映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ワンダーウーマン」「エル」「関ケ原」「ボブという名の猫」etc.

エイミー・アダムス

メッセージ

Arrival [BD/Digital HD Combo ] [Blu-ray]
突如、地球上の各地に謎の巨大球体型飛行物体が現れる。彼らがどこから来たのか、目的は何なのか、何もかもが不明だった。言語学者のルイーズは、彼らの言語を解読し、その意図を探るように軍から要請される。黒い煙状の表意文字を解読するうちに、ルイーズは、彼らが人類とはまったく異なる時間の観念を持っていることに気付く。物理学者のイアンと共に、彼らと友好的に交信しようとするルイーズだが、各国は彼らを敵とみなし攻撃の準備を始める。ルイーズは、地球を救い、彼女自身の思いを伝えるため、思い切った行動に出るが…。

未知なる飛行物体のメッセージを読み解くことで、人間の存在意義を問う異色SF「メッセージ」。原作は、テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」だ。人間に対して友好的にせよ、攻撃的にせよ、人類が宇宙人と遭遇するSF映画は、過去にも多く作られた。だが本作は、ビジュアル、ストーリー、観念的かつ崇高な志という点で、今までのどの映画ともテイストが異なる。言語学者のルイーズは、幼い娘ハンナを病で失ってから深い喪失感の中にいる。そんなルイーズの母性にも似た寛容が、未知のエイリアンに対し、根気強くコンタクトを求め、攻撃ではなく別の可能性を見出すという設定は非常に興味深い。この物語の主人公がヒーローではなく、ヒロインであることに大きな意味があるのだ。縦型のアーモンドのような宇宙船の造形や、7本脚(ヘプタポッド)のエイリアンのビジュアルは独創的で、黒い煙状のサークル型の表意文字は、美しいアートのようである。ルイーズが感じ取る、時間を逆行するような感覚と、やがて知る驚きの真実は、少々複雑で分かりにくいのだが、悲しみの中でも彼女が生きてきた意味が解明され、深い感動を味わえるだろう。ルイーズは人生や宇宙、時間という概念の真実を知り、混乱しながらも、未知なるものを受け入れ、愛することを止めないと決意する。このことが、本作を、宇宙人との遭遇という平凡なSF映画から、深淵な人間ドラマへと昇華していった。派手なバトルやヒロイックな戦闘などは登場しない。だが、各国が一触即発の非常事態に陥る愚かさと、パーソナルな悲しみや迷い、それでも保ち続ける理性と愛をも描くことで、現実を巧みに照射している。エイミー・アダムスをはじめ、実力派俳優たちの丁寧な演技が、深い人間ドラマを紡ぎ、生きることの意味を問う壮大な物語を作り上げた。またしても俊英ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の才能に驚かされた1本だった。
【85点】
(原題「ARRIVAL」)
(アメリカ/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督/エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー、他)
(独創的度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
メッセージ|映画情報のぴあ映画生活

ビッグ・アイズ

Big Eyes
米国美術界を騒がせたゴーストペインターの実話「ビッグ・アイズ」。アダムスとヴァルツ、バートン組初参加の俳優の上手さが光っている。

1950年代から60年代にかけて、大きくて悲しげな瞳の子供を描いた絵“ビッグ・アイズ”シリーズは世界中で大ブームを巻き起こした。ハリウッド・セレブにも愛されたこれらの絵の作者のウォルター・キーンは、一躍ポップ・アートの寵児になるが、実は絵の作者は内気な性格の妻マーガレット。ウォルターの言うままに絵を描き続けるマーガレットだったが、自分が唯一感情表現できる“ビッグ・アイズ”を守るため、ついに真実を公表することを決意する…。

