映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
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長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

プチレビュー12下旬

ボス その男シヴァージ

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インドの大スター、ラジニカーントが悪政と貧困を変えようと立ち上がるヒーローを熱演する「ボス その男シヴァージ」。山を埋め尽くす群舞に唖然。

アメリカで大成功を収めた実業家シヴァージがインドに帰国、貧しい人々のために無償で利用できる病院や大学を設立しようと計画する。同時に古風で美しい女性タミルに出会ってひと目惚れ、猛然とアタックを開始した。一方、有力者だが悪徳企業家アーディセーシャンは、シヴァージの事業を妨害し、彼を破滅させる。綺麗ごとではアーディセーシャンと戦えないと割り切ったシヴァージは、不本意ながら役人に賄賂を贈って成り上がり、慈善事業を実現させていく。だが、アーディセーシャンの罠にはまったシヴァージは逮捕された上に命を狙われてしまう…。

インド、タミル語圏が誇るスーパースター、ラジニカーントが大活躍するマサラ・アクション・ムービーは、上映時間185分。堂々の3時間超えの大作である。善玉と悪玉が、やられてはやりかえし…を何度も繰り返し、その合間に歌って踊るのだから、大長編なのは当然なのだ。実在したインドの伝説的俳優シヴァージ・ガネーシャンの一生をモチーフに、ノリノリでエキゾチックなインドミュージックと1曲につき数百人で踊る大群舞のダンス、ド派手なアクションが活写される。悪徳実業家と戦いながら、慈善事業に精を出す主人公は、実際に慈善活動に熱心なラジニカーントの姿と重なっている。大ヒット作「ロボット」のスタッフが作り上げたVFX満載のアクションが奇想天外で、クレーン撮影や広角レンズを使って撮影された独特の映像は、異常なまでにテンションが高い。そしてインド映画といえばストーリーの合間に、無駄に歌って踊るミュージカルシーンがお約束。今回は、数百人が山を埋め尽くすきらびやかな群舞に圧倒される。クライマックスの、桜吹雪のごとく札束が舞い散る中での大乱闘も見物だ。それにしてもラジニカーントの存在感はスゴイ。コロコロと衣装を変える七変化はもちろん、スキンヘッドになったり、肌を白くして“白人化”まで披露する奮闘ぶりだ。オープニングクレジットが“スーパースター ラジニ”と自信たっぷりなら、これまた自信満々のキメ顔もりりしく、「COOL!」「身震いするだろ」の決めセリフまで、すべてが“ラジニ様”そのものなのだ。落ち着いて考えたらコ太りの中年のおっさんがなんでこんなにもてはやされるのか?!と首をかしげるが、映画を見ている間は“ラジニ様”のオーラの威力で、そんな疑問はどこかへ吹っ飛んでしまう。これがスーパースターの底力というものか。極楽浄土のような色彩と、超絶技巧のアクション。やはりインド映画は娯楽の王道なのだ。
【65点】
(原題「SIVAJI THE BOSS」)
(インド/シャンカル監督/ラジニカーント、シュリヤー・サラン、スマン、他)
(コスプレ度:★★★★★)
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トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2

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大人気シリーズの完結編「トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2」。ヴァンパイアになったこと以上に母になったことがヒロインを強くする。

ヴァンパイアのエドワードと結婚し、自らも最愛の人と同じヴァンパイアになってカレン家に加わった人間の少女ベラ。ベラに恋していたオオカミ族のジェイコブは、ベラが生んだ娘レネズミこそが運命の相手と知る。ヴァンパイアとオオカミ族の争いが終わり、ようやく平和が訪れたかに思えたが、3000年生きるヴァンパイアの王族ヴォルトーリ族は、レネズミがすべてのヴァンパイアを滅ぼすといわれる伝説の存在“不滅の子”であると判断して、抹殺に乗り出す…。

