映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「カフェ・ソサエティ」「ノーエスケイプ」「追憶」「赤毛のアン」etc.

ウィル・スミス

素晴らしきかな、人生

Collateral Beauty - O.S.T.
ニューヨークでの広告代理店を経営するハワードは、最愛の娘を亡くして以来、深い喪失感から仕事もプライベートもままならない。やがて会社の業績も悪化し、ハワードの同僚たちも気が気ではない。そんな時、ハワードの前に3人の奇妙な舞台俳優たちが現れた。年齢も性別も異なる3人は、ハワードに次々に謎めいた言葉を投げかける。そんな3人との出会いでハワードの人生は少しずつ変化していくが…。

愛するものを失って絶望した男が、愛、死、時間などの抽象概念を演じる3人の舞台俳優たちとの交流によって再生していくヒューマン・ドラマ「素晴らしきかな、人生」。愛する娘の死で、心が壊れてしまったハワードを心配する仲間は、ハワードのことはもちろん、傾き続ける会社の心配もしている。そんな彼らが思いついた突拍子もない秘策が、ハワードを救うべく動き始める…というハートウォーミングなストーリーだ。主演のウィル・スミスをはじめ、オスカー俳優、ノミネート俳優たちが大挙して出演するなど、名優たちの競演が贅沢である。舞台となる大都会ニューヨークのおしゃれな風物も見所だ。傷ついた主人公の再生は、無論、いい話である。ハワードが何度も通うセラピーの主催者の女性との顛末にも感動するだろう。ただ、ハワードを救うプランが、あまりにも手が込んでいる上に、展開が都合が良すぎて、正直、引いてしまった。「プラダを着た悪魔」で鮮やかな手腕をみせたデヴィッド・フランケル監督だけに、笑いも感動も中途半端な出来栄えではがっかりさせられる。ちなみにジェームズ・スチュワート主演の名作クリスマス映画とはまったく関係ないので、ご注意を。…というか、本作にこの邦題って、どういうセンスなの?!何と言ってもこれだけの豪華キャストを集めておきながら、凡庸なお涙頂戴映画に成り下がったのが、あまりに惜しい。
【45点】
(原題「COLLATERAL BEAUTY」)
(アメリカ/デヴィッド・フランケル監督/ウィル・スミス、ケイト・ウィンスレット、ヘレン・ミレン、他)
(豪華キャスト度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
素晴らしきかな、人生|映画情報のぴあ映画生活

スーサイド・スクワッド

スーサイド・スクワッド エクステンデッド・エディション ブルーレイセット(初回仕様/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
迫りくる世界崩壊の危機を前に、政府は服役中の悪党たちによる特殊部隊“スーサイド・スクワッド”を結成する。命令に背いたり、任務に失敗したら彼らの体内に埋め込まれた自爆装置が作動する仕掛けだ。減刑と引き換えにこの自殺に等しい任務を引き受けた悪党(ヴィラン)たちは、図らずも正義のヒーローに。正義感も団結力もやる気もない寄せ集めの悪党たちは、世界を救うことができるのか…?!

DCコミックに登場する悪党たちがチームを組み、世界を脅かす敵と戦うアクション・ムービー「スーサイド・スクワッド」。バットマンやスーパーマンに逮捕され投獄されたメンバーが作品の垣根を超えて集結しているのは壮観な眺めだ。だがこの映画、予告編が面白すぎて期待値を高めすぎてしまったせいか、どうにも物足りない。何しろ悪党(ヴィラン)といってもほとんど凶悪さは感じないいい人キャラばかりじゃないか!そもそもリーダー格の凄腕スナイパーのデッドショットを演じるのはウィル・スミスで、彼に悪役なんて無理な話である。他キャラも悪と呼ぶにはほど遠い。ヴィオラ・デイヴィス演じる政府の指揮官アマンダの極悪非道ぶりに比べたら、カワイイものだ。だがそれらすべての不満を蹴散らしてくれるキャラが、キュートな悪カワ・ヒロインのハーレイ・クインである。この映画、大スターのウィル・スミスでもなく、史上最悪の悪党キャラのジョーカーでもなく、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインを前面に出して宣伝していることからもわかる通り、ハーレイ・クインでもっている映画といっても過言じゃない。元精神科医という知性派にもかかわらず、愛するジョーカーのことしか頭にないぶっ飛んだヒロインは、セクシーかつクレイジーな魅力で映画を引っ張り、最後には驚きの大活躍もみせてくれるのだ。面白キャラを活かしきれてない雑な脚本だが、ハーレイ・クイン1点突破で許そう!
【60点】
(原題「SUICIDE SQUAD」)
(アメリカ・カナダ/デヴィッド・エアー監督/ウィル・スミス、ジャレッド・レトー、マーゴット・ロビー、他)
(ヴィラン:★★☆☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
スーサイド・スクワッド|映画情報のぴあ映画生活

