映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評


【本音で語る新作映画レビュー】
シネマッシモでは、映画レビューはネタバレなしのヒントあり。映画を見る前と見た後と、2度読んで楽しめます。
映画評サイトもこのブログで4代目になりました。すべての映画好きを歓迎します!
(点数は100点が、★は5つが満点)
シネマッシモとは、シネマ(映画)とマッシモ(イタリア語でmax,最大)とを組み合わせた造語。
どうぞゆっくり楽しんでください \(^▽^)/

◎ 今週末の公開映画から オススメの1本! ◎
チリ他合作映画「ナチュラルウーマン」

エミール・ハーシュ

ある愛へと続く旅

ある愛へと続く旅 [DVD]
ボスニア・ヘルツェゴビナの民族紛争を背景にした壮大な愛の旅路を描く「ある愛へと続く旅」。終盤に明かされる衝撃の事実に胸が締め付けられる。

ローマで暮らすジェンマは、サラエボに住む旧友ゴイコからの電話で青春時代をすごしたボスニアの地を、16歳になる息子ピエトロを連れて訪れる。ジェンマの胸に、1980年代にサラエボに留学中に運命的に出会った米国人のカメラマンで、最愛の人ディエゴとの思い出がよぎる。ディエゴとジェンマは結婚するが、子供に恵まれず、代理母を探すが、同時期に内戦が勃発。ジェンマは生まれたばかりの息子を連れてサラエボを脱出するがディエゴはパスポートがなく残って命を落としたのだ。当時の記憶をたどるジェンマは、ゴイコに連れられて訪れた島で、衝撃の事実を知ることになる…。

イタリア映画界を代表する俳優セルジオ・カステリットの3作目の監督作で、前作「赤いアモーレ」同様、監督の妻であるマルガレート・マッツァンティーニの小説が原作だ。同じく前作でタッグを組んだペネロペ・クルスを主演に迎えている。本作は、内戦による悲劇と暴力の悲しい歴史を語るが、それ以上に壮大なラブ・ストーリーとして胸に迫る物語だ。劇中には多くの対比が存在する。ジェンマとディエゴは深く愛し合うが、子供に恵まれない。彼らが渇望するひとつの命と、内戦勃発によって奪われる数えきれない命。サラエボの町もまた、美しく希望にあふれた姿と、無残な砲撃にさらされ血で血を洗うリアルな戦闘の場としての姿を見せる。ディエゴは陽気で情熱的な青年だが、内戦勃発後、代理母アスカと出会ってから人間性が激変してしまう。すべての対比が鮮烈で、深い意味を持っているのだ。ストーリーは、青春の日々をたどる現在のジェンマが、ディエゴが激変しピエトロが誕生した事実に隠された“真実”を知るというミステリー仕立てである。最後の最後にある人物から語られるその過去とバラの花のタトゥーの意味は、胸がえぐられるような衝撃を覚えた。思わず目をそむけたくなるシーンもあるが、暴力の痕跡を消すのは愛の力しかないとの強いメッセージを感じる。大学生時代から老けメイクを施した母親まで演じきったペネロペ・クルスの熱演が見事。国際的なスターも出演するが、日本では無名に近いボスニア人俳優ハスコビッチやトルコ人女優アクソイもまた素晴らしい。
【70点】
(原題「VENUTO AL MONDO/TWICE BORN」)
(イタリア・スペイン/セルジオ・カステリット監督/ペネロペ・クルス、エミール・ハーシュ、アドナン・ハスコヴィッチ、他)
(衝撃度:★★★★☆)
チケットぴあ

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ←ランキング参加中です!

人気ブログランキング←この記事が気に入ったらポチッとクリックお願いします(^o^)

ある愛へと続く旅@ぴあ映画生活

イントゥ・ザ・ワイルド

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]
若者が欲するピュアな孤独を描いた秀作。大学卒業と同時に家族や金銭、車を捨てて、真の自由を求めてアラスカの荒野を目指す青年クリスが、彷徨の果てに悲劇的な最期を迎えるまでを静かにつづる。一歩間違えば甘ったれた青年のドジな物語なのだが、若さとはいつも必要以上に純粋なもの。主人公は自然そのものに精神の自由を見た。ただ、文明を否定する彼が、日記や写真という記録を残す行為で文明化されたのは皮肉に思える。ストイックな視点と苦味が強く超低温な演出が監督ショーン・ペンの持ち味だ。これは彼の理想で、今も追い求めているスピリッツなのだろう。
【75点】
(原題「INTO THE WILD」)
(アメリカ/ショーン・ペン監督/エミール・ハーシュ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウィリアム・ハート、他)
(映像美度:★★★★☆)

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

映画レビュー「スピード・レーサー」

スピード・レーサー 特別版 (2枚組) [DVD]スピード・レーサー 特別版 (2枚組) [DVD]
◆プチレビュー◆
VFX全開で描く驚異の映像世界。俳優たちの戯画的なキャラがアニメを連想させ楽しめる。 【60点】

 愛車“マッハ5”を操るスピードは、怖いもの知らずの天才レーサー。かつてレース中の事故で命を落とした兄は目標であり誇りだ。だが、レース界の陰謀に巻き込まれたスピードは、兄の命を奪った超難関ラリーに挑むことに…。

