映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
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長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

プチレビュー12上旬

伏 鉄砲娘の捕物帳

伏 鉄砲娘の捕物帳 Blu-ray伏 鉄砲娘の捕物帳 Blu-ray
古典「南総里見発見伝」を二重、三重に新解釈した「伏 鉄砲娘の捕物帳」。紛いものというテーマにふさわしい無国籍風の設定や鮮やかなヴィジュアルに目を見張る。

江戸時代。祖父の死により山を降りた猟師の少女・浜路は、兄を頼り、江戸へとやってくる。そこでは、人と犬の血を引き、人に化けて暮らし、人の生珠(いきだま)を喰らう“伏”と呼ばれる種属による凶悪事件が頻発し、幕府は懸賞金をかけた伏狩りの命を下していた。浜路は見るもの聞くもの初めてづくしのその町で、犬の面をつけた白い髪の青年・信乃と出会う…。

滝沢馬琴原作の古典「南総里見発見伝」を、直木賞作家の桜庭一樹が新解釈した小説が「伏 贋作・里見八犬伝」。本作はそれを原作とするが、映画化に当たって、さらに独自の解釈、イマジネーションで新しい物語を作り上げている。人と伏との争い、猟師の少女・浜路と伏の青年・信乃の淡いラブストーリー、そして人に狩られる運命の伏のルーツという3本をメインテーマに、色彩豊かなファンタジーワールドを作り上げた。人と“人ではないもの”との恋は、「トワイライト」シリーズや「おおかみこどもの雨と雪」でも取りあげられた流行のプロットだが、本作では、獲物を狩る猟師と狩られる獣との間は「見えない糸でつながる」という考え方が興味深い。信頼関係の上に成り立つ命のやりとりは、無論、人間に都合がいい解釈だが、本作は、淘汰される自然界の理の中で、思いがけない出会いから成長する、純粋な少女を描いているのだ。長い原作の一部を抽出し拡大解釈するため、セリフが説明調になったり、浜路と信乃の心情の描き方が浅いことや、ラブストーリーとしてインパクトがもの足りないなど、表層的であることは否めない。だが、ジブリの宮崎作品で手腕を発揮した宮地昌幸監督の、原作から大きく離れて大胆なストーリーを紡ぐチャレンジ精神は評価したい。人に化ける伏、男の恰好をする浜路、古い時代から新しい時代へと移る激変。それらの中には、本物はもちろん、紛いものにも見出す存在価値というテーマが感じられた。誰かとつながっていたいという願いは、最も現代的な感情の発露。本作のヴィジュアルが、時代考証無視で現代の要素を積極的に取り入れているのもそのためだろう。劇中、浜田真理子が歌う挿入歌の“わたしをおいて行かないで”というフレーズがいつまでも心に残る。
【60点】
(原題「伏 鉄砲娘の捕物帳」)
(日本/宮地昌幸監督/(声)寿美菜子、宮野真守、宮本佳那子、他)
(映像美度:★★★★★)
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臨場 劇場版

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並外れた洞察力で難事件に迫る検視官の活躍を描く人気TVドラマの劇場版「臨場 劇場版」。傷跡もリアルな検死場面には深い意味がある。

都内で無差別通り魔殺人事件が発生。多くの犠牲者が出るが、実行犯の男は、心神喪失が認められ、刑法第39条により無罪となってしまう。2年後、実行犯を無罪に導いた弁護士と精神科医が相次いで殺害された。当時の事件の犠牲者の遺族の復讐かと、疑いの目が向けられたが、敏腕検視官・倉石は、死亡推定時刻に疑問を抱き、真犯人は別にいると推察する…。

