映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ユダヤ人を救った動物園」etc.

プチレビュー17下旬

パーティで女の子に話しかけるには

How to Talk to Girls at Parties (Original Motion Picture Soundtrack) [Explicit]
1977年のロンドン。パンク好きなのに内気な少年エンは、偶然もぐりこんだ風変わりなパーティで美少女ザンと出会う。大好きなパンク・ミュージックやファッションの話を熱く語るエンと、それに共感したザンは、互いに惹かれあい恋に落ちる。だが、ザンは遠い惑星からきた異星人で、あと48時間後に地球を去らねばならなかった。大人が決めたルールに反発した二人は、大胆な逃避行に出る…。

パンク少年と異星人の女の子の運命の恋を描く青春ラブ・ストーリー「パーティで女の子に話しかけるには」。原作は小説家&コミック作家ニール・ゲイマンによる小説だ。1977年のロンドンの熱気は、想像するしかないのだが、パンクに夢中の若者は、大人たちの目には、理解不能の異星人のように映っただろう。そんな主人公が本物の異星人の美少女と恋に落ちる。一見突拍子もない設定に思えるが、ベースとなるのは、既成のルールに反発し、自らの生き方を貫く“同志”の男女の、普遍的な恋愛なのだ。

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」のジョン・キャメロン・ミッチェル監督は、社会から少しはみだした人々にあたたかいまなざしを注ぐ俊英監督。この切ないラブ・ストーリーは、SF的要素まで動員して、ポップで魅力的な作品に仕上がっている。何しろ異星人の美少女ザンを演じるエル・ファニングが最高にチャーミングだ。レトロ・モダンなファッションに身を包んだ異星人たちが繰り広げる噛み合わない会話や謎のパフォーマンスなども、独特のユーモアに彩られていて、思わずクスリと笑える。そしてザンがパンクバンドのボーカルとして熱唱するライブシーンの、何と魅力的なことか!パンクのゴッド・マザー役のニコール・キッドマンの暴れっぷりもいい。ラスト、大人になったエンのもとにやってきたのは…。心優しい感動が一気に押し寄せる。音楽、ファッション、アニメまで贅沢に詰まった甘酸っぱいラブストーリーは、ブッ飛んでいるのにどこまでもピュア。これは間違いなく、はみ出し者たちへの応援歌だ。
【75点】
(原題「HOW TO Talk TO GIRLS AT PARTIES」)
(アメリカ/ジョン・キャメロン・ミッチェル監督/エル・ファニング、アレックス・シャープ、ニコール・キッドマン、他)
(ボーイ・ミーツ・ガール度:★★★★★)
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ゴッホ 最期の手紙

Ost: Loving Vincent
19世紀末のフランス。ある日、郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、父からの願いで1通の手紙をパリに届けることになる。それは父の友人で自殺した画家フィンセント・ファン・ゴッホが、彼の弟テオに書いた最後の手紙だった。テオの消息をたどったアルマンは、テオの死を知るが、ゴッホを知る人々にさまざまな話を聞くうちに、ゴッホの死因が本当に自殺だったのか、疑問を抱き始める…。

印象派の巨匠として知られるフィンセント・ファン・ゴッホの死の謎に迫る異色のアート・ミステリー「ゴッホ 最期の手紙」。全編、ゴッホ・タッチの動く油絵で構成された長編アニメーションだ。天才、あるいは狂人と呼ばれるゴッホの人生は、ほぼ史実に忠実に描かれているので、ストーリーそのものに驚きはない。ただ自殺か他殺か、あるいは…と多くの謎が残るゴッホの死を、実際に残るゴッホの最後の手紙によって、解釈し直したのが興味深い。

