映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

プチレビュー18上旬

曇天に笑う

「曇天に笑う」オリジナル・サウンドトラック
明治維新後の滋賀県大津。曇(くもう)神社を継ぐ曇家の3兄弟、長男・天火、次男・空丸、三男・宙太郎は、300年に1度出現し人々に災いをもたらすという大蛇・オロチの復活と、大蛇の力で政府転覆を企てる風魔一族を阻止しようと立ち上がる。右大臣・岩倉具視の直属部隊・犲(やまいぬ)もまたオロチを封印するために動いていた。兄の天火が、かつて犲に所属していたこと、両親を風魔一族に殺されてからは天火は国のためではなく弟たちのために生きていることを知った空丸は、兄を超えたいとの思いからある決意をするのだが…。

明治維新後の滋賀県を舞台に人々に災いをもたらす大蛇を封印しようと戦う3兄弟を描くアクション・アドベンチャー「曇天に笑う」。原作はテレビアニメ化や舞台化もされている唐々煙の大人気コミックだ。原作は外伝まである、かなり長尺なものだが、実写映画化された本作は、さっくりと短い94分。原作ファンには物足りないかもしれないが、これはこれで潔いまとめ方だ。主人公の曇天火(くもうてんか)は、ハードな宿命を背負っているが、どんな時も笑顔を絶やさず周囲を明るく照らすような男。この陽性のキャラクターと、曇り空が続く大津で災いが近づく不穏な空気が、好対照となっている。

曇3兄弟、犲、風魔一族といったそれぞれ異なる思惑を持つ3つの集団が、三つ巴となって死闘を繰り広げるクライマックスのアクションは見応えたっぷりだ。ドローンを駆使した上空からの撮影アングルもいい。天火を演じる福士蒼汰は、武道ジークンドーの使い手というだけあって、アクションの動きが美しく迫力たっぷりだ。特徴的な武器・鉄扇との相性も良い。ただ、アクションの出来栄えに対し、ドラマパートは話が大きすぎてCGのクオリティが伴わず消化不良なのが残念だ。主要キャラがほぼ男性のみで女性が登場しないので、当然恋愛要素も皆無。このあたりに不満を持つ映画ファンもいることだろう。「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督らしく、組織(集団)の中でのそれぞれの立ち位置という視点が生かされているのが面白い。笑いあり、アクションあり、陰謀あり、俳優たちの熱演あり。何より3兄弟の強い絆を楽しんでほしいエンターテインメントだ。
【55点】
(原題「曇天に笑う」)
(日本/本広克行監督/福士蒼汰、中山優馬、若山耀人、他)
(恋愛度:☆☆☆☆☆)


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ボス・ベイビー

Boss Baby/ [Blu-ray] [Import]
7歳の少年ティムは両親に愛され、幸せに暮らしていた。だがある日突然、ティムのところに弟だという赤ん坊、ボス・ベイビーがやってくる。ボス・ベイビーは、赤ちゃんなのに、黒いスーツを着て、手にはブリーフケースを下げていた。明らかに怪しいこの赤ちゃんに翻弄されるティムだったが、やがてボス・ベイビーは、赤ちゃんへの愛情の比率が子犬に傾いている世界的状況を危惧し、もうすぐ発表される新種の子犬の情報をつかむべく差し向けられた産業スパイだということを知る。両親の愛情を取り戻したいティムと、さっさと仕事をまっとうして会社に戻りたいボス・ベイビーの利害が一致。2人は協力することになるのだが…。

