映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

きっと

ダンガル きっと、つよくなる

ダンガル きっと、つよくなる
レスリングでインド国内チャンピオンにまでのぼりつめたマハヴィルは、生活のために引退し、若手の育成に励んでいた。心の奥底でレスリングをあきらめきれないマハヴィルは、子どもに金メダルをとる夢を託そうとするが、生まれてくるのは女の子ばかり。それでもケンカで男の子をやっつけた長女ギータと次女ハビータを見て、二人をレスリング選手として鍛えることを決意する…。

レスリングに夢を託した熱血漢の父と二人の娘たちの奮闘を描くインド映画「ダンガル きっと、つよくなる」。インドでこんなにもレスリングが盛んだとは知らなかったが、それはさておき。頑固オヤジのスパルタ猛特訓で、姉妹が才能を開花させ、実績を残したのは事実。その実話を踏まえて作られた本作は、涙と笑いのブレンド具合が絶妙で、感動の家族愛・スポ根ドラマに仕上がっている。最初は娘たちに自分の夢を“無理やり”託す父親が暴君に見えるのだが、実は父親の猛特訓は決してエゴではなく、娘たちへの深い愛情ゆえと分かってからは、感動へと一直線に突き進む。姉妹たちも、元来の負けず嫌い。ナニクソ!とばかりに頑張ってしまう姿がこれまた、実に清々しい。

インドの国宝級スターのアーミル・カーンが27kgの体重増減で役者魂を披露すれば、姉妹役の二人(どちらも美人!)も自らレスリングシーンをこなし、ガッツを見せている。父性愛とスポ根だけなら、よくあるストーリーだが、注目してほしいのが、ここにフェミニズムの視点を盛り込んでいることだ。男尊女卑のインド社会では、女の子は家事だけこなし、親から決められた結婚を強いられるなど古い慣習に縛られている。そんな中、レスリングを通して自我に目覚め、成長していく女子の物語は、まさにタイムリーだ。因習も偏見も、悪徳コーチも世界の壁も、この父娘なら、きっと乗り越えられる。出演作を厳選することで知られるアーミル・カーンの作品はやっぱりハズレなし!である。
【80点】
(原題「DANGAl」)
(インド/ニテーシュ・ティワーリー監督/アーミル・カーン、サークシー・タンワル、、他)
(熱血度:★★★★☆)


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きっと、星のせいじゃない。

きっと、星のせいじゃない。 [Blu-ray]
ガン患者の集会で出会った若い男女の恋を描く「きっと、星のせいじゃない。」。難病ものなのに暗さはなく、後味はさわやか。

末期ガンを患う17歳のヘイゼルは、親の勧めでガン患者の集会に参加し、骨肉腫を克服したガスと出会う。ガスはヘイゼルに好意を寄せるが、ヘイゼルは彼を傷つけまいとあえて距離を置くことに。そんなある日、ガスはヘイゼルが愛読する小説の作者にメールを送り返事をもらう。2人は友達の関係のまま、作家が住むオランダに向かうが、そこで作家から思いがけない言葉を投げかけられる。さらに旅の終わりにガスはヘイゼルにあることを打ち明けるが…。

原作は作家ジョン・グリーンが友人をモデルに書いたベストセラー小説「さよならを待つふたりのために」。いわゆる難病ものだが暗さはまったくなく、不思議なほどさわやかなところが何よりも好ましい。鼻からチューブを付け、酸素ボンベが手放せないヒロインのヘイゼルは、13歳から自分の病気と闘っていて、いつも死を意識している大人びた少女だ。恋人はおろか友人さえいない彼女に思いがけない恋が…という展開だが、この物語は観客の予想を鮮やかに裏切っていく。自分のことを“いつ爆発するかわからない手榴弾”に例えて、誰かと深くかかわることを避けていたヘイゼルが、ガスとの恋にときめき、しっかりと他者と向き合う姿には、見ているこちらが勇気をもらうほど。アムステルダムに行き憧れの作家に会うが、そこでは予定調和の感動やなぐさめはないというところも、逆にハッとさせられる。「アンネの日記」のエピソードは少し浮いた感じもあるが、生きることの大切さを強く感じさせてくれた。人は誰もが限られた生を生きていて、その長さが少し違うだけ。死と向き合うことで生を愛おしく思う。秀作「(500日)のサマー」の脚本家は、難病を扱いながら、決して湿っぽくならず若いカップルの感情に素直に寄り添う素晴らしい物語を紡いでくれた。みずみずしさと達者な演技で主人公を演じるのシャイリーン・ウッドリー。やはりこの人は上手い。
【70点】
(原題「THE FAULT IN OUR STARS」)
(アメリカ/ジョシュ・ブーン監督/シャイリーン・ウッドリー、アンセル・エルゴート、ナット・ウルフ、他)
(ポジティブ度:★★★★☆)
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きっと、星のせいじゃない。@ぴあ映画生活

きっと、うまくいく

きっと、うまくいく [Blu-ray]
楽天的な明るさが魅力の青春グラフィティ「きっと、うまくいく」。競争社会への風刺や教育問題を裏テーマに、インド映画ならではの娯楽満載の演出に圧倒される。

超エリートが集う工科大学ICEに入学した、機械より動物が好きなファルハーンと苦学生で何でも神頼みのラージューは、天才的な頭脳と型破りなまでに自由な心を持つランチョーと意気投合し、問題児“3バカトリオ”として学内で騒動を巻き起こしていた。3人はスパルタ指導の鬼学長の過酷な課題をなんとかクリアし、卒業にこぎつけるが、ランチョーは卒業と同時に行方不明になってしまう。10年後、ランチョーが街に戻ったと聞き、親友二人は彼が姿を消した謎を追うことになるが、そこには驚きと感動の真実が待ち受けていた…。

インド映画の中で、質、量ともに世界最高水準を誇る洗練された北部ヒンディー語映画を一挙に4本公開する「ボリウッド4ザッツエンターテインドメント」で上映される1本。中でも本作は、インド映画の興収記録を塗り替え、ハリウッドリメイクも決まったという話題作だ。自由人のランチョーは、どんなピンチに陥っても「きっと、うまくいく」がモットーので楽天家。成績や就職のためだけに勉強する他の生徒たちとは違い、本当に好きなこと、学びたいことに打ち込んでいる。ボリウッドの大スターのアーミル・カーンが演じるこの主人公が、実に魅力的なのだ。いやみのない明るさで親友たちと騒動を巻き起こしたり、鬼学長やガリ勉のライバルをコケにし、鬼学長の娘で女医の卵のピアと恋をするランチョーを見ているだけでも楽しくなる。もちろんインド映画のお約束のミュージカルシーンや、ベタなギャグも満載。行方不明になったランチョーが実は何者なのか?という謎を追うミステリーと、10年前のとびきり愉快な大学生活が平行して描かれ、ラストには、生きる喜びを実感できる爽快な気分が味わえる。往年のインド映画の泥臭さを知るものには、随分と洗練されたものだと感無量だ。だが、笑い、涙、サスペンスにアクション、そして歌と踊りといった娯楽要素を、これでもか!とばかりに詰め込むインド映画のサービス精神は今も昔も変わらない。退屈とは無縁の170分間、間違いなくハッピーになれる。
【70点】
(原題「3 IDIOTS」)
(インド/ラジクマール・ヒラニ監督/アーミル・カーン、カリーナー・カプール、マドハヴァン、他)
(エンタテインメント度:★★★★☆)
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