映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週の気になる映画 ◎
「ジャスティス・リーグ」「火花」「ギフテッド」「光」etc.

エドガー・ライト

ベイビー・ドライバー

Baby Driver (Music From The Motion Picture)
幼い時の事故の後遺症で、耳鳴りが激しい“ベイビー”は、完璧なプレイリストをセットしたiPodで音楽を聴くことで、なぜか驚異のドライビングテクニックを発揮する青年。犯罪組織から逃がし屋の仕事を請け負っているベイビーだったが、偶然出会ったデボラと運命的な恋に落ち、裏社会から足を洗うことを決意する。だがベイビーが組織から抜けることを許さないボスにデボラの存在を知られ、脅迫されたあげく危険な仕事を請け負うことになる…。

若き天才ドライバーの恋と活躍を描く犯罪アクション「ベイビー・ドライバー」。音楽を聴くと天才的なドライバーになるという現象の学術的根拠はさておき、今、映画好き、音楽好きの両方から大注目のエドガー・ライト監督の新作である本作は、実に楽しい快作だ。物語は単純で、裏稼業に身を置く青年が恋人のために“最後の仕事”を請け負うという、ありがちなもの。ボーイ・ミーツ・ガールもカーアクションも珍しいわけではないが、ベイビーという役名がぴったりのアンセル・エルゴートとリリー・ジェームズの好演と、劇中の音楽が誰もが知るヒットナンバーを使う“ジュークボックス・ミュージカル”風なので、いつしか観客は気持ちよくノセられてしまう。音楽センスには定評があるライト監督なので、選曲も物語に沿った的確なもので、実にノリがいい。

主人公の脇を、ケヴィン・スペイシーやジェイミー・フォックスら、オスカー俳優が、怪演に近いサポートでがっちり固めるという妙な豪華さも見逃せない。特にフォックス演じる犯罪者のイカレっぷり(と、その末路)は必見だ。ロマンティックでハートウォーミングなエピソードが随所に登場するので、ご都合主義な展開にも素直にうなずける。カーチェイス版「ラ・ラ・ランド」との評判だが、むしろ、iPod風味の「トゥルー・ロマンス」と評したい。コ難しいドラマやド派手なアメコミ映画に疲れたら、こんな楽しい作品で一息入れよう。サントラもおすすめだ。
【70点】
(原題「BABY DRIVER」)
(アメリカ/エドガー・ライト監督/アンセル・エルゴート、リリー・ジェームズ、ケヴィン・スペイシー、他)
(ロマンティック度:★★★★★)
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ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!

ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う! [DVD]
大人になり切れない中年男がパブのはしごから世界を救う偉業に挑む「ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う!」。後半のSF的展開に唖然。

ゲイリーは、学生時代に成し遂げられなかった“一晩に5人で12軒のハシゴ酒”にリベンジするため、当時の仲間のアンディらに招集をかける。故郷であるイギリス郊外の街ニュートン・ヘイヴンに舞い戻った彼らは、ひたすら飲みまくり騒ぎまくっていた。だが彼らは街の人々の様子がおかしいことに気付く。目を光らせ青い血を流す人々は、実は何者かによって操られていたのだ。ゲイリーらは12軒目のパブ“ワールズ・エンド(世界の終り)”を目指しつつ、自由のため、世界を救うため、トンデモない戦いに巻き込まれていく…。

エドガー・ライト監督は「ショーン・オブ・ザ・デッド」「ホット・ファズ」と続き、本作で、ダメ男の成長という三部作を完結させた。アラフォー男たちの目標が、パブ・クロール(パブのハシゴ飲み)というところが何とも脱力だが、物語はそう単純ではない。パブが昔の風情を失くしチェーン店になっているのは、安易な資本主義経済とグローバル化への警鐘だし、後半の激しい飛躍のSF的展開は、ほとんどインベージョン映画だ。映画ファンなら「光る眼」「ボディ・スナッチャー」あたりを連想するのはたやすい。その根底には、自分で考えることを放棄した現代人の中で、たとえ社会的には負け犬でも退屈な人生よりはマシという精一杯の大人の反抗を肯定する気概が垣間見える。こう書くとなんだか真面目な内容に聞こえてしまうが、あくまでも本作は“酔っぱらって楽しむ”レベルであることは承知しておいてほしい。それでも、バカバカしくもアブノーマルな世界で戦う酔っ払いたちがカッコよく見えるから不思議だ。一応、ミステリーなので、ネタバレは避けるが、後半にはビッグ・ネームも登場。オタクネタやUKロックも満載で、なかなかサービス満点だ。エドガー・ライト、サイモン・ペッグ、ニック・フロストの3バカ(という名の才人)トリオの得意とするダメ人間応援歌である本作は、働く大人たちのおとぎ話なのだ。
【65点】
(原題「THE WORLD'S END」)
(イギリス/エドガー・ライト監督/サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、他)
(大人の反抗期度:★★★★☆)
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スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 The Ultimate Japan Version [Blu-ray]スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 The Ultimate Japan Version [Blu-ray]
タイトルもヘンだが中身はもっとヘンテコ。だがその徹底したデタラメさと一方的なラブ至上主義のブレンド具合がたまらなく可笑しい。見るからに軟弱なマイケル・セラがハマリ役だ。

カナダに住むスコット・ピルグリムは22歳の青年。アマチュアバンドでベースを弾き、友人やガールフレンドとゲームやデートをしてお気楽に暮らしている。だが、ある時運命の女性ラモーナに出会い恋をしたことから生活が一変。なんと、ラモーナと付き合うためには、彼女の邪悪な元カレ7人を倒さなければならないというのだ。かくしてスコットは大好きなラモーナのため、次々に現れる元カレと対決することになる…。