物語は96分という長さが長尺に思えるほど、テンポが悪いのだが、それを払拭するのは、ゴッホの油絵が動くという斬新な映像だ。世界中から集められた125名の絵描きの手による油彩画、総枚数62,450枚が、スクリーンで動いていく様は圧巻だ。ゴッホが暮らした場所や愛した風景、描いた人物などが、ゴッホの絵画の中と同じビジュアルで物語に参加している。これはゴッホのファンにはたまらない喜びだろう。難点は、125名という大人数なので、どうしても画風に微妙な差異が生じている部分だろうか。映像があまりにも強烈なので、結果、肝心のストーリーが脇役になってしまったのは惜しいが、今までにない映像表現として、鮮烈な印象を残してくれた。ゴッホの死の謎は、今となっては推察するしかないが、ゴッホ自身が書き残しているように「われわれ(画家)は自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」ということになろう。
【60点】
(原題「LOVING VINCENT」)
(英・ポーランド/ドロタ・コビエラ監督/(声)ダグラス・ブース、ロベルト・グラチーク、エレノア・トムリンソン、他)
(ユニーク度:★★★★★)
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Ryuichi Sakamoto: CODA



音楽家の坂本龍一は、2011年の東日本大震災以降、被災地を何度も訪問し、被災ピアノと出会う。津波に流されて水に浸ったそのピアノの音を聞き、自然の音を意識するように。原発再稼働反対デモに参加し、新たな音を求め北極やアフリカへ向かうなど、精力的に活動するが、2014年に中咽頭ガンであることを公にする。NYの自宅での曲作り、携わった映画、音楽への思いなどを、自らの言葉で語っていく…。

国際的に活躍する音楽家・坂本龍一の音楽と思索の旅を捉えたドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto: CODA」。過去のアーカイブ映像やプライベート映像などがふんだんに登場し、教授こと、天才音楽家の坂本龍一もまた自らの言葉で音楽への思いを語っていくが、何しろ監督のスティーブン・ノムラ・シブル監督が、約5年に渡って世界各地で坂本を密着取材したという執念にも似た熱意に打たれる。

音楽評は専門外なのだが、それでも坂本龍一という才能が唯一無二なのは明らかだ。音楽に対して深く真摯に向き合う彼が、最終的には自然の音へと回帰していくのが非常に興味深い。敬愛するアンドレイ・タルコフスキー監督の作品のような、自然を取り込んだこだわりの音を目指しているというのも納得だ。個人的には、映画音楽制作中の裏話を聞けたのが嬉しかった。古くは「戦場のメリークリスマス」「ラストエンペラー」、およそ1年の中咽頭ガン闘病を経て、復帰後は「母と暮らせば」「レヴェナント」。映画との関わりだけを見ても、坂本のパフォーマンスは常にハイレベルを維持しているのが驚異的だ。監督との信頼関係が深いのだろう、アーティストとしてすべてをさらけだした映像なのに、このドキュメンタリーは、非常にポエティックな映像詩のように、静謐な美しさが心に残る。
【65点】
(原題「Ryuichi Sakamoto: CODA」)
(米・日本/スティーブン・ノムラ・シブル監督/坂本龍一)
(真摯度:★★★★★)
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覆面系ノイズ

歌うことが大好きな少女ニノは、初恋の人で突然引っ越してしまったモモを忘れられずにいた。また海岸で偶然出会って美しいメロディを教えてくれた少年ユズとも離れ離れになってしまう。高校でユズと再会したニノは、彼が所属する大人気の覆面バンド、イノハリに新ボーカルとして参加することに。モモに再会できることを願って自分の歌声がモモに届くようにと、精一杯歌い続けるニノだったが…。

音楽によって結ばれた高校生の男女の三角関係を描くラブストーリー「覆面系ノイズ」。原作は福山リョウコによる人気コミックだ。ニノは、離れ離れになった初恋のモモを思い続けてきたのに、最高の曲を作るユズの才能を尊敬してやまない。高校生ながらプロのミュージシャンとして活動するモモはニノを思いながらも、金になる音楽を作らざるを得ない自分を恥じ、ニノというミューズを想うあまり、作曲に息詰まるユズもまた、自分の気持ちに素直になれない。高校生の恋模様にしてはややこしすぎるのだが、よく見ると、二人のイケメンの間で揺れ動く美少女という、既視感満載のストーリーだ。