見た目は赤ちゃん、中身はおっさんというボス・ベイビーの活躍を描くアニメーション「ボス・ベイビー」。映画冒頭に、往年のミュージカル映画「トップ・ハット」でフレッド・アステアが歌う「チーク・トゥ・チーク(頬よせて)」の甘いメロディーが流れ、一気にノスタルジックな世界へと誘い込まれる。だがストーリーはかなり辛辣かつ突飛な設定なのだ。そもそも、赤ちゃんには適正があって、ニコニコ笑う無邪気な赤ちゃんは普通の家庭に送られるが、優れた知能と冷静な判断力を持つ赤ちゃんは、ベイビー株式会社で働くことになる。ボス・ベイビーは、そんなベイビー株式会社の中間管理職なのだ。上司から無理難題を押し付けられ、出来の悪い(でも憎めない)部下の世話に明け暮れる。可愛い見た目とオッサンの中身というこのギャップがかなりイイ感じで笑いを誘う。もちろんティムとの丁々発止のやり取りも楽しい。ベイビー株式会社の内部も、しっかりと作り込まれて見事だ。

ストーリーは、秘密を共有するボス・ベイビーとティムのバディ・ムービーのようなスタイルだが、赤ちゃんへの愛情を脅かす新種の子犬の秘密や、ティムの両親まで巻き込んだ陰謀など、サスペンス要素もたっぷり。気になるのは、ティムの妄想をベースにした大冒険のアクションシーンが、ストーリーに上手くフィットしていない点だ。派手なアクションシーンも、取ってつけたような感じが残るのが惜しい。弟に愛情を横取りされるのでは? 人間は赤ん坊より子犬を愛するのでは? 愛はすべての人にいきわたるほどはないと思い込んでいたティムとボス・ベイビーだが、やがては本物の愛は尽きることなどないという、ストレートで王道な真理へとたどり着く。ギャグはシニカルだし、サラリーマンの悲哀を感じさせる設定は明らかに大人向け。子どもの目から見たら、世界はどう映るのかを知る意味でも、大人に見てもらいたいアニメーションだ。
【60点】
(原題「THE BOSS BABY」)
(アメリカ/トム・マクグラス監督/(声)アレック・ボールドウィン、マイルズ・バクシ、ジミー・キンメル、他)
(ギャップ萌え度:★★★★☆)


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トゥームレイダー ファースト・ミッション

TOMB RAIDER
バイク便のライダーをしている大学生ララ・クロフトは、裕福な実家を離れ、下町で一人暮らしをしている。ある時、冒険家だった父の遺言から、強大で危険な力が封印された謎の墓と、それを追う闇組織“トリニティ”の存在を知ることに。彼らよりも先にその墓を見つけて封印しないと世界を揺るがす危機になると知って旅に出るが、ララの行く手にはさまざまな敵が待ち受けていた…。

世界的大人気のゲーム実写映画化を新たなキャストでリブートした「トゥームレイダー ファースト・ミッション」は、ヒロインのララ・クラフトの最初の冒険を描くものだ。過去2作品は、アンジェリーナ・ジョリーが演じているが、アンジーが自信満々で無敵のスーパーヒーロー(ヒロイン)だったのに対し、今回のアリシア・ヴィキャンデル演じるララは、どこか脆く繊細なところがある生身のヒロイン。そんな彼女がどう成長していくかを冒険と共に見せてくれるのが本作最大の見所だ。

魔の海にあるという謎の島に隠された秘宝が、卑弥呼の墓という設定には、日本人としては思わずズッコケるのだが、それはひとまず置いておいて、一見きゃしゃに見えるアリシアは、実は5kg近い筋肉をつけてアクションに臨んでいて、その肉体改造に思わず見惚れる。初めての冒険で、時に傷つき、時に悩むララは、人間的で感情移入しやすいキャラクターだ。ただ、長く行方不明だった父との再会や、冒険を共にするダニエル・ウーとの“相棒度”がイマイチ盛り上がらないのは苦笑もの。トリニティについての考察も浅いが、こちらは次回以降に持ち越しといったところか。アリシア・ヴィキャンデルの傷だらけのタフネス、ゲーム感覚の謎解きなどを堪能しながら、まずは、新星ララ・クロフトの誕生を楽しみたい。
【65点】
(原題「TOMB RAIDER」)
(アメリカ/ローアル・ユートハウグ監督/アリシア・ヴィキャンデル、ドミニク・ウェスト、ウォルトン・ゴギンズ、他)
(共感度:★★★★☆)


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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