ファンタジー世界を得意とするティム・バートン監督が実在の人物を取り上げるのは「エド・ウッド」以来のことだ。しかも今回は監督自身が“ビッグ・アイズ”の大ファンで、存命の画家マーガレットとも知り合いだというから、いつもの毒気は少なく、正攻法の映画となっている。シングルマザーのマーガレットは日曜画家のウォルターと結婚し、2人それぞれの絵を売ろうとするのだがマーガレットの描く独特の“ビッグ・アイズ”が注目される。ウォルターは作者は自分だととっさに偽り、その後も妻に絵を描かせウォルター作として売りまくる。当時は、まだ女性の社会進出が難しかった時代。とはいえ、嘘に嘘を重ねるウォルターの長けた商才や、最初の段階で真実を主張しないマーガレットにも問題があること、さらには美の基準が評論家のひと言でコロコロと変わるあやふやな世相など、あらゆる方向にトラブルの種があったのだ。だが面白いのは、このゴーストペインターの話が、お固い芸術論ではなく、ちょっと歪んだ夫婦論としてブラック・コメディー的な展開を見せることだ。夫に支配される男運が悪い妻、口八丁で嘘を重ねやがては誇大妄想となる夫は、いわば共犯関係にありながら対立していき、ついに裁判にまでもつれこむ。その裁判の様子ときたら、爆笑ものだ。繊細な妻を演じるエイミー・アダムスもいいが、卑劣なのにどこか笑える夫を演じたクリストフ・ヴァルツの怪演が見もの。やっぱりこの俳優は上手い。
【70点】
(原題「BIG EYES」)
(アメリカ/ティム・バートン監督/エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、ダニー・ヒューストン、他)
(ブラック・コメディー度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ビッグ・アイズ@ぴあ映画生活

マン・オブ・スティール

マン・オブ・スティール ブルーレイ&DVD(初回限定生産)
DCコミックの人気ヒーロー、スーパーマンの誕生までを描く新たな物語「マン・オブ・スティール」。苦悩するスーパーマンは根暗だがアクションはド派手でスペクタクル。

滅びゆく惑星クリプトン。科学者ジョー・エルは生まれたばかりの息子カル・エルを生かすため、重要なデータを託して地球に送り出す。カル・エルは、ジョナサンとマーサ夫妻のもと、クラークと名付けられて幸せに暮らすが、幼い頃より自分の特殊な力について悩みを抱えていた。やがてクリプトン星の生き残りのゾッド将軍と対峙し、自分の出自を知ることに。地球を守るという自らの使命に気付くのだが…。

誰もが知るアメコミのヒーロー、スーパーマン。だがヒーローの誕生秘話と、彼がどうやって運命を受け入れるかの葛藤は、初めて見る。スーパーマンの故郷クリプトン星や、地球にたどり着いたプロセスをはっきりと映像で示したのも初めてだ。初めては他にもある。何度も映画化されてきたスーパーマンだが歴代の中で初めて英国人俳優が演じるのだ。ヘンリー・カヴィルは少々地味めだが、脇をラッセル・クロウやケビン・コスナー、エイミー・アダムスら、ハリウッドスターたちががっちり固め、熱いドラマを作り出した。ヒーローとして目覚めるストーリーはそのまま、惑星クリプトンの実父と、異星人と知りながらクラークを大きな愛で育てた地球の育ての父という、2人の父親の愛を受け止める息子の成長物語。ハリウッドが伝統的に得意とする父子ものとしてテッパンの作りなのである。確かにウジウジと悩むスーパーマンに、往年の快活さはまるでない。どこかノーテンキな原色にSの文字のコスチュームも、ダークなスーツに様変わりしている。だがこの根暗なヒーローが演じる戦いときたら、今まで見たことがないくらいスーパーハイパーなアクションなのだ。このギャップはなかなかいい。何しろ監督は映像派のザック・スナイダーである。常識の枠を超えたスピードで都市上空を縦横無尽に飛翔しながら繰り広げる空中戦は、劇場の大画面で見るにふさわしい空前絶後のバトルだ。本物の強さをまとう“マン・オブ・スティール(鋼の男)”となる瞬間を描く本作は、3部作構想の第1部。序章からこんなハイテンションで大丈夫なのか?と心配になるほどだが、ヒーローの戦いはこれからが本番。期待は高まる。
【65点】
(原題「MAN OF STEEL」)
(アメリカ/ザック・スナイダー監督/ヘンリー・カヴィル、エイミー・アダムス、ラッセル・クロウ、他)
(スピード感度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