フォーカス

フォーカス ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組/デジタルコピー付) [Blu-ray]
凄腕詐欺師と彼から詐欺のすべてを学んだ美人詐欺師の恋の駆け引きを描く「フォーカス」。犯罪劇としては弱いがラブロマンスとしては合格点。

ニッキーは一流の詐欺師集団をまとめあげる犯罪のプロ。そんなニッキーの前に未熟な女詐欺師ジェスが現われるがニッキーは彼女に可能性を見出し、自分のチームに迎え、詐欺のノウハウを叩きこむ。やがて二人は恋に落ちるが、恋愛は仕事の邪魔だと考えるニッキーはジェスの前から姿を消す。数年後、ブエノスアイレスで大掛かりな詐欺を仕掛けるニッキーの前に、ライバルチームに所属し見違えるほど美しく洗練されたジェスが現れる…。

フォーカスとは、視点、注意のことで、それをそらすことこそが一流の詐欺のテクニックだというのは、本作の主人公ニッキーの持論だ。なるほど、一流詐欺師のニッキーが披露する数々のテクニックは、入念な事前準備あり、心理戦あり、チームプレーありと、合理的かつ華麗なもので、犯罪と分かっていても妙に感心してしまう。しかし本作のテイストは、騙し騙されのコンゲームというより、むしろラブロマンスとしての面白さにあるようだ。ウィル・スミスといえば、正義感の強いタフなヒーローのイメージだが、意外にも恋愛映画でもいい味を出す役者である。本作では仕事と恋愛は別と割り切っていても、やっぱり計算通りにはいかない男女の心理戦が軽妙な会話で描かれる。クライマックスでは、意外な人物の意外な素顔が明らかになる騙しテクが披露されるが、最も感心させられるのは、むしろ、中盤のスーパーボール観戦で繰り広げられる入念で大胆な仕掛け。思わず、名曲「悪魔を憐れむ歌」を聴きたくなった。
【65点】
(原題「FOCUS」)
(アメリカ/グレン・フィカーラ、ジョン・レクア監督/ウィル・スミス、マーゴット・ロビー、ロドリゴ・サントロ、他)
(恋愛映画度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
フォーカス@ぴあ映画生活

アフター・アース

アフター・アース(初回生産限定) [Blu-ray]
伝説の兵士とその息子のサバイバルを描くSFアクション「アフター・アース」。ハリウッドが伝統的に得意とする父と子のドラマだが、シャマラン監督らしさはまったくない。

人類が別の惑星に移住してから1000年が経った西暦3027年。恐怖心をコントロールできる伝説の戦士サイファと、その息子で、父にあこがれながらも、父との間に距離を感じている13歳のキタイの乗った宇宙船は、事故により見知らぬ惑星に不時着する。そこは、かつて人類が捨てた地球で、今や“最上級危険惑星”となった恐ろしい場所だった。大怪我を負って動けない父に代わり、帰還に必要な緊急シグナル“ビーコン”を捜すため、キタイは荒れ果てた大地へと足を踏み入れるが、彼の前には未知の生物や想像を絶する危険が待ち受けていた…。