ステファニー・メイヤー原作の人気小説の映画化シリーズもついに完結。ヴァンパイアの青年と人間の少女の禁断の恋、さらにオオカミ族の青年との三角関係を描いたファンタジーは、世界中で熱狂的に愛された。だが本作は、人間と異形のものとの許されない関係ではなく、ヴァンパイア間の争いごとで、人間は完全に蚊帳の外。このサーガの中で1本だけ独立しているかのような内容なのだが、それでも母となったベラの強い母性がパワーとなって物語の最終章を引っ張っている。ヴァンパイアと人間のハーフであるレネズミは、危険な存在ではないと証明するために、エドワードは世界中のヴァンパイアに協力を呼びかけ、ヴォルトーリ族との対決に備える。彼らが、それぞれが違う能力を持ちそれを披露する場面は、超能力の隠し芸大会のようで、なかなか楽しい。ベラとエドワードの間に生まれた子こそ、ジェイコブの運命の相手“刻印”であると、シリーズ中、長らく続いた三角関係に一気にオチをつけるのは、少々安易な設定ではあるが、人気キャラのジェイコブに幸せを用意したのは、ファンには嬉しい展開だろう。雪原を舞台に繰り広げられる一大バトルは、大規模なVFXを駆使して描かれ、長いシリーズのクライマックスにふさわしい迫力だが、これには、ちょっとしたオチがつく。いずれにしても、クリステン・スチュワート ロバート・パティンソン テイラー・ロートナーという若手俳優をトップスターに押し上げた人気シリーズは、この世ならぬものへの恐れと憧れを、ロマンチック満載で描いて映画ファンをたっぷり楽しませてくれた。
【65点】
(原題「THE TWILIGHT SAGA: BREAKING DAWN - PART 2」)
(アメリカ/ビル・コンドン監督/クリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、他)
(アクション度:★★★★☆)
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拝啓、愛しています

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シニア世代の男女の愛と友情をあたたかなまなざしで描く韓国映画「拝啓、愛しています」。いくつになってもときめく心は忘れない。

マンソクは牛乳配達のアルバイトで小遣い稼ぎをする隠居老人。ある寒い朝、坂道で転んでしまった、古紙回収をする年老いた女性ソンを助けたことから、彼女のことが気になり始め、毎朝の出会いを心待ちにするようになる。ソンは不幸な境遇だが、穏やかな性格で、2人は次第に親しくなる。一方、ソンの知人で駐車場の管理人をしているグンボンは、認知症の妻を献身的に介護していた。人生の黄昏時に出会い、愛や友情を育んだ彼らだったが、楽しい時は長くは続かなかった…。

原作は韓国でベストセラーになったカン・プル著の人気コミック。舞台化やドラマ化もされたそうだ。シニア世代の出会い、愛情、友情、子供たちとのかかわりや、残り少ない人生の大切さを細やかに描いている。前半は主に、マンソクとソンの恋愛模様だ。偶然の出会い、互いを待つときめき、デートでの食事やプレゼントなど、少しユーモラスに、奥ゆかしく描かれる。そのテイストはそのまま、韓国映画の“若者の”恋愛ドラマと同じで、微笑ましい。だが、主人公たちは人生の終盤を迎え、時につらい経験をしてきた老人たちだ。マンソクは比較的恵まれているが、ソンは教育も受けられず字も読めない。若い頃、田舎からソウルに来て、夫に捨てられ、苦しい生活と孤独に耐えてきた。グンボン夫妻は仲がいい夫婦だが、子供たちから忘れられ、煙たがられている。年を重ねるということは、とてもやるせないことで、マンソクはあきらめにも似た口調で「人生とは慣れることだ」とつぶやくのが哀しい。それでも人は誰かを愛さずにはいられないのだ。ずっと孤独だったソンが、生まれて初めて愛される喜びを知ったがために、マンソクとの死に別れの辛さに耐えられないと、自ら別れを切り出すシーンはとても切ない。だが、かつて妻を亡くした悲しみを知るマンソクは、怒りっぽくて頑固な性格を変えてくれた優しいソンを心から大切に思っていた。彼が精一杯の愛情を見せるクライマックスは、胸が熱くなる。ベテラン俳優のイ・スンジェは、いつもは厳格な権力者などを演じることが多いが、本作では口は悪いがホントは優しい、愛すべきおじいちゃんを好演している。
【65点】
(原題「LATE BLOSSOM」)
(韓国/チュ・チャンミン監督/イ・スンジェ、ユン・ソジョン、キム・スミ、他)
(思いやり度:★★★★☆)
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もうひとりのシェイクスピア