マン・オブ・スティール@ぴあ映画生活

映画レビュー「人生の特等席」

人生の特等席 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]人生の特等席 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray] [Blu-ray]
◆プチレビュー◆
頑固な父と不器用な娘の和解を描く「人生の特等席」。ストーリーは平凡だが、イーストウッドの存在感で魅せる映画。 【75点】

 メジャーリーグの伝説的スカウトマンのガスは、最近は、年齢による衰えを隠しきれない。フロント側は彼を引退させようとし、ガスは苦しい立場に追い込まれる。そんなガスに手を差し伸べたのは疎遠な関係の娘ミッキーだった…。

 イーストウッドは渾身作「グラン・トリノ」で実質的な俳優引退宣言をしたが、彼が“唯一の弟子”と認めるロバート・ロレンツが監督デビューするとあっては出演しないわけにはいかない。役柄は老いたスカウトマン。キャリアの終焉と父娘の関係修復を2つの軸に、再生のドラマが端正な筆致で語られる。

 主人公ガスは己の目と耳で才能ある新人を嗅ぎ分ける力があり、スカウトした選手が不調になれば、彼の家族を呼び寄せ心を落ち着かせるという“情”に寄ったオールドスタイルの人間だ。そんな男には、必ず味方がいる。

 ガスの味方とは、長年の友で、スカウト主任のピートであり、ガスに見出された元投手で、今はライバルチームのスカウトをしている青年ジョニーだ。何より、敏腕弁護士ながら、父と同じ野球愛というDNAを持つ娘のミッキーが誰よりも強い味方となるのは、予想通りである。

 無論、疎遠だった父娘の関係にも変化が。父が娘と距離を置いたその理由を聞けば、ガスが誰よりもミッキーを愛していることが分かる。「おまえに苦労させたくなかった、こんな三等席の人生で」とつぶやく父に、ミッキーはきっぱりと言うのだ。「三等席じゃない。目覚めるといつもパパの野球を見て…。人生の特等席だった」。心はちゃんとつながっていたのだ。

 ベテランの底力と親子の和解。手垢のついた物語なのだが、ウェルメイドな安心感がある。その最大の理由は、しわだらけの顔にしゃがれた声の老優イーストウッドの魅力につきる。この映画のイーストウッドは渋い。冒頭からおしっこが出ず、ブツブツと文句を言い、視力が衰え、パソコンも使わない(使えない)にも係わらず、渋い。酒場で娘にからんだ男をぶっ飛ばす時の鋭い表情は、誰にもマネできないだろう。

 データ野球で新時代の扉を開いた「マネーボール」とは真逆のこの物語は、出来すぎなほどハッピーな結末を迎える。意外性はないし、この厳しい時代に、それでは甘いという意見もあろう。だが、それでいいじゃないか。“君は僕の輝く太陽。僕を幸せにしてくれる”。劇中に登場する名曲「ユー・アー・マイ・サンシャイン」の最も有名な一節だが、この曲の歌詞はフルバージョンで聞くとなかなか切ない。酸いも甘いも知りつくした老スカウトマンのラストには、球場を見渡せる特等席からの穏やかな陽射しがふさわしい。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)安心感度:★★★★★

□2012年 アメリカ映画 □原題「Trouble with The Curve」
□監督:ロバート・ロレンツ
□出演:クリント・イーストウッド、エイミー・アダムス、ジャスティン・ティンバーレイク、他
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!



人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

人生の特等席@ぴあ映画生活

ザ・マペッツ

ザ・マペッツ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]ザ・マペッツ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
クチコミを見る
マペット(操り人形)と人間が共存する世界を描くミュージカル・コメディ「ザ・マペッツ」。人形たちの表情が実に豊か。

田舎町スモールタウンに住む、人間のゲイリーとマペットのウォルターは、兄弟同然に育った大の仲良し。ウォルターはマペット・ショーの大ファンで、ゲイリーとその恋人メアリーのLA旅行に誘われ、大喜びでマペット・スタジオを訪ねる。だが、そこはすっかりさびれ廃墟のようで、さらに邪悪な石油王が陰謀を企ていた。ウォルターたちは、引退して静かに暮らすマペットのカリスマ、かえるのカーミットを探し出し、もう一度“ザ・マペッツ”を再結成して、石油王の陰謀からマペット・ショーの殿堂を守ろうと呼びかける…。