ウィル・スミスと実子ジェイデン・スミスが「幸せのちから」以来7年ぶりの親子共演を果たしたSF大作だ。主人公たちが不時着した地球は、一見、緑あふれる豊かな大自然が広がる惑星だが、そこはもはや人類が住むことを拒否する場所。だが物語は、未来の地球は、人類を抹殺するべく進化しているというユニークな設定を、生かしきれていない。人類は異生物とそれらが作った武器“アーサ”と戦っているという設定だが、このアーサは人間の恐怖心を匂いでとらえて攻撃する新型兵器。つまり恐怖をコントロールできるものだけが伝説の兵士になれるというわけで、本作は地球そのものの危険を描くSFというより、未知の敵と戦うときの恐怖と立ち向かうキタイの成長物語といえるだろう。同時に、キタイの姉、センシの死に対して共に責任を感じている父子が、互いの心をさらけだし和解するドラマでもある。監督はM・ナイト・シャマランだが、「シックス・センス」のようなホラーやどんでん返し的なひねりはなく、死んだ姉が幻影として現れる場面にわずかに“らしさ”があるだけ。VFXで創造された未知の動物たちとの戦いはSFアクションとしては楽しめるが、シャマラン風味のスーパーナチュラルなテイストは期待してはいけない。何しろストーリーの原案はウィル・スミス本人なので、シャマランらしさは皆無なのだ。サバイバル劇のほとんどがウィルとジェイデンの二人芝居。父ウィルが“静”の芝居に徹し、息子ジェイデンに華を持たせた“父子もの”映画として楽しむべきだろう。
【50点】
(原題「AFTER EARTH」)
(アメリカ/M・ナイト・シャマラン監督/ウィル・スミス、ジェイデン・スミス、ソフィー・オコネドー、他)
(驚き度:★★☆☆☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

アフター・アース@ぴあ映画生活

メン・イン・ブラック3

メン・イン・ブラック3 blu-ray & DVDメン・イン・ブラック3 blu-ray & DVD
クチコミを見る
黒服のエージェントコンビが10年ぶりに復活したシリーズ第3弾「メン・イン・ブラック3」。JとKの意外な関係に感動する。

人類に紛れて地球に生息するエイリアンを監視し、その暴走を取り締まる極秘組織MIBの凄腕エージェントで、仏頂面のKとお調子者のJは、長年のコンビ。だがある時、Kは単独で事件を追い、その理由をJに明かさないまま、消息を絶ってしまう。MIBの上司Oに問い正すと、「Kは、40年以上前に亡くなった」という不可解な回答が返ってくる。どうやら何者かによって過去が書き換えられてしまったらしい。Jが混乱する中、エイリアンの侵略が始まった。謎を解明し、地球の危機を救うため、40年前にタイムスリップを試みるJだったが…。

このバディ・ムービーはいつ見ても楽しい。今回はタイムスリップという大技を引っさげてのシリーズ第3弾だ。導入部の脱獄劇に始まり、ちょっとマヌケなエイリアンたちを軽くかわす展開に、懐かしさとワクワク感が漂ってくる。物語は月面にある銀河系刑務所から脱獄した片腕の凶悪犯ボリスが、かつて自分を逮捕したKを亡き者にしようと企てることから始まる大バトル。すべての秘密は過去にあることから1969年へとタイムスリップするという流れだ。これが実に良くできていて、アポロ11号の打ち上げに沸く当時の世相は、宇宙への関心が高く、米国で常に語られる宇宙関連の都市伝説と絶妙に重なる。さらに1969年といえば人種差別が激しく、自分とは異質のものを忌み嫌う時代。そこに生息するエイリアンはどこか哀愁さえ漂って、米国の歴史に思いをはせることもできるから、この娯楽作は、案外軸がしっかりしている。楽しいのは、60年代のファッションや風物で、レトロ・モダンな当時のMI6の特殊武器のアイテムが実におしゃれ。40年前のKを演じるジョシュ・ブローリンの“若き”仏頂面もナイスだ。犯罪者ボリスとの熾烈な戦い、未来が見えるある人物の危険すぎる協力、アポロ11号打ち上げの世紀のプロジェクトと、ハラハラする展開がてんこもりだ。そして何といっても、終盤に明かされるKとJの意外な関係には、思わずホロリ。やっぱりこの二人は地球最強、いや、宇宙最強の名コンビだ。
【65点】
(原題「MEN IN BLACK 3」)
(アメリカ/バリー・ソネンフェルド監督/ウィル・スミス、トミー・リー・ジョーンズ、ジョシュ・ブローリン、他)
(バディ・ムービー度:★★★★★)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
メン・イン・ブラック3@ぴあ映画生活

