映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャスティス・リーグ」「火花」「ギフテッド」「光」etc.

プチレビュー14上旬

トランセンデンス

トランセンデンス [Blu-ray]
亡き天才科学者の意識を持つ人工知能に世界が支配される様を描くSFサスペンス「トランセンデンス」。映像が極めてスタイリッシュ。

意識を持つ人工知能を研究する天才科学者ウィルは、ある日、反テクノロジーの過激派組織によって銃撃されてしまう。同じ研究に携わる妻エヴリンは、ウィルを愛するあまり、瀕死の彼の頭脳をスーパーコンピューターにアップロードする。ウィルの自我を持つそのコンピューターはネットにつながることによって、世界中の軍事、産業、個人情報まで手に入れ、超高速で進化を遂げていった。ナノテクノロジーを駆使して生命までもコントロールし始めたウィルに脅威を感じた世界は、彼の抹殺を図るのだが…。

人類を凌駕するテクノロジーの脅威。このテーマはSFではありがちだが、本作では愛する人の命をつなぎとめたいという切実な思いに端を発しているところが切ない。思えば、白塗りではないジョニー・デップが普通に素顔で演技するのは久し振りなのだが、映画はすぐに彼をコンピューターの中へと取り込み、デジタルの怪物・フランケンシュタインへと変えてしまう。またしてもジョニデの素顔は遠くにいってしまうというわけだ。主人公がすべての情報を手に入れてからのストーリーは、サイバー空間にいる男が“神”となって、米国の名もない田舎町を拠点に新文明を築いていくという驚異的な文明論になっている。監督のウォーリー・フィスターは本作が初監督だが、映像技巧派のクリストファー・ノーランと共に仕事をしてきたカメラマンだけあって、映像はとことんスタイリッシュで個性的だ。ナノテクノロジーによって電脳化が加速した世界の映像は、ブルーを基調にしたクールなビジュアルで見事。デジタルとリアルを超越(トランセンデンス)した場所に愛があるとした本作、なかなかセンチメンタルなSF作品だった。
【65点】
(原題「Transcendence」)
(アメリカ/ウォーリー・フィスター監督/ジョニー・デップ、モーガン・フリーマン、レベッカ・ホール、他)
(映像美度:★★★★☆)
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トランセンデンス@ぴあ映画生活

her/世界でひとつの彼女

her/世界でひとつの彼女 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]
魅力的な人工知能と孤独な男の恋を繊細に描く「her/世界でひとつの彼女」。ハイセンスな映像と深い洞察力に満ちたユニークなラブ・ストーリー。

近未来のロサンゼルス。依頼者の代わりに想いを伝える手紙を書く“代筆ライター”のセオドアは、長年一緒に暮らした妻キャサリンと別れ、失意の日々を過ごしていた。ある日、最新型の人工知能型OS“サマンサ”と出会い、興味を持つ。サマンサは実態を持たない声だけの存在だが、話してみると驚くほど個性的で知性にあふれ、その上、セクシーだった。セオドアはどんどんサマンサに惹かれ、彼女と過ごす時間だけを幸せと感じるようになる…。

スパイク・ジョーンズの作品はいつも繊細だ。中でも本作は、ロボット同士の恋を描いた、知られざる名作短編「アイム・ヒア」を思わせる。人工知能との恋愛を描く本作はSF作品で、一見突飛な設定に思えるが、その根底に流れるテーマは、人と人とのつながりという普遍的なものだ。妻との別れで深く傷ついた主人公セオドアが抱える喪失感は、人工知能サマンサという自分自身を完璧に理解してくれる存在を得たことで、ゆっくりと癒されていく。シャイなセオドアは、サマンサが実態がないからこそ、本当の自分をさらし心を許したのかもしれない。そこには常に愛情を求めて彷徨う都市生活者の孤独が垣間見えるが、その関係は、思いがけない結末を迎えることに。世界中の情報を瞬時に分析し、的確な癒しを提供することができるサマンサの愛は、人間の恋愛とは価値観の基準が異なる。それでもサマンサもまた、時に傷つき嫉妬し、不安を抱くのだ。人は常に誰かと関わっていたいと願い、そのことによってどれほどの苦痛を得ようとも、コミュニケーションを決して止めようとはしない。セオドアと、彼と同じアパートに住む友人のエイミーが寄り添うラストシーンは、ほろ苦く切ないのに、静かな幸福感を感じるのはそのためだろう。近未来を舞台にした作品なのに、驚くほど真実味にあふれた物語だ。
【80点】
(原題「HER」)
(アメリカ/スパイク・ジョーンズ監督/ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、スカーレット・ヨハンソン(声)、他)
(繊細度:★★★★☆)
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her/世界でひとつの彼女@ぴあ映画生活