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文豪シェイクスピア別人説を重厚なタッチで描く歴史ミステリー「もうひとりのシェイクスピア」。監督があのローランド・エメリッヒというのが一番の驚き。

16世紀末。エリザベス一世統治下の英国は繁栄し、貴族も庶民も演劇熱が高まっていた。だが女王の側近で宰相のセシルは演劇を忌み嫌い、芝居を弾圧する。そんな中、演劇を愛するオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアは、人気作家ベン・ジョンソンを屋敷に呼び、自分が書いた戯曲を君の名で上演して欲しいと申し出る。その芝居「ヘンリー5世」は大評判になるが、作者の登場を求める観客の前にジョンソンより先に名乗り出たのは、芝居に出ていた役者ウィリアム・シェイクスピアだった…。

シェイクスピア別人説は、文学史上最もミステリアスな議論として知られる。自筆の原稿がないことや、庶民出身で高等教育も受けず、外国に出たこともないシェイクスピアが、あれほど宮廷や上流階級に精通し、幅広い知識に基づいた人間の業を描けるはずがないというのがその理由だ。真偽のほどはさておき、本作では、最も有力とされるオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアこそが本当の作者だという仮説を、シェイクスピアの悲劇のような波乱万丈なドラマとして描いている。ヴァージン・クイーンのエリザベスには隠し子が複数いて、それには後継者争いと政治的陰謀、権力欲がからむ。エドワードと対立する義父セシルや、若きエドワードが心から愛した女王エリザベス、隠し子とそのおぞましい血筋などの真実は、シェイクスピアが描く作品以上に破滅的な悲劇だ。いや、これはむしろ喜劇か。なぜエドワードは匿名で作品を書かねばならなかったのかという謎の周囲に、散りばめた史実が絶妙。さらに、シェイクスピアの名作の数々の名場面や類似した登場人物を意識的にストーリーに盛り込んだのが上手い。物語はあくまでも仮説だが、興味深い歴史ミステリーとして楽しめる。軽い役柄が多かったリス・エヴァンスがノーブルな演技を見せるのが意外だが、一番驚くのは、この重厚な歴史劇を作ったのが、SFパニックのイメージが強いローランド・エメリッヒ監督だということ。16世紀のロンドンの街並の再現に得意のCGを使ってはいるが、こういう正統派ドラマが作れるとは見直した。エメリッヒ監督の新たな一面を見たのが、一番の収穫である。
【70点】
(原題「ANONYMOUS」)
(英・独/ローランド・エメリッヒ監督/リス・エヴァンス、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジョエリー・リチャードソン、他)
(悲劇度:★★★★☆)
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シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜

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目にも美味しい料理の数々を味わえるグルメ系フレンチ・コメディ「シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜」。最近、他国に押され気味の仏料理界へのエールが聞こえるようだ。

若き料理人のジャッキーは、才能はあるのに、生意気な性格と料理への過剰なこだわりのため仕事が長続きしない。一方、一流レストランのベテランシェフのアレクサンドルはスランプで、新作料理のアイデアが浮かばない。偶然出会ったジャッキーの才能に気付いたアレクサンドルは彼をスカウト。ジャッキーはあこがれのシェフの元で無給で働くことを承諾する。アレクサンドルは前々から対立していたレストランのオーナーから、次の審査会で三ツ星を守れなければクビと言い渡された。ジャッキーと一緒に何とか新作料理を完成するが、星取りを左右する批評家の来店の日に、とんでもないアクシデントが起こってしまう…。

