映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

映画レビュー2013

映画レビュー「ハッシュパピー バスタブ島の少女」

ハッシュパピー バスタブ島の少女 [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
6歳の少女の心の成長を描く「ハッシュパピー バスタブ島の少女」。生命力みなぎる荒々しいファンタジーは、唯一無二の魅力。 【90点】

 6歳の少女ハッシュパピーは、バスタブ島で父ウィンクや住民たちと共に穏やかに暮らしている。だが大嵐が島を襲い、すべてを奪っていった。さらに父が重い病気であることが判明。厳しすぎる現実に途方にくれながらも、ハッシュパピーは、父を、そして世界を守るため、ある決心をする…。

 タンポポのような髪型をした最高にキュートな野生児。それがこの物語のヒロインのハッシュパピーだ。住むのは、堤防によって世界から切り離された閉塞的なコミュニティー。暮らしは極貧。大好きな母はずいぶん昔に家を出たきりだし、父は飲んだくれの荒くれ男。常識的に見れば、トンデモなく不幸な環境なのだが、ハッシュパピーは、いつだって明るくタフで、思慮深い。この少女の力強さが物語を引っ張っていく。

 ハッシュパピーの考えはこうだ。この世界では命あるものはすべてバランスよく収まっていて、それは大切な自然界の秩序であり、絶対に守らねばならない。だがバスタブ島が温暖化によって存続の危機にあり、同時に氷河の中から目覚める有史以前の獰猛な野獣の出現を恐れてもいる。6歳の少女の目を通して、自然への愛情と畏怖、さらに生きる勇気を描くが、語り口が神話的でファンタジックなのには驚かされる。幻想と現実は、地続きであるがゆえに少女の決心は揺るぎがない。「この世界は、あたしが守る」。

 監督のベン・ザイトリンは、作曲家、アニメーターなど、さまざまな才能を発揮するマルチ・クリエイターで、本作が長編映画初監督となる。低予算、無名俳優で作り上げた本作は、ファンタジーながら、自然の猛威、政府の干渉、格差や貧困といったリアルな視点も忘れていない。さらにそこに、海上にある異世界という強力な磁場を用意するひねり技も。深い哀しみに負けず、奇跡を呼び起こす少女の成長と自己形成というビルドゥングスロマンに仕上げた手腕は、見事だ。

 ヒロインを演じたクヮヴェンジャネ・ウォレスちゃんは、撮影時6歳。カンヌ映画祭やアカデミー賞をはじめ、数々の映画祭で絶賛されたが、なるほど彼女の感受性豊かでいながら自然体の名演には唸らされる。荒々しいカメラワークと繊細な音楽の対比も絶妙。絶望的な世界に屹立する小さなヒロインの雄雄しいシルエットと、心優しい野獣がおこした奇跡の神話は、生命力そのもの。心揺さぶる傑作だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)幻想的度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「BEASTS OF THE SOUTHERN WILD」
□監督:ベン・ザイトリン
□出演:クヮヴェンジャネ・ウォレス、ドワイト・ヘンリー、リービ・イースタリー、他
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ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜@ぴあ映画生活

映画レビュー「舟を編む」

舟を編む 豪華版(2枚組) 【初回限定生産】 [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
辞書作りに携わる人々の静かな情熱を描く「舟を編む」。抑制したタッチが好感度大。 【70点】

 玄武書房に勤務する馬締光也は、卓越した言葉のセンスを買われ、辞書編集部に配属される。携わるのは、略語や若者言葉も取り入れた、今を生きる人のための生きた辞書「大渡海」作り。編集部の個性的な面々と共に、辞書作りに没頭していく馬締は、ある日、大家の孫娘の香具矢に出会いひと目惚れする…。

 原作は、2012年本屋大賞を獲得した三浦しをんの大ベストセラー。個性的なタイトルは、辞書(舟)を編集する(編む)の意味だ。途方もなく地味で長い作業に携わる人々を描くが、仕事に対してはこれみよがしの“頑張り”感はあえて描かない。だからこそ主人公の、恋への“一生懸命”が効いてくる。このバランスの妙が、本作の一番の魅力なのだ。

