映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
英・仏合作映画「パディントン2」

プチレビュー15上旬

悪党に粛清を

【早期購入特典あり】悪党に粛清を(ポストカード付) [DVD]
妻子を殺された男の復讐劇を描く異色の西部劇「悪党に粛清を」。マッツ・ミケルセンがシブすぎ!

1864年、元兵士のジョンは戦争で荒廃した祖国デンマークから新天地アメリカに移り住む。7年後、ようやく妻子を呼び寄せるが、駅馬車で同乗したならず者に、非情にも妻と子を殺される。怒りのあまり彼らを撃ち殺したジョンだったが、そのならず者は、この辺り一帯を支配する悪名高いデラルー大佐の弟だったため、大佐の怒りを買ってしまう。大佐はジョンを追いつめ、さらにジョンの弟の情婦で声を失った美女マデリンを巻き込んで、それぞれの壮絶な復讐が始まった…。

長年映画を見ているが、ここに来て北欧製西部劇を見ることになろうとは!しかもこれがなかなかの出来栄えなのだから驚く。スタイリッシュな映像は、南アフリカ・オールロケというから、これはかなりのレアものだ。復讐というテーマは、西部劇の本流のひとつだが、デンマーク人監督クリスチャン・レヴリングは、無駄な友情やユルい愛情はいっさい省いて、ひたすらハードボイルドな雰囲気を漂わせる西部劇を作ってみせた。なんといっても主演のマッツ・ミケルセンの冷徹と言ってもいいほどのドライなたたずまいがいい。言葉少なで、愛する妻子と対面しても口の端を少し緩ませる程度でほとんど無表情。しかも射撃の名手で、復讐も自信満々。加えて、一言もしゃべらない(舌を切られてしゃべれないという設定)マデリンを演じるエヴァ・グリーンの目力が、これまたすごい。もともと目つきが悪い美女だが、この役での彼女は凄味がある。西部劇の全盛期は明らかに過ぎたが、このジャンルを偏愛する人は、世界中に確かに存在するのだ。移民の国アメリカの正義の歴史は、血で血を洗う歴史なのだと改めて思い知る佳作である。
【70点】
(原題「THE SALVATION」)
(デンマーク・英・南アフリカ/クリスチャン・レヴリング監督/マッツ・ミケルセン、エヴァ・グリーン、ジェフリー・ディーン・モーガン、他)
(レア度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
悪党に粛清を@ぴあ映画生活

きみはいい子

きみはいい子 Blu-ray
新米の小学校教師の岡野は、まじめだが優柔不断な性格。クラスの子供の問題に正面から向き合うことができない。夫の海外単身赴任で3歳の娘・あやねと2人で暮らす雅美は、幼い頃に親から虐待を受けたため、たびたび娘に暴力をふるってしまう。小学校へ続く坂道の一軒家に一人で暮らす老人・あきこは、認知症が始まったのかと不安を感じている。ひとつの街でそれぞれに暮らす彼らは、さまざまな局面で孤独や不安と向き合っているが…。

原作は中脇初枝の同名短編集。「そこのみにて光輝く」でも丁寧な人間描写が光った呉美保監督は、それぞれが持つ心の傷や不安、孤独を、誰かにそっと抱きしめられることによって氷解させていくというクレバーな手法をとった。描かれるのは、幼児虐待、認知症、いじめ、モンスターペアレントといった社会の病巣と、現代人の孤独な日常。登場人物たちは皆、人との距離の取り方が分からない不器用な人間ばかりだ。物語は、大人と子どもの区別なく、傷つきやすい人間に対してあたたかいまなざしを注いでいる。特に、我が子を虐待する自分に嫌悪感を抱く雅美が、ママ友の中でちょっと見下していた陽子から、そっと肩と背中を抱きしめられる場面には、思わず落涙した。人は誰もが愛されたいと願うが、それを簡単に口にするとたちまち俗化する。そもそも彼らが抱える問題に安易な答はない。それでも、ひと時のぬくもりで確かに人は勇気付けられる。そのハグが「あなたは一人ではない」と励ましてくれる。岡野と雅美とあきこが直接的に交錯することはないのに、群像劇として3つが結びついてみえるのは、桜の美しさを愛でるあきこを演じるベテラン・喜多道枝の柔らかい空気感が、3人が共有する時間と巡る季節を感じさせてくれるからだろうか。ラスト、決意を込めた精悍な表情を見せる高良健吾の顔がとてもいい。いろいろと問題がある現代社会だが、希望は確かにあるのだと信じられる秀作。特別な事件は起こらない小さな物語でも、こんなにも人の心を動かす作品が生まれることに感激した。
【85点】
(原題「きみはいい子」)
(日本/呉美保監督/高良健吾、尾野真千子、池脇千鶴、他)
(希望度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
きみはいい子@ぴあ映画生活