渇き。

渇き。 プレミアム・エディション(2枚組+サントラCD付)[数量限定] [Blu-ray]
元刑事の父親が失踪した娘を探すうちに娘の恐ろしい実態を知るサスペンス「渇き。」徹底した悪意とバイオレンスに、見終われば疲労度マックスだった。

成績優秀で容姿端麗、学校の人気者だった娘・加奈子が突然失踪。父親で元刑事の藤島は、別れた妻から娘の捜索を依頼される。藤島は、自分自身の性格や言動で家族が崩壊したにも関わらず、再び理想の家族を作ることを勝手に夢想しながら、なりふりかまわず娘探しに翻弄する。担任、クラスメート、警察時代の部下などを訪ね、加奈子の交友関係や行動をたどるが、やがて品行方正だと思っていた娘のとんでもない実態が浮かび上がり、想像もしなかった事件に巻き込まれていく…。

原作は「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の小説「果てしなき渇き」。父親が失踪した娘を探す過程で、娘の知られざる姿を知る。プロットだけみればありがちだが、この映画の登場人物たちの悪意は徹頭徹尾、すさまじい。天使のような笑顔の娘・加奈子の本当の顔は悪魔そのものだが、その周辺にいるやつらもまた、負けず劣らず鬼畜ぞろいなのだ。中には気弱な負け犬や流されやすい無個性もいるのだが、悪意の猛威の前で彼らが吹き飛ばされるのは自明の理で、もはや同情も驚きもなくなってしまう。中でも、父親役の役所広司のロクデナシぶりは、特筆だ。罵詈雑言、妄想、暴走と、狂犬のように暴れまわる。この父にしてこの子ありで、娘・加奈子の底知れない悪意もまたすごいときている。実力派俳優揃いの本作の中で、新人の小松菜奈の存在感はあっぱれだ。イノセントな笑顔と周囲を地獄へと導くその言動のギャップは、見事。残酷描写や流血もてんこもりなのだが、時折挿入されるアニメパートのおかげで戯画化されている。唯一気になるのは、娘探しの顛末がやや雑なことか。中島哲也監督にとっては久々の新作となるが、前作「告白」のクールなタッチとは対照的に、本作はポップでスピーディな狂想曲のよう。見る側にもエネルギーを要求する怪作なので、心して臨んでほしい。
【65点】
(原題「渇き。」)
(日本/中島哲也監督/役所広司、小松菜奈、中谷美紀、他)
(バイオレンス度:★★★★☆)
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渇き。@ぴあ映画生活

聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY

聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY (初回限定生産/アウターケース付き) [Blu-ray]
星座やギリシャ神話をモチーフにした人気コミックの劇場版最新作「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」。CGの功罪が浮き彫りになってしまった。

自らの不思議な力に思い悩む少女・沙織は、突然刺客に襲われるが、青銅聖闘士(ブロンズセイント)の少年・星矢に救われる。星矢から、沙織は、神話の時代から存在する戦いの女神アテナの生まれ変わりだと聞かされ、とまどうが、やがて自分の運命と向き合うことを決意する。沙織は、星矢と他の青銅聖闘士たちとともに、聖域(サンクチュアリ)へと向かうが、そこでは、沙織をアテナを騙る反逆者と考える、黄金聖闘士(ゴールドセイント)たちとの死闘、さらには教皇の罠が待ち受けていた…。

