映画通信シネマッシモ


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

エドワード・ズウィック

ジャック・リーチャー NEVER GO BACK

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元米軍の優秀な秘密捜査官だったジャック・リーチャーは、今は街から街へとあてもなく放浪を続ける生活を送っている。ある日、リーチャーは、かつて所属していた陸軍内部調査部のターナー少佐が、身に覚えのない罪をきせられ逮捕されたことを知る。彼女を救い出して共に事態の真相を追ううちに、軍内部の不穏な動きをつかむが…。

リー・チャイルドの小説を実写化したアクション「アウトロー」の続編「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」。主人公のジャック・リーチャーは、基本的に一匹狼で、腕っぷしが強く、一級の情報収集と捜査能力はあるものの、協調性があるとは言えないタイプ。目指すものは正義のみでルールは問わない。そんなリーチャーだが、本作ではなんと女性の相棒ができる。しかも二人も!デートに誘おうと会いに行った自分の後任者のターナーは無実の罪で投獄されていて、脱獄させたはいいが共にお尋ね者の身となる。この逃避行に、過去に関係した女性が生んだ娘らしき少女が加わって、父・母・娘の疑似家族の形態をとりながら、真相を究明していくのだ。クールでハードボイルドなはずのリーチャーが、時にまごまごし翻弄される姿は、ちょっと新鮮である。とはいえ、そこはやっぱり“最後の大スター”のクルーズなので、しっかりとヒーローものの枠に収まっている。前作同様、70年代を思わせるアナログ感覚たっぷりのアクション映画だが、製作も兼ねるクルーズは、より人間らしい姿をスクリーンにさらしている。「ミッション・インポッシブル」のイーサン・ハントのような華麗さは、ジャック・リーチャーにはない。年齢を重ねたリーチャーは、顔はむくみがちでシワもある。着ている服もくたびれているし、安いモーテルに泊まって作戦を練る。最先端の武器ではなく、素手での殴り合いで決着をつけるところは、素朴ですらある。これは、イケメンの俺様スターとしての限界をクルーズ自身が自覚して、人間臭さの魅力で勝負しようとしている証拠だ。軍の陰謀だけでなく、もしかすると恋、もしかしたら家族…という“サスペンス”に、安定した落とし前がつくところも心地よい。敵役の好演もあって、飽きずに見ることができる。
【65点】
(原題「JACK REACHER: NEVER GO BACK」)
(アメリカ/エドワード・ズウィック監督/トム・クルーズ、コビー・スマルダース、ダニカ・ヤロシュ、他)
(アナログ度:★★★★☆)
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完全なるチェックメイト

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1972年、アイスランドの首都レイキャビクで開催されたチェスの世界王者決定戦で、アメリカの若き天才ボビー・フィッシャーと、ソ連の最強王者ボリス・スパスキーが対戦する。フィッシャーはIQ187を誇る天才プレイヤーだったが、その言動には奇行が多く、気に入らないことがあると試合を放棄することさえあった。米ソ冷戦の真っただ中に行われたこの対戦は、国家の威信をかけた両国の代理戦争でもあったことから、世界中の注目が集まる。対局1局目はスパスキーが完勝。フィッシャーは2局に現れず、その後の対局は、フィッシャーは絶対不利と見られたが、極限状態の中で彼は信じられないような戦略をうちたてる…。

変わり者の天才チェスプレイヤー、ボビー・フィッシャーの実話を描く「完全なるチェックメイト」。フィッシャーのことは映画「ボビー・フィッシャーを探して」でも描かれたが、かつて日本でも暮らしていた経緯があり、チェス界から忽然と姿を消すなど、彼の存在そのものが伝説と化している。天才というより神経衰弱と呼びたいフィッシャーは、エゴイストで誇大妄想、自信家でエキセントリックという常識の枠から離脱した人物だ。究極の対戦となると、当然それに拍車がかかる。奇人フィッシャーVS威厳ある王者スパスキーという構図だが、実はスパスキーにも静かな狂気が。つまりチェスというのは、頭脳戦であり、心理戦でもあり、プレイヤーの人格を破壊しかねない“戦争”なのだ。しかも本作で描かれる対戦は、米ソの代理戦争という政治戦という意味まであって、これでは天才じゃなくても、神経が持たない。フィッシャーを演じるマグワイヤの怪演、スパスキー役のシュレイバーの威厳と、役者陣はみな熱演。エドワード・ズウィック監督の演出も緊張感があって素晴らしい。チェスのルールなどはほとんど説明しないし、米ソ代理戦争の政治的演出も極力控えめ。おかげであまりにも個性的なボビー・フィッシャーその人の人物がより際立った。
【70点】
(原題「PAWN SACRIFICE」)
(アメリカ/エドワード・ズウィック監督/トビー・マグワイア、リーヴ・シュレイバー、マイケル・スタールバーグ、他)
(エキセントリック度:★★★★☆)
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完全なるチェックメイト@ぴあ映画生活