マペットとは、マリオネット(操り人形)とパペット(指人形)の合成語。「マペット・ショー」はアメリカでは50年代に原型が登場し、1976年にバラエティ・ショー形式の「マペット・ショー」として人気を博した。著名な俳優やミュージシャンなどのゲストが話題の人気番組は、日本でも81年にTV放送されていた。往年のマペット・ショーが、主人公のウォルターによって復活するストーリーは、元気をなくしたショービジネスの復活という物語と現実が合致する。人間とマペットが当たり前のように共存するというそもそもアリエナイ世界を背景に、カラフルでポップ、歌って踊る楽しいアトラクション・ムービーの形をとるが、ウォルターがカーミットと共に、かつての仲間を訪ね歩くプロセスはなかなかアイロニカルだ。企業の社長になったゴンゾ、ヴォーグ誌の編集長としてパリで暮らすミス・ピギーは成功者だが、場末の舞台に立つフォジーや精神を病むアニマルなど、単純ではない人生を歩むものも。生き馬の目を抜く米国TV界の実情も盛り込みながら、ザ・マペッツ再結成は、カーミットとミス・ピギーのロマンスもからめて大興奮のクライマックスへとなだれ込む。かつてのショーが豪華ゲストを売りにしていただけあり、本作でもジャック・ブラックやウーピー・ゴールドヴァーグ、セレーナ・ゴメスなどがカメオ出演。だが何といっても悪役を楽しげに演じる渋い名優クリス・クーパーが、ラップまで披露する姿に、珍しいものを見せてもらったというお得感を感じてしまう。アカデミー賞主題歌賞を受賞した「マン・オア・マペット」は、人間とマペットの兄弟が、自分は人間なのかマペットなのかと真剣に悩んで歌う名曲。じっくりと味わいたい。
【55点】
(原題「THE MUPPETS」)
(アメリカ/ジェームズ・ボビン監督/ジェイソン・シーゲル、エイミー・アダムス、クリス・クーパー、他)
(豪華ゲスト度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)
ザ・マペッツ@ぴあ映画生活

ジュリー&ジュリア

ジュリー&ジュリア [DVD]ジュリー&ジュリア [DVD]
料理は食べるため。食べるのは生きるため。だが、料理とは、栄養補給や空腹を満たす以上に、生きる喜びに通じる行為ではなかろうか。映画は伝説の料理研究家と現代を悩みながら生きる女性の人生をクロスさせるという巧みな手法を取る。1949年、ジュリア・チャイルドは外交官の夫の赴任先パリで、仏料理の素晴らしさに目覚め、友人たちと料理本を出版する。その50年後の現代、作家になる夢をあきらめ、冴えない毎日を送る料理好きのジュリーは、憧れていたジュリア・チャイルドの本にある524のレシピすべてを1年で作ると宣言、ブログにつづることを思いつく。悪戦苦闘の日々の中、やがて彼女のブログは大評判になるが…。

アメリカの食文化に革命をもたらしたと言われるジュリア・チャイルドは、見た目も中身も規格外だ。185cmの大柄な体とかん高い声、さらに超が付くほどポジティヴで大らかな彼女が作る料理は、本格的ながら親しみやすい。パリの名門料理学校での頑張りや夫の転勤による失意、本を出すまでのトラブルなど、彼女がこなす問題は並大抵ではないのに、おばさん版“不思議ちゃん”のジュリアにかかると苦労も笑い話のようである。メリル・ストリープがもっさりとした動きと素っ頓狂な高音の声で、本物そっくりに演じてさすがの貫禄だ。やっぱりこの人は上手い。一方、現代のジュリーは、ごくごく普通の一般人。今の自分に漠然とした不満があるが、何から手をつけていいのか分からないという悩みは、まるで今の自分のよう…と自己投影する女性が多いだろう。ストリープが個性豊かな名演技とすれば、ジュリーを演じるエイミー・アダムスの良さは自然体。二人の対比が効いている。

