映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ワンダーウーマン」「エル」「関ケ原」「ボブという名の猫」etc.

アン・ハサウェイ

マイ・インターン

マイ・インターン ブルーレイ&DVDセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
ジュールスは、華やかなファッション業界で会社を経営・管理する若き女社長。家庭と仕事を両立させている彼女は、すべての女性のあこがれのような存在だが、ある日、彼女に思いもよらない試練が訪れる。会社のよりよい経営のために外部からベテラン社長を迎えようというのだ。そんな彼女の部下になったのは、会社の福祉事業として雇った70歳の新人インターンのベン。最初は年上のベンに何かとイラつくジュールスだったが、共に仕事をするうちにベンの誠実な人柄と思いやりに触れ、次第に心を開いていく…。

若い女社長と70歳のインターンが育む友情を描く「マイ・インターン」は、若い世代と高齢者とが理想的な形で共存する社会を描く、現代のおとぎ話だ。だがこの物語には、学ぶべきことがたくさんある。「プラダを着た悪魔」で下っ端社員を演じていたアン・ハサウェイは、今度は自分が命令を下す側。頑張りすぎて周囲が見えなくなることはあっても、あくまでも柔軟な思考で動くしなやかな女性だ。一方、デ・ニーロ演じるベンは、豊かな経験を持つ人生の大先輩。若いジュールスの長所も短所も分かっているし、車の運転や単純作業も責任感を持って堅実にこなす誠実な人物だ。仕事も家庭も危機に陥ったジュールスにベンが用意したアドバイスは、自分を信じてシンプルに人生を楽しむこと。ハサウェイをさりげなく励ますデ・ニーロが美味しすぎる役なのは分かっているが、いい具合に力が抜けたチャーミングな演技は、ベテランならではの味だ。こんな風に異世代が共存できればどんなにいいだろう。ナンシー・マイヤーズ監督らしい女性応援ムービーだが、恋愛要素より友情を全面に出したことでさわやかな作品に仕上がった。
【65点】
(原題「THE INTERN」)
(アメリカ/ナンシー・マイヤーズ監督/ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ、他)
(女性映画度:★★★★☆)
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ブルックリンの恋人たち

ブルックリンの恋人たち [Blu-ray]
事故で意識を失った弟の足跡をたどる女性の儚い恋を描く「ブルックリンの恋人たち」。NYの街がもう一人の主人公のよう。

モロッコで博士号の取得をめざすフラニーは、母から電話で弟のヘンリーが事故で昏睡状態に陥ったとの連絡を受ける。あわてて帰国した彼女は、ヘンリーの部屋で彼の日記と自作のCDを見つける。弟とケンカ別れしたままだったことを悔いるフラニーは、日記を手がかりにヘンリーの好きだった場所を訪ね歩く。やがてフラニーは、ヘンリーの憧れのミュージシャン、ジェームズ・フォレスターと巡りあい、恋に落ちるのだが…。

女優アン・ハサウェイがはじめてプロデュースを手がけた映画は、ブルックリンを舞台にしたナイーブなラブ・ストーリーだ。監督のケイト・バーカー・フロイランドはハサウェイが出演したヒット作「プラダを着た悪魔」で監督助手を務めていた新鋭。「プラダ…」も大都会の息吹をよくとらえていたが、本作ではブルックリンを象徴するような音楽、とりわけニュー・フォーク・シーンを物語に丁寧にとり込んでいる。それらの音楽に詳しくない観客には、久し振りに帰国し、弟の回復を願いながら彼の好きだった場所を巡るフラニーの視点が案内役になってくれるはずだ。弟ヘンリーがいかに大切な存在だったかをかみしめるフラニーは、ヘンリーの意識を呼び覚ましたい一心で、彼が好きだった音楽や街の雑踏の音を録音する。私たち観客もまた、フラニーが集めた音楽や音に思わず耳を傾けてしまうが、その音は静かで儚い。ツアー中のミュージシャンのジェームズとの恋もまた、とても淡いものだ。このほのかなロマンスが、孤独な空気感を実にうまく体現している。わずか7日間の2人の恋だが、音楽を通して確かに心が通い合ったのだ。控えめで優しいジェームズを演じるのは実際にミュージシャンのジョニー・フリン。彼の音楽が哀愁があって魅力的だが、「レ・ミゼラブル」では涙ながらに熱唱していたアン・ハサウェイが、はにかみながら口ずさむ可憐な歌も味わい深い。決してドラマチックではないけれど、音楽を通して語られる恋が何だかとても新鮮で心地よい佳作だ。
【65点】
(原題「SONG ONE」)
(アメリカ/ケイト・バーカー・フロイランド監督/アン・ハサウェイ、ジョニー・フリン、メアリー・スティーンバージェン、他)
(切なさ度:★★★★☆)
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インターステラー

