ごひいき映画
2006年08月07日

地獄の黙示録・特別完全版5

地獄の黙示録
地獄の黙示録 特別完全版

オリジナルは1979年に劇場公開、2002年に監督によって未公開シーンを追加した特別完全版が公開された。

特別完全版の方が断然好みだが、オリジナルと完全版の2つは切り離せない。ストーリー、キャスト、映像、音楽。どれをとっても一級品。撮影をめぐる数限りないトラブルが、結果的に画面に異様なまでの迫力を生んでいる。

戦争によって狂気に陥った人物たちは、根本的に同種で、戦争に疲れ、戦争の欺瞞を嫌悪し、それでいながら戦争という枠の中でしか生きられない。ロードムービーの形で進む物語は主人公の自分探しの旅であり、オイディプス王とオデュッセイアの混合でもある。難解なラストも完全版では追加されたエピソードによって理解しやすくなっている。名撮影監督V.ストラーロの映像が素晴らしい。

1979年のオリジナル版はカンヌでグランプリ受賞。CGをいっさい使わない本物の迫力も見所。この映画の評価は賛否両論ながら良し悪しとは別に“凄い”映画であることは、誰もが認めるところだ。

(2002年/アメリカ/フランシス・フォード・コッポラ監督/原題「Apocalypse Now REDUX」)
(出演:マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュバル、デニス・ホッパー、他)

○オリジナル・特別完全版ともに、ビデオ、DVDあり。
○劇場公開一律2000円という特別価格。1980年の日本公開時は2200円だった。

●参考資料(全てビデオ有り)
◆ドキュメンタリー作品
○「ハート・オブ・ダークネス」
妻エレノア・コッポラによる「地獄の黙示録」の撮影ドキュメンタリー。コッポラやルーカスのインタビューなど貴重な映像満載。
○「ディア・アメリカ〜戦場からの手紙〜」
実際に戦時下で兵士が撮影した映像と兵士の手紙によるドキュメンタリー。デ・ニーロ、M.シーンなど、豪華スターが手紙の朗読を担当。
○「光で書く〜撮影監督ヴィットリオ・ストラーロ」
「地獄の黙示録」「レッズ」「ラスト・エンペラー」で3度オスカーに輝くV.ストラーロの記録映画。コッポラ、ベルトルッチのインタビューなど。
◆ベトナム戦争関連作品
○「ディア・ハンター」「プラトーン」(この2本は秀作)
○「フルメタル・ジャケット」「ハンバーガー・ヒル」etc.
○「帰郷」「タクシー・ドライバー」(帰還兵もの)

●特別完全版前売券特典グッズ
特別完全版の前売券にはこんなおまけがついてました。
○6枚組のポストカード(上6枚)
○“伝説復元”プレミアCD-ROM(左):オリジナル公開時のポスター画像など収録
カード1カード2カード3

 

 


 


カード4カード5カード6

 

 






CD






●関連書籍の紹介

解読「地獄の黙示録」

解説「地獄の黙示録」立花隆著(文藝春秋)







『地獄の黙示録』完全ガイド

Apocalypse Now「地獄の黙示録」完全ガイド
カール・フレンチ著(扶桑社)


 『地獄の黙示録』撮影全記録(ノーツ)

○その他、各映画雑誌にて「地獄の黙示録・特別完全版」の特集が組まれていました○

映画レビューは、こちらから。

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cinemassimo at 09:23|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)clip!

アマデウス5

アマデウス

ミロス・フォアマン監督の力作。アカデミー作品賞受賞。天才モーツァルトを、同時代に生きた作曲家サリエリの視点から描く。

歴史ものはヨーロッパ映画に限ると思っているが、時にはこういう傑作もアメリカから生まれる。ストーリーといい、衣装といい、音楽といい、絢爛豪華の一言につきる。モーツァルトは謎が多い作曲家で、事実墓も遺体もない。秘密結社フリーメイソン暗殺説が最も有名だが、新解釈とフィクションを交えてサリエリの計画殺人説を映画として完成させた。

