映画通信シネマッシモ


映画通信シネマッシモは、2018年4月をもって、終了しました。

ブログ終了にあたり、たくさんのあたたかいコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。
皆さまの映画ライフに少しでもお役に立てたならこれほど嬉しいことはありません。
長い間のご愛顧に心より感謝いたします。

アントニオ・バンデラス

オートマタ

オートマタ [Blu-ray]
2044年、砂漠化した地球では、人工知能搭載ロボットのオートマタが、人間に代わる労働力として必要不可欠な存在となっていた。オートマタには、「1.生命体に危害を加えてはいけない」「2.ロボット自身で、修理・修繕をしてはけない」という2つのルールが組み込まれていたが、オートマタ管理者ジャックは彼らが自発的に修理を行っていたことを知る。その首謀者と目的を探るジャックは、思わぬ事実に突き当たる…。

近未来のロボット社会の危機を描いたSF作品「オートマタ」。設定や映像からすぐにわかるように本作は傑作SF「ブレードランナー」にオマージュをささげた作品で、随所に意識的に類似点が見られる。人工知能A.I.が意志を持つ、人間を上回る進歩を遂げようとするという設定は、アシモフの小説以来、何度となく映画で登場してきたモチーフだ。本作に登場するロボットは「ブレードランナー」のように人間そっくりのものではなく、機械らしいビジュアルなので感情移入は難しいが、独特の風情があるし、見ているうちにどこか切ない表情にも見えてくる。アクション場面などは少なく、物語は終盤まで、地味に静かに進行するので、少々退屈に感じるかもしれない、ただ、本作の監督ガベ・イバニェスはCGアニメーター出身で、ヨーロッパ屈指のビジュアル派。スタイリッシュな映像は見応えがある。地球を砂漠化から守るため、巨大防御壁の建設や人工雨を降らせるための機械式の雲を作る作業のような労働力だったロボットたちが、人間の知能を上回り、世界をコントロールするために出した答えは、いろいろな意味で興味深い。現実世界では、A.I.がチェスや囲碁の名人を破り、ついには小説まで書いてしまうという領域に達している。もはやこの映画で描かれる事態は、絵空事ではないのかもしれない。
【55点】
(原題「AUTOMATA」)
(ブルガリア、アメリカ、スペイン、カナダ/ガベ・イバニェス監督/アントニオ・バンデラス、ビアギッテ・ヨート・ソレンセン、メラニー・グリフィス、他)
(同時代性度:★★★★☆)
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スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う〜)!

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平和な海底都市ビキニタウンで大人気のバーガーショップ“カニカーニ”で働きながら楽しく暮らしている、黄色くて四角い海綿動物のスポンジ・ボブ。ある日、世界征服を狙う海賊バーガー・ビアードに、秘伝のレシピを盗まれてしまう。ビキニタウンの住民たちはバーガーが食べられずに暴徒化し、街はみるみる荒廃。スポンジ・ボブは仲間たちと共に、バーガー・ビアードを追って地上へと飛び出すのだが…。

日本的な可愛さとはビミョーに異なるルックスながら、全世界で大人気のスポンジ・ボブは、さしずめ、ハリウッド発のゆるキャラ。本作は2度目の長編劇場版となる。明るく前向きで、友達思いのスポンジ・ボブの今回の冒険は、ビキニタウンから人間が暮らす地上へと世界を広げる。2Dアニメ、3Dアニメ、実写と3つのバージョンを組み合わせたビジュアルが、なかなか凝っていて楽しい。海の中での出来事は意図的にユルい展開だが、地上に出てからは実写とアニメの合成で、まさかの大アクションも披露する。スポンジ・ボブ、大親友のヒトデのパトリック、タコだけどイカルド、リスの女の子サンディ、カニカーニのオーナーのカーニさん、そしてカニカーニのライバル店でいつもレシピを狙っていたプランクトンまでもがチームを組み、海賊バーガー・ビアードに立ち向かうという、超党派の激闘なのだ。ストーリーはあくまでもファミリー向けで、TV版スポンジ・ボブの毒気やナンセンス・ギャグは極めて薄いのでちょっと物足りないかも。それでもおなじみのメンバーがスーパーヒーローと化して戦う姿にはワクワク感全開だ。敵役のアントニオ・バンデラスの快演(怪演?)にも注目したい。
【50点】
(原題「THE SPONGEBOB MOVIE: SPONGE OUT OF WATER」)
(アメリカ/ ポール・ティビット監督/アントニオ・バンデラス、(声)トム・ケニー、クランシー・ブラウン、他)
(カラフル度:★★★★☆)
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アイム・ソー・エキサイテッド!

