映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
英・仏合作映画「パディントン2」

アネット・ベニング

20センチュリー・ウーマン

20 センチュリー・ウーマン [DVD]
1979年、アメリカ、カリフォルニア。15歳の一人息子ジェイミーを育てるシングルマザーのドロシアは、思春期の少年の育て方で悩んでいる。そこでドロシアは、ルームシェアしているパンクな写真家のアビーと、近所に暮らすジェイミーの幼なじみのジュリーに相談し、ジェイミーの教育と成長を助けてほしいと頼む。多感な15歳の少年が、3人の年上の女性と過ごす、特別なひと夏が始まった…。

70年代の南カリフォルニアを舞台に3人の年上の女性とのさまざまな経験で成長していく少年の姿を描く「20センチュリー・ウーマン」。監督のマイク・ミルズは、秀作「人生はビギナーズ」で、ゲイであることを晩年にカミングアウトした父親を、ユーモアを交えたあたたかなまなざしで描いたが、本作で描くのは自らの母親のこと。ミルズ監督の半自伝的な作品だけに、影響を受けた時代背景やカルチャーなど、彼の少年時代の思い出がたくさん詰まった内容は、もう二度とは戻れない“あの頃”へのノスタルジーが感じられてちょっぴり切ないテイストが特徴的だ。“大恐慌時代の女”こと、55歳のドロシアは、自由な考えを持つシングルマザーだが、自らの保守的な道徳観に屈折したコンプレックスを抱いている。ジェイミーにとっては、この個性的な母親が最も影響力が大きいが、他の2人の女性も負けていない。20代半ばのパンクな写真家のアビーはジェイミーにNY仕込みのポップ・カルチャーとフェミニズムの本質を教える自由奔放な姉貴のようだし、17歳のジュリーは、友達以上恋人未満の存在で、ジェイミーにはリアルな女の子と理想の恋人が混在するファンタジックな美少女だ。ジュリーときたら、添い寝はするが、男女の関係になってジェイミーとの友情が壊れることを恐れているという悩ましい存在でもある。こんな異世代の女性3人を、アネット・ベニング、グレタ・ガーウィグ、エル・ファニングという超強力トリオの女優が演じるのだから、それだけでも引き込まれる。パンクな生き様を見せるガーウィグや小悪魔美少女のファニングもいいが、やはりベニングの貫禄と哀愁が頭ひとつ抜けていた。ティーンエイジャー特有の不安やとまどい、性の悩み、生きることの難しさなどを、女性たちは、時には失敗やとまどいさえさらしながら、導いてくれる。彼女たちが正直で自然体だからこそ、監督のパーソナルな思い出は、普遍的な物語に昇華していくのだ。トーキング・ヘッズをはじめとする70年代を代表す音楽が効果的で、反抗期の少年時代を描く私小説的な映画でありながら、同時に、70年代というフェミニズムの時代を生きる3世代の女性を描く女性映画として、出色の出来栄えとなった。
【70点】
(原題「20TH CENTURY WOMEN」)
(アメリカ/マイク・ミルズ監督/アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、他)
(女性映画度:★★★★☆)
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Dearダニー 君へのうた

Dearダニー 君へのうた [Blu-ray]
かつての人気歌手ダニーは昔の名声に頼って派手な暮らしを続けていたが、何年も新曲を書いておらずどこか虚しさを感じていた。ある時マネージャーから、40年前にジョン・レノンから届くはずだった手紙を渡される。ジョンからの励ましの言葉を読んだダニーは、ツアーをキャンセルし、再び音楽と向き合うことを決意。さらに顔も見たことがなかった息子に会いに出かけるが…。