料理はフランスが誇るアートのひとつだ。だが、最近では料理界をリードする一流シェフはフランスからは生まれていない。このフレンチ・コメディでは、レストランの格付け“星取り”の実情と、星取りに右往左往する料理人、レストラン、批評家たちの姿をチクリと批判・風刺する。生意気だが天才的な舌を持つジャッキーは、ベテランシェフ、アレクサンドルのレシピは本人より熟知していて、彼の料理に、新たなアレンジや大胆な改革を提案する。それは、完璧なレシピを愛しながらも、それをさらに発展させたいという料理への深い愛情のなせる技だ。フランス映画らしく、恋愛もからむが、基本は、“料理命”の男たちの奮闘物語である。劇中に登場する見事な料理は、著名なシェフであるブノワ・ボルディエが手掛けたレシピ。伝統的なフランス料理から、アヴァンギャルドな分子料理まで、現代の料理事情が垣間見える。2人のシェフは、伝統と革新をミックスすることで料理に新たな道を見出したように、実生活では、仕事に情熱を傾けつつ、恋人や娘を愛する気持ちを思いだす。料理も人生も、大事なのは、大切な人を幸せにしたいと願う気持ちなのだ。ライバルシェフの店を偵察するため、変装するのが「いまどきそれはないだろう!」と言いたくなるような、サムライとゲイシャ姿。日本人としては脱力するが、科学か何だか知らないが、料理の本質を忘れたかのような嫌味なライバルを手玉に取るのは痛快だった。
【50点】
(原題「THE CHEF/COMME UN CHEF」)
(フランス/ダニエル・コーエン監督/ジャン・レノ、ミカエル・ユーン、他)
(グルメ度:★★★★☆)
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大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇]

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男女逆転「大奥」のシリーズ第2弾「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇] 」。平和ボケした元禄の権力闘争が愛情を蝕む。

美貌と知性を兼ね備えた五代将軍・綱吉の手腕により、徳川幕府はかつてない繁栄期・元禄時代を迎えていた。だが、綱吉は一人娘の松姫が死去したため、政治から遠ざけられ世継ぎ作りに専念させられることになる。そんな中、京より貧しい公家出身の右衛門佐(えもんのすけ)が大奥入りする。美貌と才覚で綱吉に取り入り、大奥内での権力を手中に収める右衛門佐。だが彼は、その野心の一方で綱吉に対し、秘めた想いを抱いていた…。

原作はよしながふみの大人気コミック。男子だけが死に至る謎の病によって、大奥をはじめ、世の中の主要な地位を女性が占める世となった江戸時代を背景に、男女逆転という1点の偽りを除いて、ほぼ史実に忠実に描くユニークなスタイルは、華麗かつ独創性あふれるものだ。初の映画化でも人気を博し、劇場版第2弾では、犬公方として有名な5代将軍綱吉の世を描く。本来、政治も学問も秀でていながら、世継ぎを産むという将軍最大の“使命”のため、人生を歪められていく綱吉は、時代の犠牲者にも見える。将軍を溺愛しながらも実質的に操って、悪法“生類憐みの令”を発令する発端となる父親との関係性は、本作と対になっている、女将軍誕生秘話を描いた連続TVドラマの「大奥〜誕生〜[有功・家光篇] 」を知ると、その業がより深く感じ取れる。慈愛に満ちた有功と、野心家の右衛門佐の両方を堺雅人が演じているのがユニークだ。歪んだ純愛の果てに誕生した男女逆転の大奥は、時を経ても、まっすぐな愛が生まれることを許さない。世の中の乱れをよそに、権力闘争に明け暮れる大奥の世界は虚しいものだが、愛より権力に生きた右衛門佐が、最後の最後に見せるピュアな激情は胸に迫る。例によって、絢爛豪華な美術や衣装が素晴らしいが、今回は、大奥史上最長の御鈴廊下のセットや、世界遺産の二条城でのロケなど、ヴィジュアル面もスケールアップしている。原作には数多くの魅力的な物語があるようなので、映画もぜひ人気シリーズとして続いてほしいものだ。
【60点】
(原題「大奥〜永遠〜[右衛門佐・綱吉篇] 」)
(日本/金子文紀監督/堺雅人、菅野美穂、尾野真千子、他)
(絢爛豪華度:★★★★☆)
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グッモーエビアン!

