映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

アンドレア・ライズブロー

ビトレイヤー

ビトレイヤー ブルーレイ&DVD (初回限定生産) [Blu-ray]
捜査官と大物犯罪者の奇妙な共闘を描くクライム・サスペンス「ビトレイヤー」。クールな映像、渋い役者と、なかなか見所がある。

イギリス・ロンドン。捜査官マックスは大物犯罪者スターンウッド一味を単独で追い、重傷を負った上、取り逃がす。心と身体に深い傷を負ったマックスだが、3年後、スターンウッドが、息子が事件に巻き込まれたため、潜伏先からロンドンに戻るとの情報を得て、再び執念で彼を追うことに。衝突しながら距離を縮める二人は、やがて政治絡みの巨大な陰謀に巻き込まれたことを知り、生き残るために図らずも協力しあうことになる…。

ブルーグレーの映像で切り取られたロンドンの風景は、歴史的景観や観光名所などはいっさい映さない。冒頭のスタイリッシュな犯罪と一味を追う捜査官のシークエンスで一気に引き込まれる。ちなみに、イギリスは銃規制が厳しく、刑事でさえも通常は銃の携帯は許されていないことを、この映画で初めて知った。主人公の捜査官マックスは、撃たれた膝の激痛でボロボロ状態。だが、挫折感と屈辱感で心の痛手の方が根深い。傷だらけの捜査官が犯罪者を追ううちに政治的陰謀に巻き込まれるというのが軸となるストーリーだが、実は影の主役はマーク・ストロング演じるベテラン犯罪者スターンウッドの方なのだ。息子を罠にかけた犯人とその黒幕を追う彼は、どんな時も冷静で入念に準備しスキがない。それどころか、自分を追うマックスを助け、溺愛する息子を亡くして涙するなど、その男気に思わず感情移入してしまうほど。執念でスターンウッドを追うマックスが動なら、どこか達観した犯罪者スターンウッドは静。この対比が鮮やかで効いている。ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロングをはじめ、脇を固める俳優も英国出身の渋い役者が揃った。クライマックスの激しいアクションシーンは手に汗を握るが、裏切り者(ビトレイヤー)が事の顛末を台詞で説明しすぎるのがやや難点。とはいえ、どこの国でも起こる腐敗した政治の思惑はおかげですんなり理解できる。上映時間はキリッと99分。地味ながら刑事サスペンスとしてはなかなかの拾い物だ。
【65点】
(原題「WELCOME TO THE PUNCH」)
(米・英/エラン・クリーヴィー監督/ジェームズ・マカヴォイ、マーク・ストロング、アンドレア・ライズブロー、他)
(スタイリッシュ度:★★★★☆)
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ビトレイヤー@ぴあ映画生活

シャドー・ダンサー

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女性を主人公にIRA独立運動の悲劇を描くサスペンス「シャドー・ダンサー」。暴力の連鎖を断ち切るのは容易なことではない。

1993年、北アイルランド。シングルマザーのコレットは、幼い頃に、IRA(アイルランド共和国軍)と英国警察の発砲事件により弟を失ったことから、償いの気持ちからIRAのための活動に身を捧げていた。だが、ロンドンで爆破事件に関わったコレットは、英国側に逮捕されてしまう。MI5(イギリス情報局保安部)の捜査官マックは、コレットに、幼い息子と離れ離れになり25年間服役するか、英国側のスパイになるかの選択を迫る。子供との生活を選んだコレットは、IRAの組織の上層部である兄弟たちを探るが、やがて仲間から疑惑の目を向けられる…。