まず自分に出来ることから始めてみる。ジュリーの場合それは料理だ。ブログにまるで反応がないのでヘコんでしまう姿や、書き込みに一喜一憂する様は、多くのブロガーの共感を呼ぶだろう。ネットで自分を表現するのがいかにも現代的だが、このメディアは誰でも手軽な半面、手応えがつかみにくい。パソコンの向こう側の見えない読者ばかり気にするあまり、いつも自分を理解して支えてくれた夫と衝突してしまった時、ジュリーは料理の本当の意味を知る。どんなに美しく豪華なご馳走も、愛する人のために作る喜びと、その人の「おいしい」の一言を聞く至福にはかなわないのだ。牛肉の赤ワイン煮込みやチョコレート・パイ。スクリーンに登場する料理は、どれも美味しそうでうっとりする。だが、打ち込めることを探して試行錯誤し頑張るヒロインたちは、もっと素敵だ。ジュリアの決めゼリフ「ボナペティ!」とは「どうぞ、召し上がれ」という意味のフランス語。この映画の温かくて美味しい“味”を、ぜひ確かめてほしい。
【75点】
(原題「Julie & Julia」)
(アメリカ/ノーラ・エフロン監督/メリル・ストリープ、エイミー・アダムス、スタンリー・トゥーチ、他)
(グルメ度:★★★★☆)


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!


人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ジュリー&ジュリア@ぴあ映画生活

ナイト ミュージアム2

ナイト ミュージアム2 (特別編) [DVD]ナイト ミュージアム2 (特別編) [DVD]
真夜中の博物館で展示物が動きだすという奇想天外なファンタジーの続編は、世界最大の展示数を誇るスミソニアン博物館が舞台。元警備員のラリーは、NYの自然史博物館の展示物たちのピンチを知る。加えて、魔法の石版が、世界征服を企むエジプトのファラオの手に渡る危険も。ラリーは助けを求める展示物たちと共に、またしても大冒険を繰り広げる。

ナポレオンやイワン雷帝、アル・カポネら暴君チームが悪役に、活発な女性飛行家アメリアがヒロインに、さらに巨大イカまで登場。飛行機やロケットが動き出すシーンはスリル満点だ。ラリーにとって展示物が動くのは、もはやデフォルト。復活してリキむファラオを軽く受け流すところから笑わせる。今回イイ味を出しているのは、絵画を使って逃げ道を工夫するアイデアと、意外なほどフットワークが軽いリンカーン大統領のキャラだ。もちろんルーズベルト大統領も前作同様、いや、ちょっぴり違った姿で登場し、笑わせてくれる。何より、スミソニアン博物館の多彩な展示物に目を見張った。個人的には、通常サイズのくせにド迫力のリスが大いに気に入っている。すべてがパワーアップした本作、大人も子供もワクワクしながら楽しんでほしい。
【65点】
(原題「NIGHT AT THE MUSEUM: BATTLE OF THE SMITHSONIAN」)
(アメリカ/ショーン・レヴィ監督/ベン・スティラー、ロビン・ウィリアムズ、エイミー・アダムス、他)
(ファミリー映画度:★★★★★)

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

映画レビュー「サンシャイン・クリーニング」

サンシャイン・クリーニング [DVD]サンシャイン・クリーニング [DVD]
◆プチレビュー◆
作り手のまなざしがあたたかい「サンシャイン・クリーニング」はヒューマン・ドラマの佳作。欠点だらけの家族を応援したくなる。 【70点】

 シングルマザーの姉ローズとフリーターの妹ノラは、生活を立て直そうと、ワケありの清掃業を始める。犯罪や事件の現場をクリーニングするその特殊な仕事に、最初はとまどいながらも何とか慣れていく二人だったが…。

 負け組。イヤな言葉だが、この物語の主人公・ローズを端的に表すには最もふさわしい。ハイスクール時代は学園のアイドルだった彼女だが、30歳を超えた今では、他人の家の掃除専門の仕事をしながら一人息子を育てるシングルマザー。かつての恋人とはズルズルと不倫関係を続けている。高校時代の栄光からはほど遠い日々だ。父親は一攫千金を狙っておかしな商売に手を出すし、妹はキレやすくバイトさえ続かない。幼い息子は問題児扱いされて小学校を退校に。こんながけっぷち人間を、負け組と呼ばずして何と呼ぼう。