グッモーエビアン!  映画パンフレット 監督 山本透 出演 麻生久美子、大泉洋、三吉彩花、能年玲奈、竹村哲(SNAIL RAMP)、MAH(SHAKALABBITS)/塚地武雅(ドランクドラゴン)、小池栄子、土屋アンナグッモーエビアン! 映画パンフレット 監督 山本透 出演 麻生久美子、大泉洋、三吉彩花、能年玲奈、竹村哲(SNAIL RAMP)、MAH(SHAKALABBITS)/塚地武雅(ドランクドラゴン)、小池栄子、土屋アンナ
風変わりな一家の“ロックな”愛情を描く「グッモーエビアン!」。血のつながりを越えた絆と“自分らしさ”がいい。

元パンクバンドのギタリストで、シングルマザーのアキと、しっかり者の15歳の娘・ハツキは、仲の良い親子で、名古屋のアパートで2人で暮らしている。ある日、約2年間、海外放浪の旅をしていたヤグが突然帰国、アパートで2年ぶりの共同生活が始まった。自由気ままな性格のヤグと、働きもしない彼を明るく笑い飛ばすアキの2人を、ハツキは許せず、イラついてしまう。そんな中、ハツキの親友トモがハツキとけんかしたまま転校してしまい、さらにハツキは自分の将来にある決断を下すことになるのだが…。

原作は吉川トリコの同名小説。不思議な響きのタイトルの意味は「グッドモーニング、エブリワン」をネイティヴ風の発音にしたものだ。思春期で揺れ動く中学3年の少女ハツキを中心に、ちょっと風変わりな、でも愛情たっぷりの家族の絆が描かれる。元パンクバンドのギタリストのアキは17歳でアキを産み、同じバンドのボーカルのヤグは父親でもないのにハツキを可愛がり、生まれる前からアキと一緒に暮らしている。それを“ロック”と呼ぶかどうかはさておき、彼らには血のつながり以上の絆があることは確かだ。しっかり者のハツキが自由すぎる大人たちを見て反抗してしまう気持ちはもっともだが、ハツキが自分の進路を決めたとき、はじめてアキは自分とヤグの過去を話すことに。それはハツキを大人と認め、親が決めたレールを行くのではなく、自分の将来は自分で決めることを望んでいるからだ。これこそが“ロック”なスピリットだと思う。劇中にアキがハツキに言う“あんたの将来はあんたが決めればいいんだから”というセリフはぶっきらぼうだが、親としてというより人生の先輩としての愛情がこもっていた。ラスト、大泉洋がシャウトし、麻生久美子がクールにギターを演奏するライブシーンが素晴らしい。フリーマーケットの店番役でさりげなく登場する土屋アンナの潔さが印象的だ。
【60点】
(原題「グッモーエビアン!」)
(日本/山本透監督/麻生久美子、大泉洋、三吉彩花、他)
(家族愛度:★★★★☆)
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マリー・アントワネットに別れをつげて

マリー・アントワネットに別れをつげて [Blu-ray]マリー・アントワネットに別れをつげて [Blu-ray] [Blu-ray]
ベルサイユの落日の光景を王妃の朗読係の視点から描く歴史劇「マリー・アントワネットに別れをつげて」。本物志向のヴィジュアルが見事。