7つの贈り物

7つの贈り物 コレクターズ・エディション [DVD]7つの贈り物 コレクターズ・エディション [DVD]
感動作のふりをしているが、中身は、神の真似事をする不愉快な物語だ。心に傷を負ったベンは、見知らぬ男女7人に彼らの人生を変える贈り物をする。ネタバレは禁止なので詳しくは明かせないが、主人公は、善人に対し善行を施すのが目的。だが“選ぶ”などという行為がそもそも傲慢だ。基準も曖昧で納得できない。動機もある意味で平凡である。冒頭から苦悩モードのウィル・スミスの熱演も、物語に説得力がなければ空回りするばかりだ。7人目の女性と共に過ごす穏やかな場面のみ、幸福感が漂う。この作品は、間違いなく意見が割れる。それが目的なら大成功といったところか。
【10点】
(原題「SEVEN POUNDS」)
(アメリカ/ガブリエレ・ムッチーノ監督/ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、ウディ・ハレルソン、他)
(問題提起度:★★★★★)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックお願いします(^o^)

映画レビュー「ハンコック」

ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディション [DVD]ハンコック エクステンデッド・コレクターズ・エディション [DVD]
◆プチレビュー◆
嫌われ者のスーパーヒーローという設定が新しい。前半は面白いのに後半失速するのが残念。 【65点】

 スーパーヒーロー・ハンコックは嫌われ者の困ったヤツ。人助けはするが勢いあまってビルや道路をメチャクチャにし、常に市民からヒンシュクを買っていた。酒好きでだらしない彼だが、偶然助けたレイからある提案を受ける…。

 人々の窮地を救うヒーローが非難されるという悲喜劇を、コミカルに見せる前半がとにかく楽しい。なぜか力加減ができないハンコックは、悪人退治に駆けつけるものの、着地に失敗して道路を破壊、建物をぶっ壊してブーイングをあびている。クジラを投げ飛ばして海に戻せば沖のヨットに命中して沈めてしまうし、車や列車を片手で持ち上げては大破させる。裏目に出るとか、世間に不満があるとか、そんな理由じゃない。要するに雑なのだ。力をもてあます子供のような男。それがハンコックである。

 その大きな子供は、記憶がない。超人パワーや不死身で歳をとらない理由はおろか、自分が誰なのかもわからない。アイデンティティーの喪失は孤独へとつながり、心はいつも寂しいというわけだ。そんな彼が偶然助けたのがPR会社の営業マンのレイだった。お人よしの彼は、命の恩人のハンコックに何とかお礼をと、イメチェンを買って出る。「誰からも愛される本当のヒーローにならないか?僕が手伝うよ」。まずは、礼儀正しく、相手を思いやり、身なりも整える。不本意なボディースーツを身にまとい、ギクシャクと正しいヒーローになっていくハンコックが、なんだか可愛くなる。

 前半はこのようにファンキーなヒーロー像をたっぷり堪能でき、まったく飽きない。だが後半ときたら、いきなりトーンダウンし別の映画のようなのだ。家族ぐるみのつきあいをしてくれるレイに、気がついたら病院に寝ていたことやそれ以来不死身になったことなど、自分の覚えている少ない過去をポツリポツリと語りはじめるハンコック。ここから、レイの美人妻メアリーが意外な形でからんでくる。これには正直驚くが、いきなりのシリアス・モードはいかがなものか。パワーダウンの理由や過去の秘密もはっきりしない。ヒップホップでノッていたスミスが、急にムード歌謡を歌いだすくらいの落差があり、すっかり調子が狂ってしまった。後半は怒涛のアクションもあるというのに、壮快感を失っていくストーリーがもったいなくて仕方ない。

 物語のバランスには納得できないものの、そんな時こそウィル・スミスである。92分の短時間だ。興行成績請負人でミスター・サマームービーの異名を取る大スターの魅力があれば十分と言わんばかりにぶっちぎる。実際、スミスほどヒーローがよく似合う男はいない。たとえヨレヨレの服装で、言葉使いが悪くても。たとえキレやすくて、空気が読めなくても。ちなみにヒーロー像は世相を表すという。はたしてハンコックの体現するものとは?ズバリ、型破りということだ。既成観念を打破する人物。私たちは現実でも映画でも、そんなヒーローを待っている。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)グッドジョブ度:★★★☆☆