Maudie / [DVD] [Import]
カナダ東部の田舎町に住むモードは、絵を描くことが大好きな女性。厳格な叔母と暮らす息苦しい生活から抜け出すために、何とか自立しようと考えたモードは、魚の行商をしているエベレットの家で住み込みの家政婦として働き始める。リウマチのため足が不自由なモードと、幼い頃より養護施設で育った粗野なエベレットは、最初はぎくしゃくしたが、やがて心を通わせ、結婚することに。そんなある日、モードが描いた絵に才能を見出す女性が現れ、絵は瞬く間に評判を呼んでいく…。

カナダを代表する女性画家モード・ルイスの生涯を描いた伝記ドラマ「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」。絵を描くことが何よりも好きだったモード・ルイスは、フォーク・アート(土地固有の文化から生まれた素朴なアート)を代表する画家である。だが、アメリカ大統領から注文が入るほどの人気画家になっても、わずか4メートル四方の小さな家に住み、変わらない暮らしを続けた慎ましい人だった。描き続けたのは、人々の素朴な暮らし、愛らしい動物や美しい草花などで、日常に対する温かいまなざしは、そのまま作品のぬくもりとなっている。

映画は、モード・ルイスの伝記だが、彼女の画風や才能を伝えるだけでなく、互いに寄り添いながら生きた不器用な夫婦の物語として描いているところがいい。夫のエヴェレットは、無骨で保守的なところがあって、最初はどうにも好きになれないのだが、長い年月のうちにモードと彼女の絵の優しさがしみ込んだかのように、ゆっくりと温かい人物へと変化する。終盤、ある悲しい秘密を抱えたモードに対してみせる優しさといい、死の床にある妻への感謝の言葉といい、演じるイーサン・ホークの静かな演技が光った。モード・ルイスを演じるのは、サリー・ホーキンス。身体が不自由なこと、孤独なこと、内に秘めた優しさや強さを持つことなど、このヒロインはまるで「シェイプ・オブ・ウォーター」の主人公の分身のように見える。あどけないけど、不思議な色気もある、無垢な女性を演じきったサリー・ホーキンスの名演が心に残る佳作だ。
【65点】
(原題「MAUDIE」)
(カナダ、アイルランド/アシュリング・ウォルシュ監督/サリー・ホーキンス、イーサン・ホーク、カリ・マチェット、他)
(夫婦愛度:★★★★☆)


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ちはやふる 結び

映画『ちはやふる-結び-』オリジナル・サウンドトラック
瑞沢高校競技かるた部員の千早は、個人戦で史上最強のクイーン・詩暢に敗れ、さらに強くなることを誓った。あれから2年。千早は自分の実力不足を痛感していた。千早たちの師匠・原田が史上最強の名人と呼ばれる周防に敗北。新(あらた)が彼に挑戦状をたたきつける。そんな中、新入部員も入った瑞沢かるた部で、千早は高校最後の全国大会を目指していたが、突然、部長の太一が辞めてしまう…。

末次由紀のヒットコミックを実写化し、競技かるたに青春かける高校生たちを描いた「ちはやふる 上の句、下の句」の続編「ちはやふる 結び」。続編という位置付けながら、内容は後日談あるいは最終章といった趣だ。そんな本作は、恋愛要素は思いのほか薄味だが、その分、かるたという日本古来の競技に対して、精神的にも肉体的にも真摯に向き合うドラマが深まっている。無論、競技かるたをスポ根映画のように見せる熱い演出や、随所に上手く挿入されるコメディー要素は健在だ。さらに、かるた初心者の新入部員の目を通して語られるこの“結び”は、かるた競技の魅力を紹介する意味でもよく出来ているし、単体でも楽しめる内容になっている。