往年の人気歌手が人生を見つめ直す「Dearダニー 君へのうた」は、ジョン・レノンからの手紙が数十年の時を経て届いたという実話に基づくハートウォーミング・ドラマだ。自堕落な生活を送ってきた主人公が、再起を図る物語はありがちなのだが、実は彼自身はそれほど劇的に変わるわけではない。というのも、ダニーが目指すのは自分自身よりも、今まで顧みなかった息子とその家族の幸せだからだ。自分ではなく誰かのために影響力や財力を尽くすことがダニーに幸福感をもたらしていく。演じるのは名優アル・パチーノ。この人はマフィアや警察官などのシリアスな役のイメージが強いが、本作ではなんとロック・ミュージシャン役。実際に歌声も披露しているのだから、まさに新境地だ。実は深刻な病をかかえた息子とダニーがラストにみせるシークエンスが実にいい。さりげないのに感動的で、湿っぽさを排し潔く終わるラストは秀逸だ。ジョン・レノンの名曲がふんだんに使われている豪華さも見逃せない。映画は、ダメ人間なのになぜか憎めないダニーを否定せず、家族や周囲の人々と再び“手を取り合う”ことで得る幸福の大切さを訴えている。
【70点】
(原題「DANNY COLLINS」)
(アメリカ/ダン・フォーゲルマン監督/アル・パチーノ、アネット・ベニング、ジェニファー・ガーナー、他)
(人生讃歌度:★★★★☆)
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あの日の声を探して

あの日の声を探して [Blu-ray]
チェチェンを舞台に声を失くした少年とEU職員との交流を描くヒューマンドラマ「あの日の声を探して」。手持ちカメラの粗い映像が殺伐とした戦争のリアルな狂気を体感させる。

1999年。ロシアに侵攻されるチェチェン。両親を殺されたショックで声を失った9歳の少年ハジは、放浪しながらようやく街に辿りつく。フランスから調査に来たEU職員のキャロルは、偶然ハジをみかけ保護する。一方で、音楽好きな青年コーリャはロシア軍に強制入隊させられ、常軌を逸した軍生活で次第に人間性を失っていく…。

この映画の原案となったのはフレッド・ジンネマン監督の「山河遥かなり」だが、中身は別物と思った方がいい。物語は、両親を殺され声を失った少年、周囲の無関心や無力な自分に絶望するEU職員、そして軍生活の中で人間性を失う青年という3つの視点から描かれる。「アーティスト」のミシェル・アザナヴィシウス監督は、チェチェン紛争に関する国際社会の無関心を描きたかったそうだ。実際に廃墟が広がるグルジアでオールロケを行い、ほぼ全編が手持ちカメラで撮影された映像は、見る者を紛争地帯へと強引に導いていくかのよう。混沌とした戦争では、善意を持った人間の行動がまったく機能せず、絶望的な現実だけがそこにある。そんな状況では、人は目の前の命を救うことしかできないのだ。キャロルとハジの交流には時に温かい空気が感じられるが、アザナヴィシウス監督は、戦争の狂気にからめとられ人の心を失っていく青年コーリャのエピソードに大きな時間を割き、戦争がいかにして人をモンスターへと変えていくのかを切々と訴えた。ハジは廃墟から希望へと導かれ、コーリャは廃墟からさらなる破壊へと向かう。ザラつく画面が、戦争の悲劇は今も続いていると語っているようだった。ハジを演じるのは演技初体験の少年アブドゥル・カリム。自然な演技とピュアな瞳に胸を打たれる。
【65点】
(原題「THE SEARCH」)
(仏・グルジア/ミシェル・アザナヴィシウス監督/ベレニス・ベジョ、アネット・ベニング、マクシム・エメリヤノフ、他)
(殺伐度:★★★★☆)
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キッズ・オールライト

【初回限定生産】キッズ・オールライト オリジナルバージョン [DVD]【初回限定生産】キッズ・オールライト オリジナルバージョン [DVD]
少し風変わりな家族の間に起こる騒動をライト・タッチで描く佳作。小さな作品だが実力ある俳優を起用して、現代の新しい家族の形を説得力のあるものにしている。

LA郊外に暮らす18歳のジョニと15歳のレイザーは、レズビアンカップルの2人のママと仲良く暮らしている。ある日、ジョニは大学進学を機に、弟と共に自分たち姉弟の遺伝子上の父親ポールを訪ね、彼と親しくなる。そのことがそれぞれの母親ニックとジュールズにバレてしまったことから、家族間に異変が起き始める…。