 馬締(マジメ)は、辞書作りという一生の仕事を見つけ、香具矢(かぐや)という生涯の伴侶を得た、幸福な人間である。そんな彼がさまざまな困難にぶつかりながら、情熱を傾ける辞書「大渡海」は、完成するまでなんと15年。用例採集、見出し語選定、語釈執筆、レイアウト、校正…。映画はそんな辞書作りの工程を丁寧かつユーモラスに描き、決して退屈させない。こつこつとした仕事ぶりは時に美しく、その“行間”には、恋や友情、出会いや別れがある。辞書作りが、次第に壮大なロマンに思えてくる。

 とりわけ、言葉に情熱を傾ける人たちの議論が、実にユーモラスで味わい深い。「右」という言葉の説明から始まり、「恋」の語釈に頭を悩ませ、「ダサい」は実体験に基づく例文がつく。言葉は生きているのだ。

 バラエティに富んだキャスティングは、脇役まで含めて実に味のある役者が揃っている。実は松田龍平を“久しぶりに”「いい俳優だ」と感じた。不器用で変人、親友はネコのトラさんというマジメが、仕事と恋によって成長し、いつしか人ときちんとコミュニケーションをとれる、頼れる編集者になっていくプロセスを、繊細に演じている。才人の石井裕也監督にしては、毒気が足りず、端正すぎるのだが、それが欠点になっていないのがこの作品の力だ。

 調べものはインターネットでサクッと検索が常識の今、この映画は「人によって紡がれる言葉は、人をつなぐ」という役割を再確認させてくれる。主人公は、他者と交わることによって、キラめく言葉の海へと舟をこぎ出していった。淡々としたタッチで途方もない情熱を描く、奥ゆかしい秀作である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)端正度:★★★★☆

□2013年 日本映画 □原題「舟を編む」
□監督:石井裕也
□出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー、他
(宮崎あおいの崎は代用文字。 正しくは“たつさき”)
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舟を編む@ぴあ映画生活

映画レビュー「ヒッチコック」

ヒッチコック [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
サスペンスの神様の知られざる素顔を描く「ヒッチコック」。名匠のコンプレックスと映画の裏話に興味津々。 【65点】

 映画監督として大成功を収めたアルフレッド・ヒッチコックは、自費を投じて扇情的なホラー映画「サイコ」の制作に着手する。だが、それまでの常識を覆す演出のため、映画はさまざまなトラブルに見舞われる。さらに妻アルマとの関係にもほころびが生じはじめ、ヒッチコックはついに倒れてしまう…。

 サスペンスの神様、アルフレッド・ヒッチコック、通称ヒッチの唯一のホラー作品で、最大のヒット作は言うまでもなく「サイコ」だ。数々の逸話を残すこの名作誕生の舞台裏を描く本作は、ヒッチコキアン(ヒッチコックの熱狂的なファン)には、よく知る逸話ばかりだろう。

 だが、本作はヒッチコックという天才監督の賛美ではない。「サイコ」のモデルで大量殺人者のエド・ゲインの幻影が、常にヒッチにつきまとうが、ゲインはヒッチの深層心理の象徴だ。描かれるのは、コンプレックスや嫉妬心、殺人や倒錯を嗜好する異常性。さらに、公私ともに強い絆で結ばれた夫婦の葛藤を浮き彫りにするアプローチが新鮮だ。

 「サイコ」は、下着姿やトイレを映したこと、ヌードが見える、見えないの論争などで、映倫との長い戦いが繰り広げられた作品として知られている。さまざまなテクニックで難局を乗り切るヒッチの戦略はまさに天才的で、彼の才能とチャレンジ精神は疑いようがない。だがその一方で、世間の評判を気にし、アカデミー賞を取れないことに傷つく弱い側面も。そんな複雑な夫のそばで、妻アルマもまた、編集者・脚本家として悩んでいたのだ。

 ヒッチ役の名優アンソニー・ホプキンスは、特殊メイクで巨匠を熱演するが、顔は似ていないのに、しぐさや人間描写の掘り下げでヒッチになりきっているからさすがである。対するヘレン・ミレンは、夫の浮気癖に耐えながらも、妻として編集者として夫を支える気丈なアルマを、これまた貫禄たっぷりに演じる。モノクロ映画の「サイコ」の名シーンの数々が、鮮やかな“カラー”で見られるのが何より嬉しい。