1789年7月14日、バスティーユが陥落しフランス革命が勃発する。王妃マリー・アントワネットと彼女の寵愛を一身に受けるポリニャック夫人らの名前が載った286名の処刑リストが出回った。ベルサイユに衝撃が走り、宮廷は大混乱に陥る。王妃に心酔する若き朗読係のシドニーは、革命勢力を恐れた王侯貴族たちが次々にベルサイユを見捨てて逃亡する中、王妃への忠誠を誓うが、王妃から思いもよらぬことを命じられる…。

マリー・アントワネットは歴史上、最も有名な王妃の一人で、その劇的な生涯は、小説、マンガ、映画と数多くのメディアによって伝えられてきた。本作は、悲劇の王妃マリー・アントワネットその人ではなく、そばで仕えた朗読係を主人公にしているところがユニークだ。王妃を恋心にも似た気持ちで崇拝する朗読係のシドニーは、アントワネットがこれまた恋心にも似た気持ちで寵愛するポリニャック夫人に嫉妬する。革命は歴史のターニングポイントだが、優雅で享楽的な毎日が永遠に続くと信じていたベルサイユの住人たちにとってはその激震がすぐには実感できず、命の危機だというのに少し危うい同性愛的感情にひたりながら、革命に対峙している様子は、悲喜劇にも見える。物語は、バスティーユ陥落から3日間という短い間の出来事で、同性に恋する少女漫画のような感情を描くかと思えば、終盤は、王妃を慕うシドニーが、彼女を気に入っていながら所詮使用人でしかないと考える王妃から、スイスに逃亡するポリニャック夫人を助けて、身代わりになれと非情すぎる命令を受けるスリリングな展開に。絢爛豪華なコスチューム劇は、一気に人間の感情の奥底をえぐる心理ドラマへと変わっていく。本物のベルサイユ宮殿でロケされた正統派歴史ドラマは、豪華なだけでなく、朗読係や記録係という役割や、使用人が暮らした室内など、宮殿の舞台裏ともいえる場所も描いていて、興味深かった。レア・セドゥーの素朴で物憂げな表情が印象深い。
【65点】
(原題「FAREWELL, MY QUEEN」)
(仏・スペイン/ブノワ・ジャコー監督/レア・セドゥー、ダイアン・クルーガー、ヴィルジニー・ルドワイヤン、他)
(絢爛豪華度:★★★★★)
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映画 妖怪人間ベム

映画 妖怪人間ベム 2枚組(本編ディスク+特典ディスク) [Blu-ray]映画 妖怪人間ベム 2枚組(本編ディスク+特典ディスク) [Blu-ray] [Blu-ray]
伝説的なTVアニメを実写化した人気TVドラマの劇場版「映画 妖怪人間ベム」。人間になる方法は意外な方法だった。

暗く音のない世界でひとつの細胞から生まれた3つの生き物。それは人間になれなかった妖怪人間のベム、ベラ、ベロだ。早く人間になりたいと願いながら、善行を積む彼らは、たどりついたある街で連続殺人事件に遭遇する。製薬会社・MPL製薬の陰謀が見え隠れするその事件を調べるうちに、ベムたちは、人間でありながら妖怪の力を持つ未知の敵と遭遇する。一方、人間の友達を求めるベロは、MPL製薬の新薬開発研究者の娘みちると出会い、生まれて初めて恋心を抱くのだが…。