原作は週刊少年ジャンプで1985年に連載が始まった超ロングヒット作で、TVアニメやOVA、劇場版も多く作られている。本作は、久し振りの新作映画となるが、原作者の車田正美の“熱血画道40周年”作品という、記念碑的な位置付けだ。正直に告白すると、このアニメについてはほとんど素人なのだが、一大ブームを巻き起こし、男女を問わず、大人のファンも多いことを考えると、新作映画はかなりハードルが高かったはず。案の定、古くからの原作ファンからは大ブーイングをくらっているらしい。ただ「聖闘士星矢」初心者にも、セイント、コスモ、アテナ、サンクチュアリといった基本設定は、分かりやすく作られている。思うにこの映画のキモは、良くも悪くも、CGにあるのではなかろうか。あきれるほど気合いの入ったヴィジュアルはなるほどハイクオリティで美しいが、凝りすぎた背景や衣装(聖衣)のせいで、かえってキャラが埋もれてしまっている。原作の中でも人気が高い、聖域・十二宮編をベースにしているため、次々に難関をクリアしていくゲーム的な面白さはあるが、さらさらと流れすぎるストーリーでは、おそらく魅力的であろう黄金聖闘士たちの個性は描き切れない。一番の問題点は、最大の敵・教皇がいったい何をしたいのかよくわからないということだろうか。今回はCGに大きな比重が置かれたが、多くのファンを持つ伝説的なアニメもまた、21世紀にふさわしい技術で再構築されねばならないということだろう。
【50点】
(原題「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」)
(日本/さとうけいいち監督/(声)宮本充、小山力也、山寺宏一、他)
(映像美度:★★★★☆)
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聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY@ぴあ映画生活

ラストミッション

ラストミッション Blu-ray
余命僅かな凄腕スパイが娘に手を焼きながら危険なミッションに挑む「ラストミッション」。スパイものというより子煩悩な父親の奮闘記という感じ。

CIAのベテラン・エージェントのイーサンは医者から余命僅かと宣告される。今まで家庭を顧みなかった彼は、残された時間を家族と過ごすためにパリにやってくるが、思春期の娘ゾーイとはぎくしゃくするばかり。そんな時、CIAの女エージェントのヴィヴィが現れ、病に効く試験薬を提供する代わりに、かつてイーサンが取り逃がした凶悪なテロリストの暗殺という危険な仕事を持ちかける…。

制作がリュック・ベッソンということで、舞台はお得意のパリ。監督がマックGということで、演出は意図的にユルめで、コメディタッチ。つまりは、バリバリのスパイ・アクションを期待してはいけないのだが、案の定、主人公のイーサンにとって大事なミッションは、極悪非道のテロリストを仕留めることよりも、疎遠だった家族の絆を取り戻すことに大きな比重が置かれているのだ。パリのアパートに勝手に住み着いた移民家族に親切にしたり、拉致したイタリア人会計士からパスタのレシピを聞きだしたりと、演出はあくまでもライト感覚。アンバー・ハート演じる女エージェントのヴィヴィにいたっては、無駄にセクシーな衣装でイーサンに近づいて、未承認の薬をやるからテロリストを始末しろと命じるだけだ。こんな職務怠慢で許されるのか、CIAは。現役最後の仕事の顛末は映画を見て確かめてもらうとして、ユルいスパイものなのに、いや、ユルいスパイものだからこそ、少し年老いてくたびれた感じが、逆に味があるケヴィン・コスナーの良さが活きた作品になった。アクションは少なめだが、頑張る中年オヤジ応援歌ムービーになっていて、思いのほか楽しめる。
【60点】
(原題「THREE DAYS TO KILL」)
(アメリカ/マックG監督/ケヴィン・コスナー、アンバー・ハード、ヘイリー・スタインフェルド、他)
(コミカル度:★★★☆☆)
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ラストミッション@ぴあ映画生活