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着陸不能の飛行機の中で繰り広げられる艶笑コメディ「アイム・ソー・エキサイテッド!」。アルモドバルが描くとコメディもきわめて濃厚。

マドリードからメキシコシティへと向けて飛び立った飛行機は、機体トラブルのため着陸不能になり、旋回し続けていた。ビジネスクラスを担当するオネエ系三人組の客室乗務員は、騒ぎ始めた乗客をなだめるために、歌や踊りを披露し、さらには怪しげなオリジナルカクテルをふるまったりと、サービスに余念がない。一方、不吉な予言を口走るアラフォー女性や、国家権力者を顧客に持つSM女王、横領し亡命を狙う銀行頭取に、女性関係で悩む元俳優、謎の警備員に泥酔状態の新婚カップルと、乗客もまたクセモノばかり。彼らは死の恐怖から酩酊し、それぞれの秘密を暴露し始める…。

ペドロ・アルモドバルは、「オール・アバウト・マイ・マザー」や「トーク・トゥ・ハー」など、複雑で深い人間ドラマを描いて世界中の映画祭を席巻するスペインの巨匠だ。だが、彼の初期作品は、実は「バチ当り修道院の最期」のようなドタバタ劇が多い。本作はそんな初期作品を彷彿とさせる破天荒なエロティック・コメディだ。死が目前の状態だというのに、ゲイの客室乗務員やバイセクシャルのパイロットをはじめ、乗客たちは極限状態で性の欲求を爆発させるのだから、ラテン系の人種はやっぱり濃い。偶然と必然がからみあい、混乱を極めていく機内だが、ハチャメチャな中にもそれぞれの意外なつながりが暴露されていく。アルモドバルが作ればスクリューボール・コメディといえども綿密な物語になるのは必至なのだ。行く当てもなく旋回する飛行機や、地に足がつかない空の上のドタバタに、経済危機にあえぐスペインの現状を投影させていると見るのは深読みしずぎだろうか。不正や汚職にまみれた上流階級は、恋愛やドラッグで現実逃避し、まともな職さえない若者たちのことなど二の次、三の次。アルモドバルの毒々しい笑いが、だんだん強烈な風刺劇に思えてくる。…まあ、難しいことは脇に置いて、とりあえず色鮮やかな大騒ぎの顛末を楽しんでほしい。スペインが誇る世界的人気俳優のペネロベ・クルスとアントニオ・バンデラスが映画冒頭に贅沢にカメオ出演。彼らの凡ミスがすべてのトラブルのスタートの合図になっているのが、憎い演出だった。
【65点】
(原題「Los amantes pasajeros/I'M SO EXCITED!」)
(スペイン/ペドロ・アルモドバル監督/カルロス・アレセス、ハヴィエル・カマラ、セシリア・ロス、他)
(エロティック度:★★★★☆)
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私が、生きる肌

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倒錯的な愛と歪んだ復讐が炸裂するアルモドバルの問題作「私が、生きる肌」。グロテスクで官能的な愛の物語。

最愛の妻の自殺という悲劇を経験した世界的な形成外科医のロベル。彼は、とりつかれたように、画期的な人工皮膚の開発に執念を燃やしていた。彼の自宅には、ベラという名の謎めいた美女が幽閉されているが、彼女こそロベルが完璧な人工皮膚を開発して亡き妻そっくりに作り上げた被験者だった。ロベルの狂気とベラの秘めた思いは、ある来訪者によって、思わぬ事態を引き起こしてしまう…。