インターステラー ブルーレイ スチールブック仕様(2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
人類の存亡をかけて宇宙へ旅立つ壮大なミッションを描くSFドラマ「インターステラー」。驚愕の映像と父娘愛のドラマで、169分の長尺をグイグイ引っ張っていく。

近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類は滅亡の危機を迎えていた。元パイロットのクーパーは、居住可能な新たな惑星を探すという危険なミッションに挑むことになる。幼い娘を地球に残して旅立つ苦悩と、人類を滅亡から救う使命の間で葛藤するクーパーだったが、やがて「必ず戻ってくる」との約束を胸に、数人のクルーと共に、前人未到の宇宙空間へと旅立つことになる…。

人類を救うために未知なる宇宙へ。この「アルマゲドン」な設定に、実は、見る前は、期待度は薄かった。だが、蓋をあけてみれば、やっぱり才人クリストファー・ノーラン、時間と空間、そして愛をテーマに、壮大な宇宙への旅をスタイリッシュな映像で描いてくれた。相対性理論とキップ・ソーン博士のタイムワープ論などは、根っからの文系の私には難しすぎて困ったが、映画のベースは父と娘の親子愛なので、意外なほどすんなりとストーリーを追うことができる。人類が居住可能な星は本当にあるのか?とのサスペンスフルな展開で緊張感をはらみつつ、映像派のノーラン監督が魅せてくれるのは今まで見たことがないような宇宙のヴィジュアルだ。ワームホールを通過しブラックホールに突入、宇宙空間で時空を超越すれば、4次元、5次元の世界が見えてくる。終盤に登場する、本棚のシークエンスは、時空を超えた親子愛の神秘とでも言おうか。マコノヒー、ハサウェイ、チャステイン、ケインら、実力派俳優が勢ぞろいするが、話が壮大すぎて彼らの演技の素晴らしさのことを、しばし忘れてしまっていた。このことが、人類の歴史や英知など、広大な宇宙の中では、些細なことにすぎないとの思いに重なった時、改めてノーラン作品のスケールの大きさを実感するのである。
【90点】
(原題「INTERSTELLAR」)
(アメリカ/クリストファー・ノーラン監督/マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、他)
(壮大度:★★★★☆)
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映画レビュー「レ・ミゼラブル」

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◆プチレビュー◆
伝説的大ヒットミュージカルの映画化「レ・ミゼラブル」。音楽の力に圧倒される、力強い作品だ。 【70点】

 19世紀のフランス。パンを盗んで19年間服役したジャン・バルジャンは、仮釈放されるが生活に窮し、再び盗みを働く。だが、司教の真心に触れて改心。名前も変え工場経営者兼市長となるが、バルジャンを執拗に追う警部ジャベールに追われることに。そんな時、薄幸の女性ファンティーヌと出会う…。

 原作は文豪ビクトル・ユーゴーの大河小説「ああ無情」。誰でも一度は読んだことがある名作で、これをミュージカル化した舞台は、世界43ヶ国、21ヶ国語で上演され、27年間という驚異的ロングランと6千万人を超える動員数を達成した伝説の大ヒット舞台ミュージカルだ。

 つまり物語は誰もが良く知るもので、ドラマチックな展開や結末まで熟知しているということ。映画で描かれるストーリーも、予定されたことしか描かれない。それでも圧倒的な風格を持つ物語に、惹きつけられるだろう。

 登場人物の人生は皆、苦難に満ちている。改心してからのジャン・バルジャンは人として正しくありたいと願いながら、常に難しい選択を強いられる。女工ファンティーヌもまた、娘コゼットのため、娼婦へと身を落とし極貧生活の末に死んでいく。それら個人の悲しみが、格差と貧困にあえぐ19世紀フランスで、自由を渇望する時代の空気に重なり、大きなうねりとなってバルジャンらを呑みこんでいく様は、まさしく大河のようである。

 このミュージカル映画の最大の特徴は、感情の高まりや劇的な展開をすべて歌だけで表し、ダンスはいっさいないということだ。「英国王のスピーチ」でオスカーを受賞したトム・フーパー監督は、通常のミュージカル映画製作の常識を覆し、演技と歌を同時に収録するという撮影スタイルをとった。メインキャストには有名スターがひしめくが、ミュージカルに慣れた俳優もそうでない者も、一律、情感豊かなのはそのためだ。音楽そのものがこれほど観客の感情を揺さぶる作品はめったにない。