超高速!参勤交代

超高速! 参勤交代 Blu-ray
幕府から無理難題の参勤交代を命じられた貧乏藩の奮闘を描く歴史エンタテインメント「超高速!参勤交代」。逆境に立ち向かう弱者応援ムービーにして痛快娯楽時代劇だ。

徳川吉宗の治める江戸時代。東北の小藩・湯長谷藩は、幕府から、通常でも8日かかる参勤交代をわずか5日で敢行せよと命じられる。湯長谷藩の金山を狙う老中・松平信祝の陰謀によるものだった。ただでさえ貧乏な上、時間も人手も足りない湯長谷藩だが、藩主・内藤政醇は、藩の威信を賭け、知恵者の家老・相馬兼嗣ら家臣と共に、実質4日間で参勤交代を果たす作戦を立て始める…。

優れた脚本に与えられる城戸賞を受賞した本作の脚本は、さすがに良くできていて、荒唐無稽な設定にコメディやアクション(殺陣)、ほんのりと恋までからませて、終始飽きさせない。幕府が大名の力を削ぐために作った参勤交代という制度、平和が保たれ、インフラが整備されるなどメリットも多かったそう。一方で、見栄と権威に彩られたバカバカしい儀式でもあり、湯長谷藩一行は、たった7人を大行列に見せるズルをしたり、道中の近道のため謎の抜け忍を雇ったりと、涙ぐましい工夫を施していく。中央の横暴に耐える地方という構図は、現代にも通じるもので、知力と体力の限りをつくして目標達成に向けて頑張るその姿は、まるでプロジェクトXのようだ。無論、事の発端が悪者の老中の陰謀なので、道中、さまざまな妨害が。のんき者の殿様が本気を出す終盤には、豪快なアクションシーンも用意されている。時代劇でおなじみの大名のミッション・参勤交代の決まり事や実態は、知っているようで知らなかったことばかりで、トリビア的な楽しみも見逃せない。主演の佐々木蔵之介が演じるお人よしだが民に愛される藩主をはじめ、きっぷのいい飯盛り女、知恵者の家老、冷静な藩士もいれば熱い剣豪に弓の名手、はたまた動物使いまでいて、キャラの楽しさが大きな魅力になっている。
【70点】
(原題「超高速!参勤交代」)
(日本/本木克英監督/佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志、他)
(痛快度:★★★★☆)
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超高速!参勤交代@ぴあ映画生活

サード・パーソン

サード・パーソン [Blu-ray]
パリ、ローマ、NYの3都市を舞台にした群像劇「サード・パーソン」。ラストに大きな仕掛けが用意されている。

パリ。ホテルで執筆中の作家マイケルは、妻とは別居中で若い愛人アンナと不倫中。だがアンナにも秘密の恋人がいて、マイケルの心は休まらない。ローマ。ファッションブランドからデザインを盗む汚れ仕事をするアメリカ人ビジネスマンのスコットは、場末のバーで出会ったロマ族の女性モニカに一瞬で心を奪われる。彼は、闇の組織に娘を奪われたモニカを何とか助けようと奔走する。ニューヨーク。元女優のジュリアは、離婚した夫リックと息子の親権を争い、莫大な裁判費用のために高級ホテルでメイドとして働き始めるが、ストレスと孤独から精神的に追いつめられる…。