北アイルランドの独立を目指すIRA(アイルランド共和国軍)の戦いについては、「クライング・ゲーム」「父の祈りを」「麦の穂を揺らす風」など、名匠たちが骨太な作品を作り続けてきた。だが本作では珍しく、女性が主人公。しかもヒロインは母親だ。子供を盾にしてスパイ活動を強いられるという、複雑かつ苦難の道を歩む主人公コレットが感じるプレッシャーは、家族でさえも疑い欺かねばならない究極のものだが、彼女はスパイやテロリストである前に、何よりも母親であろうとしているのが、今までの作品とは大きく異なる。前半は主に、MI5のマックから追いつめられるコレットの葛藤が描かれるが、後半は、もうひとつのサスペンスが立ち現れることに。マックは、MI5内部に、コレットとは別に、“シャドー・ダンサー”というコードネームを持つもう一人の密告者がいることを突き止める。コレットもマックも、それぞれの敵と戦いながら、身内にも敵や裏切り者を抱え込むというがんじがらめの状況。この共通の地獄が二人を結びつけてしまったとしても不思議はない。組織から切り捨てられる運命の孤立無援の二人には、未来のない選択肢しか残されていないが、“シャドー・ダンサー”の正体が分かったとき、本物の地獄が現実となる。英国といえばスパイ・サスペンスの本場。原作である「哀しみの密告者」の作者トム・ブラッドビー本人が脚本を務め、アンドレア・ライズブロー、クライヴ・オーウェンといった地味だが渋い演技派を揃えたところが良かった。物語はフィクションだが、IRA独立運動の苦難の歴史の中には、こんな物語があるいはあったのかもしれない。本作でも暴力行為や憎しみの連鎖が描かれるが、物語は、政治色より一人の女性、そして母親の苦悩が浮かび上がるヒューマン・サスペンスになっている。
【60点】
(原題「SHADOW DANCER」)
(アイルランド・英/ジェームス・マーシュ監督/アンドレア・ライズブロー、クライヴ・オーウェン、ジリアン・アンダーソン、他)
(母性愛度:★★★★☆)
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シャドー・ダンサー@ぴあ映画生活

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

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世紀のロマンスを女性側から描いた「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」。豪華な衣装や小道具に目を奪われる。

1998年、NYに住む裕福な人妻ウォリーは、子供を欲しがらない夫との不仲に悩んでいた。そんな時、サザビーズのオークション会場で、ウィンザー公爵夫妻の遺品オークションを目にし、心を奪われる。エドワード8世との“王冠をかけた恋”で知られ、自由奔放に生きた米国人女性ウォリス・シンプソンの物語に惹かれていくウォリーだったが、すべてを手にしたと思われたウォリスにも人知れず悩みや苦悩があったことを知り、「ウォリスの本当の気持ちを知りたい」と思うようになる…。

マドンナの監督第2作は、意外なほど端正な作品だ。ウィンザー侯爵夫妻の恋は、英国王エドワード8世が恋のために王冠を捨てたと、男性側、そして英国側からばかり語られる世紀のロマンス。それを、現代に生きる女性の視点をからめてウォリス・シンプソンの立場から見る立ち位置が新しい。映画は、王族に恋をした女性が何を犠牲にし、どんな苦悩を抱えていたかをひも解いていくという構成だ。離婚歴があって、さして美人でもなかった彼女が、いかにして王の心をつかんだのかは、ウォリーだけでなく観客にも興味をそそる部分だろう。単純な“女の半生”的な内容にならなかったのは、現代を生きる女性ウォリーを語り部にしているからだ。とはいえ、ウォリーがウォリスに感情移入していくプロセスはほとんどが空想で、少々無理があり、二人の共通項があまり感じられないのは残念。キャストには、いわゆる大スターではなく、雰囲気のある役者を選んでいるところに、マドンナ監督のこだわりが見える。ウォリスを演じるアンドレア・ライズブローがとても優雅で魅力的だ。アビー・コーニッシュとオスカー・アイザックの「エンジェル ウォーズ」コンビもなかなかいい。原題の「W.E.」は、ウォリスとエドワードの意味だが、同時にヒロインのウォリーと彼女が心惹かれる、亡命ロシア人の元ピアニストのエフゲニの略でもあるのだ。それにしても映画を彩る衣装や宝石、芸術作品がなんと豪華で美しいことか。細部にまでこだわって映画を作るマドンナ監督のセンスが表れていた。
【60点】
(原題「W.E.」)
(イギリス/マドンナ監督/アビー・コーニッシュ、アンドレア・ライズブロー、ジェームズ・ダーシー、他)
(フェミニズム度:★★★★☆)
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ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋@ぴあ映画生活
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