 第一回試写で酷評された「サイコ」を、鮮やかな編集手腕で名作に作り変えたアルマとヒッチは、互いに欠点を抱えながらも、二人揃うと最強になった。本作のタイトルは「ヒッチコック」だが、これはむしろ「ヒッチ&アルマ」とでも呼びたいバディ・ムービーなのだ。多くの名作を作りながらアカデミー監督賞を取れなかったことに生涯コンプレックスを抱えていたヒッチコック。彼とその妻の物語を、ホプキンスとミレンというオスカー俳優の二人が演じることを知ったら、ユーモアと皮肉が大好きだったヒッチは苦笑いするに違いない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)夫婦善哉度:★★★★★

□2012年 アメリカ映画 □原題「HITCHCOCK」
□監督:サーシャ・ガバシ
□出演:アンソニー・ホプキンス、ヘレン・ミレン、スカーレット・ヨハンソン、他
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ヒッチコック@ぴあ映画生活

映画レビュー「愛、アムール」

愛、アムール [DVD]愛、アムール [DVD] [DVD]
◆プチレビュー◆
老いと病を通して究極の夫婦愛を描いた「愛、アムール」。名優二人の存在感とハネケ監督らしからぬ物語に驚く。 【75点】

 パリの高級アパルトマンに暮らす、ジョルジュとアンヌは、共に元ピアノ教師で、仲がいい老夫婦。ある日、アンヌに異変が起こり緊急入院するものの、半身麻痺の後遺症が残ってしまう。ジョルジュは認知症の兆候も見られる妻を献身的に介護するが、次第にアンヌの心と身体は蝕まれていく…。

 穏やかで満ち足りた夜から一転、突然襲ってくる認知症という過酷な現実。日本でもこのテーマの映画は少なくないが、福祉や介護といった社会問題に傾きがちだ。ミヒャエル・ハネケ監督は、本作で、深く愛し合い、支え合って生きてきた老夫婦の終盤の人生が崩壊し、追い詰められていく様をシビアに描きつつ、夫婦愛とその先の選択を、真正面からみつめている。

 病院嫌いのアンヌを自宅介護するようになってからは、車椅子生活、トイレ、入浴、介護師やヘルパーなど、極めて現実的な描写が続く。物語は、ハネケ監督の家族の実体験に基づいて作られたそうで、ディテールがとてもリアルだ。

 老夫婦は経済的に恵まれた教養人で、端正に誇り高く生きてきた。だからこそ、老いと病によって人格を奪われるプロセスは残酷で悲しい。アンヌは、思い通りにならない身体に苦悩し、自らも老いているジョルジュも疲弊していく。自分自身に尊厳を保てないからこそ「もう終わりにしたい」。アンヌが言うこの言葉は、彼女を深く愛しているジョルジュの深層心理でもあるのだ。

 主人公の夫婦を静かに熱演するのは「男と女」「暗殺の森」のジャン=ルイ・トランティニャンと、「二十四時間の情事」のエマニュエル・リヴァ。じっくりと長回しで夫婦の姿を追い、皺だらけの顔や手足を繰り返しクローズアップでとらえるが、名優二人はそのカメラの力に少しも負けていない。互いを思いやりながら尊厳を持った生き方を望む夫婦を、自らも長い人生を生きた俳優が、毅然と演じる姿には、感動さえ覚えた。

 迫りくる終末の気配の中で、懐かしくも遠い日々を思い出すジョルジュ。そしてその“決断”は唐突にやってくる。何しろ、神経を逆なでする悪意を描き続けて映画ファンをうならせてきた鬼才ハネケだ。そのこと自体には驚かないが、びっくりしたのは、その後の展開である。映画冒頭とつなげてみると、これはハネケ流のファンタジーとも思えるが、深い余韻と共にスクリーンからあふれ出るのは、美しく感動的な慈愛なのだ。鋭い洞察力や冷徹な作風は変わらない。だが、本作は、ミヒャエル・ハネケという監督のイメージを大きく変える映画であることは間違いない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)慈愛度:★★★★☆

