映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
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◎ 今週の気になる映画 ◎
「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」「ユダヤ人を救った動物園」etc.

アガサ・クリスティ

オリエント急行殺人事件

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
ヨーロッパ各地を結ぶ豪華寝台列車オリエント急行で、アメリカ人の富豪ラチェットが刺殺される事件が起こる。偶然、この列車に乗り合わせていた世界的名探偵エルキュール・ポアロは、大雪で立ち往生し密室となった列車の、一等車両の乗客に話を聞いていくが、乗客たちには全員アリバイがあった。未亡人、家庭教師、宣教師、公爵夫人、教授、医者、セールスマン…。目的地以外共通点がないように見えた乗客たちだったが、やがて過去に起きた悲劇的な事件との関連性が浮かび上がる…。

アガサ・クリスティの名作ミステリーを豪華キャストで映画化した「オリエント急行殺人事件」。原作は1934年に初版された傑作推理小説。シドニー・ルメット監督によってオールスターキャストで映画化された1974年の映画もまた、名作ミステリーとして名高い。灰色の脳細胞を持つ名探偵ポアロが難事件に挑むストーリーは、基本的には同じだが、ケネス・ブラナー監督は、自らが演じるポアロも含めて、現代的な解釈を施している。訳ありの乗客たちを演じるのは、ほとんどが主役級の俳優だ。犯人を知っていても、結末が分かっていても、十分に楽しめるのは、彼らの演技合戦が素晴らしいからに他ならない。まるで古典芸能を見ているような豊かな気分になる。意外なキャスティングとしては、ダンサーのセルゲイ・ポルーニン。出演時間は少ないが、強烈なインパクトを残してくれた。

贅沢なオリエント急行の列車の中はもちろん豪華で見応えがあるが、今回のポアロは、大雪で立ち往生する列車の外でお茶を飲んだり、列車の屋根の上を走ったり、とにかく“外に出る”。シネスコ映像による広大な風景は、過去作にはなかった魅力だ。この世には善と悪しか存在しないというのがポアロの持論だが、この殺人事件のあまりにも悲しい真相は、ポアロに、真実が持つ別の側面を認めさせる。名探偵もまた事件によって学び、成長しているのだ。舞台で鍛え上げたケネス・ブラナーの存在感は抜群で、神経質でこだわり派、鋭い観察眼と分析力に加え、語学力や幅広い教養も併せ持つポアロを、巨大なヒゲと軽妙なセリフで演じて、ハマリ役である。どうやら次はナイルへ向かう様子。シリーズ化が楽しみになった。
【75点】
(原題「MURDER ON THE ORIENT EXPRESS」)
(アメリカ/ケネス・ブラナー監督/ケネス・ブラナー、ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファー、他)
(豪華キャスト度:★★★★☆)
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華麗なるアリバイ

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アガサ・クリスティーらしい華麗なムードのミステリーだが、謎解きの快感やスリルより、犯罪の裏側にある複雑な愛憎劇が主流の物語だ。フランスの小さな村にある上院議員夫妻の邸宅に9人の男女が集まる。そのパーティには、何人もの女性と関係を持つ精神分析医のピエールと、その妻クレールが招待されていた。そこにピエールの現在の愛人や過去の火遊びの相手、復縁を迫る元恋人らが加わり、パーティの場は独特の緊張感が走る。翌日、一発の銃声が。プールサイドには撃たれて血を流すピエールと放心状態のクレールの姿があった…。

原作は「ホロー荘の殺人」だが、名探偵ポアロを排除した舞台版がベースになっている。本作は、クリスティーの原作の中でも、推理小説というより一般小説に近いもの。もともとミステリーとしての訴求力の少ない作品なのだ。ゴージャスな雰囲気の中、上流階級の男女が起こす愛憎うずまく殺人事件は、フランス映画らしくユーモア交じりのゲームのよう。そのゲームを始める仕掛け人が、暇を持て余して、きまぐれ心を起こした邸宅の主の議員夫人である。事実、彼女の思いつきから、ピエールを取り巻く複数の女たちが一堂に会してしまう。その結果が、二つの殺人というわけだ。彼女の悪びれないふわふわしたキャラがこの映画のテイストを如実に表しているようで面白い。殺人事件の謎解きはあくまでライト感覚。全員に動機があるとはいっても、殺人に手を染めるほどの強い憎しみを持つ人物は限られるし、思わせぶりな登場人物を配しているだけで、人間描写に深みはない。ラストにはちょっぴりドキドキのアクションシーンも用意されているが、それもほんの一瞬の出来ごとで、迫力は皆無だ。とはいえ、愛と嫉妬はフランス映画の欠かせない小道具。記憶に障害を抱える老婦人の、すべてを達観したたたずまいが、事件を俯瞰する神の目のように見えるのが印象的である。ミステリーとしては不満が残るので、人間ドラマとして楽しむのが正しい観賞法だろう。
【45点】
(原題「LE GRAND ALIBI」)
(フランス/パスカル・ボニゼール監督/ミュウ=ミュウ、ランベール・ウィルソン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、他)
(優雅度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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