映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

ウィル・ポールター

デトロイト

Detroit
1967年の夏。アメリカ・ミシガン州デトロイトで大規模な暴動が発生する。その2日目の夜、ミシガン州兵隊の集結地付近で銃声の通報があり、デトロイト警察やミシガン陸軍州兵、地元警備隊らは、アルジェ・モーテルの別館に乗り込んだ。しかし差別主義者の白人警官クラウスら何人かの警官が捜査手順を無視し、モーテルの宿泊客たちを脅しながら不当で暴力的な強制尋問を始める…。

米史上最大級の暴動と言われるデトロイト暴動を一晩の出来事に絞って描く戦慄の実録サスペンス「デトロイト」。数日間続いた暴動の概要は教科書などで知られているが、本作が描くのは歴史の闇に埋もれた暴挙“アルジェ・モーテル事件”だ。暴力的な白人警官たちが、ホテルに居合わせた黒人男性6人と白人女性2人の若者たちを、おぞましい方法で尋問する様はまるで悪夢のようだが、観客もまた、この惨劇の渦に放り込まれ、彼らと同じ恐怖を体験することになる。宿泊客の1人でR&Bボーカル・グループ「ザ・ドラマティックス」のリードシンガーのラリー、白人警官クラウス、民間警備員ディスミュークスの3人の視点で事件が語られるが、とりわけ、差別主義者の警官クラウスの言動とその後の裁判の行く末には、激しい怒りがこみあげる。

実話に基づく本作の時代背景は60年代。だがこれが過去の話ではなく、まるで現代の出来事のように思えるのは、手持ちカメラによる臨場感たっぷりの映像もさることながら、差別や偏見がいまだに蔓延している事実があるからだ。さらに言えば、キャスリン・ビグロー監督が今まで描いてきたような米軍爆弾処理班兵士やCIA分析官といった特殊な職業の人物の活躍ではなく、普通の市民と身近にいる警官の間に起こる理不尽な暴力を見せつけるからである。極限状態の中で感情や暴力が激化する様や、判断力を見失う心理、誰かを痛めつけることで優位に立とうとする愚行。これらは誰の身にも起こりうる恐怖なのだ。アルジェ・モーテルは取り壊されて今はもう存在しない。だがデトロイト暴動の火種は本当に消滅したのか。骨太な社会派映画で現代社会に警告を発してきたビグロー監督の真摯な問いかけが聞こえるようだ。
【70点】
(原題「DETROIT」)
(アメリカ/キャスリン・ビグロー監督/ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、他)
(臨場感度:★★★★★)


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リトル・ランボーズ

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アクション映画「ランボー」に魅せられた少年たちの友情と成長の物語は、ハートウォーミングなストーリー。ラストのシークエンスが雑なのがちょっと惜しい。80年代のイギリス。11歳の少年ウィルは、宗教の厳しい戒律に縛られ、あらゆる娯楽を禁じられた生活を送る世間知らずの男の子。ひょんなことから学校一の悪ガキのカーターと友達になる。生まれて初めて観た映画「ランボー」にたちまち夢中になったウィルは、ビデオコンテストに応募するというカーターと一緒に、監督と俳優として映画を作ることに。親に内緒での映画撮影は見よう見まねだが、正反対の二人の少年の間には友情が生まれる…。

映画作りに熱中する少年たちは共に父親がいない。父性の欠損が、男らしさや戦う男の強さを教えてくれる「ランボー」に惹かれる理由だ。シリーズの中でも第1作の「ランボー」は傑作だが、ベトナム戦争帰還兵のランボーが傷だらけになりながら闘う姿に、ウィルとカーターは、自分たちと同じ、居場所がない孤独を見たに違いない。ウィルの一家はプリマス同胞教会の信者だが、この宗派はいっさいの娯楽を禁じ神に仕えることを強いるということを初めて知った。だが人生を楽しむことをいったい誰が禁じることができようか。ウィルとその母親がやがて変化する様子には、人間を縛る信仰への疑問が込められている。一方で母にも兄にも忘れられているカーターはたくましく生きる悪ガキだが、同時に言い知れぬ寂しさを抱えた少年だ。そんな彼らを虜にし大人にするのが、親や神の愛でもなく、1本のアクション映画だというところが面白い。映画作りが佳境に入った時、思いがけない事件が起こりウィルとカーターは仲違いすることに。予想外の悲劇の後にある奇跡が起こるが、映画館を舞台にしたその奇跡の演出がとってつけたようなのが残念。映画館の従業員や町の警察官などの小さなエピソードを描いて伏線を張るべきなのに、この物語はそうはせず、いきなり何もかものが愛に包まれた大団円へと突入する。最後の部分がバタバタしては、せっかくのハートウォーミングな感動に心からひたれないではないか。とはいえ、子供の無邪気さやたくましさをコミカルに描くのは英国映画の得意とするところ。仏人の少年が見せる妙なカリスマ性や、まだネットや携帯がない80年代という時代ののどかさが、独特のユーモアを醸し出していて、何とも憎めない小品だ。何より、映画愛を描いた作品にはどうしても点が甘くなってしまう。これが映画好きの泣き所だ。
【60点】
(原題「SON OF RAMBOW」)
(イギリス・フランス/ガース・ジェニングス監督/ビル・ミルナー、ウィル・ポールター、エド・ウェストウィック、他)
(ハートウォーミング度:★★★★☆)

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