アリスのままで

アリスのままで [Blu-ray]
若年性アルツハイマー病を発症した女性とその家族の葛藤を描く「アリスのままで」。オスカーを射止めたジュリアン・ムーア渾身の演技に目を見張る。

50歳のアリスは名門大学で教鞭を取る言語学者。ある日、物忘れがひどくなり病院を訪れると、若年性アルツハイマー病と診断されてしまう。やがては家族のことも自分が誰であるかも忘れてしまう病気におびえながら、アリスは家族の支えでなんとか暮らしていくが…。

本作は、いわゆる難病ものではあるが、ベタついたお涙頂戴映画などではない。それはヒロインと家族をシビアな視線でみつめているからだ。知的でウィットに富んだ女性アリスは、自分が自分でなくなる病気の恐怖と共に、その病が子供たちに遺伝してしまうことで大きな罪悪感を感じる。最初は小さな物忘れから次第にエスカレートしていく描写も非常に丁寧で、ジュリアン・ムーアの名演も手伝い、若年性アルツハイマー病という病気の性質がしっかり理解できるはずだ。やがてすべてを忘れる自分にビデオメッセージを残すが、症状がかなり進行したアリスがそれを見るシークエンスは、緊張感が漂う。だがこの映画が他の難病ものとはひと味違うのは、インテリ一家のそれぞれのアリスへの接し方にある。医師である夫や優等生タイプの長女がどこか逃げ腰なのに対し、一家では落ちこぼれの次女リディアは母親の病と正面から向き合い、しっかりと支えていく。母と娘という関係性以上に女性として人間として関わっていこうとする毅然とした姿勢が印象的で、クリステン・スチュワートの自然体の演技がムーアに負けずに素晴らしい。例え記憶は薄れても、アリスがアリスであった事実は決して消えることはない。高齢化社会、老い、記憶。いつかは自分や家族にも…と身につまされる観客も多いかもしれない。アイデンティティーと尊厳を、静かなタッチで描く良作だ。
【80点】
(原題「STILL ALICE」)
(アメリカ/リチャード・グラツァー、ワッシュ・ウェストモアランド監督/ジュリアン・ムーア、アレック・ボールドウィン、クリステン・スチュワート、他)
(女性映画度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
アリスのままで@ぴあ映画生活

イタリアは呼んでいる

イギリスのショービジネス界で活躍するスティーヴとロブは、仕事のためイタリアへ取材旅行に出かける。英国製のミニクーパーに乗ってグルメの国イタリアのホテルとレストランを巡ることに。友人である2人が語るのは、家族、仕事、映画から、人生の折り返し地点にさしかかる不安まで。人生の本音と映画の話題を語りながら、旅を続けるが…。

スティーヴ・クーガンとロブ・ブライドンの2人が本人役で演じる男2人のバディ・ムービー「イタリアは呼んでいる」は、もともとはイギリス湖水地方をグルメ旅行するTVシリーズで、それを劇場版にした「スティーブとロブのグルメトリップ」という作品がある。そして本作は、いわばイタリア版の続編という位置付けだ。何しろ怒涛のマシンガントークに圧倒される。クーガンとブライドンはプライベートでも親しいそうで、ほとんどは素のままなのだろう。美しい風景とおいしそうな料理は見ているだけでも楽しいが、何より笑えるのは、2人がモノマネも交えて繰り広げる映画ネタだ。アル・パチーノ、ロバート・デニーロといった大物から、トム・ハーディのような旬の役者まで、遠慮なく斬りまくるから痛快!ファンはご立腹かもしれないがちゃんと後でフォローするから憎めない。それにしても、マイケル・ウィンターボトム監督、こんな可愛らしい映画を撮る人だったっけ? 多彩な作風の人なのだと改めて感心した。
【60点】
(原題「THE TRIP TO ITALY」)
(イギリス/マイケル・ウィンターボトム監督/スティーヴ・クーガン、ロブ・ブライドン、ロージー・フェルナー、他)
(マシンガントーク度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
イタリアは呼んでいる@ぴあ映画生活