前2作は、クイーンの詩暢を演じる松岡茉優の存在感に圧倒された感があったが、この結びでは、やはり若手演技派女優のエース的存在は広瀬すずだと改めて納得した。「怒り」「三度目の殺人」とシリアスな難役をこなし、めきめき実力をつけた彼女だが、キラキラした青春を全力で謳歌する高校生役をこれほど魅力的に演じられるのは、広瀬すずしかいない。千早が見据える未来はきっと輝いている。ラスト、かるたへの熱い思いを後輩たちに引き継ぎ、自分の未来を選んだ千早の姿がまぶしかった。
【70点】
(原題「ちはやふる 結び」)
(日本/小泉徳宏監督/広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、他)
(恋愛度:★★☆☆☆)


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リメンバー・ミー

リメンバー・ミー オリジナル・サウンドトラック
天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルは、ミュージシャンになるという夢を抱いていたが、過去のある出来事が原因で、楽器や歌はおろか音楽に接することさえ禁止されていた。ある日、年に一度の“死者の日”に開催される音楽コンテストにこっそり出場すると決めたミゲルは、伝説的ミュージシャンであるデラクルスの霊廟に飾られたギターを手にして出場するが、ギターを弾いた途端に死者の国に迷い込んでしまう。早く元の世界に戻らないと、ミゲルの体が消えて永遠に家族と別れることに。困ったミゲルは、偶然出会ったヘクターという陽気なガイコツの助けを借りることになるが、それは想像を超える冒険と真実へとミゲルを導いていく…。

死者の国を舞台に家族の絆を歌いあげる秀作アニメーション「リメンバー・ミー」。陽気な音楽、カラフルなビジュアル、家族の愛と絆。王道の設定ながら、死を受け止め生を肯定するエモーショナルな物語にあっという間に引きこまれた。“死者の日”とは、年に一度故人の魂を迎えるメキシコの祭りのこと。日本のお盆のようなイメージで親しみがわくが、何しろラテンのノリなのでどこまでもカラフルで陽気だ。主人公ミゲルが迷い込む死者の国は、巨大都市でダイナミックな色彩に彩られている。だがこのにぎやかな世界にも、生きている家族から忘れられると、死者の国からも存在が消えてしまうというシビアなルールが。陽気だが孤独なヘクターは、そんな2度目の死の危機に瀕していて、それがミゲルの家族の謎ともからみあい、大冒険へとつながっていく。

近年、ピクサーは続編やシリーズものを多く製作していたが、今回はオリジナル。それだけでも高評価だが、死者の国を特定の宗教ではなく、この世とあの世という感覚で描いて間口を広くしている点が素晴らしい。ラテン文化へのリスペクトもしっかりと伝わってくる。劇中、ある人物による大きな秘密が暴かれるが、そのくだりが少々雑なのが惜しい。それでもベタと思いつつも、家族や先祖から伝わる愛といった定番の感動スポットに、名曲“リメンバー・ミー”のメロディーが重なって、気が付いたら涙していた。原題「COCO」の意味を知って、またまた涙。マリーゴールドの花のオレンジ色が光り輝いて見えるのは、その魔法のような映像美だけでなく、押し寄せる感動のためだったのだ。生きる素晴らしさを歌いあげた、宝物のような映画である。
【85点】
(原題「COCO」)
(アメリカ/リー・アンクリッチ、エイドリアン・モリーナ監督/(声)石橋陽彩、藤木直人、松雪泰子、他)
(家族愛度:★★★★★)


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デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり



幼少期より厳しい父親から英才教育を受け、天才ピアニストとして広く世に知られたデイヴィッド・ヘルフゴット。若くして成功を手にした彼だが、やがて精神を病み11年間もの間、音楽やピアノを奪われて病院で闘病生活を強いられる。ワインバーのピアノ弾きとして社会復帰した彼は、運命の女性ギリアンと出会い、彼女の愛と支えによって、コンサートを再開。ピアニストとして再び花開いていく。そんなデイヴィッドと、妻ギリアンの現在の姿をカメラを追っていく。

第69回アカデミー賞作品賞などにノミネートされた名作「シャイン」の主人公のモデルとなった天才ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットと愛妻ギリアンに迫るドキュメンタリー「デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり」。「シャイン」から20年もたって作られた本作だが、デイヴィッドとギリアンがいかに深い絆で結ばれているか、そしてデイヴィッドがいかにピュアな人間かを、二人の映像やインタビュー、周囲の人々の証言を交えて、あたたかいまなざしで丁寧に描いたドキュメンタリーだ。