歌を目印にしていればきっと再会できる。この設定そのものに無理があり、今の世の中、SNSで探した方がよほど早いのでは、とツッコミを入れたくなる。ニノが、自分が本当に好きな相手は誰なのかを模索するプロセスも何だか違和感を感じる。原作の名場面を取り入れることを意識しすぎたのか、物語のテンポも悪い。それでも、ライブシーンは映画オリジナル曲の新鮮さのおかげで魅力がある。狼バンドことMAN WITH A MISSIONが曲を書き下ろしているので、ファンは要チェックだ。
【45点】
(原題「覆面系ノイズ」)
(日本/三木康一郎監督/中条あやみ、志尊淳、小関裕太、他)
(既視感度:★★★★☆)
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光 (集英社文庫)
東京の離島・美浜島で暮らす中学生の信之は、付き合っている同級生の美花が森の中で男に乱暴されている姿を目撃し、彼女を守るために男を殺害する。一方、信之を慕う年下の輔は、父親から激しい虐待を受けているが、島の誰もが見て見ぬふりをしていた。そんな中、島を大災害が襲い、信之、美花、輔、数人の大人だけが生き残る。そして25年後。島を出てバラバラになっていた彼らは都会で再会を果たすことに。妻子と共に平穏に暮らす信之の前に輔が現れ、過去の秘密をバラすと脅す。封印していた罪が蘇る中、信之は、一切の過去を捨てて華やかな芸能界で貪欲に生きる美花を守ろうとするのだが…。

幼い頃の罪を共有する男女3人が再会し、運命に翻弄される人間ドラマ「光」。原作は直木賞作家・三浦しをんの小説で、監督の大森立嗣は、過去にも「まほろ駅前」シリーズで三浦しをん原作の物語を映画化している。そこでも理不尽な悲劇は描かれていたが、本作でのそれは、比較にならないほど暴力的だ。信之、輔、美花は島で閉塞感を抱えて生きているが、東日本大震災を思わせるような大災害は、彼らの思いや悩み、日々の営み、殺人という罪までも、圧倒的な力でなぎ倒す。25年後に秘密を握って現れた輔によって、3人の男女の中にうごめく暴力性は、歪んだ形で伸びる植物のように、苛烈に成長することになる。

罪を背負いながら生きる3人は、原生林と椿の花に覆われた島の呪縛から逃れることはできない。一つの犯罪がさらなる罪を生むのは容易に想像できるが、単なる犯罪ものではなく、大自然に飲み込まれてしまった人間を原初的な野生動物のように描写したところに、この作品の持ち味がある。俳優たちの名演も見所で、静かで冷酷な信之を演じる井浦新、穏やかな狂気を発散する輔役の瑛太の相性も抜群に良い。映画冒頭、ジェフ・ミルズによる不協和音のようなサウンドが大音量で流れ、度肝を抜かれるが、この不穏な音楽にひっぱられるように物語は突っ走る。そして最後には登場人物や観客もろとも、大地や建物を突き抜けて生い茂る運命の巨木に貫かれてしまうのだ。暴力と欺瞞を描く情け容赦ない映画だが、同時に力強い生命讃歌のようにも思える。
【70点】
(原題「光」)
(日本/大森立嗣監督/井浦新、瑛太、長谷川京子、他)
(不穏度:★★★★☆)
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gifted/ギフテッド

Gifted [Blu-ray] [Import]
フロリダの海辺の町に住む独身のフランクは、幼くして母を亡くした7歳の姪メアリーと、片目の猫フレッドと一緒に、ささやかだが幸せに暮らしていた。だが、ある日、メアリーに天才的な数学の才能があることが明らかになる。フランクの母エブリンは、孫のメアリーに英才教育を施すためフランクから引き離そうとするが、フランクは頑なに、メアリーの特別扱いを拒む。二人の対立は決定的になり、ついに裁判へともつれ込むが、フランクには亡き姉から託された、ある秘密があった…。