原作は、ベストセラー作家・横山秀夫の人気ミステリ小説。主人公は、型破りな性格で、上司や組織にも歯に衣着せぬ物言いをする検視官・倉石義男だ。通り魔殺人事件の関係者の殺害事件では、過去の別の事件もからめながら、遺体に残る痕跡から、意外な犯人とその動機に迫っていく。一流の検視官である主人公の考え方の根底にあるのは“話す言葉を持たない死者の声を聞き、その魂を拾う”という人間愛。それは、遺族のやり場のない悲しみにそっと寄り添うと同時に、加害者の心理状態をもすくい取るものだ。もっともこの倉石という男、部下にとっては、一人で暴走し、勝手な行動をとる困った上司だし、警察上層部にとっても、実力は認めるものの扱いにくいはみ出し者だ。この事件では、倉石はいつも以上に、単独行動を繰り広げるが、それは、彼自身が抱えるある特殊な事情と決して無関係ではない。サスペンスの謎解きとストーリーの根幹に関わることなので、詳細は明かせないが、倉石がこの事件で、徹底して向き合うのは、死であると同時に、生きる意味でもあるのだ。映画の性質上、流血の残酷シーンも多数。特に、冒頭の通り魔事件のシークエンスは凄惨を極めるが、死体の特殊メイクも含め、リアルさが売りのこのシリーズの劇場版ならではの迫真性に圧倒される。芝居が熱くなりすぎる傾向にある内野聖陽が、抑えた演技をみせて好演だが、彼と一対をなすかのように柔和なたたずまいをみせる長塚京三の存在感が印象的だった。
【60点】
(原題「臨場 劇場版」)
(日本/橋本一監督/内野聖陽、松下由樹、渡辺大、他)
(社会派度:★★★★☆)
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道〜白磁の人〜

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実在の人物・浅川巧の半生を描くヒューマン・ドラマ「道〜白磁の人〜」。歴史のうねりの中で実直に生きようとした人間の友情物語でもある。

1914年、浅川巧は、故郷の山梨から、兄と母が住む日本統治下の京城(現在のソウル)に林業技師として赴任する。彼は、荒れ果てた朝鮮半島の山々を緑に戻すことを使命と考え、懸命に植樹の研究に取り組んでいた。巧はまた、人種差別が横行する中、偏見を持たず、試験場で働くチョンリムに朝鮮語を習い、彼と友情を育んでいく。並行して、日常使いの焼き物・白磁の美と出会い、朝鮮半島の文化にも深く魅せられた。しかし、ある事件がきっかけとなりチョンリムは抗日運動の罪で投獄されてしまう…。

日韓交流の先駆と言われる浅川巧は、日本と韓国の両方の教科書に載る実在した日本人。民芸運動の父・柳宗悦にも影響を与えた偉人だが、この人の半生をこの映画で始めて初めて知る人も多いだろう。養苗法や造林の研究を通じて荒廃した朝鮮半島の山の再生に貢献する一方で、白磁の美から韓国の生活や文化に誠実なまなざしを向ける。しかも高圧的な日本統治下にあってもまったく偏見がないニュートラルな人間性を持っていた。それは、おそらくどんな場所でも美しく力強い自然そのものを、彼が何より敬愛していたからではなかろうか。人種差別は、当時の日韓両方にあり、巧も、彼と友情で結ばれるチョンリムも、映画で描かれる以上につらい思いをしたことは、想像に難くない。清廉潔白な実在の人物を描くとなるとどうしても堅苦しくなるが、演じる吉沢悠の、どこか陽性でくったくのないキャラクターと素直な演技のおかげか、親しみのある人物に感じられる。共演のペ・スビンとは、実際に撮影を通してかけがえのない友となったというのも頷けるほど、この二人の演技の息はぴったりと合っていた。
【60点】
(原題「道〜白磁の人〜」)
(日本/監督/吉沢悠、ペ・スビン、塩谷瞬、他)
(歴史秘話度:★★★★☆)
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ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略

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三浦建太郎原作の人気漫画「ベルセルク」の黄金時代篇を映画化するダークファンタジー3部作の第2弾。圧倒的な戦闘シーンと訣別の決断が見所。

鷹の団の切り込み隊長として活躍するガッツは、グリフィスの言葉により、彼の夢に取り込まれる自分に気付き、鷹の団を離れ、グリフィスとの別れを決意する。そんな時、ミッドランド王国より鷹の団に、難攻不落のドルドレイ要塞を陥落せよとの命令が下された。壮絶な闘いを経て要塞を攻め落とすが、ガッツとグリフィスの訣別は避けられなかった…。