□2012年 仏・独・オーストリア合作映画 □原題「AMOUR」
□監督:ミヒャエル・ハネケ
□出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ、イザベル・ユペール、他
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愛、アムール@ぴあ映画生活

映画レビュー「ジャンゴ 繋がれざる者」

ジャンゴ 繋がれざる者 ブルーレイ プレミアム・エディション(初回生産限定)(2枚組) [Blu-ray]ジャンゴ 繋がれざる者 ブルーレイ プレミアム・エディション(初回生産限定)(2枚組) [Blu-ray] [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
元奴隷と元歯医者の賞金稼ぎコンビが大暴れする「ジャンゴ 繋がれざる者」。ジャンルの境界線を飛び越え、奴隷制の暗部を射抜く快作。 【90点】

 1959年のアメリカ南部。奴隷のジャンゴは、ドイツ人の賞金稼ぎのシュルツに助けられ、自由を得る。二人はコンビを結成。次々とお尋ね者たちを仕留めていった。ジャンゴの目的は、奴隷市場で離れ離れになってしまった妻ブルームヒルダを捜し出すこと。彼女が、極悪非道の農園主カルビン・キャンディのところにいることを知ったジャンゴは、生死を賭けた闘いを挑むことになる…。

 ジャンゴ。言わずと知れたマカロニ・ウェスタンの代名詞的なキャクター名だ。クエンティン・タランティーノは筋金入りの映画オタクだが、中でもマカロニ・ウェスタンへの偏愛はハンパではない。「続・荒野の用心棒」の棺桶を引きずったガンマン、ジャンゴがそうであったように、本作のジャンゴもまた正義漢ではないアウトロー。複雑な倫理観を抱えたダーティな主人公だ。

 凄腕の賞金稼ぎのシュルツは奴隷制を忌み嫌うが、彼がジャンゴを助けるのは、ジャンゴがブルームヒルダというドイツ名を持つ妻を探している“ジークフリート”だからだ。勇者が姫を助けるロマンチシズムに反応しないドイツ人はいない。かくして、おかしな賞金稼ぎコンビは、極悪非道な農園主カルビン、黒人なのに差別主義者の老執事スティーブンらと、想像を絶する死闘を繰り広げることになる。

 早撃ちのガンマン姿がハマリすぎのフォックスと、気取ったしゃべりのドイツ人賞金稼ぎをひょうひょうと演じるヴァルツ。このオスカー俳優コンビに、初の悪役に燃えるディカプリオ、タランティーノ作品の常連のサミュエル・L・ジャクソンが加わる。マンガ的に立ちまくったキャラが、いかにもタランティーノ流だ。もちろんタランティーノ自身も珍妙な役で顔を見せる。

 ともあれ、この21世紀のマカロニ・ウェスタンは、奴隷制の蛮行をあますところなく描くが、ヘタなモラルや友愛などは、口が裂けても語らない。そもそもジャンゴは、白人に復讐したいわけでも、奴隷制を廃止したいわけでもない。ただただ愛する妻ブルームヒルダを取り戻したいだけなのだ。正義感に欠けるこのアンチ・ヒーローには、とんでもない大銃撃戦の末にあっと驚く痛快なラストが待っている。血しぶきが舞うバイオレンス活劇を、ラブ・ストーリーとして昇華させるとは!この荒業、さすがは鬼才タランティーノである。

 特徴的な赤い文字のタイトルロールに始まり、乾いた空気感と壮絶なバイオレンスは、マカロニ・ウェスタンのお約束だ。そこに、癖のあるキャラクターにとぼけたユーモア、ハイセンスな音楽をからませる。娯楽アクションの中で、奴隷制という米国史の暗部に鋭いメスを入れてみせたタランティーノは、もはや凡百な映画オタク小僧ではない。あふれるばかりの映画の知識から最も濃いエッセンスを抽出し、クロス・ジャンルの野心作を作って見せる、堂々たる映画オタク中年にして骨太な映画作家なのだ。必見の快作である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)血しぶき度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「DJANGO UNCHAINED」
□監督:クエンティン・タランティーノ
□出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、他
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ジャンゴ 繋がれざる者@ぴあ映画生活