 アン・ハサウェイが歌う「夢やぶれて」を筆頭に、「オン・マイ・オウン」や「民衆の歌」など、珠玉のナンバーが素晴らしい。登場人物の多くが命を落とす中、美しく成長したコゼットと情熱あふれる青年マリウスの若い2人の純愛にすべてを託すことによって、未来への希望を謳いあげた。無償の愛、贖罪と救済、人間精神の尊さ。いつの時代もそれは生きる喜びとなる。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)壮大度:★★★★☆

□2012年 イギリス映画 □原題「LES MISERABLES」
□監督:トム・フーパー
□出演:ヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイ、ラッセル・クロウ、他
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映画レビュー「ダークナイト ライジング」

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◆プチレビュー◆
ノーラン版バットマンの完結編「ダークナイト ライジング」。正義と悪の定義を深く掘り下げた壮絶な物語から一瞬も目が離せない。 【80点】

 トゥーフェイスことデント検事殺害の罪を被ったまま、姿を消したバットマン。だが、ゴッサムシティに、街の破壊をもくろむ凶悪犯ベインが現れたことで、億万長者のブルース・ウェインは、再びバットマンとなって戦うことを決意する…。

 ついに完結する「バットマン」には、あらゆるところに意外性が仕掛けられている。物語の舞台は、前作から8年後。恋人レイチェルの死から立ち直れず、他人との接触を避け、世捨て人のように暮らすブルースの前に現れたのは、敵か味方か不明の謎の泥棒キャットウーマンと、不気味なヘッドギアを付けた史上最凶の男ベイン。かつての敵ジョーカーがアナーキストだとすれば、ベインは狡猾なテロリストである。この悪人の正体と出自は終盤に明かされるが、彼とつながる人物の深い闇は、驚くべきものだ。

 ベインとその仲間によってすべてを奪われ、奈落の底に突き落とされたブルースが、そこからどう這い上がるのか。ここにも意外性が隠されている。ヒントは、バットマンというヒーローが、特殊能力を持たない普通の人間だということ。精神と肉体を極限まで鍛えることで、バットマンの闘志は初めて正義という名の衣をまとうことができるのだ。

 壮大で独特な美意識に彩られた迫力の映像にも注目したい。アメフト会場でのおぞましいテロ行為は、地が割れ、人を飲み込み、この世の終わりかとも思えるすさまじさを至近距離のカメラでスピーティに追う。一方で、巨大な橋が次々に爆破され崩れ落ちる様は、神の視点のような冷徹な俯瞰映像だ。ユニークでクールな武器も健在。バットマンが操る飛行能力を持つ新型バットモービル“フライング・ビーグル”の疾走には興奮必至だ。

 クリスチャン・ベールら、おなじみの俳優陣や新キャラは文句のつけどころがないが、今回はゲイリー・オールドマン演じるゴードン警部とブルースの、これまた意外なつながりが明かされ、闇の物語の中での一筋の希望となっている。ジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じる警官ジョンには、ラストに「そうか、彼が“彼”だったとは!」というサプライズも用意されている。

 本作の登場人物は、皆、心に闇を抱えながら正義と悪のせめぎあいの中で苦しむキャラクター。“壮絶に伝説が終わる”とのキャッチコピーにふさわしいファイナルには、大きな犠牲的精神と献身が通奏低音のように横たわっている。この物語は、黙示録なのだろうか。そうではない。私たち観客は、闇の騎士(ダークナイト)バットマンという複雑なヒーローが暗躍する超大作エンタテインメントを通して、もう一度世界に希望を取り戻す人間ドラマを目撃するのだ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)壮絶度:★★★★★

□2012年 アメリカ映画 □原題「THE DARK KNIGHT RISES」
□監督:クリストファー・ノーラン
□出演:クリスチャン・ベール、アン・ハサウェイ、トム・ハーディ、他
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ワン・デイ 23年間のラブストーリー

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23年間に渡り、7月15日だけを切り取って綴る異色の恋愛映画「ワン・デイ 23年間のラブストーリー」。スクリーンに描かれない余白を想像する作品。