3部作の真ん中の例に漏れず、消化不良の感は否めない。このダークファンタジーの看板のひとつである魔物は今回はまだなりを潜めているため、物語はさっぱり進まないのだ。ストーリーの中心は、圧倒的な迫力で描かれるドルドレイ要塞攻略の戦闘シーンということになるが、シリーズの中でも屈指のアクションシーンだけに、たっぷり時間をかけて描かれるのはやむをえない。アニメーション制作は「鉄コン筋クリート」などを手がけてきたSTUDIO4℃。奥行きを感じさせる戦闘シーンは、実写にも劣らない迫力を持つ。一方でガッツとグリフィスに心理描写は、これから訪れる悲劇の足音を予感させる。また、自暴自棄になったグリフィスとシャーロット姫の情熱的なラブシーンは、これまた実写にも劣らないほど、濃厚なもの。その後の拷問シーンもまた、容赦ないところを見れば、このアニメーションが完全に大人向けであることが理解できる。いずれにしても本作は、やがて来るダークファンタジーの深淵への入り口で、3部作を見届けるためにも抑えておきたいエピソードだ。ガッツとグリフィスの別れの先には、世界の裏側にひそむ魔物を呼び覚まし、二人が最大の敵となる運命が待っている。鷹の団で唯一の女戦士キャスカの麗しいドレス姿が拝めるのがひそかな見所かもしれない。
【50点】
(原題「ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略」)
(日本/窪岡俊之監督/(声)岩永洋昭、櫻井孝宏、行成とあ、他)
(自作に期待度:★★★★★)
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ブレイクアウト

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ニコラス・ケイジとニコール・キッドマンの2大スターが初共演した「ブレイクアウト」。シチュエーション・サスペンスなのに、緊張感に欠けてどうする。

カイルは、美しい妻サラと、反抗期だが愛らしい娘のエイヴリーと3人で豪邸に住むダイヤモンド・ディーラー。鉄壁のセキュリティを誇るはずのこの邸に、突然、覆面武装した4人組の強盗団が侵入する。強盗は、金庫を開けて中にあるダイヤを出せと迫るが、カイルにはその宝石をどうしても渡せない理由があった。一方、妻サラにもカイルに打ち明けられない秘密があって…。

原題「Trespass」は不法侵入の意味。まったく違う邦題になってしまったが、「ブレイクアウト」って確かチャールズ・ブロンソンの同名映画があったっけ。そして「アウトブレイク」という間違えやすいタイトルの映画も。混乱必至のこの題名からして何かB級臭が漂うが、フタを明けてみると、思ったとおりのユルいサスペンスだった。物語は、密室状態で、犯人と人質が心理戦を繰り広げるというシチュエーション・サスペンス。監督のジョエル・シューマッカーは、かつて「フォーン・ブース」でこのジャンルで冴えをみせたが、今回はなんとも締りがない。それはひとえに妻サラのポジショニングの曖昧さが原因だ。もしや強盗団と仲間なのか?という疑問を夫が持つのだが、その真相はあっけないもの。夫カイルの秘密にいたっては、最初からバレバレに読めてしまう。この物語、むしろ、犯人側の方のドラマを描く方がよほど面白かったのでは…と思うが、そちらの描写も、中途半端に終わっている。密室ものとしても、途中であっさり外に出てしまうなど、粗が目立つ作りだ。2大オスカー俳優の夢の初共演も、これでは残念な結果というしかない。サスペンスとしては弱すぎるこの作品を楽しむためには、問題を抱えた家族が、非常事態によって、もう一度絆を取り戻す家族ドラマとしてみるべきだろう。
【45点】
(原題「Trespass」)
(アメリカ/ジョエル・シューマッカー監督/ニコラス・ケイジ、ニコール・キッドマン、リアナ・リベラト、他)
(密室度:★★☆☆☆)
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ワン・デイ 23年間のラブストーリー

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23年間に渡り、7月15日だけを切り取って綴る異色の恋愛映画「ワン・デイ 23年間のラブストーリー」。スクリーンに描かれない余白を想像する作品。

1988年のスコットランド。真面目でしっかり者のエマと、自由奔放なデクスターは、大学の卒業式の日に勢いでベッドを共にする。互いに惹かれあいながらも、二人は恋人よりも親友であることを選び、友達として旅行に行ったり、ケンカしたり、悩みを打ち明けあったりと、長い年月、毎年“7月15日”を過ごすことに。デクスターへの恋心を言い出せないエマだったが、ある年の7月15日に、デクスターから結婚することを告げられる…。