全裸と見紛うボディストッキングに身を包む謎めいた美女。その正体を知れば、間違いなく唖然とする。妻、そして娘までも奪われた主人公ロベルはトンデモない方法で復讐を決行中なのだ。だが復讐と一言で言うにはコトは複雑すぎる。ロベルの妻ガル、彼の異父兄弟セカ、溺愛する愛娘ノルマ、使用人だが実は母親のマリリアと、血族のつながりは異常なまでにねじくれている。そこにノルマを誘惑した平凡な青年ビセンテという新しい血が導入され、これがロベルの狂気に火をつけることになる。アルモドバルらしいけれん味たっぷりのヴィジュアルと、倒錯的な愛が生む驚愕の物語には、それを受け止める“濃い”役者が不可欠だ。久しぶりにアルモドバル作品に出演するアントニオ・バンデラスが、無表情の狂人を静かに熱演して、この変態度100パーセントの物語を、スターのオーラで包んでいる。ベラの正体と、ロベルとの歪んだ関係は、当然のようにいくつもの死を生み、破滅へと向かって加速することに。衣装を担当するのは、個性派ファッションデザイナーで以前にもアルモドバルと組んだジャン・ポール・ゴルチエ。今回は比較的おとなしいが、ロベルの屋敷のインテリアやアート作品への目配せはさすがのセンスだ。本作は、フランスの作家ティエリー・ジョンケによる問題小説をベースにした、悪趣味スレスレの倒錯的ストーリー。お得意のクイア路線が薄いと思ったら、最後の最後にさりげなくそれを生かし、驚くべきハッピーエンドを匂わせるあたり、さすがはアルモドバルである。
【65点】
(原題「THE SKIN I LIVE IN」)
(スペイン/ペドロ・アルモドバル監督/アントニオ・バンデラス、エレナ・アナヤ、マリサ・パレデス、他)
(倒錯度:★★★★★)
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長ぐつをはいたネコ

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「シュレック」シリーズからのスピンオフ作品「長ぐつをはいたネコ」。3Dで魅せる、猫の動きを知りつくしたアクションに猫好きは興奮必至!

お尋ね者の“長ぐつをはいたネコ”ことプスは、ある晩、悪名高いジャックとジルが持つ伝説の金の卵に枝を伸ばす“魔法の豆”の情報を耳にする。久しぶりに再会した元・親友のハンプティ・ダンプティ、盗みのプロで謎のメス猫キティ・フワフワーテの3人で、魔法の豆を手に入れるべく、旅立つプスだったが、そこには想像を超える冒険と罠が待っていた…。

ラテン系の色男でダンディな猫プスが、まだシュレックに出会う前の物語は、捨て猫だったプスの生い立ちと、彼がなぜ長靴をはいているのか、なぜお尋ね者になったのかを描きながら、“永遠に富をもたらす”伝説の金の卵を探しに行く冒険ファンタジーだ。とはいえ、そこはドリームワークス、単なる子供向けアニメで終わるはずがない。孤児院で育ったプスとハンプティ・ダンプティは親友同士だが、彼らの関係はかなり複雑だ。ハンプティ・ダンプティの屈折したキャラと彼なりのプライドは大人にしか分かるまい。無論、アニメーションとしてはハイ・クオリティで、ふわふわの毛並みや、猫特有のしなやかな動きには目を奪われる。プスとキティが大勢の猫たちに囲まれながら、ダンス・バトルを繰り広げるシークエンスや、屋根から屋根へとつたいながら見せる激しいアクションには、猫ならではの動きが組み込まれて、見事なものだ。しかも困ったときに繰り出すおなじみの必殺技“ウルウル瞳”攻撃まで登場し、その可愛さにほとんどノックアウト状態になる。育ての母イメルダへの愛、親友との複雑な関係、裏切りと信頼。正義を胸に秘めながらも、何よりも自由を愛するお茶目でセクシーな猫ヒーロー・プスが主人公の本作は、アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエックというラテン世界のスターの声を得て、アメリカで一大勢力をなすヒスニック系のカルチャーへ目配せする。なかなかスミにおけない映画だ。
【75点】
(原題「PUSS IN BOOTS」)
(アメリカ/クリス・ミラー監督/(声)アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ザック・ガリフィナーキス、他)
(大人向け度:★★★★☆)
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シュレック フォーエバー

