ザ・ライト エクソシストの真実 Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)バチカン公認の正式な職業“エクソシスト”の実態に迫るこの物語は、実話がベースになっている。悪魔の恐ろしさ以上に怖いのは、名優アンソニー・ホプキンスの鬼気迫る表情。話そのものは怖くはないのに、ホプキンスが上手すぎて恐ろしくなる。
アメリカ人神学生のマイケルは、恩師の強い勧めでバチカンのエクソシスト養成講座を受講することになる。ローマで出会ったのは超一流のエクソシストと言われるルーカス神父だ。信仰心が揺らぎ司祭への道を捨てようとしていたマイケルだったが、ルーカス神父の悪魔祓いを手伝ううちにさまざまな信じがたい出来事を経験することになる…。
この物語をハウツー本風に言うならば「○日間でバッチリ理解できる悪魔祓い」、あるいは「これであなたも悪魔ツウ!エクソシストが1(イチ)から分かる本」といったところか。何しろ、科学とは真っ向から対立するキリスト教にとって、悪魔と精神疾患の境界線はあいまいなものなのだ。主人公マイケルは信仰心を見失ってはいるが、神の存在を完全に否定しているわけではない。彼にとって、神や悪魔は曖昧なものだが、リアルなのは無条件に子供を愛する母親という確固たる存在だ。主人公の信仰心の根源的な問題は、幼少期のトラウマにあるというわけである。16歳の少女が悪魔にとりつかれ、やがてエクソシストの第一人者であるはずのルーカス神父自身にも悪魔がとりつく。どうやら悪魔というのは人間の弱さにつけこむものらしい。ではどうやって人間は強くなるかというと、悪魔ととことん対話して説得し名乗らせるという方法を取る。スーパーナチュラルな相手にさえ理詰めで責めるキリスト教の特性がいかにも西欧風だ。マイケルは信仰を取り戻し、神の存在を信じることができるのか。ルーカス神父の悪魔祓いの儀式のクライマックスで、追いつめられた彼から出た言葉は、いわば変化球なのだが、これがなかなか説得力がある。悪魔から身体をのっとられれ、すさまじいなりきり演技の怪演をみせるホプキンスのおかげで異様な雰囲気を醸し出してはいるが、この映画はホラーやオカルトではなく、むしろルーキーがベテランと組んで現場で仕事を覚えていく成長物語とみた。“ライト”とは宗教上の儀式の意味。バチカンに歴然と存在するエクソシストの全貌を知る意味でも興味深い1本だ。
【65点】
(原題「THE RITE」)
(アメリカ/ミカエル・ハフストローム監督/アンソニー・ホプキンス、コリン・オドナヒュー、アリシー・ブラガ、他)(なりきり度:★★★★☆)

・ザ・ライト -エクソシストの真実- @ぴあ映画生活
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