特別な才能がある7歳の少女と彼女を育てる叔父との絆を描く家族ドラマ「gifted/ギフテッド」。タイトルのギフテッドとは、生まれつき持っている高度な能力のことを指す。いわゆる天才少女の物語なのだが、本作ではメアリーの特別な才能が主題ではなく、彼女の存在そのものが、本当の幸せとは何だろうと、大人たちに問いかけ、それぞれが苦い思いを乗り越えてその答えを見つけるストーリーなのだ。祖母は孫娘に歴史に名を残す天才数学者になってほしいと望み、叔父は、特別な才能を持っていたとしても、子どもらしい生活を体験させたいと願っている。親権を争う形で両者は対立するが、明らかなのは、日ごろはケンカばかりしていても、メアリーはフランクのことが誰よりも大好きだということだ。

監督のマーク・ウェブは長編デビュー作「(500)日のサマー」が素晴らしすぎて、その後、伸び悩んだ印象があったが、本作では丁寧でハートウォーミングなストーリーで本領を発揮している。もはや「キャンプテン・アメリカ」と一体化しているクリス・エヴァンスも、無骨だが誠実な叔父を好演。オスカー女優のオクタヴィア・スペンサーの使い方が表層的なのは少々残念だが、何といっても、オーディションで選ばれたという子役マッケンナ・グレイスが出色だ。数学の天才ぶりと少女のあどけなさ、生意気なのに健気と、難役を天性の感情表現で演じて、不器用な天才少女メアリーを愛さずにはいられなくなる。ハリウッドの子役の才能のすそ野の広さは、やはり桁違いだ。家族という問題には、数学のように、明白な答えはない。人生の豊かさとは何かという“難問”もまた同じ。ただ、この心温まる物語には、人を愛する才能を磨くヒントがある。見終われば、きっと優しい気持ちになれる。
【70点】
(原題「GIFTED」)
(アメリカ/マーク・ウェブ監督/クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、オクタヴィア・スペンサー、他)
(ハートウォーミング度:★★★★☆)
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火花

火花
若手お笑い芸人の徳永は、中学時代からの友人と組んで“スパークス”としてデビューするが、まったく芽が出ない。営業先の熱海で、“あほんだら”というコンビを組む、4歳年上の先輩芸人・神谷と出会い、彼の常識外れの漫才に魅了される。徳永は、弟子にしてほしいと申し入れ、神谷はそれを了承し、二人の交流が始まった。拠点を大阪から東京に移し、再会した後も、毎日のように芸の議論を交わし才能を磨き合う徳永と神谷は、仕事はほとんどなくても充実した日々を送っていた。だが、いつしか二人の間に小さな意識の差が生まれ始める…。

お笑いコンビ、ピースの又吉直樹の芥川賞受賞作を映画化した青春ドラマ「火花」。漫才の世界で夢を追い続ける徳永と、強い信念を持つ先輩芸人・神谷の二人が、もがきながら歩み続ける日々を描く。お笑い芸人の現実を描いた作品には「ボクたちの交換日記」があるが、本作は相方とのぶつかり合いではなく、まったくタイプの違う芸人2人の、付かず離れずの不思議な関係性を描くのが面白い。笑いの世界を良く知る板尾創路が監督を務めるが、彼の過去作品が極めて個性的で、見る人を選ぶ作風だったため、鑑賞前は不安があったが、蓋を開けてみると、驚くほど誠実でオーソドックスな青春ストーリーに仕上がっていた。

何しろ、菅田将暉と桐谷健太の二人が、これ以上ないくらいハマリ役である。特に、超がつく売れっ子の菅田将暉は、さまざまな役柄を演じる多忙な俳優だが、演技はいつもハイレベルで、パフォーマンスが落ちないのがすごい。日常のすべてがボケとツッコミという芸人たちの会話や、ネタを探し、笑いを追求するストイックな姿勢、どんなに努力しても成功がすりぬける厳しい現実など、そこにはリアルすぎる葛藤や挫折がある、クライマックスに用意されているステージは、スパークスによる“逆のことを言う”漫才だ。この名シーンには、誰もが笑いながら泣いてしまうはず。漫才界から多くの人材が参加し、大御所のビートたけし(主題歌の作詞・作曲)まで動員した本作は、お笑いの世界に生きるすべての人々に向けた、ほろ苦くも切ない応援歌なのである。
【65点】
(原題「火花」)
(日本/板尾創路監督/菅田将暉、桐谷健太、木村文乃、他)
(ほろ苦度:★★★★☆)
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ジャスティス・リーグ

