恋のロンドン狂騒曲 ブルーレイ [Blu-ray]恋のロンドン狂騒曲 ブルーレイ [Blu-ray] [Blu-ray]
屈折した笑いに彩られた恋愛悲喜劇「恋のロンドン狂騒曲」。アイロニカルな視点がいかにもウディ・アレンらしい。

ロンドンに住むアルフィはある日突然老いの恐怖にとらわれ、40年連れ添った妻を捨てて若いコールガールと結婚宣言。妻のヘレナはあまりのショックにインチキ占い師に頼りきりになる。2人の娘のサリーは両親を心配しながらも、勤め先のギャラリーのオーナーに胸をときめかせ、サリーの夫で一発屋の小説家のロイは、向いに住む赤い服の美女ディアに心を奪われる。誰もが目の前の相手に不満をいだき、もっと幸せになれるのではと妄想する中、残酷な現実が近付きつつあった…。

複数のカップルの恋の顛末を賑やかに描くのはウディ・アレンの十八番だが、今回はかなりシニカルなムードが漂うコメディである。恋にときめき、新しい未来に向かって一歩歩み出すことは許しても、その後の現実の厳しさで登場人物を翻弄するのは、懲りない大人たちへ戒め、引いては自分の人生への自虐なのだろうか。前作「ミッドナイト・イン・パリ」のようなファンタジー要素がないだけに、キャラクターたちは現実の壁に直面すれば切実なムードに包まれる。特に、珍しく情けない老人を演じたアンソニー・ホプキンスが、若いコールガールに翻弄されたあげく妻に複縁を頼んで断られるエピソードや、一発屋の作家ロイが出来ごころで盗んだ他人の原稿で大絶賛を浴びた後の顛末は、アレン流のギリシャ悲劇のようだ。年甲斐もなく、恋に右往左往する、彼らのバイタリティーに感心しつつも、野心、成功、盗作、密通など、すべては、アレンに言わせれば、広大な宇宙の営みの塵に過ぎない。どうやらウディ・アレン御大、悟りの境地に達しているようだ。
【55点】
(原題「YOU WILL MEET A TALL DARK STRANGER」)
(米・スペイン/ウディ・アレン監督/アントニオ・バンデラス、ジョシュ・ブローリン、アンソニー・ホプキンス、他)
(シニカル度:★★★★☆)
チケットぴあ

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