【通常盤】シュレック フォーエバー [DVD]【通常盤】シュレック フォーエバー [DVD]
正義のヒーローにちょっぴり疲れ、悪(ワル)として恐れられた、トンガッた日々を懐かしむ。そんな人間くさい迷いがテーマの本作は、人気シリーズの最終章だ。楽しい作品だが、もはや最初のユニークな個性はどこにもなく、物語はあまりにユルい。妻のフィオナと子供たちに囲まれ、幸福な毎日を過ごすシュレック。だが時には、自由きままな怪物の暮らしを懐かしむことも。そんなシュレックの心の迷いにつけ込んだのが、悪い魔法使いのランプルスティルスキンだ。ペテン師の彼はシュレックを騙し、ある契約書にサインさせる。一瞬気を失ったシュレックが目覚めると、そこは自分が存在しない別次元の「遠い遠い国」だった…。

自分がいない世界を見る。この設定ですぐに思い浮かぶのはフランク・キャプラの名作「素晴らしき哉、人生!」だ。しかし、本作には天使はおらず、代わりに悪い魔法使いが登場する。しかも、もとの世界に戻る方法が、これまたやっかいなのだ。遠い遠い国の王の座を狙い、シュレックの存在そのものを消そうとするペテン師の魔法使いの罠に陥って連れて行かれたその世界は、無駄にゴージャスで悪趣味な服を着た、長ったらしい名前の悪役ランプルスティルスキンが王として君臨するトンデモない世界だ。怪物たちはそんな世界を変えようとレジスタンスに身を投じている。だが、そこはシュレックが存在しない世界。旧知のドンキーや長靴をはいたネコに会っても自分のことを知らないというから実に寂しい。何よりつらいのはフィオナの記憶に自分が存在しないことだ。失ってみて初めて自分の幸福に気づくというのは、人間も怪物も同じということか。かつて遊び人だった人間が家庭に入り、良き夫、良きパパになって、幸せなのに不満をこぼす図にそっくりなこの設定。何とまぁ、人間くさいんだろう。とても怪物とは思えない、ウェットな設定に、あぁこの話も小さくなったものだと感じてしまう。そうなると気になるのは、どうやって元の世界に戻るかということ。レジスタンスのリーダーとなっているフィオナを振り向かせるためにはありったけの勇気が必要となるが、正直言って、あまりに“平凡な”オチに、がっくりきた。とはいえ、エキセントリックだったのは、最初の作品だけで、その後は特筆すべきものがなかったことを思うと、ファミリー向け映画として、平和に終わるべき。おとぎ話には、やっぱりハッピーエンドが良く似合うのだから。
【50点】
(原題「SHREK FOREVER AFTER」)
(アメリカ/マイク・ミッチェル監督/(声)マイク・マイヤーズ、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィ、アントニオ・バンデラス、他)
(凡作度:★★★★★)

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ボーダータウン 報道されない殺人者

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つらさと憤りで震えがくる映画だ。米国とメキシコの国境の町で起こっている連続女性レイプ・殺人事件を、女性記者ローレンが追うが、そこには大国と企業の都合で事件を闇に葬る不条理な現実がある。実話を基にしているが、工場での劣悪な労働の実態がまず酷い。その上、労働力である女性を襲って殺害するとは。しかもそれを事件にすることを許さない社会圧力があるとは。ロペスとバンデラスというラテン系の役者の起用で説得力のある社会派サスペンスになった。結局は権力に屈する米国メディアの実態はやるせないが、この映画が公開されることに意味を見出したい。
【70点】
(原題「BORDERTOWN」)
(アメリカ/グレゴリー・ナヴァ監督/ジェニファー・ロペス、アントニオ・バンデラス、マーティン・シーン、他)
(社会派度:★★★★★)

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レッスン!