 ウォシャウスキー兄弟が最も影響を受けたと明言する日本のアニメーション。中でもタツノコプロの和製TVアニメ「マッハGoGoGo」は、ラリーとアンディの二人が最初に見た日本アニメとあって、今回の実写映画化にあたっての気合は半端じゃないはずだ。彼らの思い入れは先鋭的なVFXとなって、レーシングワールドを変幻自在のイリュージョン世界へと作り変えた。

 天才レーサーが数々の困難を克服して勝利へと至る物語は、いたってシンプル。自分はなぜ走るのかと一応悩んでみせるが、そんなものは“好きだから”に決まっている。家族の支えと悪の組織との対決もお約束通りだ。単純極まりないが、才能ある兄弟監督は、この映画の核をストーリーに置いてはいない。

 ウォシャウスキー兄弟は、本作でVFXによる驚きの映像を創造することに全力を傾けた。高解像度デジタル・スチール・カメラで撮った風景を、後からつなげて360度のパノラマを展開し、「マトリックス」で確立した撮影技術バレット・タイムを、さらに進化させたレーサー・タイムを披露。最も力を入れたというレースシーンは、革新的でド派手なヴィジュアルだ。目が眩みそうな極彩色の映像は、五感すべてを刺激するだろう。特に氷のコースの疾走感はエクスタシーを感じさせた。そんな映像の中では、極端にデフォルメされた俳優たちのカリカチュア的演技こそが活きる。クリスティーナ・リッチなど、漫画チックなルックスがハマりすぎて、もはや生身に見えないほどだ。実写とアニメの融合を謳った“ライブ・アクション・カートゥーン”は、まだ改善の余地があるが、この作品が21世紀の映像革命のスタートではなかろうか。

 とはいえ、意図的にシンプルに徹したファミリー・アドベンチャーは、お子様向けで、好感は持ててもあまりに他愛無い。斬新な映像に哲学的なストーリーを組み合わせた「マトリックス」は、エポック・メイキングな映画だったが、クリエーターが同じだけに、本作に大人を引き込むカリスマ性がないのは寂しい。日本アニメへのオマージュにしては真田広之の役に物足りなさが漂うし、135分と無駄に長尺なのも欠点を露呈した。

 それでもこの作品のワクワク感は否定できない。眼精疲労に耐えて迎えたラストのカタルシスはやっぱり格別だ。エンドロールに流れるヒップホップ風の主題歌には、なんとちょっぴり日本語が!思わず口ずさみたくなる親しみやすいメロディは、きっと記憶に残るはずだ。大スクリーンにはじけるポップアートのような映像の中で、視覚的快楽に身を任せるのも時には悪くない。

(シネマッシモ評価:★5つが満点)カラフル度:★★★★★

□2008年 アメリカ映画 原題「SPEED RACER」
□監督:ウォシャウスキー兄弟
□出演:エミール・ハーシュ、クリスティーナ・リッチ、 スーザン・サランドン、他

人気ブログランキング用バナー

←この記事が気に入ったら、ポチッとクリックしてもらえると嬉しいです\(^o^)/

シネマッシモにようこそ
◇ シネマッシモについて ◇

このブログが気に入ったら、ポチッとクリックお願いします♪
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

映画レビュー用BRバナー
インフォメーション


映画ライター渡まち子が趣味で運営するセカンド・ブログ「映画の中に猫がいる」もよろしく!【猫目線】で語る映画評で、のんびり、まったり更新中です(笑)。 猫好きの方、映画好きの方、ぜひ遊びにきてください!
こちらからどうぞ!
おすすめ情報
作品検索はこちら
Google
WWW を検索
このブログ内を検索
コメント(承認済)
映画レビュー(長文)索引

    
    
    
    
    
    
    
  
    

A−Z
0−9
カテゴリ
お仕事受注
映画評やコラムの執筆、講演など、映画に関する仕事を承ります。連絡はメールでお気軽にどうぞ。

 メールはこちらから↓
cinemassimo555★jcom.home.ne.jp
(★を@に変更して下さい)

執筆やラジオ出演など、メールと電話で対応可能な場合は、全国から仕事を受注していますので、まずはお問合せください。
プロフィール
プロフィール more
◆ペンネーム:渡まち子
◆映画ライター、映画評論家
◆こんなお仕事やってます:
新聞、雑誌、インターネットで、映画評、映画コラム、DVD紹介などを執筆。他にも、映画コメンテーターとしてラジオ出演、大学での公開講座や企業主催の映画セミナーなど、映画に関する幅広い仕事をこなしながら活動中です。
◆青山学院文学部史学科卒業。西洋史が専攻で、卒業論文はベネチア史。学んだことを生きている間に有効に活かせるのだろうか…と、かなり心配。
◆エトセトラ:
古今東西の映画をこよなく愛す、自他ともに認めるシネフィル(映画狂)です。時に苦言を呈すこともあるその映画批評の基本は、映画へのあふれる愛情と自負しています。どんなダメ映画でも必ずひとつはあるイイところを発見するのが得意技。大のサッカー好きで、欧州リーグからJリーグまでTPOに合わせて楽しんでます。
おすすめ情報
おすすめ情報

おすすめ情報

楽天市場
おすすめ情報

Archives
当サイトはリンクフリーです
★相互リンクは設けておりませんが、当サイトはリンクフリーなので自由にリンクしてください。リンクの報告は基本的に不要です。
リンクについて

  ↑ 必ずお読みください。
タグクラウド
  • ライブドアブログ