映画レビュー「世界にひとつのプレイブック」

世界にひとつのプレイブック Blu-rayコレクターズ・エディション世界にひとつのプレイブック Blu-rayコレクターズ・エディション [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
心を病んだ男女の出会いと再生の物語「世界にひとつのプレイブック」。シリアスな題材を、笑いでくるんだ演出に魅せられる。 【80点】

 妻の浮気が原因で精神のバランスを崩したパットは、仕事も家庭も全て失って実家で両親と同居しながらリハビリ中。魅力的な女性ティファニーと出会うが、彼女もまた最愛の夫を亡くし立ち直れずにいた。心に傷を抱えた二人は、人生を取り戻すためにダンスコンテスト出場を決意するが…。

 心を病んだ男女が再生しようと懸命にもがく。こう聞くとシリアスなドラマになりそうだが、本作はそんな予想を軽やかに裏切ってくれた。まじめに悩めば悩むほど笑いを誘うパットの存在は、時に世間に迷惑を及ぼすが、彼の周囲の人間は誰もがパットが大好きで、彼の再起を願っている。この物語は、登場人物たちの非常識な言動で笑わせながら、いつしか、本当に幸せに生きるために必要なものとは何か?という人生の真のテーマへと導いていく。

 そんな意外にも奥深い本作の魅力は、抜群に立ったキャラにある。何しろ誰もが素敵に“イカれている”のだ。寝取られ男のパットは根拠のない復縁を信じているし、ティファニーは夫と死別したショックで、会社の同僚11人と寝たという過激な美女。パットの父親は超が付くアメフト狂だし、息子と夫を溺愛する母親はどこまでも天然である。誰もがイタいキャラでありながら、集まるとナンとも愛おしい。もちろん個性的な男女は反発しながらも惹かれあう。無論ダンスコンテストだって、優勝などという“ありふれた”オチにはならない。

 イケメンだがどこか印象が薄かったブラッドリー・クーパーと、逆境に負けないタフな美少女役が定番だったジェニファー・ローレンス。今、最も旬な二人が、それぞれ今までとは少し違う雰囲気の演技を披露し、実に魅力的だ。ロマンティック・コメディの枠内で、心を病む不安定な男女という役は決して簡単ではない。軽くて、イタくて、愛らしい。さりげない名演とはこのことだ。

 監督のデヴィッド・O・ラッセルは「ザ・ファイター」で知名度を上げた人。もともとこの物語は、今は亡き二人の名匠、シドニー・ポラックとアンソニー・ミンゲラが映画化権を取得していたそう。ラッセル監督は、笑いと涙をブレンドした絶妙の演出で、巨匠たちの意思を見事に継いでくれた。

 タイトルにある“プレイブック”とは、アメフト用語で、チームの作戦すべてが書かれた戦術指示書を指す。だが、どんなプレイブックにも、人生のハプニングへの対処法は記されていないのだ。予定した戦術がすべてじゃない。思いもかけない出会いと、過去を否定せずに前を向く勇気こそが、必勝のフォーメーションを生み出すのだ。希望にあふれたラストを見れば良く分かる。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ユニーク度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「Silver Linings Playbook」
□監督:デヴィッド・O・ラッセル
□出演:ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、他
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世界にひとつのプレイブック@ぴあ映画生活

映画レビュー「ゼロ・ダーク・サーティ」

ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション [Blu-ray]ゼロ・ダーク・サーティ コレクターズ・エディション [Blu-ray] [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
ビンラディン殺害の裏側を描く「ゼロ・ダーク・サーティ」。ヒロインのラストの表情が報復の連鎖の虚しさを物語る。 【80点】

 ビンラディンの行方をつかめないCIAは、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るノン・キャリアのマヤを捜索チームに加える。捕虜の証言や現場証拠から核心に迫ろうとするが、成果は上がらない。そんなある時、親しい同僚が自爆テロに巻き込まれて死亡。それを機に、マヤは狂気にも似た執念でビンラディン暗殺という職務にのめりこみ、ついに潜伏先を特定する…。