「シャイン」のその後の二人は、自分たちのペースで音楽に向き合っている。誰とでもハグやキスをするデイヴィッドの、時に奇行にも思えるふるまいが周囲をとまどわせても、ギリアンはどこまでも彼に真摯に向き合っていて、その変わらぬ姿が感動的だ。「感謝こそ、人生を幸せに生きる秘訣よ」とのギリアンの言葉が深い。ソウルメイトという言葉は彼らのためにあるような気がしてならない。ちなみに、劇中で一番驚いたのは映画「シャイン」の主役は、当初アメリカではトム・クルーズ主演で進められたという秘話。監督がジェフリー・ラッシュでなければ映画化しない!と断固として譲らなかったそうだ。おかげで私たちは名作に巡り合えた。これこそ感謝!である。
【60点】
(原題「HELLO I AM DAVID!」)
(ドイツ/コジマ・ランゲ監督/デイヴィッド・ヘルフゴット、ギリアン・ヘルフゴット、他)
(二人三脚度:★★★★★)


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北の桜守

映画「北の桜守」オリジナルサウンドトラック
1945年、樺太で暮らす江蓮てつは、日ソ不可侵条約を破棄したソ連の侵攻にさらされ、2人の息子と一緒に命からがら北海道の網走まで逃げ延びる。凍てつく寒さ、飢え、極貧の中を「もう一度家族4人そろって桜を見よう」との夫の言葉だけを頼りに、必死で生き延びた。1971年、アメリカで事業に成功した次男の修二郎は、日本に帰国し、北海道へと帰ってくる。年老いた母てつを一人にしてはおけないと、一緒に暮らし始めるが、母子は思いあうがゆえにすれ違い、てつは一人網走に戻ろうとする。記憶が混濁し認知症を発症した母に寄り添おうと決意した修二郎は、二人で北海道各地を巡り、共に過ごした記憶を拾い集めていく…。

北海道を舞台に、戦中から戦後の激動の時代を生き抜いた親子の姿を描くヒューマン・ドラマ「北の桜守」。日本を代表する大女優・吉永小百合が主演を務め、「北の零年」「北のカナリアたち」に次ぐ北海道の大地を舞台にした“北の三部作”の集大成だ。今回は「おくりびと」の滝田洋二郎が監督を務め、戦中に北海道で起こった悲劇的な歴史も織り込みながら、親子の絆を描いている。

激動の時代を死にもの狂いで生きた母子の物語の中で、戦争の圧倒的な暴力性を表すのに、劇中劇として演劇という手法をとっているのが画期的だ。引き揚げ時の混乱、集団自決事件など、史実に基づくそれらの出来事が、独特の語り口で挿入される。この象徴的な演劇スタイルに違和感を感じる人も多いだろう。意外なことに、吉永小百合は舞台経験がなく、これが“初の舞台経験”だそうだ。正直、30代を演じるにはさすがの美人女優も無理があるのだが、映画出演120本を迎える大女優の尽きないチャレンジ精神に、尊敬の念を覚える。ひとつ残念なのは、タイトルにある桜守(地域に根ざし、1年を通じて桜の樹木の保護育成に携わる人のこと)の仕事について、深く描かれなかったこと。桜はあくまで幸福のイメージというのなら、別のタイトルでも良かったのでは。いずれにしても吉永小百合ありきの感動作に仕上がっている。
【60点】
(原題「北の桜守」)
(日本/滝田洋二郎監督/吉永小百合、堺雅人、篠原涼子、他)
(親子愛度:★★★★★)