20歳よ、もう一度

20歳よ、もう一度 [Blu-ray]
モンジュンは口うるさくて頑固な70歳のおばあちゃん。ある日、写真館に入り“一番美しかった頃を思って”写真を撮ると、そこには20歳の自分がいた。驚いたモンジュンだが、名前をテレサに変えて、昔かなえられなかった夢を実現するために、新生活をスタートする。カラオケで美声を披露していると偶然居合わせた音楽プロデューサーの目にとまり、成り行きで、プロのバンドを目指す孫チェンシンのバンドのボーカルを務めることになるが…。

70歳の老女が20歳の美女へ変身!韓国映画「怪しい彼女」の中国版リメイクである「20歳よ、もう一度」は、老人が集う場所を雀荘にしたりと、ディテールを中国風に変えてはいるが、基本のストーリーはほぼ同じ。若くてキュートな容姿とは裏腹に、古臭い話し方や口うるさい性格、息子や孫に甘いことやかなり無理があるオチ(どうやって元の姿に戻り、周囲を納得させるか)まで、かなりオリジナルに忠実だ。だが若返ったヒロインのモンジュンが名前をテレサに変えるほど憧れる歌手はテレサ・テン。流れる音楽も中国語バージョンの「つぐない」なので、音楽的にはこちらの方が日本人にはなじみがあるだろう。オリジナル同様に、ヒロインの歌とライブシーンが最大の魅力になっている。いろいろとツッコミどころはあっても、ファンタジック・ラブロマンス。楽しければとりあえずOKというところだ。ヤン・ズーシャンという女優は初めてみたが、歌も歌える若手演技派女優なのだそう。元EXOのルハンも出演しているので、ファンは要チェックしておこう。
【60点】
(原題「MISS GRANNY」)
(中国/レスト・チェン監督/ヤン・ズーシャン、グア・アーレイ、チェン・ボーリン、他)
(ファンタジー度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
20歳よ、もう一度@ぴあ映画生活

サンドラの週末

サンドラの週末 [DVD]
工場を解雇されたサンドラは、復職は、同僚たちにボーナスを返上してもらわねばならないという条件をつきつけられる。週明けに投票が行われることになり、サンドラは週末を利用して同僚たちを説得してまわるのだが…。

どうにも苦手。どうにも貧乏くさい。ヒロインが甘ったれ。ヒロインに感情移入できない。ベルギーの名匠ダルデンヌ兄弟の「サンドラの週末」は、そんな困った映画だ。ところがこれまた困ったことに、見る価値がある。ダルデンヌ兄弟は初期の傑作「ロゼッタ」でも職を失う女性を描いているが、本作ではオスカー女優のマリオン・コティヤールがリストラされた泣き虫のヒロインを演じている。劇中のサンドラは美しいが特別に仕事ができるわけでもない平凡な女性だ。有名女優がそんな主人公を演じることで、不況にあえぐヨーロッパの経済危機は少しくらいの能力や知名度では、どうにもならないところまできていると通告する。実際、復職したいサンドラが自分のためにボーナスをあきらめてくれと頼んで、それを断る人々を誰が責められよう。おそらく賛否両論になるであろう、この物語、サンドラの成長物語として評価したい。心が折れても周囲の優しや励ましで、もう少しだけ頑張れる。それが私たち人間なのだから。
【60点】
(原題「DEUX JOURS, UNE NUIT/TWO DAYS, ONE NIGHT」)
(ベルギー・仏・伊/ジャン=ピエール・ダルデンヌ、リュック・ダルデンヌ監督/マリオン・コティヤール、ファブリツィオ・ロンジョーネ、ピリ・グロワーヌ、他)
(甘え度:★★★☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
サンドラの週末@ぴあ映画生活

呪怨 ザ・ファイナル

呪怨 ザ・ファイナル [Blu-ray]
(ショートバージョン)
小学校教師をしている妹・結衣が失踪したと知らされた姉の麻衣は、結衣が頻繁に“佐伯俊雄”という不登校の生徒の家を訪れていたことを知る。手がかりを得るために佐伯俊雄の居場所を捜索し始めるが、その日から不可解な出来事が起こり始める…。