 テロ組織アルカイダの指導者にして、9.11同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン。彼の捕縛・暗殺作戦は、2011年5月2日に実行され、オバマ大統領は「正義はなされた」と勝利宣言を発表した。だがその作戦の詳細は、長らく明らかにされなかった。この作品では、米国側の情報収集の実態と、作戦の中心人物がCIAの若き女性分析官だったという驚きの事実が描かれる。

 驚きとはいっても、世紀の暗殺劇の結末は世界中が知っているし、ストーリーの大筋は、ビンラディンという悪者を正義のアメリカが成敗するという大捕物にすぎない。それでもこの映画の重量感と緊張感はズバ抜けているし、問題を含む現代史をハリウッドがエンターテインメントとして昇華する“自由度”には、いつもながら感心させられる。何より、きわめて政治的な題材を、マヤという一人の若い女性分析官の変貌を通して描く、語り口が優れている。

 映画冒頭、現場に到着したマヤは、非人道的な拷問に立ち会い、思わず目を背ける。だが、巨費を投じても一向に成果が上がらない作戦の中、同僚の死がマヤを変えた。青い瞳と白い肌の、どこか線の細い美女は、上官に噛み付き、CIA長官にも物怖じせず、冷徹な判断でビンラディンの居所を突き止め、自信たっぷりに精鋭部隊の米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ)を動かして、殺害作戦を実行していくのだ。この映画は、非常に特殊な状況ながら、男社会で生き抜く一人の女性の“成長”を描いた物語でもある。

 ヒロインのマヤを演じるのは、映画女優としては遅咲きながら、その演技力が高く評価されるジェシカ・チャステインだ。本作では、マヤの執念と葛藤をドライで抑えた演技で、見事に演じきった。特にラスト、一人飛行機に搭乗した時のうつろな表情は絶品。すべてが終わった後に、報復の不毛や、これからも続くテロとの戦いの虚しさが、彼女の複雑な表情から浮かび上がった。

 タイトルは午前0時半を意味する米軍の専門用語。ネイビーシールズがビンラディンの潜伏先に突入した時刻を指す。映画で描かれるCIAの活躍はどれも派手で、ヒロイックなものが多いが、リアル志向の本作では、地味で地道な情報分析が中心で、突入作戦のクライマックスさえも、カタルシスとはほど遠い。マヤの執念は、テロを聖戦と信じるテロリストに打ち勝つためには、自らも狂気に身を投じるしかないと訴えている。つくづく空恐ろしい作品だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)緊張感度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「ZERO DIRK THIRTY」
□監督:キャスリン・ビグロー
□出演:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン、他
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ゼロ・ダーク・サーティ@ぴあ映画生活

映画レビュー「ムーンライズ・キングダム」

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◆プチレビュー◆
少年少女の駆け落ち騒動を描くハートフルなドラマ「ムーンライズ・キングダム」。無名の子役を大物スターたちが支える構図がいい。 【70点】

 1960年代のニューイングランド島。12歳のサムとスージーは“駆け落ち”を決意する。二人は、ボーイスカウトのキャンプを黙って抜けだし、森で自由を満喫していた。やがて大人たちが二人を探して大騒ぎになるが…。

 可愛くて、毒があって、どこかヘンテコ。それが鬼才ウェス・アンダーソンの世界だ。これまで父と子の確執を繰り返しテーマとしてきたが、本作では、人形劇のような世界観で、少年少女の“ひと夏の冒険”を遊び心たっぷりに描いている。毒気は薄いが、ノスタルジックな優しさがあって好感度は高い。

 変わり者のサムはボーイスカウトの仲間内でも浮いた存在。読書好きのスージーは、本の中のキャラクターの世界に没頭する孤独な少女。共にアウトサイダーだが、2人の愛の逃避行は、個性的かつロマンチックで微笑ましい。養子である寂しさや母の不倫というショックが残酷な現実ならば、運命の相手と共に、海で遊び、夢を語り合って、初めてキスをすることもまた現実。とぼけたセリフや突飛な演出とは裏腹に、物語は意外なほど地に足が着いているのだ。