天才の才能を理解できる凡人サリエリの苦悩と嫉妬を描く。明るく軽やかな音楽のイメージのモーツァルトの別の一面も描き興味深い。

(1984年/アメリカ/ミロス・フォアマン監督/原題「Amadeus」)

◎参考
モーツァルトの死因は様々な説があり、サリエリによる毒殺説の他、アルコールの多量摂取や性病の治療として使われていた水銀が致死量に達していた事、また当時モーツァルトが関与していた秘密結社フリーメイソンによる暗殺説など、諸説があり、真実は謎のままです。また、レクイエムを注文したのはサリエリではないことは歴史上確認されています。共同墓地に葬られたため、現在の墓には彼の遺体はありません。

◎1984年度アカデミー賞8部門受賞

○作品賞 ○監督賞 ○主演男優賞 ○脚色賞 ○美術監督賞 ○音響賞 ○衣装デザイン賞 ○メイクアップ賞

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モロッコ5

モロッコ

もはや古典中の古典。監督はジョセフ・フォン・スタンバーグ、マレーネ・ディートリッヒとゲーリー・クーパー主演の恋愛映画の傑作だ。過去を捨てた外人部隊の男と、歌手の女の刹那的な恋を描く。

タキシードの男装で歌うマレーネ、クーバーが鏡に“グッドラック”と口紅で書くシーン、真珠の首飾りが切れて床に飛び散る場面など、名場面のオンパレード。大富豪を演じるアドルフ・マンジューも渋い。そして砂漠の砂に足をとられながら、ハイヒールを脱ぎ捨てて裸足で男のあとを追う、あまりにも有名なラストシーンなど、後の映画に与えた影響は計り知れない。

日本で初めてスーパーインポーズ(映画のフィルムに字幕を焼き付ける技術)が取り入れられた記念碑的な作品としても有名。

(1931年/アメリカ/ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督/原題「Morocco」)

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サブウェイ5

サブウェイ(仏語オリジナルヴァージョン)

仏のリュック・ベッソン監督初期のスタイリッシュ・ムービー。

フレッドはある実業家のパーティで重要書類を盗み出し、地下鉄の駅に逃げ込む。そこには地下鉄の駅で暮らす奇妙な人々がいた。フレッドは彼らを集めて、コンサートを開こうと計画する…。

リュック・ベッソンが今ほど有名になる前にフランスの豪華キャストを集めて撮った新感覚ムービー。常連のジャン・レノ、ジャン・ユーグ・アングラートを始め、イザベル・アジャーニ、クリストフ・ランベール、リシャール・ボーランジェなど有名どころがこぞって出演。衣装は全編イヴ・サンローランが担当していて、アジャーニが冒頭でまとう黒のイブニングドレスが美しい。

会話が主体の従来のフランス映画と違って、テンポの良さが見もの。特に冒頭のカーチェイスのシーンはスピード感に溢れる。

(1984年/フランス/リュック・ベッソン監督/原題「SUBWAY」)

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2006年08月06日

夕陽のガンマン5

夕陽のガンマン

セルジオ・レオーネ監督の叙情派マカロニ・ウェスタン。ポンチョ姿のクリント・イーストウッドと寡黙なガンマンのリー・ヴァン・クリーフがまさに適役。
音楽は盟友にして巨匠エンニオ・モリコーネで、コミカル、バロック、オルゴールと自在に使い分けて物語を盛り上げる。

2人の賞金稼ぎの裏切りと友情、そして胸に秘めた復讐をけれん味たっぷりに描く。悪役のジャン・マリア・ボロンテさえも深みのあるキャラクターに描かれ、観客に感情移入させる術はさすが。

クローズアップ、長回し、たっぷりと時間を使う映画つくりなどで、レオーネタッチと呼ばれる独自の作風を作り上げ、今なお映画人に大きな影響を与えるレオーネは、わずか7本の作品を残して夭折。あまりにも早い死だった。

(1965年/イタリア/セルジオ・レオーネ監督/原題「For a few dollars more」)