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教育こそが人間を作る。やる気のない子供たちが、良い指導者と情熱を傾ける対象に出会って輝きはじめる展開は平凡だが、やっぱり感動できるもの。社交ダンスによって落ちこぼれ生徒を導いた世界一のダンサー、ピエール・デュレイン先生の物語はNYのスラム街で実際にあった出来事だ。それを青春物語とダンスで上手く演出している。バンデラスのラテンのフェロモンは控えめだが、劇中で踊るタンゴは情熱的で絶品。
【55点】
(原題「TAKE THE LEAD」)
(アメリカ/リズ・フリードランダー監督/アントニオ・バンデラス、ロブ・ブラウン、ヤヤ・ダコスタ、他)
(青春ドラマ度:★★★★☆)

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ファム・ファタール

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◆プチレビュー◆
冒頭、ヒロインがTVで見ている映画は、ビリー・ワイルダーの傑作「深夜の告白」。この作品が映画の方向を示しているが、デ・パルマの迷走ぶりがくっきり浮かぶ作品。

カンヌ映画祭の会場から高価な宝石が盗まれた。泥棒の一味の一人であるロールは、仲間を裏切って宝石を奪い、姿をくらませてアメリカへの高飛びに成功する。7年後に名前を偽って大使夫人としてパリに舞い戻るが、パパラッチのニコラスに顔写真を撮られてしまう。正体がばれることを恐れたロールは、悪女の本性を現した…。

デ・パルマがヒッチコックに傾倒しているのは、自他ともに認めるところ。ヒッチ風という形容が、やや軽蔑気味だったのが、賞賛のニュアンスに変わったのは、いつ頃からだろうか。いつのまにやらデ・パルマ風というスタイルを確立していた。画面分割や独特のカメラワーク、複雑に張り巡らせた伏線など、デ・パルマ健在なりと言わんばかりだ。国際的なキャスト・スタッフには、音楽で坂本龍一も参加している。

セレブで賑わうカンヌ映画祭。本物をドーンともってくる気前の良さだ。S.ボネール主演の仏映画「イースト・ウェスト」も登場する豪華さ。その会場で385カラット、1000万ドルのダイヤのビスチェが盗まれる。この盗みのシーンの設定はやや甘いものの、いきなりのエロティック・モードで、物語は裏切りと逃亡、そして新たな人生へと急展開。悪女は女優でなくてはならないと痛感するのはここからだ。

ファム・ファタールとは男を惑わす“運命の女”の意味。映画ではディートリッヒの「嘆きの天使」やキャスリン・ターナーの「白いドレスの女」のような悪女で、原型はメリメの小説「カルメン」だと言われている。しかし21世紀型のそれは、単に男を奈落の底へ突き落とすだけでなく、自分の運命を切り開く強さとしたたかさを持って生き抜く女。主演のレベッカはトップ・モデル出身で、監督のイメージ通りだったとか。瓜二つの人物、貞淑で上品な顔と悪女(ビッチ)の顔の二面性は、ヒッチコックの「めまい」へのオマージュが見て取れる。

ショパールをはじめとするゴージャスな宝石と、シャネルやエルメスなどの一流メゾンのコラボレーションも、美しいレベッカがあってこそ。これが「X-men」で全身うろこのボディメイクのミスティークと同一人物とは…。いつもは濃くて大仰なA.バンデラスもここではチョイ役に等しい。露出度過多で、必然性が限りなく無いクネクネダンスのストリップにあきれているうちに、あっさりと罠にハマる仕掛けなのだ。

悪女の知恵と悪運がつきたと思った瞬間に訪れる大ドンデン返しは秘密だが、ひとつだけヒントを挙げるとすれば、画面のところどころに映る時計。時間が鍵だとだけ言っておこう。このオチは、普通なら許すまじ!だが、デ・パルマならばOKだ。画面の細部にまでこだわり、ヒッチコックへの尊敬も忘れず、スタイリッシュな映像もふんだんに用意する、技巧派監督だからこそ味わえるサスペンスなのである。

□2002年 アメリカ映画  原題「Femme Fatale」
□監督:ブライアン・デ・パルマ
□出演:レベッカ・ローミン=ステイモス、アントニオ・バンデラス、ピーター・コヨーテ、他

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