 子供たちの駆け落ちを知った大人は、二人を見つけ、引き離そうとする。さらには身寄りのない問題児のサムを、福祉局は少年収容所に入れようとする。加えて大嵐と火事が島を襲い、平和な小島はかつてない大騒動に。先読み不能な物語の中、孤独な警官や、頼りないボーイスカウトの隊長、サムを嫌っていた仲間までもが、意外な優しさと正義感を発揮しながら活躍する様子は、アンダーソンならではのマジカル・ワールドである。

 そのウェス・アンダーソンと言えば、豪華キャストがおなじみだ。今回は子役が無名な分、大物ハリウッドスターやオスカー俳優が、冴えない大人をすっとぼけた味わいで演じているのが見所だ。アクション抜きのブルース・ウィリス、間の抜けた表情のエドワード・ノートン、冷酷な福祉局を怪演するティルダ・スウィントン。誰もが、今まで演じた役柄とはかけ離れた、不器用で愛おしい表情を披露する。彼らがこんなにキュートな役者だったとは、驚きだ。

 タイトルのムーンライズ・キングダムとは、サムとスージーがみつけた、手つかずの自然が残った美しい入り江のこと。思えば「小さな恋のメロディ」も「リトル・ロマンス」も、欠点だらけの大人たちの運命を、子供たちのピュアな思いが変えていく物語だった。本当は大人たちにこそ“月の昇る王国(ムーンライズ・キングダム)”が必要なのである。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)おかし味度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「MOONRISE KINGDOM」
□監督:ウェス・アンダーソン
□出演:ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、他
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ムーンライズ・キングダム@ぴあ映画生活

映画レビュー「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」

マリーゴールド・ホテルで会いましょう [Blu-ray]マリーゴールド・ホテルで会いましょう [Blu-ray] [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
インドで見い出すセカンドライフの輝きを描く群像劇「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」。英国の名優たちが贅沢に競演する。 【65点】

 インドの高級リゾートホテル「マリーゴールド・ホテル」で余生を送ろうと、英国からやってきたシニア世代の男女7人。しかし到着するとホテルはおんぼろで、いきなり異文化の洗礼を受けてしまう。夫に先立たれたイヴリンは、とまどう周囲を尻目に、積極的に街に出て仕事を探し、新しい土地に溶け込もうとする。やがて7人それぞれは少しずつ前に進んでいくのだが…。

 曇天の英国から一転、色彩と喧騒あふれる、灼熱の地インドへ。それぞれの事情や悩みを抱えるシニア世代の男女には、新しい仕事、病気治療、忘れられない人との再会、思いもよらぬロマンスが待つ。7人は、老いによる不安はあっても、枯れたところや達観はなく、むしろ欠点だらけ。物語は、そんな彼らが新しい生き方を模索する姿を、ユーモアとペーソスを交えてスケッチする。

 高級とはほど遠いオンボロホテルは、電話もシャワーも故障中、ドアがない部屋さえある。どう見ても経験不足だがやる気だけは人一倍の若きオーナー、ソニーに調子よく丸め込まれた7人だったが、ジャイプールの街にあふれる色彩と音に触れれば、何やら面白いことが起こる予感も。前金も払ったし、受け入れるしかないのだと腹をくくる。「とにかく、街へ出てみよう!」。

 中心軸となるのはいつも前向きなイヴリンだ。夫の死後に覚えたインターネットを駆使し、自分の日常と心のうち、インドでの“冒険”をブログにつづっていく。それが私たち観客にも、人生の岐路に立って迷う老人たちの思いを伝えてくれるツールになっている。

 名匠ジョン・マッデン監督の演出は手堅く、英国屈指の名優たちをまとめるオーケストラの指揮者のようだ。特に、ゲイの元判事グレアムが忘れられない人を訪ねるエピソードと、身分の低いインド娘の優しさに触れて変化する極端な差別主義者のミュリエルのエピソードは味わい深い。

 かつてインドを植民地として治めていた英国。今も厳然たるカーストが存在するインド。どちらの国も階級制度にとらわれながらも、新しいエネルギーを渇望し発信している国だ。英国の老人たちの変化と、インドの若者たちの恋を同時進行させ、人種や偏見を超えたところに人間の幸福があると訴える。