1988年のスコットランド。真面目でしっかり者のエマと、自由奔放なデクスターは、大学の卒業式の日に勢いでベッドを共にする。互いに惹かれあいながらも、二人は恋人よりも親友であることを選び、友達として旅行に行ったり、ケンカしたり、悩みを打ち明けあったりと、長い年月、毎年“7月15日”を過ごすことに。デクスターへの恋心を言い出せないエマだったが、ある年の7月15日に、デクスターから結婚することを告げられる…。

ずっと想いを秘めながら年月を過ごす男女を描く物語は珍しくないが、この作品の個性は、7月15日という特定の1日だけを描いて23年間のラブストーリーを綴るというスタイル。23年とは、これまたずいぶんと気の長い話だ。原作小説の作者のデビッド・ニコルズが自ら脚本に参加している。ちなみに、7月15日というのは、イギリスでは聖スウィジンの祝日だそう。物語は、1年のうち、そのたった1日だけを描き、残りの364日は、観客の想像にまかせることで、余白の味わいを醸し出した。その個性的な語り口は、何か違和感や物足りなさを感じさせると同時に、不思議なロマンチシズムも漂わせている。エマはよく言えば堅実だが、悪くいえば、おくびょうな性格。一方、デクスターは、酒癖、女癖は悪い反面、夢見がちなロマンチスト。あまりに違う個性のため、エマはデクスターに恋することを恐れ、好きでもない男性と何となくつきあうなど、共感できない部分も多いのだが、自分の気持ちに素直になれないでいると、その結果、ほろ苦い後悔を生むことになるという教訓にも思える。監督は「17歳の肖像」の女性監督ロネ・シェルフィグ。23年間の間に変化するファッションや音楽が見所だが、役者本人たちの顔は、さしたる老けメイクもなくあまり変わりばえしないのはちょっと残念。だが、ラストに漂う切なさも含めて、ハリウッドとは一味違う、個性的な恋愛映画に仕上がった。ロンドン、パリと華やかな都市が描かれるが、ブルターニュやエジンバラなど、豊かな自然を切り取ったカメラワークがとてもいい。
【60点】
(原題「One Day」)
(アメリカ/ロネ・シェルフィグ監督/アン・ハサウェイ、ジム・スタージェス、パトリシア・クラークソン、他)
(不器用度:★★★★☆)
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ワン・デイ 23年のラブストーリー@ぴあ映画生活

ラブ&ドラッグ

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主演二人の見事な脱ぎっぷりが話題の「ラブ&ドラッグ」。コメディタッチの恋愛劇と難病ものがミックスしている。

90年代のピッツバーグ。プレイボーイでノリの良さがとりえのジェイミーは、大手製薬会社のセールスマン。営業先の病院で、若年性パーキンソン病を患うマギーと知り合い、セックスフレンドとして付き合うことに。やがて、ジェイミーの会社がバイアグラを開発し、ジェイミーは爆発的な営業成績を収めてトップセールスマンになる。マギーとの仲は順調に見えたが、彼女の病は次第に悪化していた…。

セックスフレンドからやがて真剣な愛へ。近年、映画で多く取り上げられる恋愛の形だが、本作は一味違う。物語の多くはエロティックなシーンだし、破天荒なラブ・コメに見えるが、女性は難病、しかも実話なのだ。「ブロークバック・マウンテン」で夫婦役を演じた、アン・ハサウェイとジェイク・ギレンホールが甲乙つけがたい脱ぎっぷりを披露しているが、明るい魅力のハサウェイのおかげか、下品にはならず、どこかコケティッシュ。病気という設定を除けば、本当は好きなのに意地っ張りの恋人同士のかけあいにも思えるほどだ。パーキンソン病といえば、俳優のマイケル・J・フォックスが患った難病。治療には、患者本人も家族も大変な犠牲を強いる病だ。劇中に、マギーを本気で好きになったジェイミーが、患者の会で「今すぐ別れて健康な女性を探せ」と、厳しくも現実的なアドバイスを受けるシーンが、実に重い。どんなに好きでも、彼女はやがて“マギーではなくなる”が、それでも彼はある決断をすることに。自己犠牲というよりも、自他共に認めるチャラ男だった彼の成長に思えるその行為は、実話ならではの感動がある。「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィックが監督というのが意外だし、ラストも都合がいい時点で終わる。だが、難病ものにありがちなお涙ちょうだいを避けて、二人の変化に重心を置いた語り口は悪くない。
【55点】
(原題「Love and Drug」)
(アメリカ/エドワード・ズウィック監督/アン・ハサウェイ、ジェイク・ギレンホール、オリヴァー・プラット、他)
(セクシー度:★★★★☆)
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ラブ&ドラッグ@ぴあ映画生活

