生きるしかないということ。“今”にこそ希望がある。なかなか筋が通ったメッセージが込められているのだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ロマンティック度:★★★★★

□2011年 スペイン・アメリカ合作映画 □原題「MIDNIGHT IN PARIS」
□監督:ウディ・アレン
□出演:オーウェン・ウィルソン、マリオン・コティヤール、レイチェル・マクアダムス、他
チケットぴあ

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