□2008年 アメリカ映画 原題「HANCOCK」
□監督:ピーター・バーグ
□出演:ウィル・スミス、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ベイトマン、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

映画レビュー「アイ・アム・レジェンド」

アイ・アム・レジェンド 特別版 [DVD]アイ・アム・レジェンド 特別版 [DVD]
◆プチレビュー◆
古典SFの3度目のリメーク。無人の大都市NYのビジュアルが素晴らしいが、終盤の展開は物足りない。 【60点】

 西暦2012年。ウィルス感染で人類が滅び、唯一人生き残った科学者ネビルは、廃墟と化したNYから生存者に向けて無線でメッセージを送り続けていた。だが応答はない。夜行性の謎の生命体と戦い、想像を絶する孤独に耐えるネビルだったが…。

 困った映画だ。3回目のリメークだが、一応、オチがあるので、ストーリーは詳しくは語れない。主人公ネビルは、ウィルスのワクチンを開発する軍所属の学者で、科学的知識と戦闘能力を兼ね備えた人物だ。彼は、絶望的な状況の中で、殺人ウィルスの感染者が変異した闇の生物“ダーク・シーカーズ”を治療するための薬の研究を、たった一人で続けている。ネビルは、ワクチンを開発できず人類を救えなかった罪悪感を抱えているのだ。そんな正義感あふれる主人公を演じるのが、ウィル・スミスである。旧作と最も違う点は、このネビルの人間描写が丁寧なことだ。

 地球上でひとりぼっち。もし自分がそうなったら…と想像するだけで怖い。だが、このモチーフの抜群の面白さに比べ、後半の展開に魅力が薄いのだ。地球規模の災厄の後なのに、ライフラインがバッチリ整っていることへのツッコミはこの際やめておこう。物語は、はたして生存者はいるのか?というミステリアスな要素より、アクション系サバイバルのテイストの方が濃くなってしまっている。ネビル一人に免疫がある理由をもっと明確にして、そこに謎を込めることも出来ただろうに。そのサバイバル・バトルの相手、ダーク・シーカーズは、旧作では、出来損ないのゾンビが集まって作ったKKK風カルト集団のようで苦笑したものだが、今回は余計な言葉を発せず凶暴さと不気味さをグレードアップ。宗教臭さが無くなっているのはありがたい。とは言え、主人公が人類再生の鍵と信じる闇の生物に、ただ敵という役割だけを与えるのは、いささか片手落ちだ。ラストの落とし前も、方法は違うが旧作と同じスピリットではないか。せっかく21世紀にリメークするのだ。もっと大胆な新解釈があってもいいはずである。大風呂敷を広げた割に、オチはこれ?と文句のひとつも言いたくなった。これでは、来日時にネタバレしたウィル・スミスを責める気にもなれない。

 不満ばかり並べてしまったが、見所がないのかと言えば、決してそんなことはない。まず、主演のウィル・スミスの硬軟使い分けた演技が堪能できるのが嬉しい。主人公は唯一の相棒の愛犬と車に乗り、無人で荒れ果てた街を行く。食料となる鹿を追い、公園で野菜を育て、誰もいない店でマネキンに話しかけながらDVDを“借りる”。ほとんど一人芝居に近い演技をこなすスミスの上手さを改めて確認できる。ヒーローが似合う役者だが、SFやアクション、ラブコメディから人間ドラマまで、彼の守備範囲は広いのだ。アスリートのようにたくましいウィルが、打ち捨てられた軍用機の翼の上でゴルフをする様子はちょっと絵になる光景である。もう一つの見所は、廃墟になったNYのユニークなビジュアルだ。虚無感を漂わせつつ、街全体が自然に飲み込まれたように作り込んだ造形美が何ともクールで素晴らしい。地球の荒廃が宇宙からの異生物などではなく、人間自らがまいた種で引き起こされた皮肉。その上、人の気配がなく、原始に立ち返ったような大都会の光景が、映画の中で最も強い魅力を放つとは…。やっぱりこれは困った映画である。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)恋愛度:★☆☆☆☆

