映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
英・仏合作映画「パディントン2」

プチレビュー08下旬

そして、私たちは愛に帰る

そして、私たちは愛に帰る [DVD]そして、私たちは愛に帰る [DVD]
シビアな人間ドラマは、偶然を多用するが、それが決して安易なハッピーエンドにつながらないところが深い。ドイツとトルコを舞台に3組の親子の生と死がすれ違う物語だ。映画を支えているのは名女優ハンナ・シグラの存在感。ファティ・アキン監督はトルコ系ドイツ人監督で、派手さはないが繊細な演出が持ち味だ。父子や母娘の愛情と亀裂がさまざまな悲劇を生むが、それでもどこか希望を感じるから不思議である。特にラスト、海を見つめる息子の後姿が素晴らしい。ドイツでのトルコ移民の問題や宗教事情など、日本人には分かりにくい要素もあるが、犠牲と許しが作品のテーマと考えると普遍的な物語に思えるはず。民族音楽も含め、じっくり味わうに価する作品だ。
【75点】
(原題「The Edge of Heaven」)
(ドイツ、トルコ/ファティ・アキン監督/バーキ・ダヴラク、ハンナ・シグラ、ヌルセル・キョセ、他)
(音楽センス度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

その男 ヴァン・ダム

その男 ヴァン・ダム スペシャル・エディション [DVD]その男 ヴァン・ダム スペシャル・エディション [DVD]
B級アクション路線まっしぐらで、90年代に人気絶頂だったジャン=クロード・ヴァン・ダムが、自らをネタにしたメタ・フィクション・コメディー。落ち目の俳優ヴァン・ダムが、故郷のベルギーで偶然に立ち寄った郵便局で強盗に遭遇。警察や市民はヴァン・ダムが犯人だと勘違いし大ニュースになってしまう。親権争いや金銭トラブル、セガールに役を奪われたり、ハリウッドに呼んでやったジョン・ウーから冷たくされたりと、笑うに笑えないネタが次々に登場して、あまりにやるせないが、本音に聞こえるビミョーなセリフが絶妙だ。アクションのイメージしかなかったヴァン・ダムの“演技力”が堪能できるという意味で、必見の1本と言えよう。
【70点】
(原題「JCVD」)
(ベルギー・ルクセンブルク・仏/マブルク・エル・メクリ監督/ジャン=クロード・ヴァン・ダム、フランソワ・ダミアン、ジヌディーヌ・スアレム、他)
(自虐度:★★★★★)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

アンダーカヴァー

アンダーカヴァー [DVD]アンダーカヴァー [DVD]
演技派キャストをそろえた渋いサスペンスだ。80年代のNY、裏社会に通じるボビーは、兄と父が警察官であることを隠しながら生きるアウトロー。だが警察の麻薬捜査に協力したことで、残酷な運命に巻き込まれる。サスペンス要素より人間ドラマの葛藤が印象的だが、兄ジョゼフのトラウマの描き方とボビーが警官を目指す心情の変化が浅いのが気になる。また、アジトに潜入する場面の緊迫感はすごいのに、警察が仮病にあっさりと騙され犯人を取り逃がすなど、脚本の質にバラつきを感じる。だが豪雨の中でのカーチェイスは素晴らしく、フェニックスの、精神的に追いつめられる演技も見事だ。この人の俳優引退宣言は映画界にとって大損失。撤回してほしいものである。アンダーカヴァーとは潜入捜査のこと。
【65点】
(原題「We Own the Night」)
(アメリカ/ジェームズ・グレイ監督/ホアキン・フェニックス、マーク・ウォールバーグ、エヴァ・メンデス、他)
(陰鬱度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ミラーズ