ラブ&ドラッグ

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主演二人の見事な脱ぎっぷりが話題の「ラブ&ドラッグ」。コメディタッチの恋愛劇と難病ものがミックスしている。

90年代のピッツバーグ。プレイボーイでノリの良さがとりえのジェイミーは、大手製薬会社のセールスマン。営業先の病院で、若年性パーキンソン病を患うマギーと知り合い、セックスフレンドとして付き合うことに。やがて、ジェイミーの会社がバイアグラを開発し、ジェイミーは爆発的な営業成績を収めてトップセールスマンになる。マギーとの仲は順調に見えたが、彼女の病は次第に悪化していた…。

セックスフレンドからやがて真剣な愛へ。近年、映画で多く取り上げられる恋愛の形だが、本作は一味違う。物語の多くはエロティックなシーンだし、破天荒なラブ・コメに見えるが、女性は難病、しかも実話なのだ。「ブロークバック・マウンテン」で夫婦役を演じた、アン・ハサウェイとジェイク・ギレンホールが甲乙つけがたい脱ぎっぷりを披露しているが、明るい魅力のハサウェイのおかげか、下品にはならず、どこかコケティッシュ。病気という設定を除けば、本当は好きなのに意地っ張りの恋人同士のかけあいにも思えるほどだ。パーキンソン病といえば、俳優のマイケル・J・フォックスが患った難病。治療には、患者本人も家族も大変な犠牲を強いる病だ。劇中に、マギーを本気で好きになったジェイミーが、患者の会で「今すぐ別れて健康な女性を探せ」と、厳しくも現実的なアドバイスを受けるシーンが、実に重い。どんなに好きでも、彼女はやがて“マギーではなくなる”が、それでも彼はある決断をすることに。自己犠牲というよりも、自他共に認めるチャラ男だった彼の成長に思えるその行為は、実話ならではの感動がある。「ラスト サムライ」のエドワード・ズウィックが監督というのが意外だし、ラストも都合がいい時点で終わる。だが、難病ものにありがちなお涙ちょうだいを避けて、二人の変化に重心を置いた語り口は悪くない。
【55点】
(原題「Love and Drug」)
(アメリカ/エドワード・ズウィック監督/アン・ハサウェイ、ジェイク・ギレンホール、オリヴァー・プラット、他)
(セクシー度:★★★★☆)
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ラブ&ドラッグ@ぴあ映画生活

ディファイアンス

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第二次大戦中に多くの同胞を救ったユダヤ人兄弟の感動の実話だ。1941年、ナチスによる虐殺を逃れてベラルーシの森に逃げ込んだビエルスキ兄弟を頼って多くのユダヤ人が集まるが、寒さと飢えで極限状態に陥る。共同体のリーダーは、時に非情さが必要。強さと弱さを併せ持つ主人公トゥヴィアを演じるクレイグが素晴らしい。陰鬱な物語の中、三男の結婚式のシーンは、ひと時の美しい夢のようで心に残る。映画の出来は悪くない。ただ、現在のガザ地区でのイスラエルの暴挙を思うと、この物語の中で虐げられるユダヤ人に単純に感情移入できないのは私だけではないだろう。
【70点】
(原題「DEFIANCE」)
(アメリカ/エドワード・ズウィック監督/ダニエル・クレイグ、リーヴ・シュレイバー、ジェイミー・ベル、他)
(複雑な心境度:★★★★☆)

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映画レビュー「ブラッド・ダイヤモンド」

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◆プチレビュー◆
紛争ダイヤをめぐる国際的なからくりがサスペンスフルに描かれる社会派ドラマ。ディカプリオが上手さを見せる。 【80点】

内戦が続く90年代のアフリカ・シエラレオネ共和国。反政府軍RUFによって強制的にダイヤモンド採掘場に連れてこられた漁師のソロモンは、そこで偶然に巨大なピンク・ダイヤモンドを発見する。息子を奪われたソロモン、密売人ダニー、女性ジャーナリストのマディーの3人は、それぞれの思惑でダイヤを追う旅に出ることに。やがて極限状態の中、彼らの内面に変化が現れる…。

ブラッド・ダイヤモンドとは、別名“紛争ダイヤモンド”の意味だ。アフリカで採掘されたその宝石は、反政府軍によって闇ルートを通り、欧米各国に渡った末、高値で取引される。その資金で反政府軍は武器を買うことになるが、欧米諸国は金になれば、政府側にも平気で武器を売る。ダイヤの輝きは美しいが人間によって紛争の資金源という醜いカットを施されるのだ。映画はこのからくりを巧みに見せながら、ダイヤによって、自由、家族、真実を求める3人を軸にして、テンポ良く展開する。

映画を使って社会問題を問いかけるのが目的なら、世界中で映画がヒットすればそれだけ効果は絶大になる。ならば、スターを使ってアクション満載、娯楽たっぷりに見せるのは、非常に賢い方法だ。その役割を担うのが、レオナルド・ディカプリオという大スター。どこかアイドルの香りが抜けないこの童顔俳優は、いつのまにか骨太の名演を見せる役者になっていた。彼が演じるのは、元傭兵にしてダイヤ密売人というダークなキャラだが、劇中で淡々と語る自身の過去は凄惨なもの。複雑で陰があり、それでも希望を求めてもがく男を、ディカプリオが熱演。“レオ様”はいつのまにかこんなに成長なさったのだ!