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去年の冬、きみと別れ

映画 去年の冬、きみと別れ ビジュアルブック (幻冬舎文庫)
気鋭のルポライター・耶雲恭介は、婚約者・百合子との結婚を控え、野心的な本の出版を目指していた。狙っているのは天才カメラマンで1年前に世間を騒がせた猟奇殺人事件の容疑者・木原坂のスクープ。木原坂は盲目の美女モデル・亜希子を殺した犯人として逮捕されるが、姉の朱里の尽力で事件は事故扱いとなり釈放されていた。謎めいた木原坂の真実を暴くために耶雲は彼に接近するが、出版社の担当編集者の小林は危険な噂が絶えない木原坂に近づきすぎないように何度も忠告する。しかし取材にのめり込んだ耶雲は、気が付けば百合子まで巻き込んで、抜き差しならない罠に堕ちていた…。

ある殺人事件の真相を追うルポライターが危険な罠にはまっていく様を描くサスペンスドラマ「去年の冬、きみと別れ」。原作は芥川賞作家、中村文則による同名小説だが、映画化にあたり、核となる部分は残しながらも、大胆な改変が加えられている。天才カメラマンの周囲には、モデルの焼死事件、親殺しの疑い、異常な執着や嗜好など、さまざまな疑惑があり、謎が謎を生む展開だ。実は物語そのものに、ある重大なトリックが仕掛けられているて、それは中盤以降に明かされる仕組みだ。小説の章立てのように語られる本作だが、そこには、順番通りではない大きな理由がある。

ミステリーなので、詳細は明かせないのだが、テーマは復讐と愛だ。もちろん、無理な設定はいくつもあり、ツッコミどころも多いのだが、これはあくまで純愛サスペンス。ラストにタイトルの意味が明かされ、愛する人のために、すべてを賭けたということなら納得できよう。原作ファンは映画版ならではのトリックを、原作未読の人は、思い切り騙される快感を味わってほしい。
【50点】
(原題「去年の冬、きみと別れ」)
(日本/瀧本智行監督/岩田剛典、山本美月、斎藤工、他)
(ドンデン返し度:★★★★★)


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坂道のアポロン

映画「坂道のアポロン」サウンドトラック&ジャズ演奏曲集
横須賀から、親戚が住む長崎県佐世保市の高校に転校してきた薫は、真面目な秀才だが、学校でも家庭でも居場所を見つけられずにいた。だがひょんなことから不良生徒の千太郎、千太郎の幼なじみで町のレコード屋の娘・律子と親しくなる。千太郎とは友情を育み、律子に淡い恋心を抱いた薫は、二人を通じてジャズと出会い、その魅力に取りつかれる。しかしそんな幸せな日々は、ある事件をきっかけに変わってしまう…。

高校生たちの友情と恋、ジャズとの出会いを描く青春ラブストーリー「坂道のアポロン」。原作は小玉ユキの名作コミックで過去にアニメ化もされている。本作全体を覆うノスタルジックな空気は、成長して医者になった薫の回想形式の語り口、昭和40年代という時代背景、異国情緒あふれる長崎・佐世保の風情などが要因だ。長い原作ものの実写映画化の常で、有名なエピソードをつなぎあわせ、駆け足で進む感じは否めないが、少なくとも、高校時代の薫、千太郎、律子の3人のキャラクターは丁寧に描かれている。

居場所がない薫や、複雑な出自を秘めた千太郎の抱える孤独を癒すのが、律子の明るさとジャズだ。青春映画と音楽の組み合わせは数多いが、ジャズという難しいジャンルに果敢に挑んだ、出演者たちに拍手を送りたい。吹替えなしで挑んだというセッションシーンは迫力たっぷりで、印象的に使われる名曲“モーニン”、“マイ・フェイバリット・シングス”などの曲のチョイスもいい。少女マンガにしてはあっさりとした絵柄の原作マンガのイメージを壊すことなく、青春のキラキラ感は残しながら、さわやかに仕上げた三木孝浩監督の手腕を評価したい。友情と恋がほぼ同じ重さで存在できた“あの頃”の輝きがまぶしい青春映画だ。
【65点】
(原題「坂道のアポロン」)
(日本/三木孝浩監督/知念侑李、中川大志、小松菜奈、他)
(ノスタルジー度:★★★★☆)


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