LOOPER/ルーパー [Blu-ray]LOOPER/ルーパー [Blu-ray] [Blu-ray]
今の自分と未来の自分が出会う前代未聞のSFタイムトラベルの秀作「LOOPER/ルーパー」。最大の見所は無気力な主人公の心の成長だった。

近未来。開発されたタイムマシンの使用は禁じられ、犯罪組織が殺したい相手を証拠を残さずに消し去るため過去に転送する目的で悪用していた。そこでターゲットを消すのはルーパーと呼ばれる殺し屋だ。凄腕ルーパーとして名をはせるジョーは、ある時、いつも通り単純な仕事として請け負った暗殺の仕事で、何と30年後の自分と対峙してしまう。一瞬、引き金を引くことをためらったジョーの不意をつき“未来のジョー”は街へと消える。「奴を殺さなければ自分が消される!」。必死に追跡し、未来の自分を追いつめたとき、彼がこの時代へ来た驚くべき理由が明かされる…。

学園ハードボイルドの佳作「BRICK ブリック」のライアン・ジョンソン監督と主役を演じたジョセフ・ゴードン=レヴィットが再び組んだ本作は、実にユニークなSFアクションだ。“同じ時に同じ者が同時に存在してはならない”というタイムトラベルのセオリーをあっさりと破ってみせるのが刺激的で、物語には、先読み不能の面白さやスリリングなアクション、そして驚愕の結末が混在する。だが実は、本作のキモは、自分本位に生きていた主人公の心の成長にある。凄腕のルーパーのジョーは、犯罪の闇の世界で生きる男で、殺しの仕事や高額の報酬に満足し、他者と真剣に係わることもない。そんな彼が未来から来た自分のある目的を知ることで、自分がたどる運命を知り、負の連鎖を断ち切ることを決意。さらに愛するものを守ろうとするのだから、泣かせるではないか。ヤング・ジョー役のジョセフ・ゴードン=レヴィットは、オールド・ジョーを演じるブルース・ウィリスに、特殊メイクだけでなく、立ち居振る舞いも意識的に似せていて、芸が細かい。しかも本作が、腕力勝負のアクションではなく、人間の心理をつく繊細な物語である点が、旬の俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィットの個性に合っている。今の自分は未来の自分を殺せるのか?今の自分が未来の自分に殺されたら、未来の自分は存在しないのだから今の自分は死なないのでは?? 数々の「?」が頭をよぎって悩みはつきないが、そんなことよりもストーリーの意外な方向性の面白さにやられてしまった。
【75点】
(原題「LOOPER」)
(アメリカ/ライアン・ジョンソン監督/ブルース・ウィリス、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、エミリー・ブラント、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
チケットぴあ

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