ずっと想いを秘めながら年月を過ごす男女を描く物語は珍しくないが、この作品の個性は、7月15日という特定の1日だけを描いて23年間のラブストーリーを綴るというスタイル。23年とは、これまたずいぶんと気の長い話だ。原作小説の作者のデビッド・ニコルズが自ら脚本に参加している。ちなみに、7月15日というのは、イギリスでは聖スウィジンの祝日だそう。物語は、1年のうち、そのたった1日だけを描き、残りの364日は、観客の想像にまかせることで、余白の味わいを醸し出した。その個性的な語り口は、何か違和感や物足りなさを感じさせると同時に、不思議なロマンチシズムも漂わせている。エマはよく言えば堅実だが、悪くいえば、おくびょうな性格。一方、デクスターは、酒癖、女癖は悪い反面、夢見がちなロマンチスト。あまりに違う個性のため、エマはデクスターに恋することを恐れ、好きでもない男性と何となくつきあうなど、共感できない部分も多いのだが、自分の気持ちに素直になれないでいると、その結果、ほろ苦い後悔を生むことになるという教訓にも思える。監督は「17歳の肖像」の女性監督ロネ・シェルフィグ。23年間の間に変化するファッションや音楽が見所だが、役者本人たちの顔は、さしたる老けメイクもなくあまり変わりばえしないのはちょっと残念。だが、ラストに漂う切なさも含めて、ハリウッドとは一味違う、個性的な恋愛映画に仕上がった。ロンドン、パリと華やかな都市が描かれるが、ブルターニュやエジンバラなど、豊かな自然を切り取ったカメラワークがとてもいい。
【60点】
(原題「One Day」)
(アメリカ/ロネ・シェルフィグ監督/アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス、パトリシア・クラークソン、他)
(不器用度:★★★★☆)
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LOVE まさお君が行く!

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人気TV番組「ポチたま」で愛されたコーナーから生まれた実話「LOVE まさお君が行く!」。犬と人間のバディ・ムービーだ。

売れない芸人・松本は、TV番組の旅企画への出演が決まって大喜び。だがその番組の主役は、芸もなく食いしん坊なだけのダメ犬・まさおだった。まったく噛み合わない一人と一匹のコンビは、最初は視聴者に不評を買うが、日本各地を旅するうちに、本物の友情を育み、やがて人気者になっていく。そんな時、まさおに命に係わる病気が発覚する…。

バンダナを巻いた姿がなんとも可愛いラブラドール・レトリーバーのまさお君と、当初は犬のことは何一つ知らなかった若手芸人の松本秀樹がコンビを組む「まさお君が行く!ポチたまペットの旅」は、長寿番組で動物バラエティ番組「ペット大集合!ポチたま」の中で一番人気のコーナーだ。物語は、松本とまさおの出会いから、ずっこけコンビぶり、やがて固い絆で結ばれていく様子をコミカルに描いていく。売れない芸人の松本は、最初は犬が主役の企画に不満タラタラ。だが、ある時彼がムチャをして怪我をすると、真っ先に駆けつけたのはダメ犬のはずのまさおだった。芸人として崖っぷちで、恋人にも愛想をつかされる松本と、ダメ犬のまさお。この二人、きっと似たもの同士なのだろう。やがて松本は、まさおを“立てる”ことに徹していき、そのことが、番組の流れをスムーズにしていく。このあたり、コンビを組む芸人がボケ役とツッコミ役をきっちりと分担することで、話術が流れる漫才の世界にも共通する。やがて来る悲しい別れの時も、過剰にお涙頂戴にならないのは、松本とまさおは、友情で結ばれると同時に、ビジネス・パートナーでもあるという関係性のおかげかもしれない。動物ものの中でも、犬映画は本当に映画的に絵になる。笑いと涙、出会いと別れというセオリー通りの展開ながら、テッパンの感動で、動物好きをニッコリさせる作品だ。
【55点】
(原題「LOVE まさお君が行く!」)
(日本/大谷健太郎監督/香取慎吾、広末涼子、光石研、他)
(名コンビ度:★★★★★)
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アメイジング・スパイダーマン