一見、何の関係もない3都市、3組の男女のメロドラマが、並行して描かれる構成は、いわゆる群像劇なのだが、「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家で「クラッシュ」の監督であるポール・ハギスは、パズルのピースのようにバラバラな物語を組み合わせて大きな絵を作った。登場人物の多くが嘘をついているが、同時に愛する人を信じたいという気持ちもある。緻密なのに、どこか違和感を感じるストーリーには、最後の最後に、驚きの仕掛けが用意されていた。あぁ、そういうことか、と合点がいくが、この仕掛けはちょっと凝りすぎな気も。ポール・ハギスは脚本家出身で、頭の中であれこれとパーツを組み合わせ、ミステリーのように人間関係をからませては、解きほぐしていくストーリーを得意とする。「クラッシュ」で頂点を極めたかのようなこのスタイル、本作では回りくどいだけな気がするのだが、そこはハリウッドならではの豪華キャストと、歴史あるローマの街でロケされた映像で魅力をが補っている。リーアム・ニーソン演じる作家マイケルは、デビュー作でピュリツァー賞を受賞するも、その後はスランプで本当に書きたいものがみつからないという設定。これ、もしかしてハギス自身のことか? 名脚本家も、仕事や人生に悩んでいるのかもしれない。
【65点】
(原題「THIRD PERSON」)
(英・米・独・ベルギー/ポール・ハギス監督/リーアム・ニーソン、ミラ・クニス、エイドリアン・ブロディ、他)
(緻密度:★★★★☆)
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サード・パーソン@ぴあ映画生活

300 スリーハンドレッド 帝国の進撃

300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 3D & 2D ブ ルーレイセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
フランク・ミラーのグラフィックノベルを実写化した大ヒット作の続編「300 スリーハンドレッド 帝国の進撃」。大海原での合戦の迫力を上回るのは野獣のようなラブシーンだった。

300人のスパルタ兵がペルシア帝国との戦いで壮絶に散った後、アテナイの将軍テミストクレスは、ギリシャ連合軍を率いて、侵略の手を止めないペルシャ帝国に立ち向かうことを決意する。一方、ペルシャ帝国の海軍指揮官で残虐な女戦士アルテミシアは、ギリシア壊滅の準備を進めていた。両軍の大艦隊が、荒れ狂う大海原で対峙する中、ペルシャ戦争最大の激戦・サラミスの海戦の火蓋が切って落とされる…。

ジェラルド・バトラー演じるレオニダス王も、300人のスパルタ精鋭兵士もいないこの続編、暗い色調やスローを駆使した映像、過激でマッチョなスタイルはそのままに、スター不在を3Dという飛び道具でカバーする意欲作だ。物語は、紀元前480年、ペルシャの大軍に、ギリシャ連合軍が戦いを挑んだ史実を描くもの。スパルタ戦士の思想はもはや本作にはないが、一応、民主主義を守るために戦うという大義名分が用意されている。それにしてもエヴァ・グリーンが演じる女戦士アルテミシアが強烈すぎる。もともとはギリシャ人だが不幸な過去からギリシャに恨みを持つ彼女は、剣の達人にして策略家の軍人。特にぶっ飛ぶのは、敵将テミストクレスとの和平交渉が、おかしな方向に盛り上がったあげく、野獣のごときラブシーンに変わる場面だ。資料には“歪んだ愛”とあるが、これってほんとに愛なのか?! エロチックな濡れ場には違いないが、あまりといえばあまりの暴れっぷり。私にはハブとマングースの大喧嘩にしか見えず、思わず吹き出してしまった。ともあれ、本作は、とびきりの悪女と3Dで描くド迫力の海戦シーンで、独自のバイオレンス路線を貫いた。意外にも楽しめる珍作と評しておこう。
【60点】
(原題「300: RISE OF AN EMPIRE」)
(アメリカ/ノーム・ムロ監督/サリバン・ステイプルトン、エヴァ・グリーン、レナ・ヘディ、他)
(珍作度:★★★★☆)
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300〈スリーハンドレッド〉〜帝国の進撃〜@ぴあ映画生活

THE NEXT GENERATION パトレイバー/第2章

THE NEXT GENERATION パトレイバー/第2章 [Blu-ray]
実写シリーズ第2章「THE NEXT GENERATION パトレイバー/第2章」。ギャグのみで構成された内容に、ファンのぼやきが聞こえてきそう。

エピソード2:98式再起動せよ
レイバー犯罪も下火となってほとんど出番がない特車二課の98式イングラム。特車二課の解体を目論む警視庁上層部の陰謀で、警視総監の前で礼砲を打つことに。ろくに立つこともできないイングラムを、整備班は総力を結集して修理するが…。
エピソード3:鉄拳アキラ
脅威の動体視力と反射神経で、レイバーの操縦とゲームに青春を捧げた、一斑操縦担当のアキラ。非番の日に出かけたゲーセンで、アキラは最強の中年オヤジに遭遇し、完敗する。衝撃を受けた彼女は、非常識なまでの修行を積んで中年オヤジとの対決の時を向かえるが、そこで“勝つための思想”を知ることになる…。