元カレ(女性を含む)は唐突に登場し、唐突なアクションを披露し、無駄に熱いバトルをスコットに要求する。これだけでもあっけにとられるが、一見ひ弱なスコットが、ラモーナの愛を勝ち取りたいという100パーセント個人的な理由で敵を次々に倒していくゲーム仕立ての展開はもうムチャクチャで、この映画はある種のファンタジーなのではなかろうかとの思いさえよぎる。格闘の非現実とリアル・ライフのショボい現実が錯綜するうちに、平気で二股をかけているくせに、ラモーナへの愛は誰よりも一途という矛盾など、どうでもよくなってくるのだ。原作はブライアン・リー・オマリーの人気コミック。傑作ゾンビ・パロディー「ショーン・オブ・ザ・デッド」や爆笑刑事アクション「ホット・ファズ」で映画愛とブラックな笑いをミックスしてみせたオタク監督エドガー・ライトならではのセンスが活きている。こんなポップな仕上がりのラブ・バトルは、常識の枠から離脱して初めて楽しめるというものだ。格闘ゲームやコミックの主戦場が日本というだけあって、元カレの一人“カタヤナギ・ツインズ”として斉藤祥太、斉藤慶太兄弟が、また音楽でコーネリアス(小山田圭吾)が参加するなど、日本への目配せも効いていて、いつしかこの新感覚の青春純愛映画に好感を持ってしまった。
【70点】
(原題「SCOTT PILGRIM VS. THE WORLD」)
(アメリカ/エドガー・ライト監督/マイケル・セラ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、キーラン・カルキン、他)
(純愛度:★★★★☆)
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団@ぴあ映画生活

映画レビュー「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」

ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~ホット・ファズ~俺たちスーパーポリスメン!~
◆プチレビュー◆
パロディ満載でおくる英国発の田園アクション・コメディ。エッジが効いたギャグが楽しめる。 【70点】

 ロンドンのエリート警察官エンジェルは優秀すぎて署内で疎まれアッサリと地方に左遷。のどかな郊外の村サンドフォードで浮きまくるエンジェルだったが、謎の殺人事件が起こり、一見平和な村の意外な姿が明らかになる…。

 映画好きのクリエーターというのは、一度は、自己チュー全開の作品を作るもの。そんな映画を見るときは、作った側の映画愛にふさわしく、とことん楽しむのが正しいお作法だ。“ホット・ファズ”とは、サツ、デカという警察官を指す言葉。俗語だが、ちょっとカッコいいニュアンスを感じておきたい。

 パロディのベースにある映画は「ハート・ブルー」と「バッド・ボーイズ2バッド」の2本。どちらも「この映画が好き!」と公言するのがちょっぴり恥ずかしいところがミソだ。エンジェルは犯罪とは無縁な村の警察署内で、署長の息子でトロいダニーと相棒を組まされる。警察映画マニアのダニーは、優秀なエンジェルの相棒になって無邪気にはしゃぐが、堅物のエンジェルの方も、どこか憎めないダニーに感化されて人間味を増していくから微笑ましい。

 徐々に打ち解けていく二人は毎日仕事に励んでいるが、事件といえば、白鳥が逃げたことくらい。平和すぎて村の住人の感覚が麻痺したのか、次々に起こる殺人事件を、誰も殺人とは思わない。「あれはただの“事故”だよ」。脳天気な署員たちに逆にノイローゼ気味になるエンジェルが気の毒だ。もしや自分は正気を失ってしまったのか?!「やっぱり何かおかしい…」と彼がつぶやいたとき、穏やかな村の真実の姿が見え始める。それからは、この映画の怒涛の七変化のスタートだ。ミステリー、ホラー、バイオレンス、ポリスアクション、マカロニウェスタンと何でもござれ。もちろん爆笑バディ・ムービーとしてもイケている。ラストには、日本の怪獣映画への愛まで感じた。

 黒のサングラスに防弾チョッキ、口には粋に爪楊枝を加え、ショットガンを手にキメたエンジェルは、まさに“トゥー・バッド”。得がたい相棒に成長したダニーと共に、笑撃の…いや衝撃の死闘を繰り広げる様は、もはや無法地帯だ。村中に飛び散る血しぶきは、結果的に、共同体を支配する旧体制を破壊する序曲となる。ジム・ブロードベントやティモシー・ダルトンなど、英国の渋い名優たちのブチ切れ演技も、むやみな贅沢でシビレてしまう。

 アメリカに対する憧れと軽蔑。これこそがヨーロッパの精神風土のキモなのだ。ハリウッドの刑事アクションものを偏愛しているくせに、それを笑い種にするイギリス特有の皮肉もいい。オタク魂を炸裂させつつ、巧みな語り口で映画ファンの心をくすぐってみせる。エドガー・ライトという監督、久しぶりに出会えた愉快な才能だ。彼の繰り出す笑いに共鳴した人は、立派な“映画バカ”である証。のどかさと残虐さ。バカバカしさと面白さ。二律背反が快感すぎて心が引き裂かれそうな私も、やっぱり映画バカである。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)オマージュ度:★★★★★

□2007年 イギリス映画 原題「HOT FUZZ」
□監督:エドガー・ライト
□出演:サイモン・ペック、ニック・フロスト、ティモシー・ダルトン、他

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◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
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