ミラーズ (キーファー・サザーランド 主演) [DVD]ミラーズ (キーファー・サザーランド 主演) [DVD]
ハリウッドお得意のアジアン・ホラーのリメイクは鏡がモチーフ。心に傷を持つ元警官ベンは、火災跡のデパートの夜警の仕事に就く。廃墟の中で不気味に輝く巨大な鏡に触れた途端、怪奇現象を見るようになり、衝撃の事実にたどり着く。アジャ監督らしいグロテスクな流血描写が満載だが、謎の究明の過程があまりに雑だ。鍵となる少女の宗教がらみのエピソードが説得力に欠けるようでは困る。映画の中の小道具の中でも特権的に深読みできる装置が鏡だが、本作にその精神性が感じられず、音で怖がらせるだけの凡作ホラーになったのが残念。唯一、ゴシック調の廃墟のビジュアルはなかなか美しい。ラストのオチはオリジナルを見ていれば驚きはないが“鏡ホラー”として着地点はこれしかない。オリジナルは韓国映画「Mirror 鏡の中」。
【55点】
(原題「MIRRORS」)
(アメリカ/アレクサンドル・アジャ監督/キーファー・サザーランド、ポーラ・パットン、エイミー・スマート、他)
(スプラッタ度:★★★★☆)


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!
人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ミラーズ@ぴあ映画生活

40歳問題

40歳問題 [DVD]40歳問題 [DVD]
アラフォー世代の思いを、音楽を作るプロセスで追ったスタイルが面白い。80年代のバンドブームでデビューし、今や40代になった浜崎貴司、大沢伸一、桜井秀俊の3人に対して“テーマソングを作る”という難題を強引に押し付ける。性格も生活も音楽もまったく違うスタンスの3人が向き合ったのは、40代としての悩みと音楽に対するこだわりだ。特に大沢伸一のとんがった感覚の要求がすさまじく、他の2人を圧倒する。落ち着いてしまうか、まだまだ挑戦するか。微妙な立ち位置なのが40代のリアルな姿。沖縄から離れた映画を初めて作った中江監督のチャレンジ精神が見える作品で、親が死に、自由に生き死にできる身分になったとの監督の言葉が感慨深かった。
【60点】
(日本/中江裕司監督/浜崎貴司、大沢伸一、桜井秀俊、他)
(クリエイティブ度:★★★☆☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

赤い糸

赤い糸【スタンダード・エディション】 [DVD]赤い糸【スタンダード・エディション】 [DVD]
大人気ケータイ小説の映画化だが、TVドラマとの連動というメディア・ミックスの試みがユニークだ。メイとアツシは運命的に惹かれあうが、ある悲しい過去によって引き裂かれる。不幸の連打と扇情的な試練はケータイ小説の必須アイテムだが、本作ではドラッグとDVが中心だ。この現代的な問題と、親の代の因果という古臭い要素を組み合わせた点は面白い。物語は飛躍が多く心理描写も浅いものだが、見過ごせないのはメイの友人のサラの描写だ。片思いの少年に告白さえしていないのに、いきなり自殺未遂。さらに部分的な記憶喪失になる展開に唖然。イヤなことに対して、自分が消える、もしくは頭から抹消というのが10代の思考回路なら、かなりヤバいのでは。
【40点】
(日本/村上正典監督/南沢奈央、溝端淳平、木村了、他)
(スピーディ度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ノン子36歳(家事手伝い)

ノン子36歳(家事手伝い) [DVD]ノン子36歳(家事手伝い) [DVD]
投げやりなヒロインの心の再生を描くが、主人公に共感する人は少ないだろう。36歳のノン子は東京でタレント業をしていたプライドだけが残るバツイチの女性。実家の神社でブラブラしながら、やさぐれた日々を送る彼女の前に、年下の青年と元亭主が現れる。行き場がなく、負け組人生を送る登場人物を責めないのはいいとしても、親元で衣食住が足りた暮らしを送るノン子は甘えた人間にしか見えない。彼女の気持ちが変わるきっかけになる年下のマサルはテキヤにもなれないのに世界に出たいなどと言うヘンな青年。彼のキャラがもっと立っていれば面白くなったものを。ノン子がラストに一人でみせる笑顔は印象的だが、熊切作品常連の坂井真紀の大胆な脱ぎっぷりだけが見所と言わねばならないのがツラい。
【35点】
(日本/熊切和嘉監督/坂井真紀、星野源、鶴見辰吾、他)
(アラサーの青春度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