一家を経済的に支える医師のニックは厳格すぎるし、不安定なガーデニング業を始めたジュールズはお気楽な独身男のポールと突発的に浮気する。この物語の大人たちは親というには欠点だらけなのだが、それでも確かな愛情で結ばれている。平凡な家族が“小さな波風”を経て、本当の愛情を確認しあい家族の絆を深めるストーリーは、同性愛カップルということを除けば、よくある話だ。だがこの小品の好感度は、作品全体を包むオプティミズムにある。精子提供者であるポールの登場は、ニックとジュールズに、心の底にたまっていた小さな不満や不安を吐露させることに。過ちや失敗は認めながらも自分をしっかりと主張することが、わだかまりを解消していく力になるのだろう。子育てを終えて本当のパートナーにもう一度なろうとするカップルが、これから未来を歩んでいく子供たちに対して喜びと寂しさが入り混じる感情を見せるラストが感動的だ。アネット・ベニングとジュリアン・ムーアという、上手いのに軽味も出せる名女優の組合せの妙が光った。原題を直訳すると「子供たちは大丈夫」ということになるが、この楽天主義がカリフォルニアの明るい太陽とフィットして、さわやかな後味を残してくれる。
【70点】
(原題「THE KIDS ARE ALL RIGHT」)
(アメリカ/リサ・チョロデンコ監督/アネット・ベニング 、ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、他)
(家族愛度:★★★★☆)
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愛する人

愛する人 [DVD]愛する人 [DVD]
原題はシンプルかつ力強い「母と子」。懸命に生きる女性たちの姿と、運命の不思議に涙する静かな力作だ。豪華な俳優陣にも注目したい。年老いた母親を介護しながら毎日忙しく働いているカレンには、14歳で妊娠・出産したものの、母親の反対で、赤ん坊を手放したつらい過去があった。子供のことは37年たった今も、忘れたことはない。一方、37歳のエリザベスは、母親を知らずに育ったキャリウーマン。思いがけない妊娠をきっかけに、会ったことのない母への思いが募る。さまざまな失望を経験してきた二人の運命は、交差するかに見えたが…。

この映画の前半は、とても頑なでよそよそしい。主な登場人物である3人の女性たちは、最初は皆、どこか心に鎧をつけているかのようで、言動は自分本位だ。だが彼女たちの運命には、予想もしないつながりが用意されていて、後半はまるで、乾いた荒野に、ゆっくりと優しい雨が降り注ぐような穏やかさを帯びてくる。カレンとエリザベスが実は母娘であることは、最初から予想はつくのだが、物語は単純な母娘の再会ドラマではない。互いの愛を求めながらも、それをどうやって表現したらいいのか知らない二人の女性が、心を開いていく過程で、人との絆の大切さを身をもって知ることになる、緻密なストーリーなのだ。誰と誰がめぐり合い、どんな風につながっていくのかという意味では、一種のミステリーとしてみることも可能だが、やはりロドリゴ・ガルシアならではの繊細な女性心理の描写に注目したい。多くのキャラクターがさまざまな形で出会い、すれ違うが、エリザベスが、盲目の少女と言葉を交わす場面には、とりわけ心を打たれる。タフでドライに生きてきたはずの彼女もまた、多くのわだかまりを乗り越えて、愛されたいと願う女性なのだ。実力派アネット・ベニングの存在感と、現実でも当時妊娠中で、自身の妊婦姿を披露するほど入魂の演技を見せるナオミ・ワッツ、子供を産めず養子縁組を切望する黒人女性ルーシーを演じるケリー・ワシントンの名演は言うまでもないが、脇を固めるサミュエル・L・ジャクソンも見事だ。この物語には、悲痛な死もあれば新しい命もある。女性たちの思いが結実して誕生した小さな命が結ぶのは、未来への希望。陽だまりのラストシーンが、忘れがたい余韻を残してくれた。
【75点】
(原題「MOTHER AND CHILD」)
(アメリカ・スペイン/ロドリゴ・ガルシア監督/ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング、ケリー・ワシントン、他)
(女性映画度:★★★★★)


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華麗なる恋の舞台で

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大人の女って可愛くて、意地悪で、すてき。そう感じさせてくれるアネット・ベニングが最高だ。刺激を求めるベテランの舞台女優が青年に恋をするが、彼は心変わり。もの分り良くふるまいながら舞台の上で鮮やかに仕返しをする様に思わず拍手してしまいそうだった。
【90点】
(原題「Being Julia」)
(アメリカ・ハンガリー・イギリス/イシュトバン・サポー監督/アネット・ベニング、ジェレミー・アイアンズ、マイケル・ガンボン、他)
(スカッとする度:★★★★★)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
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新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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