バルタザールどこへ行く
バルタザールどこへ行く
ロベール・ブレッソン監督作品は、ストイックな映像表現の中に、人間の根源的な罪を描くものが多く、本作も一頭のロバの不幸な一生を通して人間社会の罪深さを描いている。
ピレネーの小村に住む少女マリーは、生まれたばかりのロバにバルタザールという名前を付けて可愛がる。月日が経ち、行方不明になっていたバルタザールと再会したマリーは喜んでロバを連れ歩くが、マリーに思いを寄せる不良青年が嫉妬からバルタザールを虐待する。じっと耐えるバルタザール。マリーもまた堕落していくが…。人間の世の中の罪を背負った1頭のロバと、少女の悲劇的な運命を淡々とつづる秀作。
悲しげな瞳のロバという動物は、生まれながらに重荷を背負うことを運命付けられた生き物だ。だがロバは抵抗することもなく、自らの定めを受け入れている。それに呼応して映画も決して声高なメッセージは発しない。欧米では、ロバは愚鈍な生き物の象徴だが、この作品では全てに受動的なこの動物を、人間を映す鏡のように描いている。
バルタザールとは聖書に出てくる名前で、キリスト誕生時に馬小屋に訪れた、東方の三博士(メルキオール、バルタザール、カスパール)の一人。壮年のバルタザールは“善行”の象徴とされる。
人間の傲慢と欲に翻弄されるバルタザールの一生があまりに悲しい。ロバのバルタザールの受難劇に、ブレッソン特有の宗教観を見ることができる。
出演は、アンヌ・ビアゼムスキー、ウォルター・グリーンなど。
(1964年/フランス・スウェーデン/ロベール・ブレッソン監督/仏語原題「AU HASSARD BALTHAZAR」) ←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/
ティファニーで朝食を
ティファニーで朝食をNYで気ままに暮らす高級娼婦ホリーは年上の女性のツバメで作家志望の青年ポールと知り合う。ホリーのお気に入りはティファニー宝石店。しかし、ホリーの過去が明らかになり、ポールも自分の人生を見つめ直していく…。
ホリーはアパートで茶色のトラじまの猫を飼っている。この猫は名無しで、いつも“キャット”と呼ばれている。ラストシーンの雨の中でも、恋の成就に一役かう芸達者なのだ。
オードリーのファッションが見もの。原作はトルーマン・カポーティ。原作とは違うハッピーエンドと最初のキャスティングはM.モンローだったことが有名。ヘンリー・マンシーニの名曲ムーン・リバーが忘れ難い。
(1961年/アメリカ/ブレイク・エドワーズ監督/原題「Breakfast at Tiffany's」)
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スタンド・バイ・ミー
スタンド・バイ・ミー コレクターズ・エディション何かしら家庭に問題を抱える4人の少年達は、強い仲間意識で結ばれていた。ある日、町はずれの森の中に、行方不明になった少年の死体があると聞き、さっそく探しにいくことに。それは4人とって、初めての冒険の旅だった…。
主人公は仲間との旅の途中で、早朝、鹿に遭遇する。線路脇にふいに出てくる1匹の鹿。しばらく見つめあった後、鹿は静かに去っていくが、このことを少年は大切な宝物のように仲間には言わずにおく。
死体探しという題材はいかにもスティーブン・キングらしい。旅の途中で彼らの悩みが語られ、まだ幼い少年たちなりの人生の壁を見る。ベン・E・キングの名曲にのせてさわやかに綴る、懐かしくも切ない物語。
(1986年/アメリカ/ロブ・ライナー監督/原題「STAND BY ME」)
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アモーレス・ペロス
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アモーレス・ペロス スペシャル・コレクターズ・エディション
メキシコ・シティを舞台に1つの交通事故で結びつく3つの物語を、微妙に交差するオムニバス形式で描く。一見、住む世界が違うかのような人々は、皆、等しく愛に苦しんでいるのだが…。
アモーレス・ぺロスとは直訳すると「犬のような愛」の意味。劇中に沢山登場する犬たちは、人間たちの分身のようでもある。血まみれの闘犬、閉じ込められた室内犬、捨て犬…。過酷な運命を暗示するのは犬たちだ。
都市の暴力性と運命に翻弄される人間、そしてそれを乗り越えたときに見える希望を、力強く描く。汗や血が匂ってくるような映像も目に焼きつく。完成度の高い脚本が素晴らしい。
(1999年/メキシコ/アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督/スペイン語原題「AMORES PERROS」)
素敵な歌と舟はゆく
素敵な歌と舟はゆくパリ郊外に住むブルジョア一家。息子のニコラは浮浪者と意気投合。父親は窮屈な生活を嫌い、母親はビジネスに熱中する。それぞれの視点から人生とは何かを考えるが…。
パーティ好きの母親が室内で飼っているペットの鳥はマラブー。マラブーとは大型コウノトリで、その鳥の存在は、なんとも不思議な世界を醸し出している。この世には、現実とは違和感があるものが明らかに存在している。
群像劇の形式をとっている本作。独特のユーモアとゆったりとした流れの作風が心地よい。登場人物の多さに反比例して、セリフは少ない。動物と乗り物が多く登場し、人間は皆寡黙でちょっと寂しそうだ。
(1999年/フランス・スイス・イタリア/オタール・イオセリアーニ監督/仏語原題「Adieu Plancher des vaches!」)
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