 だが、お天道様はローズを見捨てはしなかった。高額のギャラが稼げる事件現場の清掃は、いわゆる隙間産業。この奇妙な仕事が人生の転機となる。まるっきり素人の姉妹は、血と異臭漂う現場で仕事のノウハウを覚え、少しずつ変化していく。ヤバそうな商売だが物語に犯罪の香りはない。その代わり、常に寄り添う死の気配は、姉妹のトラウマである亡き母の記憶を呼び覚ますことに。そんな時、ノラが不注意から依頼先の家を全焼させる。トラブルばかり起こす妹にローズの怒りは爆発。ノラの不満も噴出し姉妹はケンカ別れしてしまう。

 またしても行き詰るかに見えたが、この大喧嘩こそが二人に必要なカンフル剤だった。結婚も仕事も成功したかつてのクラスメイトへのローズの見栄と、自殺した母の記憶から他人との関係に臆病なノラの意地。どちらも褒められたものではないが、映画はこんな二人を責めたりしない。それどころか、本音でぶつかりあった後、姉妹が歩み寄り絆を深めていく展開は、作り手が、不器用な彼女たちに「君は一人じゃないんだよ」と励ましているかのよう。特に、ツイてない人生で心が頑なになっていたローズが、車の無線で亡き母へと語りかけるシーンは、長年のわだかまりが夜空に溶けていくようで心に残る。

 ただ、脚本にはほころびも。まず姉妹を助ける掃除道具屋が片腕という設定が物語にほとんと活きてない。特殊な外見ではなく、冴えない男の優しさがあれば十分なのに。ノラが、遺品を渡すために近付いた女性リンと分かりあえなかったのも気になるところ。それでも、清掃の仕事と、母親の死という心の染みを“クリーニングする”二重の浄化に免じて不満はきれいに洗い流そう。

 この映画の手触りは、厳しい現実と戦いながら懸命に生きる人間を明るく描いた名匠フランク・キャプラを思わせる。アメリカ映画は、キャプラスク(キャプラ特有の楽観的ヒューマニズム)を現代風にアレンジし、ちゃんと受け継いでいるのだ。サンシャイン・クリーニングとは、ローズが始めた清掃会社の名前。いろいろあったけど、見上げれば今日も太陽は輝いている。サンシャインという言葉には日光、日差しの他に「幸せの源」という意味があるのだそう。ローズとノラの人生にも温かなお日様が照り始めた。さぁ、しまっていこう。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)ほろ苦度:★★★★☆

□2008年 アメリカ映画 原題「Sunshine Cleaning」
□監督:クリスティン・ジェフズ
□出演:エイミー・アダムス、エミリー・ブラント、アラン・アーキン、他


にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!


映画レビュー用BRバナー
←応援ポチ、よろしくお願いします!


サンシャイン・クリーニング@ぴあ映画生活

【送料無料】サンシャイン・クリーニング

【送料無料】サンシャイン・クリーニング
価格:3,591円(税込、送料別)

魔法にかけられて

魔法にかけられて 2-Disc・スペシャル・エディション [DVD]魔法にかけられて 2-Disc・スペシャル・エディション [DVD]
アニメの世界と現代のNYのカルチャー・ギャップ。このアイデアだけで勝ったも同然だ。ジゼル姫は王子様に出会ったのに、魔女の呪いでNYへフッ飛ばされる。厳しい大都会で浮きまくる様子が笑えるが、リスのピップの熱演が何より気に入った。後半は大スペクタクルも。ジゼルの勇気ある行動が現代的で共感を呼ぶ。ディズニーのセルフ・パロディだが、過去作品へのオマージュで品格も保たれている。NYからアニメへの逆バージョンも見たい。
【70点】
(原題「ENCHANTED」)
(アメリカ/ケヴィン・リマ監督/エイミー・アダムス、パトリック・デンプシー、スーザン・サランドン、他)
(天然キャラ度:★★★★★)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり運営中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください。相互リンクも募集中!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
相互リンクについて
相互リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