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そして船は行く5

そして船は行く

フェデリコ・フェリーニ監督の奇抜な発想と想像力豊かな演出力を示す作品。

史上最高のソプラノ歌手の遺灰を海に流すため、イタリアオペラ界の著名歌手、オーストリア・ハンガリー帝国の大公らが豪華客船で海へ葬儀に向かう。

良き時代の終焉はイタリア映画黄金期の終焉も意味し、フェリーニの心情がだぶる。盲目の皇女役で、独の前衛舞踏家ピナ・パウシュが出演している。記者の目を通してルポ風に進み、映画の撮影現場までをも劇中で見せる手法は、人工を逆手にとった見事な演出。

フェリーニの最高傑作は「道」であることに間違いないが、この作品こそがフェリーニ的スタイルが最も顕著に表れている作品だと思っている。

(1983年/イタリア/フェデリコ・フェリーニ監督/原題「E la Nave Va」)

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ノスタルジア5

ノスタルジア

キング・オブ・アートシアターとうたわれた旧ソ連の故アンドレイ・タルコフスキー監督の代表作。

亡命したソ連の音楽家の足跡をたどってイタリアを旅する一人のソ連人詩人。旅はいつしか現実と時空を越えて、哲学的境地へと入っていく…。

難解なことで有名なタルコフスキー作品は、たとえわからなくても美しい映像に酔いしれる。分かる分からない以前にどこか共感を呼ぶ魅力がある。

セリフも少なく、明るいはずのイタリア・トスカーナの風景も極めて地味に描かれるが、ひとつひとつの画面がアートのように美しい。霧に煙るような風景も特徴的で、水を描かせると天下一品のタルコフスキーらしい映像も満載。人間の意識を奥深いところでとらえるタルコフスキーの作品には常にストイックで死の概念がにじむ。

(1983年/イタリア/アンドレイ・タルコフスキー監督/原題「NOSTALGHIA」)

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ミツバチのささやき5

ミツバチのささやき

スペインの映像作家ビクトル・エリセ監督のデビュー作。

スペイン内乱で心に傷を負い、いなかの村で暮らす一家。6歳の末娘のアナは夢想がちの感受性豊かな娘で、映画でみたフランケンシュタインが本当にいると思い込む。ある日、村のはずれに脱走兵が住み着き、アナはこの兵士に食料を届けるが、兵士は射殺されてしまう。ショックを受けたアナは深夜に家を抜け出し、フランケンシュタインの幻を見て、気を失う。数日後、ショック状態のアナは月の光の中で自分を取り戻し、はればれとした表情でたちあがる。

静かな静かな作品。夢と現実の区別がつかないのが子供時代なら、夢の世界を自分なりに消化して立ち直ったアナは、少女時代に決別を告げて一歩大人になったことを意味する。

エリセ監督はとにかく寡作なことで有名。少女アナを演じるアナ・トレントの瞳が忘れがたい。

(1973年/スペイン/ビクトル・エリセ監督/原題「EL ESPIRITU DE LA COLMENA/SPIRIT OF THE BEEHIVE」)

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霧につつまれたハリネズミ5

ユーリ・ノルシュテイン作品集
ユーリ・ノルシュテイン作品集Vol.2 「霧につつまれたハリネズミ」

アニメーションのプロのクリエイターからも絶大な支持を受ける傑作。

ハリネズミが友だちのコグマの家にお茶を飲みに行く途中で、深い霧で迷ってしまう。そこで出遭う幻想的な白い馬。こわごわと霧の中に足を踏み入れるハリネズミ。白い霧や流れる小川、かたつむり、全てがいとしく美しい。ハリネズミの不安や恐れ、やさしさや生還した安堵などが、言葉はなくてもしっかりと伝わってくる。コグマと一緒にお茶を飲むハリネズミは、白い馬を心配しながらも友人とのひと時を味わっている。少しだけやさしく変わったハリネズミがいた…。

何度見ても飽きることはない素晴らしい映像詩。マルチプレーンや照明技術など、クオリティも高い。この地球上で、ノルシュテインと同じ空気を吸って生きているというだけで、幸せを感じるほどだ。

(1975年/ロシア/ユーリ・ノルシュテイン監督/原題「Yozhik v tumane」)

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