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キャスト、スタッフ共に一新したリブート作品「アメイジング・スパイダーマン」。青春映画としての明るさが顕著な、フレッシュなアクション大作だ。

NYに住むピーター・パーカーは、成績優秀で正義感が強いが、ごく平凡な高校生。幼い頃、両親が謎の失踪を遂げて以来、心優しい叔父と叔母のもとで暮らしている。ある日、失踪した父のことを調べるために、巨大企業オズコープ社を訪ねるが、迷い込んだ研究室で、特殊な蜘蛛に噛まれてしまう。翌朝目覚めたピーターは、すでに特異な遺伝子により、超人的な力を備えたスパイダーマンへと変貌していた。驚異的な能力を手にしたピーターは、暴漢に襲われ殺された叔父の敵を討つため、悪者退治をはじめるが、NY市民からはヒーローとみなされる一方、警察からは無法者として指名手配されてしまう…。

かつてサム・ライミが監督し世界規模の大ヒットシリーズとして映画史に名を刻んだ「スパイダーマン」。大いなる力を手に入れた悩めるヒーロー像を確立した秀作シリーズを、スタッフ、キャスト共に一新した新シリーズとして作り直したのが本作だ。結論から言うと、リズミカルな明るさを持つ青春映画として、楽しめる作品に仕上がっている。無論、両親の失踪の謎や、優しいベンおじさんの死、父の失踪の謎を解くコナーズ博士との出会いから、NYを恐怖に陥れる怪物リザードを産んでしまう苦悩などは描かれるものの、想いを寄せる美少女グウェンとの恋も含めて、あくまでも青春学園ものの枠組みに収まっている。スパイダーマンになる“誕生の物語”では、イマドキの若者らしく、ネット通販で手に入れた衣装を手作りで加工し、愛用のスケートボードの要領で、空中飛行のレッスンに励むなど、どこかコミカルな明るさがあるのが新鮮だ。映画前半が青春学園ものなら、後半は、生命再生の研究を行うコナーズ博士が変身した、爬虫類型の怪物リザードとの壮絶なバトルへと変貌。ここで、シリーズ初となる3D映像が抜群に効いてくる。もともとNYの摩天楼を飛び回るスパイダーマン。“飛ぶ”行為をさらに説得力を持って訴えかけるツールとして3Dほどふさわしいものはない。負傷したピーターが、スパイダーマンを応援する市民の助けで、クレーンからクレーンへと飛び移るシークエンスは、文句なしの素晴らしさだ。スパイダーマンとしての自覚と責任、グウェンとの恋の行方、リザードとの対決と、見せ場の連続だが、物語は始まったばかり。しなやかなアクションを披露する“新スパイダーマン”ことアンドリュー・ガーフィールドの、今はまだくったくのない陽性のヒーロー像を楽しみたい。
【70点】
(原題「THE AMAZING SPIDER-MAN」)
(アメリカ/マーク・ウェブ監督/アンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーン、リース・イーヴァンズ、他)
(青春映画度:★★★★☆)
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ネイビーシールズ

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武器も戦術も隊員もすべて本物という異色のミリタリー・アクション「ネイビーシールズ」。アメリカって国は軍のPR映画まで作ってしまう。

中米コスタリカで医師を装って潜入していたCIAの女性エージェントが拉致・誘拐される。米軍は、直ちにアメリカ海軍特殊部隊“NAVY SEALS”に出動を命じる。隊員たちは迅速かつ的確に敵の拠点地を突き止め急襲し、エージェントを取り戻すことに成功するが、その事件の裏側で、全世界規模のテロが計画されていた。隊の中でも選りすぐりの精鋭たちは、テロを阻止するために熾烈な任務へと旅立っていくが…。