巨大なピンク・ダイヤの隠し場所へたどり着くまでの命がけの行程は、物語を引っ張る魅力に満ちている。ダイヤによって生じるさまざまな利権と、それに伴う綺麗事ではすまないかけひき。さらに、反政府軍によって洗脳された少年兵の問題も上手く織り込んだ。ピンク・ダイヤははたして3人に何をもたらすのか。ダニーとマディーの恋を成就させるには、あまりにも非人間的な状況だが、そんな中で、終盤、ソロモンがダニーに手を差し伸べる場面が感動的。娯楽作としても社会派ドラマとしても見る価値のある、したたかな1本だ。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)社会派度:★★★★☆

□2006年 アメリカ映画 原題「BLOOD DIAMOND」
□監督:エドワード・ズウィック
□出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、他

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ラストサムライ

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◆プチレビュー◆
T.クルーズは黒髪なので、日本人キャストの中でも浮かなかったのは大きい。ここまで日本を美化されると気恥ずかしい気もするが、日本人俳優の頑張りは誇らしかった。斬られ役の名人・福本清三にも注目。

明治維新間もない日本。軍を近代化するために米国からやってきたネイサン・オールグレンは、政府軍への反逆者とされる武将勝元に捕らえられる。捕虜となったネイサンは、彼らと暮らすうち、礼儀をつくし名誉を重んじる勝元らの静謐な生き方に感銘を受けるようになる。しかし勝元はまさに時代から葬りさられようとしていた…。

思えば今までどれほど多くのニッポン勘違いムービーを見てきただろうか。ゲイシャガール、ヤクザ、チャンバラ、そして顔には常に笑み。きっと今回も…と半分あきらめモードで臨んだが、いい意味で裏切られた。もちろん細かい部分で疑問はあるものの、開国間もない日本という難しい時代を外国人が描くものとしては、十分に合格圏内をキープしていると思う。ハリウッドと天下のトム・クルーズが本気を出しているからには、チャチなものは作らない!ということだ。

この映画が高潔な物語として仕上がっている訳は、根底に作り手の日本文化への好意があるからだ。侍スピリッツという、もはや日本人ですら正確には表現できない精神をアメリカ映画が描くのだから、良い方向に誤解しながら物語を構築するのは仕方がない。大スターT.クルーズのナルシシズムも、興行的には必要だろう。更に、幸か不幸か「七人の侍」という傑作が存在する以上、美化される責任はニッポンにもある。

捕らわれの身になったネイサンが、なぜか流暢な英語を話す勝元と対話をくりかえすうちに、彼とその周囲の人物の武士道精神に感化される。なんのことはない、誘拐や監禁で互いに長く接触するうちに、被害者が犯人に好意や連帯感を持ってしまう典型的なストックホルム症候群だ。だが、ネイサンは勝元の人柄を通り越して、一気に日本の侍魂にまで飛躍してしまう。短期間ですごい学習能力なのだが、勝元が住む村にはアメリカ人が望む美しい日本の理想の姿が確かに凝縮されていた。

問題は、ネイサンのトラウマがインディアン討伐にあるという設定だ。南北戦争の英雄は罪もないインディアンを虐殺した罪悪感から、逃げるように日本にやってくる。そこには同じく滅びていくサムライがいたという図式になるが、この設定が観客に余計な混乱を与えてしまうのは否めない。インディアンと武士道は全く別モノ。同じ滅びゆくものでも、過程や理由は大きく異なる。この映画を滅びの美学と位置づけてしまうのに躊躇するのはこの点なのだ。

長い歴史の中で生まれた武士道は日本人の精神風土にも通じる。何事においてもアメリカは世界一の国というのは万人が認めるところだが、ただひとつアメリカにないものが“歴史”だ。コンプレックスに裏打ちされて生まれたサムライ賛美の物語だが、あら探しではなく、自戒のために鑑賞してこそ日本人には意義があると確信する。日本映画では実現不可能なアクション大作を、ハリウッドが良心的な偏愛を持って作ってくれたのだから。

□2003年 アメリカ映画  原題「THE LAST SAMURAI」
□監督:エドワード・ズウィック
□出演:トム・クルーズ、渡辺謙、ティモシー・スポール、他

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