ダーク・プレイス [Blu-ray]
1985年、一家惨殺事件で生き残った8歳の末娘リビーは、15歳の兄ベンの犯行だと証言。ベンは逮捕され終身刑を言い渡された。事件から28年後、荒んだ生活を送っていたリビーは、過去の有名な殺人事件を検証する「殺人クラブ」のメンバーのライルが申し出た、事件について証言してくれれば謝礼金を出すという言葉と報酬に目がくらみ、嫌々ながらクラブの会合に出席。事件について調べ始めたリビーは、徐々に記憶がよみがえる。あの夜、いったい何が起こったのか。当時のベンの恋人ディオンドラの存在、たびたび金の無心にきていた父親、殺された姉の日記…。過去と向き合うリビーは、やがて衝撃の事実へとたどりつく…。

「ゴーン・ガール」の原作者ギリアン・フリンによるミステリー小説「冥闇」を映画化したサスペンス「ダーク・プレイス」。31歳になったリビーが事件の記憶をたどる姿と、事件当時の映像を交錯させながら描く。あの日、見たものとは? いや、見なかったものとは? 定職もなく、支援金も底をついたことでやむを得ず当時の関係者を訪ね歩くリビーの歩みは、いわば、過去の呪縛からの解放の旅だ。心に深い傷を負ったヒロインは、終始、仏頂面で、態度も投げやり、粗末な服装で化粧っ気もない。社会に適応する努力さえしない、孤独で後ろ向きの人間を、とびきりの美女であるセロンが演じているのが興味深い。実は、幼い頃のトラウマという点では、この主人公と主演のシャーリーズ・セロンには共通点がある。何しろセロンは15歳で、アルコール依存症で暴力をふるう実父を実母が射殺するという衝撃的な事件を体験しているのだ。映画は、ミステリーなので詳細は明かさないが、アメリカ南部で流行した悪魔崇拝、大不況と生活苦がキーポイントであるとだけ言っておこう。不自由な刑務所にいる兄ベンは、妹リビーに対して恨み言ひとつ言わず、誇り高さと諦念が同居する。一方、自由なはずのリビーはずっと過去に囚われたかのような人生を生きてきた。彼らが再び前を向くには、どんなにつらくてもあの事件をたどって咀嚼し、乗り越えていくしかなかったのだ。ラスト、リビーは忌まわしい生家を再び訪ねるが、そこに住む少女に小さく手をふる姿に、かすかな希望と未来を感じる。D.フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」のような衝撃はない。だが「サラの鍵」でユダヤ人迫害の真相を描いたジル・パケ=ブランネール監督は、最後に、ずっと暗い場所にいたヒロインにあたたかい光を投げかけている。見ているこちらも救われた気がした。
【70点】
(原題「DARK PLACES」)
(英・仏・米/ジル・パケ=ブランネール監督/シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、クロエ・グレース・モレッツ、他)
(呪縛度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ダーク・プレイス|映画情報のぴあ映画生活