映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

ウィル・スミス

バッドボーイズ2バッド

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◆プチレビュー◆
宣伝担当の綺麗なお姉さんが「2時間26分もあるんですよ…」と言った時の、悲しげな瞳が忘れられない。刑事ものは白人と黒人の組合せが多いので、黒人2人組という設定はちょっと新鮮。

マイアミ市警のマーカスとマイクは型破りな捜査で有名な刑事コンビ。麻薬シンジケート壊滅の特捜チームに任命された彼らだったが、捜査は難航する。マーカスは仕事に悩みを抱え、マイクはマーカスの妹シドと密かに交際中。さらにシドが潜入捜査任務を帯びた麻薬捜査官だったことが判明し、事態は複雑になっていく…。

前作は確かに見た。…はずなのだが、見事なまでに記憶がない。それほど当時の彼らはどうでもいい存在だった。W.スミス、M.ローレンス、監督のM.ベイに製作のJ.ブラッカイマーの4人があまりにビッグになってしまったので、スケジュール調整が大変だったというのが続編完成まで8年もかかった理由だが、前作を見ていなくても、いや、覚えていなくても全く問題ない作りになっているので大いに助かった。

とにかくド派手な映画だ。そもそもブラッカイマーの映画は場所やキャラが変わってもテイストは全て同じのファースト・フード映画。質より量で勝負なのだ。ストーリー性はほとんど無視して、市街でのカーチェイスや銃撃戦など、息つく暇もないほどのアクションが繰り広げられる。これのいったいどこが“極秘”捜査だと言うのか。ちなみに一介のヒラ刑事が、フェラーリに乗るのも、分不相応な豪邸に住んでいるのも出演者がビッグになったことに比例しているのだろうか。何ともバブルな設定だ。

100億円という日本の一般ピープルにはにわかに想像し難い額を投入して作った映像は、ひたすら“ブチ壊す”もの。何百台という車を潰し、ビルを壊し、豪邸を吹き飛ばす。かつて軍艦や小惑星まで吹っ飛ばしたブラッカイマーにとっては些細なことに過ぎないのだろうが、とどのつまりにキューバに乗り込むにいたっては開いた口がふさがらない。突如鳴り出す叙情的な音楽と「俺達は仲間だ」のセリフと共に登場する助っ人。あぁ、どうしてこうなるの。キューバ軍兵士を皆殺しにするってのは、政治的にも問題なんじゃないのか。ブラッカイマーの映画に真面目にツッコミを入れること自体がマナー違反という気もするけれど…。

さんざん文句を言っておいてナンだが、困ったことに見る価値はある。何しろ、これほど派手さに徹したアクション映画は滅多におめにかかれないし、主演2人のマシンガン・トークも最高に楽しい。ヘタな大義名分や歴史的考察なんぞとは無縁なので何も考える必要はない。必然性のないアクション場面はひたすら観客へのサービス精神に基づくものなので、いちいち格好をつけるW.スミスもどこか得意げである。

ものすごくいいかげんなものを見てしまった時のトリップ感覚が快感だ。観客を楽しませ、自らも利益をあげ、爽快感の他には後には何も残さない。実に合理的である。娯楽の追求という意味では徹底した映画なので、潔ささえ漂っていた。副題の「2バッド」はトゥー・バッドのモジりで“ヤバ過ぎる”の意味。豪快な暴れっぷりは、そのまま今のハリウッドのエネルギーと考えていいだろう。

□2003年 アメリカ映画  原題「BAD BOYS 2BAD」
□監督:マイケル・ベイ
□出演:ウィル・スミス、マーティン・ローレンス、ガブリエル・ユニオン、他

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アリ

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◆プチレビュー◆
常に挑発的で、決して守りに入らないアリ。冒頭のブルースにシビレた。

1964年、22歳でボクシングヘビー級チャンピオンになったカシアス・クレイは、名前をモハメド・アリに改名。ボクサーとして通算61戦56勝37KO5敗という驚異的な数字とは裏腹に、彼の人生は、栄光と挫折そのものだった。イスラム教への改宗、ベトナム戦争への徴兵拒否、不当に剥奪されたボクサーの資格を取り戻すための裁判と、苦難の日々がアリを待ち受けるが、彼は常に闘い続ける…。

ボクシングというスポーツは映画になりやすいのか、昔から数多くのボクシング映画が作られてきた。この映画は過去最高と言ってもいい選手モハメド・アリが主人公。未だ存命の実在の人物、スポーツ界のカリスマを描くのは、さぞ難しいだろうと予想していたが、やはり、従来のボクシング映画とは一味違った伝記映画。極力ドラマ性を廃し、ドキュメンタリータッチに徹している。

映画が描くのは若干22歳で世界ヘビー級チャンピオンになった1964年から、王者ジョージ・フォアマンを破って復活を遂げる1974年の“キンシャサの奇跡”まで。この、時代的にもアリ個人的にも複雑な状況を、M.マン監督はクドクドと説明せずに、ごく簡単に描くからすごい。音楽はブルースが中心だが、このオープニングの上手さと音楽の良さで、ぐっと引き込まれる。

元来、ボクサーといえば寡黙な人物が多い中、アリは有言実行を遥かに越えて、大ボラ吹きと呼ばれるくらい口が達者。相手を挑発しながらボクサーとして不動の地位を築いていくが、ベトナム戦争徴兵拒否が、彼の運命を狂わせる。劇中でも「敵は政府だ。」とはっきり口にするが、宗教的な理由や正義感などではなく、一人の人間として「恨みのない人間を殺す理由はない。それに自分は自由に生きたいんだ。」というシンプルな思いからの言動に見えた。だからこそ、とことんこだわれたに違いない。独特のトークと恐れを知らない挑発的な言動は、いやでもリング内外での闘いを彼に強いた。

ウィル・スミスは身も心もアリになりきったと言うだけあって、見事な肉体改造。ヘビー級の選手にしては驚くほど身が軽いアリの軽やかなフットワークは“蝶のように舞い、蜂のように刺す”という言葉そのもので、音楽界出身で抜群のリズム感を持つ彼を起用したM.マン監督の眼力のすばらしさを実感。

ドキュメンタリータッチは観客におもねる部分がなく、サービス精神にも欠けるが、個人的には好きなスタイル。アリという人物を描くのにも適しているように思う。アリの人生と交差させて描かれる社会情勢は、マルコムXやキング牧師の暗殺、公民権運動の高まりや、人種差別問題、ベトナム戦争、ザイールの国家の思惑など様々。そのときアリは何を思っていたのか、観客自身に考えさせる。つきはなしたアプローチが逆に新鮮だ。

雨のなか行われたアフリカ、ザイール(旧ベルギー領コンゴ)のキンシャサの復活試合は、今なお語り継がれる名勝負で、単に王座奪回というだけでなく、決して信念を曲げなかった男の自分自身に対する闘いの決着の場だ。体力の衰えや不安と闘いながら望んだ勝負に答えが出たとき、空から慈雨が降り注ぐ。自分の信じる正義のために、時代や政府という巨大な敵と戦ってきたアリの生き方は、たとえ欠点はあっても、スポーツという枠を越えて人々に訴えかける何かがある。

伝説のボクサー、モハメド・アリが自らの信念を貫き通す姿を描く伝記映画。常に闘い続けた男アリ。モハメド・アリはイスラム語で“賞賛されるべき人”という意味だ。

□2001年 アメリカ映画 原題「ALI」
□監督:マイケル・マン
□出演:ウィル・スミス、ジョン・ボイド、他

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