前作未見ではつらいし、一見さんお断りの作りは不親切だが、前作とは違い、本作ではズバリ本題に入っていくので、話は早い。エピソート2は、一応、イングラムが主役だ。整備班がゾンビのようになりながら修理したイングラムはついに動きだすが、予想通りトンデモな結果となる。だが、このオチはいくらなんでも無神経すぎやしないか?!それでもイングラムの数々の“型”が披露されるなど、お楽しみは用意されている。それに対し、悪ふざけがすぎるのがエピソード3だ。イングラムはほとんど無関係。ゲーム決戦に臨むアキラと、最強オヤジとの対決は、寺山修司の引用に、立喰師列伝的演出と、やりたい放題だ。ゲスト出演・竹中直人の長台詞の果てに明かされる“勝つための思想”のオチが、これまた脱力必至である。いったいいつロボット映画らしくなるのだろうか? コネタとギャグの応酬、過去作のセルフ・パロディに、いつしか慣れつつある自分がコワいが、まぁ、いいだろう。この一連のシリーズは映画というよりイベントなのだから。特殊な公開形態ということで、長編映画に至るまでの章は、例によって今回も得点は表記しないこととする。
【(ー)点】
(原題「THE NEXT GENERATION パトレイバー/第2章」)
(日本/押井守、辻本貴則、湯浅弘章監督/真野恵里菜、福士誠治、竹中直人、他)
(第2章度:★★★★★←暫)
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THE NEXT GENERATION パトレイバー 第2章@ぴあ映画生活

私の男

私の男 [Blu-ray]
雪に閉ざされた世界を舞台に禁断の愛を描く「私の男」。北海道パートの映像が素晴らしく魅力的。

北海道・奥尻島を襲った大津波によって家族を失った10歳の少女・花は、遠い親戚だという腐野淳悟に引き取られ、互いに寄り添うように暮らす。高校生になった花と淳悟のただならぬ関係に気付いた地元の名士・大塩は、そのことを花に問い詰め、淳悟と離れるように諭す。やがて大塩の死体が流氷の海で発見され、花と淳悟の二人は、逃げるように北の海から東京へと向かうが…。

原作は直木賞を受賞した桜庭一樹の同名小説。近親相姦や殺人など、ショッキングな要素が散りばめられた、官能的な衝撃作だ。何と言っても、オホーツクの北の海、流氷、雪に閉ざされた街といった寒々しい空気をとらえたカメラワークが素晴らしい。閉ざされた世界で生きる孤独な男女のゆがんだ関係と、雪と氷の世界が呼応して、インモラルな愛の物語を構築しているのだ。北海道パートの物語がこのように魅力的なのに対し、逃避行先の東京は、花の小悪魔ぶりが紋切型で面白味に欠ける。とはいえ、若き演技派の二階堂ふみの、無垢と淫蕩の二面性は、見事なファム・ファタールぶりだ。熊切和嘉監督は「海炭市叙景」と同じ北国を舞台に、「夏の終り」にも通じる暗く濃密な愛を描いたが、本作では、禁断の愛に溺れる部屋が血の海になるといった異様な幻想シーンなど、らしからぬ演出も織り交ぜている。原作では様々な語り部が登場する物語を、時系列に沿って分かりやすく構築したのは、花が結果的にすべての主導権を握るストーリーを浮き彫りにするためなのだろう。グロテスクな後味が残る本作は、好きな映画かと問われれば、明らかに違うのだが、記憶に強く焼き付く作品だった。
【65点】
(原題「私の男」)
(日本/熊切和嘉監督/浅野忠信、二階堂ふみ、藤竜也、他)
(ファム・ファタール官能度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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