ジャパニーズ・ホラーを代表する人気シリーズがついにファイナルを迎える「呪怨 ザ・ファイナル」。立場上、ネタバレはできないのだが、ほんとにこれで終わりでいいのか?!いいかげんすぎやしないか?!呪われた家は取り壊されてすでにない。それでも強い怨念は彷徨い続け、呪いは継続する。前作の主役・佐々木希が生気のない表情で怪演するのはちょっと見どころだが、何しろ、ファイナルだというのに映画全体に華と迫力がないのだ。シリーズの特徴である、バラバラの時系列が最後につながる面白さもないし、今回の主役ともいえる俊雄くんの登場もスープの中など、これではまるでギャグだ。伽椰子のカタカタいう声や階段の昇降、白塗りの俊雄といった演出に、もはや観客が慣れきってしまったのかもしれないが、さっぱり怖くないというのはホラー映画としていかがなものか。ハリウッド・リメイクまでされた名作ホラーの終焉がこれでは、あまりに哀しい。
【30点】
(原題「呪怨 ザ・ファイナル」)
(日本/落合正幸監督/平愛梨、桐山漣、おのののか、他)
(怖さ度:★☆☆☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
呪怨 −ザ・ファイナル−@ぴあ映画生活

極道大戦争

極道大戦争 プレミアム・エディション [Blu-ray]
最強のヤクザ・ヴァンパイアになった男の死闘を描く「極道大戦争」。徹底した破綻が異様な熱気を生む珍作。

敏感肌のため刺青も入れられない下っ端ヤクザの影山は、街の人々にも慕われ、不死身とも噂される伝説のヤクザ・神浦に憧れて彼の舎弟となる。だが謎の刺客に襲われた神浦は壮絶な闘いの果てに八つ裂きにされてしまう。駆けつけた影山の首筋に神浦が噛みつき「わが血を受け継いでヤクザ・ヴァンパイアの道を行け!」と言い残す。驚異的な能力と闘争心を受け継いだ影山には、壮絶な抗争が待ち受けていた…。

三池崇史監督といえば、ホラー、アクション、コメディ、バイオレンスから感動作まで、ふり幅が広いことで知られるが、本作はすべてのジャンルを放り込んだ寄せ鍋状態の異色作だ。タイトルに極道とあるが、ヤクザはほんの入口。噛みつかれてヤクザ化するヴァンパイアというゾンビものとヴァンパイアものを足して2で割ったような流れになるが、その後、物語は激しく蛇行。無駄に本格的なアクション映画になり、ついには怪獣(KAERUくん、見た目はユルキャラ風だが超・凶暴)映画になっていく。昨今、Vシネマだってもう少し常識的なストーリーなのに、これほどカオスな映画にお目にかかろうとは。思えばかのクエンティン・タランティーノにも影響を与えた三池監督、ハジケだしたら止まらないのだ。無敵のパワーを身につけヤクザ・ヴァンパイアとして覚醒した影山の前にあらわれる刺客を演じているのは「ザ・レイド」で超絶アクションを披露したヤヤン・ルヒアン。彼とかなり互角に渡り合う市原隼人の肉体改造も見逃せない。この物語の結末は、文字通り先読み不能だ。とりあえず、個人的にはオカルト・ファンタジーにカテゴライズして落とし前をつけてみた。まさかのカンヌ正式招待作である。
【55点】
(原題「極道大戦争/YAKUZA APOCALYPSE」)
(日本/三池崇史監督/市原隼人、成海璃子、リリー・フランキー、他)
(カオス度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
極道大戦争@ぴあ映画生活

愛を積むひと

愛を積むひと Blu-ray スペシャル・エディション(特典DVD付)
不器用な夫と彼を支えた亡き妻の愛の軌跡を描く「愛を積むひと」。美しい風景の中で綴られる温かいストーリーが心にしみる。