PARIS パリ

PARIS-パリ- (通常版) [DVD]PARIS-パリ- (通常版) [DVD]
外国人が描くパリは憧れに満ちているが、フランス映画のそれはいつもどこかメランコリックだ。余命わずかな青年ピエールの目を通して、パリに暮らす様々な人々の人生模様を描いていく。すべてが何気ないエピソードばかりだが、そのひとつひとつを愛おしく描く手腕がさすが。パリの名所もチラリと映るが、印象に残るのは名もない通りの石畳や小さなパン屋などありふれた風景だ。いつもコミカルなクラピッシュ作品と違って、難病や移民問題などにも触れるが、シリアスな内容にはせず、あくまでスケッチ風に流したことでパリという都市そのものが主役になった。浅い人間描写を魅力に変えるところがクラピッシュらしい。人生を愛そう。これが映画のメッセージだ。
【65点】
(原題「PARIS」)
(フランス/セドリック・クラピッシュ監督/ジュリエット・ビノシュ、ロマン・デュリス、ファブリス・ルキーニ、他)
(切なさ度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー ←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ファニーゲーム U.S.A.

ファニーゲームU.S.A. [DVD]ファニーゲームU.S.A. [DVD]
不快感満載の怪作で、ハネケ自身のセルフ・リメイクである。別荘で過ごす裕福な家族が、2人の美青年によって徹頭徹尾いたぶられ、死のゲームに参加させられる様子をサディスティックに描く物語だ。セリフやカット割までほとんど同じにしたのは、罪もない人間が痛めつけられるのは、時代や場所がどこであれ常に起こりうると言いたいのだろう。神経を逆なでするのは、時折観客に向けて話しかける演出だ。これは作り事ですよと念を押す技法であるにもかかわらず、観客は自分が暴力に加担している気になり気が滅入る。この映画の真意は、問答無用の悪意の存在証明なのだ。オリジナルを初めて見た時の衝撃は忘れないし、ある種の傑作とは思うが、この内容の映画を二度作るハネケの神経は理解しがたい。ナオミ・ワッツがド迫力の熱演。
【50点】
(原題「FUNNY GAMES US」)
(米・仏・英/ミヒャエル・ハネケ監督/ティム・ロス、ナオミ・ワッツ、マイケル・ピット、他)
(性悪説度:★★★★★)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

ティンカー・ベル

ティンカー・ベル [DVD]ティンカー・ベル [DVD]
可愛らしいファンタジーだが全4部作という巨大プロジェクトの第一弾というから驚く。ピーター・パンに出会う前の妖精ティンカー・ベルの誕生秘話を描く物語だ。もの作りという尊い仕事の才能を持ちながら、他の妖精たちの能力に憧れ失敗ばかりするティンクはかなり問題児の女の子。カラフルな色彩と楽しいキャラクターがディズニーらしいが、ティンクの魅力は、決して“いい子”じゃないところだろう。もちろん最後には妖精として立派に成長するのでご安心を。“春”を無事に届けた本作から、今後どう展開するか楽しみだ。ティンクが乗るネズミの表情がミョーに可愛い。
【60点】
(原題「TINKER BELL」)
(アメリカ/ブラッドリー・レイモンド監督/(声)メイ・ウィットマン、ルーシー・リュー、アンジェリカ・ヒューストン、他)
(カラフル度:★★★★★)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が趣味で運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり更新中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
当サイトはリンクフリーです
★相互リンクは設けておりませんが、当サイトはリンクフリーなので自由にリンクしてください。リンクの報告は基本的に不要です。
リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