 原作は人気作家デボラ・モガーの小説「These Foolish Things」。人生の黄昏を迎えた英国人男女7人に、インドはすばらしいセカンドライフをプレゼントしてくれた。おんぼろホテルを高級ホテルと宣伝したソニーは「将来像を載せた」と悪びれない。インドのことわざには“最後には万事めでたし”とあるのだそう。なるほど、この映画を見ていると、そんなポジティブな生き方を肯定したくなってきた。老人映画と侮って敬遠すると間違いなく損をする。“インド時間”に身を委ねながら、人生を豊かにするヒントを学びたい。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ヴィヴィッド度:★★★★☆

□2011年 英・米・アラブ首長国連邦合作映画 
□原題「THE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL」
□監督:ジョン・マッデン
□出演:ジュディ・デンチ、ビル・ナイ、デヴ・パテル、他
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映画レビュー「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」

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◆プチレビュー◆
摩訶不思議なサバイバル劇「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」。圧倒的に美しい3D映像に息を呑む。 【85点】

 インドで動物園を経営するパテル一家は、カナダに移住するため動物たちと貨物船に乗船していた。しかし、大嵐で船は沈没。16歳の少年パイだけが救命ボートに逃れて生き残るが、そのボートには腹を空かした獰猛なトラが身を潜めていた。わずかな水と食料を頼りに、パイの究極の漂流生活が始まる…。

 物語はパイという風変わりな名を持つ中年男性が、太平洋上を227日もトラと一緒に漂流して生き延びた、不思議な体験を回想し、小説の素材を探すライターに語る形で始まる。インドでの幼少期はどこかコミカルだが、船に乗って嵐に遭ってからは、家族を失くした悲しみに浸る間もなく、怒涛のサバイバル生活がスタート。驚くのは少年パイの生命力の強さだ。

 荒れ狂う嵐から一転、鏡のように静かな海上で、パイは、救命ボートにある水と非常食を整え、遭難時の心得が記された小さなマニュアル本を頼りに、即席のいかだを作り、魚を捕って、生きるためにやるべきことを着々とこなしていく。その中で最も大切なのは、自分が“食料にならないために”獰猛なトラを飢えさせないことだ。敵対してはいるが、バランスがとれたトラとの距離感が興味深い。次第に変化する彼らの関係性こそが、この物語のテーマだ。

 運命共同体であるトラとパイは、よくある動物映画のようになれあったりはしない。最初は逃げ回りトラを敵視するパイだが、やがてトラとは、大自然に対し共闘する“戦友”のようになる。敵としか思えなかった相手と、距離を保ちながら共存することが、互いの生命力を呼び覚ます展開が、実に奥深い。彼らの関係は、どこまでもクール。そこが魅力である。

 もうひとつの魅力は、斬新な映像美で彩られた迫力の3D映像だ。漂流生活の描写は、オレンジ色の朝焼け、神秘的な海洋生物、満天の星空と、圧倒的な美しさに満ちている。巨大なクジラの大ジャンプが、3D映像でとらえられ、思わずその美しさに見惚れてしまうほど。それはやがて辿り着く、ある秘密が隠された楽園のような無人島のシークエンスでも同じだ。孤独で過酷なサバイバルの物語は、いつしか幻想譚の趣を帯びてくる。クライマックス、パイとトラには、思いもよらない運命が待っている。

 原作は、作家ヤン・マーテルの世界的ベストセラー小説「パイの物語」だ。奇想天外なアドベンチャーだが、根底にあるのは、生きるための勇気と命の尊さ。物語の聞き手であるライターには、このストーリーは嘘かまことかとの疑問が最後に浮かび上がるが、観客にはそんなことはどうでもよくなるはず。映画に登場するトラのほとんどは高度なCGによるものである。そこに存在しないトラがエモーショナルな感動をリアルに提供するのだ。パイの物語に魅せられたとしても何ら不思議はない。虚実を越えた神話が常に感動的であるように。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)幻想的度:★★★★☆

□2012年 アメリカ映画 □原題「LIFE OF PI」
□監督:アン・リー
□出演:スラージ・シャルマ、イルファン・カーン、ジェラール・ドパルデュー、他
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