「ジャスティス・リーグ」オリジナル・サウンドトラック
スーパーマンの死後、世界の秩序が乱れ、危機を感じたバットマンは、ワンダーウーマンを新たな相棒に、特別な力を持つヒーローたちを探して最強のチームを結成するべく、行動を開始する。地球を狙い宇宙からやってきた、邪悪で最強の敵ステッペンウルフに立ち向かうため、バットマンとワンダーウーマンがスカウトしたのは、怪力で無愛想な海洋生物の王アクアマン、地上最速の男フラッシュ、そして全身が機械に覆われている人間デジタルデバイスの男サイボーグ。前代未聞の超人たちの連携チーム、ジャスティス・リーグは、地球崩壊の危機に立ち向かうが…。

DCコミックスのヒーローたちが集結したドリームチームの活躍を描くアクション大作「ジャスティス・リーグ」。マーベルの「アベンジャーズ」シリーズに対抗するようなヒーローチームものだが、DC特有の、暗くシリアスな雰囲気は影をひそめ、明るさやコミカルなテイストが全面に出ていて楽しい。ストーリーもシンプルな勧善懲悪のスタイルで、かなり間口が広くなった印象だ。バットマンとワンダーウーマン以外は、単体での映画がないヒーローたちが加わるが、3人のキャラがすこぶる立っており、しかも役割が明快に分担されてそれぞれの見せ場もきっちり作られている。特に、オタクの現代っ子フラッシュが、いい味を出していて、クセ者揃いのチームの緩和剤になってくれている。そもそもバットマンに「ところであなたの能力って?」と聞けそうで聞けないことをズバリ尋ねるなんて新人ならでは。孤独で他を寄せ付けないバットマンも、自分の能力は「金持ち」と“謙虚に”答えている。

とはいえ最強の敵ステッペンウルフはやはり桁違いの強敵である。だがそこでヒーローチームは、切り札を使って、離れ業に近い最大の戦力を繰り出し、見るものを興奮させてくれるという筋書きだ。この「ジャスティス・リーグ」、監督の途中降板、交代などゴタゴタが続いたが、「アベンジャーズ」のジョス・ウェドン(脚本)が残りを引き継ぎ、結果的に“チームで戦う”というテーマをより浮き彫りにさせた形となった。ずっと一人で戦ってきた個性派ヒーローたちが、互いに歩み寄り、助け合う。このシンプルなメッセージはいつの時代にも強く響く。「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でファンをがっかりさせたDCだが、これなら今後も大いに期待できるというものだ。長い長いエンドロールの後に、超・重要なワンシーンがあるので、最後まで席を立たずに鑑賞してほしい。
【80点】
(原題「JUSTICE LEAGUE」)
(アメリカ/ザック・スナイダー監督/ベン・アフレック、ガル・ガドット、ジェイソン・モモア、他)
(コミカル度:★★★★☆)
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こいのわ 婚活クルージング



突然、会社から社長を解任された門脇誠一郎は、65歳にして、残りの人生を共に過ごすパートナーを探すために婚活に励む。だが、最初の見合いの相手で、35歳の美人編集者の山本ナギと会って早々に大喧嘩。とはいえ、リッチな誠一郎のもとにはさまざまな境遇の女性たちが群がってきた。一方、ナギも年下のイケメンに言い寄られるが、誠一郎のことが気になってしかたがない。誠一郎とナギの婚活は複雑な思惑が絡むが、そんな中、豪華クルーズ船・銀河での一大婚活イベントがはじまる…。