1960年代後半にTVアニメとして登場した「妖怪人間ベム」は、醜い姿に正義の心を持つ妖怪人間ベム、ベラ、ベロの3人を主人公にした異色のストーリーとダークな世界観で人気を博した伝説的なアニメだ。2011年に亀梨和也、杏、鈴木福の主演で実写連続ドラマ化され、再び日本中にブームを巻き起こしたが、本作はその“完結編”という位置付けである。“名前の無い男”との戦いの果てに、人間特有の悪を取り込んで人間になることよりも、人間を守ることを選んだ彼らだが、“名前の無い男”の存在は常にトラウマとなって彼らの意識下にある。この物語のテーマは、いつの時代も善悪のせめぎ合いなのだ。今回は製薬会社の犠牲になり“人間妖怪”と化した母親を登場させて、妖怪人間と対峙させている。製薬会社の悪事も内情は複雑で、消費者のあくなき欲求が企業の倫理を歪め、結果として犠牲者を出すという点に着目しているのは達観だ。人間を幸福にするために使われるべき科学が、悪を生んでしまうという悲劇は、衝撃的なストーリーが持ち味だったオリジナルとも共通している。悪との激突が地方都市での小規模なものだったり、ベロの淡い初恋に裂かれる時間が長いなど、ストーリーはこじんまりとしているし、特殊メイクやCGを使ったアクションシーンも、意図的なのか、どこかのんびりしている。それでも、どれほど人間に嫌われようとも、人間を守ると決めた妖怪人間の強い信念の中に、逆に人間の愚かしさ、醜さを見る、本作のテーマは明快だ。それはついに人間になる方法を知った後の彼らの決断の尊さからも伝わってくる。
【60点】
(原題「映画 妖怪人間ベム」)
(日本/狩山俊輔監督/亀梨和也、杏、鈴木福、他)
(アクション度:★★☆☆☆)
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フランケンウィニー

フランケンウィニー ブルーレイ(2枚組/デジタルコピー付き) [Blu-ray]フランケンウィニー ブルーレイ(2枚組/デジタルコピー付き) [Blu-ray] [Blu-ray]
白黒3Dで描く奇妙なファンタジー「フランケンウィニー」。キモかわいいキャラクターたちがいつしか好きになる。

科学が大好きな孤独な少年ヴィクターは、愛犬スパーキーが唯一の友達。だがスパーキーが不幸にも事故死し、ヴィクターは悲しみのあまりその死を受け入れることが出来なかった。ヴィクターは授業で「電気を流せば死体でも反応する」と教わったことを思い出し“禁断の実験”によってスパーキーを蘇らせることに成功。誰にも秘密にしておくはずが、スパーキーが外に出てしまい、クラスメイトたちに知られてしまう…。

どこかヘンだけどステキな世界。これがティム・バートンの世界観だ。大の犬好きであるバートンが、1984年に作った同名の短編映画を、長編映画として愛情を込めて完成させた本作は、白黒でストップモーションアニメ、そして3Dという、手作りのぬくもりと最新のテクノロジーが融合した不思議なファンタジーに仕上がった。個人的に思い入れが強い作品というだけあって、暗く病的なヴィジュアルにもかかわらず、作品のすみずみまで愛情を感じさせる。雷の電流を利用して蘇ったスパーキーは、つぎはぎだらけのフラン犬(ケン)。自分が死んだことに気付いておらず、無邪気に遊びまわる様子をはじめ、異様な目付きの子供たちや、エキセントリックな教師など、キャラクターは、皆、不気味だ。動物墓地や屋根裏部屋もまるでホラー映画のよう。子供たちが死者を蘇らせたことで巻き起こる騒ぎは、町の祭の日に重なり大騒動に。だが、よーく見てほしい。見た目はヘンなキャラたちだが、実は悪人はおらず、パラノイア風の科学教師でさえ、「科学実験で一番大切なことは、心を込めることだ」と、誰よりもまっとうなことを言う。モノクロで色がないのに、どこか温もりを感じさせるのは、本作が普通の人とは少し違うマイノリティ(少数派)への優しいまなざしに満ちているからだ。天才アーティストのティム・バートンもまた、少年時代は、犬好きで映画好きの、ちょっと変わった少年だったに違いない。随所に散りばめられた映画ネタがこれまた嬉しい。
【70点】
(原題「FRANKENWEENIE」)
(アメリカ/ティム・バートン監督/(声)ウィノナ・ライダー、マーティン・ショート、他)
(ダーク度:★★★☆☆)
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