ネイビーシールズ(NAVY SEALS)は、米海軍の中でわずか0.5パーセントのエリートたちで組織される特殊部隊で、オサマ・ビンラディン暗殺を遂行したことでも知られている米海軍特殊部隊だ。かつてチャーリー・シーン主演の「ネイビー・シールズ」やニコラス・ケイジ主演の「ザ・ロック」でも描かれている。だが本作のウリは、武器、戦術、さらに現役のシールズ隊員と、ひたすら本物志向であることだ。ここまで描いては国家機密漏洩じゃないかと文句まで出たというキャッチも雄々しい。加えて、軍事・政治小説家として名高いトム・クランシーが企画協力。セリフや細かい動作まで、隊員のチェックが入ったというからリアルなのも頷ける。もっともストーリーはまったくのフィクションで、大雑把に言えば、正義のアメリカが悪のテロリストをやっつけに行くという、単純な話である。ドキュメンタリータッチで撮影された映像は、本物の戦術に忠実なため、当然無駄な爆発や銃撃戦はなく、地味で静かだ。画面も薄暗くメリハリがない。つまりエンタメ度は限りなく低いのである。わずかに描かれるドラマは、妊娠した妻を置いて任務にまい進する隊員の苦悩のみ。エリート中のエリートが戦う姿には、命令に対する疑問も迷いもいっさいない。彼らがどういうプロセスで精鋭の兵士になったのかその背景が知りたくなった。この、大金をかけた米軍の一大PR映画を見て「米軍ってかっこいい」「入隊しよう」「世界の平和はアメリカが守ってくれている」と考える観客がいるかどうかはさておき、いろいろな意味で、今までの映画とは異なる異色作である。ネイビーシールズ疑似体験が味わえる、ミリタリーオタクには超おすすめの作品とだけ言っておこう。
【50点】
(原題「ACT OF VALOR」)
(アメリカ/スコット・ウォー、マイク・マッコイ監督/米軍特殊部隊「NAVY SEALs」の兵士たち、他)
(米軍PR度:★★★★★)
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ディヴァイド

ディヴァイド(Blu-ray Disc)ディヴァイド(Blu-ray Disc)
終末ものと密室劇をかけあわせた異色のスリラー「ディヴァイド」。内も外も地獄という救いのなさに絶望感が漂う。

未曾有の爆撃によってNYの街は壊滅。直後、アパートに住む9人の男女が地下シェルターに逃げ込む。薬物中毒だった過去を持つが心優しく気丈なエヴァや、シェルターの保有者で利己的な性格のミッキー、心配性の母親マリリンとその幼い娘らは、狭いシェルターの中で次第に焦燥感を募らせる。食料や水は残り僅か。いらつき、互いに意見が対立し始めたとき、突如、防護服を着た人間がシェルターをこじ開け、9人に襲い掛かる…。

激しい閃光に包まれ、核爆発で壊滅するNYの街というショッキングな映像からスタートするが、世界が終わってしまったその後には、さらなる地獄が待つという、ドSな展開のシチュエーション・スリラーである。手がけたのは、「ヒットマン」の監督でフランス人のグザヴィエ・ジャン。この作品はアメリカ映画ではあるが、独特の乾いたタッチと情け容赦ない暴力描写など、近年の仏発のホラーやスリラーの特徴的なテイストを継承している。逃げ場のない地下シェルターという密室に閉じ込められた他人同士が、徐々に理性を失い、憎悪やエゴをむき出しにしてサバイバルを繰り広げるというのが物語の本筋だ。だが脚本は荒っぽく、ディテールは穴だらけ。防護服を着た謎の男たちの説明もなければ、登場人物の背景もほとんど語られない。これでは、感情移入は難しい。一人、また一人と理性を失い、食料の争奪や弱肉強食の上下関係の中、暴力や拷問、レイプが薄暗い画面の中で延々と描かれるので、正直、気が滅入った。だが極限状態の密室にヒーローなど存在しないという設定は、妙にリアルでもある。キーパーソンであるシェルターの持ち主ミッキーが閉塞状況を打破する道を示すのだが、この人物を「ターミネーター」のマイケル・ビーンが怪演。ラスト、サバイバルの果てに、最も生存本能が強い人物がついに外へと脱出する。確かに中にいては助からないが、そこで知るのは、内側も外側も地獄だという非情だ。それでもその先の世界が見たい。これが人間の原初的な本能なのだろう。
【50点】
(原題「THE DIVIDE」)
(アメリカ/グザヴィエ・ジャン監督/ローレン・ジャーマン、マイケル・ビーン、ロザンナ・アークエット、他)
(絶望感度:★★★★★)
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