65歳の富豪のバツイチ男性と35歳の独身女性が婚活に奮闘するラブ・コメディー「こいのわ 婚活クルージング」。結婚離れや少子化対策の一環として、広島県庁が手掛ける婚活事業“こいのわ”は、相手と出会う場を提供する結婚支援プロジェクト。約9000人が登録し、100組近い男女が成婚に至っているのだそうだ。広島カラーを全面に打ち出した本作は、700人もの市民エキストラが参加し、広島市をはじめ、尾道、呉、福山、今治などでもロケを敢行。瀬戸内海の美しい海に、おいしそうなレモン、極めつけは、真っ赤に染まる広島カープ愛だ。

初老の誠一郎が婚活するのは、将来、自分を介護してくれる伴侶を探すため。富豪の彼のもとには、バツイチシングルマザー、トランスジェンダー、後妻業の女などが群がってくる。美人でスタイル抜群のナギは、雑誌の取材も兼ねて婚活に参加しているが、かつてカープのマスコットガールとして注目されて一度は女優になったものの芽が出ず、東京の小さな出版社で働く35歳で、どこかで「私の人生、こんなはずじゃなかった…」との思いがある。最悪の出会いから、最高の恋愛へ。ラブ・ストーリーのセオリー通りに進む物語だが、ラストには思わぬどんでん返しも。大きな感動や驚きとは無縁だが、婚活をテーマに、これでもか!とばかりの広島愛で押し通すこのご当地映画は、広島県民とカープファンには微笑ましい小品といえようか。
【50点】
(原題「こいのわ 婚活クルージング」)
(日本/金子修介監督/風間杜夫、片瀬那奈、海老瀬はな、他)
(広島愛度:★★★★★)
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ローガン・ラッキー

Logan Lucky
仕事も家族も失った炭鉱夫ジミーは、一発逆転を目論み、シャーロット・モーター・スピードウェイでまもなく開催される全米最大のモーターカーイベントNASCARのレース中に金庫から大金を盗み出すという前代未聞の強奪計画を企てる。だが、足が不自由なジミーと、戦争で片腕を失った弟クライド、そして美容師でカーマニアの妹メリーという、不運続きのローガン一家だけでは何とも頼りない。そこで伝説の爆破犯ジョー・バングに協力を仰ぐことに。服役中のジョーを一時的に脱獄させ、コトが終わったら刑務所に戻すという奇想天外な作戦は順調に進むかに思えたが、予想外の事態に直面することになる…。

監督引退宣言をしていたスティーヴン・ソダーバーグの復帰第1作となる犯罪コメディー「ローガン・ラッキー」。ツキに見放されたローガン家の面々が悪運を跳ね返すため、大胆な大金強奪計画に挑む姿を描く。複数のメンバーで完全犯罪を目論むストーリーは、ソダーバーグの代表作「オーシャンズ」シリーズによく似ている。「オーシャンズ」がゴージャスでスタイリッシュでド派手なのに対し、本作はユルくてアナログ、垢ぬけない印象だ。だが、これが、肩の力がうまい具合に抜けていて、なかなか面白い。ローガン家はもちろん、爆発のプロのジョーとそのおバカすぎる弟たちは何ともマヌケで不器用、でも愛すべきキャラクターたちだ。不測の事態やとぼけたミスでハラハラさせ、それでも巧妙に進む計画を見ていると、いつのまにか“呪われたローガン”を応援してしまう。

危なっかしいのに実は緻密な犯罪計画は、資金や最先端の武器の代わりに、知恵と度胸と愛嬌で勝負だ。チャニング・テイタム、アダム・ドライバーなど俳優陣が皆、適役だが、何と言っても爆発犯を怪演するダニエル・クレイグが、クールなジェームズ・ボンドとは真逆の魅力を見せて最高だ。物語のキーとなるのが劇中に効果的に使われる名曲「カントリー・ロード」。その曲は“カントリー・ロード、私がいるべき場所、故郷に連れて行っておくれ”と歌う。ソダーバーグがいるべき“ふるさと”は、やっぱり映画だ。おかえりなさいと迎えたい。
【80点】
(原題「LOGAN LUCKY」)
(アメリカ/スティーヴン・ソダーバーグ監督/チャニング・テイタム、アダム・ドライヴァー、ダニエル・クレイグ、他)
(爽快度:★★★★☆)
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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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