□2007年 アメリカ映画 原題「I AM LEGEND」
□監督:フランシス・ローレンス
□出演:ウィル・スミス、アリス・ブラガ、サリー・リチャードソン、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

幸せのちから

幸せのちから [DVD]幸せのちから [DVD]
原題のHAPPYNESSが、IではなくYになっているところにこだわりが感じられる。ウィル・スミスとその実子の共演で、実の親子ならではの自然な空気感がいい。現代のアメリカン・ドリームは、ホームレスから会社経営者へ。実話ならではの説得力が効いた。
【60点】
(原題「THE PURSUIT OF HAPPYNESS」)
(アメリカ/ガブリエレ・ムッチーノ監督/ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス、タンディ・ニュートン、他)
(子役が可愛い度:★★★★★)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

アイ、ロボット

アイ,ロボット 通常版 [DVD]アイ,ロボット 通常版 [DVD]
◆プチレビュー◆
感情を持つロボットものの映画としては、「ブレードランナー」がイチオシ。人間が機械化する逆パターンとしては「ロボコップ」が代表。共存を哲学的に描いたのは押井守の「イノセンス」。やっぱりロボット映画はSFの大看板だ。

2035年のシカゴ。ロボット三原則の提唱者であるラニング博士が謎の死を遂げる。捜査を担当するスプーナー刑事は、ある出来事以来、ロボットに対して不信感を持っていた。スプーナーは、博士を殺したのはロボットのサニーではないかと疑うが、事件の裏には企業の巨大な陰謀が隠されていた…。

感情を持つロボットという設定は、SFでは古典とも言えるもの。それだけ人気で興味深いテーマなのだ。SFの巨匠アイザック・アシモフの短編「われはロボット」を原作とするこの映画は、ロボットと共存する近未来を舞台に、アクション、サスペンス、ドラマと複数のジャンルをまたぎながら展開する。扱いようによっては、人間の存在意義を問う深遠なテーマにもなるところを、しっかりエンタメ作品に仕上げるのがやはりハリウッドだ。

主人公のスプーナー刑事を演じるウィル・スミスは製作総指揮も務めている。そのせいか、ロボット嫌いのトラウマは少々優等生すぎる感も。さらに、全裸のシャワーシーンなど、不必要なサービスショットもあり、笑わせてくれる。だが、コンバースのスニーカーを「2004年モノだぜ」と自慢してアナログ感覚を醸し出し、近い未来はさもありなんと思わせるなど、意外に細かい芸も披露する。

SFでは未来社会を視覚化するビジュアル・センスがものを言う。その点、このロボットの造形はシンプルでなかなか良い。メタリックなロボットの大群は、かなり不気味。表面よりも筋肉構造で擬人化する技術に注目だ。監督のプロヤスはエジプト生まれのオーストラリア育ち。クールな映像センスが持ち味の人である。

感情を持つ究極のロボット、サニー。サニーは本当に殺人を犯したのか。もし、そうなら、いったい何のために?スプーナー刑事の上司が言う「人間が人間を殺していた時代が懐かしい」というセリフが意味深い。テクノロジーの暴走というありがちなテーマではあるが、そう遠い世界の話ではないのだから、この際、大真面目に鑑賞するのもいいだろう。

□2004年 アメリカ映画 原題「I, ROBOT」
□監督:アレックス・プロヤス
□出演:ウィル・スミス、ブリジット・モイナハン、ジェームズ・クロムウェル、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

アイ,ロボット@ぴあ映画生活
シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
トラックバック(承認済)
午後8時の訪問者 (映画的・絵画的・音楽的)
午後8時の訪問者
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
震災には負けない!
リンクシェア・ジャパン 東北地方太平洋沖地震 義援金プロジェクト

犬・猫の総合情報サイト『PEPPY(ペピイ)』

icon icon
おすすめ情報
おすすめ情報

twitterやってます!
おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
いいね!もよろしく♪
Facebookをご利用の皆さん、このブログが気に入ったら、ぜひ「いいね!」ボタンをポチッと押してください。 渡まち子の励みになります!
タグクラウド
  • ライブドアブログ