第二の人生を自然豊かな北海道で過ごそうと、東京から北海道に移り住んだ篤史と良子の夫婦。仕事一筋だった篤史がヒマを持て余しているのをみかねた良子は、かねてからの夢だった石塀作りを篤史に依頼する。だが良子は長年患っていた心臓の病を悪化させ他界。悲しみにくれる篤史に、良子からの手紙が届く。夫を心配して良子はたくさんの手紙を残していたのだ。石塀作りを手伝う青年・徹との交流や、ずっと疎遠になっていた娘の聡子との再会。閉ざしていた心を少しずつ開きながら、亡き妻を思いつつ石を積み上げていく篤史だった…。

原作は、エドワード・ムーニー・Jr.の小説「石を積む人」。第二の人生、パートナーを失う悲しみ、そして再生と希望。明らかにシニア向けの作品だが、語り口がとても丁寧で、娘や若者世代の視点もあるので、親子揃っての鑑賞も良さそうだ。妻の良子は明るいしっかり者で何事にも前向き。一方、夫の篤史は不器用で女房依存症。こういう差異もあって、良子を亡くしてからの篤史の悲嘆が際立ってくる。人は一人では生きられないことを、良子は何より手紙で伝えたかったのだろう。石塀作りを手伝う徹のあやまちを許し自分から手を差し伸べ、不毛な恋愛によって断絶状態だった娘の聡子の生き方も肯定する気持ちになった篤史は「石塀は大きくて立派な石だけで出来ているんじゃない。小さくて不恰好な石もちゃんと役割を果たしている」という示唆に富んだ言葉を口にする。その時こそ亡き妻が言った「古い石がそのうえに積まれる新しい石を支えるように、私たちが毎日を精一杯積み上げていくことが、次の世代の生きる支えとなる」という言葉が感動的に響くのだ。タフでハードボイルドな役が多かった佐藤浩市が、珍しく弱さを露呈する普通の夫を好演。「日本で最も美しい村」連合第1号に認定された美瑛町でロケされた映像の美しさにも目を見張る。
【65点】
(原題「愛を積むひと」)
(日本/朝原雄三監督/佐藤浩市、樋口可南子、北川景子、他)
(夫婦愛度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
愛を積むひと@ぴあ映画生活

マッドマックス 怒りのデス・ロード

マッドマックス 怒りのデス・ロード 3D&2Dブルーレイセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
荒廃した世界をさまようマックスの新たな死闘を描く「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。あぁ、最高の映像体験で、私、幸せ(笑)!

水や石油などの資源が尽き荒廃した近未来。元警官のマックスは妻子を殺されて絶望し、ただ本能だけで生きながらえていた。資源を独占し人々を恐怖で支配する凶悪なジョーの軍団に捕えられたマックスは、深い傷を負う。ジョーに反逆を企てる女隊長フュリオサ、全身白塗りの謎の男ニュークス、さらにジョーと敵対する勢力…。マックスは生き残るため、彼らと手を組み、ジョーの軍団に挑んでいくが…。

メル・ギブソンをスターにしたシリーズだが、トム・ハーディを新たな主役に据えての新シリーズのスタートだ。マックスとW主演ともいえるタフな女リーダーのフュリオサが、超大型戦闘車、ウォー・タンクに乗ってからは、ほぼノンストップのアクションが続くので、息つくヒマもない。生きる意欲のないものは容赦なく淘汰されるクレイジーな世界観は、完璧に突き抜けていて、これが70歳をこえるジョージ・ミラー監督の仕事とは!と恐れ入った。過去作でも監督を務めたミラーだが、明らかに本作の方が、自由で過激でマッド。「正気を失ったのは俺か、世界か?」のモノローグを聞いたときから、この映画の虜になる。様式美に満ちたアクションと、恋愛や友情などバッサリ切り捨てた潔いストーリー、CGに頼らない本物のカースタントの迫力。これほど圧倒的な刺激に満ちた映画なら“ランボー”チックでダサい副題のことは許す!過激な冒険活劇を褒めちぎるのはちょっと照れるが、映画館の大スクリーンで見るのに、これほどふさわしい映画があろうか。つべこべ言わずに劇場へGO!だ。
【85点】
(原題「MAD MAX: FURY ROAD」)
(オーストラリア/ジョージ・ミラー監督/トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、他)
(ハイテンション度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
マッドマックス 怒りのデス・ロード@ぴあ映画生活
シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が趣味で運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり更新中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
当サイトはリンクフリーです
★相互リンクは設けておりませんが、当サイトはリンクフリーなので自由にリンクしてください。リンクの報告は基本的に不要です。
リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