ジェイン・オースティン 秘められた恋

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「高慢と偏見」や「エマ」など、著作の映画化も多い英国の女流作家ジェイン・オースティン。今なお人気の作家だが、封建的な環境で結婚をハッピーエンドととらえる彼女の物語は、時に古臭く思えたものだ。だが本作では、そんなジェイン本人の、生涯唯一の激しい恋の顛末を描いて、思いがけず引き込まれる。1795年の英国。女性の地位は低く、恋愛結婚は愚かなことで、裕福な相手との結婚でなければ不幸せと思われていた時代。オースティン家の次女で小説家を目指すジェインは、両親が望む地元の名士との結婚をしぶしぶ検討していたが、ロンドンから来た法律を学ぶアイルランド人青年トム・ルフロイと出会い、運命的な恋に落ちる。

アン・ハサウェイという女優は、見るたびに上手くなる。最初は、たぬき顔の美人でロマ・コメが得意の女優という程度の、薄い印象だったが、はつらつとした雰囲気はそのままに、陰影のある演技を披露するようになった。この物語のハサウェイも、実在の作家ジェインの一世一代の恋と、当時のしきたりや価値観を尊重しながらも、新しい時代を生きていこうと奮闘する、知的で意志の強い女性を演じきり、感動を呼ぶ。自由に生きたくても社会がそれを阻む時代の恋は、情熱と分別の折り合いが難しい。ジェームズ・マカヴォイ演じる青年トムも、古い慣習や貧しさゆえにしばられるキャラだが、一見遊び人風だが実は…という興味深い人物なのだ。美しい衣装だけが見所のような、底の浅いコスチューム劇かと思っていたら、とんでもない。映画は、残された資料をもとに史実を検証しつつ、空白の部分を豊かに想像して、魅力的なエピソードで構成されている。この秘めた恋物語を見れば、お堅い中年の独身女性との印象のオースティンと、彼女の小説への見方が変わりそうだ。もちろん良い方向に、である。
【70点】
(原題「Becoming Jane」)
(イギリス/ジュリアン・ジャロルド監督/アン・ハサウェイ、ジェームズ・マカヴォイ、ジュリー・ウォルターズ、他)
(自立心度:★★★★★)

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レイチェルの結婚

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心の病や薬物中毒の問題を支えあうのが家族。言うのは簡単だが実際には修羅場だ。姉レイチェルの結婚式に出席するためキムが帰宅する。彼女は依存症の施設から仮に外出を許可された身で、精神的に不安定だった。全編ホームビデオのような雰囲気で撮られた映像は、家族全員の長所も短所も編集なしで容赦なく映し出して非常に効果的。そこにいつも感じるのは不幸な事故で死んだ幼い弟の影だ。

アルトマンの「ウェディング」を例に出すまでもなく、冠婚葬祭は、普段疎遠な家族や親戚、他人までもが入り乱れるカオスの場。本音と建前の両方で互いに傷つけ合い、クタクタの1日が暮れていく。それでも朝はやってくるのだ。そのことがかすかな希望に思える。ふれあいを求めているのに、優しくされると反抗してしまう気性が激しいヒロインを、アン・ハサウェイが入魂の演技で演じて素晴らしい。
【70点】
(原題「Rachel Getting Married」)
(アメリカ/ジョナサン・デミ監督/アン・ハサウェイ、ローズマリー・デウィット、デブラ・ウィンガー、他)
(赤裸々度:★★★★☆)

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パッセンジャーズ

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この謎のオチは、もはや見慣れたもの。それでもホラーにも企業陰謀説にもなる素材を、最終的に人間ドラマ風に仕上げたのが、ロドリゴ・ガルシア監督らしい。セラピストのクレアは、大惨事の飛行機事故の生存者のカウンセリングを担当することに。食い違う証言にクレアは真相を暴こうとするが、不可思議な出来事が続発する。明るいコメディエンヌのイメージのアン・ハサウェイだが、本作ではシリアスで高い演技力を見せている。このテの作品は謎をどう引っ張るかがポイントだが、ミステリアスな雰囲気にこだわりすぎている気もする。クレアがエリックに惹かれる理由から真相に迫る展開も必要だったのでは。ただ見終わった後に温かい気持ちが残るのはいい。
【55点】
(原題「PASSENGERS」)
(アメリカ/ロドリゴ・ガルシア監督/アン・ハサウェイ、パトリック・ウィルソン、デヴィット・モース、他)
(サスペンス度:★★★★☆)

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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